早産児

執筆者:Arcangela Lattari Balest, MD, University of Pittsburgh, School of Medicine
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 修正済み 2025年 2月
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在胎37週未満で出生した児は早産児とみなされる。

米国において2023年には,出生のうち10.4%が早産であり,29.8%が早期正期産であった(2021年の28.8%から有意に増加)(1)。2020年には世界全体で早産は推定1340万件であった(2)。早産児は,一部の正期産児と同じ大きさとなる後期早産児でさえも,その未熟性ゆえに,正期産児と比べて罹病率および死亡率が高くなっている。

未熟性は出生時点での在胎期間により定義される。

かつては,体重2.5kg未満の新生児であれば全て早産児とされていた。早産児は小さい傾向にあるが,正期産や過期産でも2.5 kg未満で生まれる場合も多く,この場合は在胎不当過小となるため,体重を基準としたこの定義はしばしば不正確である。

在胎期間

新生児の在胎期間の標準的な定義は,妊婦の最終正常月経の初日から分娩日までの週数とされている。最終月経による在胎期間の定義は,胎児の成熟を議論する上で産科医および新生児専門医が用いる世界共通の基準であるが,胎児の発育週数を示す正確な指標ではない。これは,排卵や受胎が月経周期の半ばに起こることから,在胎期間を受胎の約2週間前を起点として数えるためである。また,妊婦の月経が不規則な場合,最終月経に基づく在胎期間の決定はさらに不正確になることがある。

在胎37週より前に出生した場合は早産児とみなされる。世界保健機関(World Health Organization:WHO)は,さらに早産児を以下のように分類している(3):

出生体重

早産児は,正期産児と比べて体格が小さい傾向にある。Fenton成長曲線によって在胎期間に対するより正確な発育評価が可能である(早産男児のFenton成長曲線および早産女児のFenton成長曲線の各図を参照)。

早産児は出生体重により分類される:

  • 1000g未満:超低出生体重児(ELBW)

  • 1000~1499g:極低出生体重児(VLBW)

  • 1500~2500g:低出生体重児(LBW)

総論の参考文献

  1. 1.Martin JA, Hamilton BE, Osterman MJ: Births in the United States, 2023.NCHS Data Brief, no. 507.Hyattsville, MD.National Center for Health Statistics.2024.

  2. 2.Ohuma EO, Moller AB, Bradley E, et al.National, regional, and global estimates of preterm birth in 2020, with trends from 2010: a systematic analysis [published correction appears in Lancet. 2024 Feb 17;403(10427):618. doi: 10.1016/S0140-6736(24)00267-8]. Lancet.2023;402(10409):1261-1271.doi:10.1016/S0140-6736(23)00878-4

  3. 3.Quinn JA, Munoz FM, Gonik B, et al.Preterm birth: Case definition & guidelines for data collection, analysis, and presentation of immunisation safety data.Vaccine.2016;34(49):6047-6056.doi:10.1016/j.vaccine.2016.03.04512

未熟性の病因

早産は以下のいずれかに分類される:

  • 産科的リスクまたは合併症を適応とするもの

  • 切迫早産に起因して自然に始まったもの

産科的リスクまたは合併症

American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)は,合併症を伴う多胎妊娠妊娠高血圧腎症前置胎盤/癒着胎盤前期破水などの病態において,後期早産期での分娩を推奨している(1)。

ACOGは,合併症を伴う多胎妊娠の選択された症例では,32週という早期での分娩を推奨している。32週より早期での亜選択的な分娩は,重度の母体および/または胎児合併症の管理を目的としてケースバイケースで行われる。

自然早産

個々の患者において,自然早産には明らかな直接的誘因(例,感染[羊膜感染および妊娠中の感染症を参照],常位胎盤早期剥離)がみられる場合もあれば,みられない場合もある。多くの危険因子がある(2):

産科または婦人科歴:

現在の妊娠に関連する産科的危険因子:

多胎妊娠は早産の重要な危険因子である。2018年の米国では,双胎の60%,品胎以上の多胎妊娠では98%超が早産となった。これらの乳児の多くは在胎34週未満で出生し,その割合は双胎では20%,品胎では63%,四胎以上では80%超であった(4)。

生活習慣上のまたは人口統計学的な危険因子:

これらの生活習慣的または人口統計学的な危険因子の一部が,それらが他の危険因子(例,栄養状態,医療アクセス)に及ぼす影響とは独立して,どの程度の寄与をもつかは明らかでない。

病因論に関する参考文献

  1. 1.American College of Obstetricians and Gynecologists’ Committee on Obstetric Practice, Society for Maternal-Fetal Medicine: Medically Indicated Late-Preterm and Early-Term Deliveries: ACOG Committee Opinion, Number 831. Obstet Gynecol 138(1):e35-e39, 2021.doi: 10.1097/AOG.0000000000004447

  2. 2.National Institute of Child Health and Human Development: What are the risk factors for preterm labor and birth?Accessed October 6, 2023.

  3. 3.Saccone G, Perriera L, Berghella V: Prior uterine evacuation of pregnancy as independent risk factor for preterm birth: A systematic review and metaanalysis. Am J Obstet Gynecol 214(5):572-591, 2016.doi: 10.1016/j.ajog.2015.12.044

  4. 4.Martin JA, Hamilton BE, Osterman MJK, Driscoll AK.Births: Final Data for 2018. Natl Vital Stat Rep.2019;68(13):1-47.

未熟性による合併症

未熟性による合併症の発生率および重症度は,在胎期間および出生体重が少なくなるほど上昇する。一部の合併症(例,壊死性腸炎,未熟児網膜症,気管支肺異形成症,脳室内出血)は後期早産児(34週~36週6日)ではまれである。

大半の合併症は未熟な器官系の機能不全に関係する。合併症が完全に消失する例もあれば器官機能障害が残存する例もある(1)。

中枢神経系

中枢神経系合併症には以下のものがある:

在胎34週未満で出生した新生児は吸啜反射と嚥下反射の協調が不十分であり,静注または経管栄養によって栄養を与える必要がある。経口栄養の開始時期は,哺乳運動完了の徴候が乳児にみられること,生理的に安定していること,および高度な呼吸補助(例,人工呼吸器,高流量経鼻酸素カニューラ,持続陽圧呼吸療法[CPAP])を必要としないことに基づく。哺乳運動完了の徴候の評価は,月経後胎齢(postmenstrual age)32週を過ぎるまで開始しない。

脳幹の呼吸中枢の未熟性により無呼吸発作を起こす(中枢性無呼吸)。また,無呼吸は下咽喉閉塞単独で生じることもある(閉塞性無呼吸)。両方が存在することがある(混合性無呼吸)。

脳室周囲の胚芽層(胎児の側脳室側壁の尾状核上を覆う,胚性細胞の密集塊)は出血しやすく,これが脳室まで広がることがある(脳室内出血)。低血圧,不十分または不安定な脳血液灌流,血圧の急上昇(輸液またはコロイドを急速静注した場合など)といった,脳梗塞または脳出血に寄与しうる因子の複雑な相互作用により,脳室周囲白質部の梗塞(脳室周囲白質軟化症)も生じることがある。脳室周囲白質部の損傷は,脳性麻痺および神経発達遅滞の主要な危険因子である。

早産児,特に敗血症壊死性腸炎,低酸素症,脳室内および/または脳室周囲出血,脳室周囲白質軟化症の既往がある早産児では,発達および認知機能に遅れが生じるリスクがある(小児の発達も参照)。このような乳児は聴覚,視覚,および神経発達に関する遅延を同定するため生後1年間は綿密なフォローアップを必要とする。発達のマイルストーン,筋緊張,言語能力,および成長体重身長,および頭囲)に細心の注意を払わなければならない。視覚に遅延が認められた乳児は,小児眼科医に紹介すべきである。聴覚および神経発達に遅延(筋緊張増加および異常な防御反射など)を認める乳児またはこれらの遅延のリスクがある乳児は,理学療法,作業療法,および言語療法を提供する早期介入プログラム,小児のリハビリテーションの専門家,またはその両方に退院前に紹介すべきである。重度の神経発達障害を有する乳児は,小児神経科医または神経発達を専門とする小児科医への紹介も必要となりうる。

眼合併症としては以下のものがある:

網膜の血管形成は満期近くまで完了しない。早産およびそれに必要な治療(例,酸素投与)は正常な血管形成過程を妨げることから,血管の発達異常,およびときに失明を含む視野欠損が発生する。酸素投与量は,目標酸素飽和度の90~95%まで漸減すべきである(新生児の酸素飽和度の目標の表を参照)。ROPの発生率は在胎期間に反比例する。疾患は通常,在胎32週から34週の間に発現する。

ROPは,その重症度に応じて以下のように分類される(2):

  • 境界線(demarcation line)。網膜の正常に血管が形成された領域と血管のない周辺部網膜の間に白色の境界線が形成される。

  • 第2期:視認可能な隆起(visible ridge)。血管のある網膜領域と周辺部網膜の間にある境界線が隆起構造に変化する。

  • 第3期:隆起内の血管増殖(blood vessels in the ridge)。隆起部で血管が増殖し,視認可能になる。

  • 第4期:網膜部分剥離(sub-total retinal detachment)。硝子体網膜手術を考慮すべき段階である。

  • 第5期:網膜全剥離(total retinal detachment)。治療可能な症例はまれである。

黄斑に近いROPほど進行する可能性が高い(3)。

ROPの重症化を防ぐための戦略が評価されている(4)。

近視および斜視の発生率はROPとは関係なく上昇する。

感染

感染性合併症としては以下のものがある:

敗血症または髄膜炎は,早産児において約4倍発生しやすく,極低出生体重児では約25%の頻度で発生する。このリスク増大は,血管内カテーテルや気管内チューブの留置,皮膚の破綻,および血清免疫グロブリン値の著明な低下によるものである(新生児の免疫機能を参照)。

肺合併症としては以下のものがある:

サーファクタント産生が肺胞虚脱および無気肺を防ぐには不十分であることが多く,結果,呼吸窮迫症候群が引き起こされる(以前は肺硝子膜症と呼ばれていた)。生後1週の間に他の多くの因子が呼吸窮迫に寄与しうる。

原因にかかわらず,超早産児および極早産児の多くに呼吸窮迫が持続してみられ,継続的な呼吸補助が必要である。数週間かけて補助からの離脱に成功する新生児もいるが,慢性肺疾患(気管支肺異形成症)を発症し,高流量鼻カニューレ,持続陽圧呼吸(CPAP)もしくはその他の非侵襲的換気補助,または機械的人工換気を用いた長期にわたる呼吸補助が必要な乳児もいる。呼吸補助は室内気または酸素投与による場合がある。酸素投与が必要な場合,目標酸素飽和度の90~95%を維持できる最低酸素濃度を用いるべきである(新生児の酸素飽和度の目標値の表を参照)。

慢性肺疾患の乳児には,RSウイルス(RSV)に対するニルセビマブの予防投与が重要である。ニルセビマブが入手できない状況でのみパリビズマブを使用すべきである。

さらに,American College of Obstetricians and Gynecologistsは,RSV流行期に出産が予想される場合には,乳児におけるRSVによる下気道感染症を予防するため,妊娠32週0日から36週6日の間での母体へのRSVワクチン接種を推奨している(5)。

消化管

消化管合併症としては以下のものがある:

  • 哺乳不良(feeding intolerance),誤嚥のリスク増大を伴う

  • 壊死性腸炎

早産児は胃が小さく,吸啜反射および嚥下反射は未熟であり,胃および腸管運動が不十分であるため,哺乳不良(feeding intolerance)がみられることが極めて多い。このような因子により経口栄養および経鼻胃管栄養への耐容能が共に妨げられ,誤嚥リスクが生じる。哺乳耐容(feeding tolerance)は,通常は経時的に増す。

壊死性腸炎は通常,血便,哺乳不良(feeding intolerance),ならびに腹部の膨隆および圧痛で発症する。壊死性腸炎は,早産児において最も頻度が高い外科的緊急事態である。新生児壊死性腸炎の合併症として,気腹症を伴う腸穿孔,腹腔内膿瘍形成,狭窄形成,短腸症候群,敗血症,および死亡などがある。

心臓

早産児における構造的先天性心疾患の全体の発生率は低い。最もよくみられる心合併症は以下の通りである:

早産児では出生後に動脈管が閉鎖しない可能性が高い。PDAの発生率は未熟性が高いほど上昇し,出生体重が1750g未満の乳児の約半数,および1000g未満の乳児の約80%に起こる。PDA患児の約3分の1から2分の1に,ある程度の心不全がみられる。在胎29週以下で出生した呼吸窮迫症候群のある早産児では,症候性PDAのリスクは65~88%である。

在胎30週以上で出生した乳児の場合,退院までに98%で動脈管が自然閉鎖する。

腎臓

腎合併症としては以下のものがある:

腎機能が限られているため,尿の濃縮および希釈限度が低い。

未熟な腎臓が,高タンパク質人工乳の利用や骨成長の結果として蓄積する固定酸を排泄できず,代謝性アシドーシスおよび発育不全が遅れて起こることがある。ナトリウムおよび重炭酸イオンの尿中喪失がみられる。

代謝

代謝性合併症としては以下のものがある:

  • 低血糖および高血糖

  • 高ビリルビン血症

  • 代謝性骨疾患(未熟児骨減少症)

  • 先天性甲状腺機能低下症

新生児低血糖および新生児高血糖症については,本マニュアルの別の箇所で考察されている。

早産児では正期産児と比べて高ビリルビン血症がみられる頻度が高く,疾患を有する低体重の早産児では血清ビリルビン値が10mg/dL(170μmol/L)という低値でもビリルビン脳症(以前は核黄疸として知られていた)が起こりうる。ビリルビンの高値は,一部には,血清から肝へのビリルビンの取込み,肝でのビリルビンジグルクロニドへの抱合,および胆道系への排泄が全て不十分であるなど,子宮外での生活のための肝の排泄機構が十分に発達していないことによる。腸管運動が弱いため,より多くのビリルビンジグルクロニドが腸内酵素であるβグルクロニダーゼによって腸管内腔で脱抱合され,非抱合型ビリルビン再吸収の増加につながる(ビリルビンの腸肝循環)。逆に,早期の哺乳により腸管運動が亢進しビリルビン再吸収が減少するため,生理的黄疸の頻度や重症度が大いに低下しうる。まれに,臍帯結紮を遅らせることにより(いくつかの便益をもたらし,一般に推奨されている),赤血球が移行してしまうことで赤血球崩壊とビリルビン産生が亢進し,高ビリルビン血症のリスクが高まる可能性がある。

骨減少症を伴う代謝性骨疾患はよくみられ,特に超早産児でその傾向がある。カルシウム,リン,およびビタミンDの摂取が不十分であることと,利尿薬およびコルチコステロイドの投与による増悪が原因である。母乳中のカルシウムおよびリンも不十分であるため,強化すべきである。カルシウムの腸管吸収を最適化し,尿中排泄をコントロールするためにビタミンDの補給が必要である。

先天性甲状腺機能低下症は,サイロキシン(T4)の低値と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の上昇を特徴とし,早産児では正期産児と比べてはるかに頻度が高い。出生体重が1500g未満の乳児では,TSHの上昇が数週間遅れる場合があるため,発見のためにスクリーニングを繰り返すことが必要となる。一過性低サイロキシン血症は,T4の低下および正常なTSH値を特徴とし,超早産児において非常に頻度が高い;レボチロキシンによる治療は有益ではない(6)。

体温調節

体温調節関連の最も多い合併症は以下のものである:

早産児の体表面積は,体の体積と比して極めて大きい。したがって,中性温度環境(neutral thermal environment)より低い温度に曝露すると,急速に熱を失い,体温の維持が困難となる。中性温度環境とは,正常な体温(36.5~37.5℃,直腸温)を維持する代謝要求(したがってカロリー消費量も)が最小となる環境温度である。

合併症に関する参考文献

  1. 1.Stewart DL, Barfield WD; COMMITTEE ON FETUS AND NEWBORN.Updates on an At-Risk Population: Late-Preterm and Early-Term Infants. Pediatrics.2019;144(5):e20192760.doi:10.1542/peds.2019-2760

  2. 2.Molinari A, Weaver D, Jalali S.Classifying retinopathy of prematurity. Community Eye Health.2017;30(99):55-56.

  3. 3.Fleck BW, McIntosh N.Retinopathy of Prematurity: Recent Developments. Neoreviews. 2009;10(1):e20–e30. doi:10.1542/neo.10-1-e20

  4. 4.Raghuveer TS, Zackula R.Strategies to Prevent Severe Retinopathy of Prematurity: A 2020 Update and Meta-analysis. Neoreviews.2020;21(4):e249-e263.doi:10.1542/neo.21-4-e249

  5. 5.American College of Obstetricians and Gynecologists: Practice Advisory: Maternal Respiratory Syncytial Virus Vaccination.2023.Accessed November 21, 2024.

  6. 6.Wassner AJ, Brown RS.Hypothyroidism in the newborn period.Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes.2013;20(5):449–454.doi:10.1097/01.med.0000433063.78799.c2

未熟性の診断

  • 妊娠・分娩歴および出生後の身体的パラメータ

  • 胎児超音波検査

  • 合併症のスクリーニング検査

未熟性の診断は,在胎期間の最善の推定値に依存する。新生児の在胎期間は通常,母体の最終正常月経の初日から分娩日までの週数によって定義される。しかしながら,月経周期が不規則な妊婦では,最終月経に基づく在胎週数の産出が不正確になる可能性がある。あるいは,排卵検査や生殖補助医療が用いられた場合には,受胎日が概ねないし正確に判明していることがある。また,妊娠中の最初の胎児超音波検査の結果が最終月経日に基づく週数と大きく乖離している場合には,在胎期間の推定値が修正されることがある。分娩後には,新生児の身体所見によっても在胎期間を推定できるが,これはNew Ballardスコアにより確定できる。

特定された異常や疾患に対する適切な検査に加えて,ルーチンに行う評価として,パルスオキシメトリー,血算,電解質,ビリルビン値,血液培養,血清カルシウム,アルカリホスファターゼ,およびリン値(未熟児骨減少症のスクリーニングのため),聴覚検査,頭部超音波検査(脳室内出血および脳室周囲白質軟化症のスクリーニングのため),眼科医による未熟児網膜症のスクリーニング(在胎週数に応じて実施)などが挙げられる。体重を毎日測定して,成長曲線上にプロットすべきである。身長と頭囲を週1回の頻度で測定して,該当する成長曲線にプロットすべきである。水頭症が懸念される場合は,頭囲をより頻回に,ときには毎日測定すべきである。

在胎期間が長い新生児と同様に,ルーチンの新生児スクリーニング検査を生後24時間および48時間で行う。正期産児とは異なり,早産児,特に超早産児では偽陽性率が高い(1)。いくつかのアミノ酸の軽度高値とアシルカルニチンプロファイルの異常は一般的であり,17-ヒドロキシプロゲステロンの軽度高値とサイロキシン(T4)の低値(典型的には甲状腺刺激ホルモン値は正常)がしばしばみられる。超早産児および極早産児では,先天性甲状腺機能低下症が遅れて顕在化するリスクがあり,定期的なスクリーニングを行うべきである。

しばしば他の理由で施行されたX線から,骨減少症および/または想定外の骨折の所見が得られることがある。DXAおよび超音波検査による定量的スキャンにより骨減少症が発見される場合があるが,これらは広くは用いられていない。

診断に関する参考文献

  1. 1.Clark RH, Kelleher AS, Chace DH, Spitzer AR: Gestational age and age at sampling influence metabolic profiles in premature infants.Pediatrics 134(1):e37–e46, 2014.doi: 10.1542/peds.2014-0329

早産児,極早産児,および超早産児

早産児とは,在胎37週未満で出生した児である。極早産児は28週0日~31週6日である。超早産児は28週未満である。

合併症

早産児の合併症の発生率および重症度は,在胎期間および出生体重が少なくなるほど上昇する。一部の合併症(例,壊死性腸炎未熟児網膜症気管支肺異形成症脳室内出血)は,主に34週未満で出生した児に生じる。

症状と徴候

早産児は小さく,通常は2.5kg未満であり,薄くてつやのあるピンク色の皮膚で,皮下の静脈が容易に見える傾向がある。皮下脂肪,毛髪,耳介軟骨はほとんど存在しない。自発運動や筋緊張は少なく,四肢は正期産児に典型的な屈曲位に保持されない。

男児においては,陰嚢はほとんどしわをもたず,精巣は下降していない場合がある

女児においては,大陰唇はまだ小陰唇を覆っていない。在胎期間によっては,乳輪が視認できない場合があり,また乳頭結節(nipple bud)が触知されないこともある。

反射は在胎中の様々な時期に発達する。Moro反射は在胎28~32週までに始まり,37週までには十分に確立される。手掌反射は28週に始まり,32週までには十分に確立される。緊張性頸反射は35週に始まり,満期後1カ月で最も顕著である。

評価

  • 新生児集中治療室(NICU)でのモニタリング

  • 合併症のスクリーニング

NICUでのモニタリングおよびスクリーニング

一連の身体診察は児の経過のモニタリングおよび新たな問題(例,呼吸の問題,黄疸)の検出において重要である。体重に基づいた薬剤の用量および哺乳を最適化するため,頻繁な体重評価が必要である。

  • 発育および栄養:体重は注意深くモニタリングすべきであり,細胞外容積の減少がみられる生後最初の数日間には特に注意する;重度の高ナトリウム血症を伴う脱水が発生することがある。体重は可能であれば毎日評価すべきである;身長,および頭囲を毎週評価し,該当する成長曲線にプロットすべきである。

  • 電解質バランス:血清電解質,グルコース,カルシウム,およびリンの濃度は定期的に測定する必要があり,特に児が輸液および/または静脈栄養を受けているとき(例,極早産児および超早産児),および生後数日間にみられる尿量増加時はこれに該当する(新生児における代謝,電解質,および中毒性障害も参照)。

  • 呼吸状態:パルスオキシメトリーのほか,ときに経皮的または呼気終末PCO2を持続的にモニタリングする;動脈血ガスまたは毛細血管の血液ガス検査は必要に応じて行う(新生児における呼吸の問題も参照)。

  • 無呼吸および徐脈:呼吸循環モニタリングは通常,退院近くまで継続される。

  • 血液学的異常:血算,網状赤血球数,および白血球分画を最初に測定し,よくみられる異常を検出するために定期的に測定する(周産期血液疾患も参照)。

  • 高ビリルビン血症:この疾患の検出およびモニタリングのため,経皮的および/または血清ビリルビン濃度を測定する。

  • 全身性感染症:新生児敗血症の早期発見を容易にするため,血算と目視法による白血球分画,C反応性タンパク(CRP)の測定,血液培養,およびときにプロカルシトニン値の測定がしばしば行われる。

  • 中枢神経系感染症:腰椎穿刺は典型的に,感染および/または痙攣の明らかな徴候,血液培養陽性,または抗菌薬に反応しない感染症がみられる乳児に限定される。

  • 脳室内出血(IVH):頭部超音波検査によるスクリーニングは,32週未満で出生した早産児およびそれより在胎週数が長く,経過が複雑な早産児(例,既知のIVH,心肺系および/または代謝が不安定)で生後7~10日に適応となる。

超早産児では脳室内出血は,臨床的に無症状の場合があり,これらの乳児ではルーチンの頭部超音波検査が推奨される。IVHの発生率は在胎期間が長くなるに従い減少するため,32週以降に出生した早産児におけるルーチンのスクリーニングは,重大な合併症がない限り有用とは考えられていない。多くのIVHは生後1週目に発生するため,臨床的に出血が示唆されない限り,生後7~10日で検査を行うことで最大の成果が得られる。超早産児には脳室周囲白質軟化症のリスクがあり,これはしばらく経過してから発生するため(出血を伴うことも伴わないこともある),生後6週で頭部超音波検査を行うべきである。中等度から重度の出血がある乳児は,水頭症の検出およびモニタリングのために頭囲測定と定期的な頭部超音波検査によりフォローアップすべきであるが,軽微な出血のみの乳児に対して,臨床適応なく画像検査を繰り返すことは無益である(1)。ただし,出血がみられる乳児には神経発達の綿密なフォローアップが推奨される。

以降のスクリーニング

未熟児網膜症のスクリーニングは,1500g以下または在胎期間30週以下で出生した乳児に,また,これより体重が重く成熟していた乳児でも臨床経過が不安定な場合に推奨される。乳児の在胎期間に基づいたスケジュールに従って初回の検査を行う(未熟児網膜症のスクリーニングの表を参照)。検査は通常,初回の検査所見に応じて1~3週間の間隔を空けて繰り返し,網膜が成熟するまで継続する。これらのフォローアップ検査の一部は,乳児の退院後に行われる。経験豊富な検者がルーチンに対応できない場所に乳児がいる場合は,網膜デジタル画像を撮影し,遠隔で共有することができる。いずれは,専門医による対応が可能な場所に乳児を連れていくべきである。

表&コラム

評価に関する参考文献

  1. 1.Kaeppler C, Switchenko N, DiGeronimo R, Yoder BA: Do normal head ultrasounds need repeating in infants less than 30 weeks gestation? J Matern Fetal Neonatal Med 29(15):2428-2433, 2016.doi: 10.3109/14767058.2015.1086741

早産児の治療

  • 支持療法

具体的な疾患があれば,本マニュアルの別の箇所で論じているように治療する。

早産児に対する全般的な支持療法は,NICUまたは新生児特別治療室で施すのが最善であり,サーボ制御の保育器を使用し,温度環境への細心の注意を必要とする。全患者との接触前後に,手洗い実行を徹底厳守する。在胎35週まで絶えず,無呼吸,徐脈,および低酸素血症に関して新生児のモニタリングを行う。

親は,児の医学的状態が許す範囲で,可能な限り児との面会および交流を勧められるべきである。親子の接触(skin-to-skin contact)ケア(カンガルーケア)は,乳児の健康にとって有益であり,親との絆を強める。カンガルーケアは,乳児が呼吸器および輸液による管理を受けている場合も実行可能で安全である。

哺乳

哺乳は,在胎34週前後に吸啜,嚥下,および呼吸の統合が確立されるまでは経鼻胃管を介する必要があり,その後は母乳栄養が強く勧められる。大半の早産児は母乳(牛乳を原料とする人工乳にはない免疫因子および栄養因子を供給する)に耐容性を示す。しかしながら,母乳は極低出生体重児(すなわち,1500g未満)に十分なカルシウム,リン,およびタンパク質を供給しないため,母乳に母乳強化剤を混合する必要がある。代わりに,20~24kcal/oz(0.7~0.8kcal/mL,2.8~3.3J/mL)の早産児用人工乳を使用することもできる。

最初の1~2日は,乳児の状態が原因で経口または経鼻胃管によって十分な水分およびカロリーが与えられない場合,脱水や低栄養を予防するためにタンパク質,ブドウ糖,および脂肪を含めた静脈栄養を与える。経鼻胃管を介した母乳または人工乳投与により,小さく病的な早産児,特に呼吸窮迫または無呼吸発作の反復がみられる早産児において,十分なカロリー摂取が維持できる。哺乳は消化管を刺激するため,少量(例,1~2mLを3~6時間毎)から開始する。耐容性を示せば,7~10日間かけて哺乳量および濃度を徐々に増やす。極めて低体重または重症(critically sick)の乳児には,十分な経腸栄養に可能になるまでの間,末梢静脈ラインまたは経皮的もしくは外科的に留置された中心静脈カテーテルを介した静脈栄養が長期間にわたり必要になる場合がある。

退院

早産児は典型的には,医学的問題が十分にコントロールされ,以下の状態になるまで入院したままとする:

  • 特別な補助なしに十分な量の人工乳および/または母乳を摂取している

  • 体重が着実に増加している

  • ベビーベッドで正常体温を維持できている

  • 介入を必要とする無呼吸および徐脈がみられなくなっている

多くの早産児は,在胎期間で35~37週となり,かつ体重が2~2.5kgになれば,退院可能な状態にある。ただし,これには大きな個人差がある。早期に退院できる乳児もいれば,長期の入院が必要な乳児もいる。入院期間の長さは,長期予後に影響しない。

早産児は,退院前に仰臥位睡眠へ移行させるべきである。親には,予測不能な乳児突然死(SUID)のリスク増大と関連がある,毛布,キルト,枕,およびぬいぐるみなどのふわふわした物体をベビーベッドから取り除くよう指導するべきである。

早産児はチャイルドシート使用時に無呼吸,酸素飽和度の低下,および徐脈が起きるリスクがあるため,American Academy of Pediatricsは現在,退院前に全ての早産児に対し,退院後に使用するチャイルドシートに90~120分座らせた状態で酸素飽和度のモニタリングを行うことを推奨している。しかしながら,この検査の合否については合意の得られた基準が存在せず,Canadian Paediatric Society(CPS)の報告では,このチャイルドシート試験は再現性に乏しく,死亡や神経発達遅延のリスクを予想できなかったことが明らかにされた。そのため,CPSは退院前のルーチンの試験実施を推奨していない(1)。チャイルドシート試験に関する懸念を考慮すると,新たに退院する早産児を車に乗せて移動する際の常識的なアプローチは,予定日になり,かつ乳児がチャイルドシートに確実に耐えられるようになるまで,チャイルドシートに乗せて移動する間は運転していない大人が絶えず監視するというものである。乳児の皮膚色を観察する必要があるため,親は移動を日中に限定することを考慮すべきであり,また長時間の移動の際には,乳児をチャイルドシートから下ろして姿勢を変えられるよう,45~60分毎に休憩を入れることを考慮すべきである。

調査では多くのチャイルドシートが最適に取り付けられていないことが分かっており,資格をもつチャイルドシート点検者によるチャイルドシートの点検が勧められている。米国内で点検を受けられる場所は,National Highway Traffic Safety Administration(米国国家道路交通安全局)を通じて見つけることができる。点検サービスを提供している病院もある。チャイルドシートの取付けに関するアドバイスは,有資格のチャイルドシートの専門家によってのみ行われるべきである。

American Academy of Pediatricsは,チャイルドシートは車での移動のためのみに使用すべきで,乳児用椅子やベッドとして使用すべきではないと勧告している(2)。

退院した超早産児および極早産児には,神経発達について綿密なフォローアップを行うほか,必要に応じて理学療法,作業療法,および言語療法を受けるための適切な介入プログラムに早期に紹介すべきである。

治療に関する参考文献

  1. 1.Narvey MR; Canadian Paediatric Society, Fetus and Newborn Committee: Assessment of cardiorespiratory stability using the infant car seat challenge before discharge in preterm infants (< 37 weeks' gestational age).Paediatr Child Health 21(3):155–162, 2016.doi: 10.1093/pch/21.3.155.Reaffirmed 2022.

  2. 2.Durbin DR, Hoffman BD; COUNCIL ON INJURY, VIOLENCE, AND POISON PREVENTION: Child Passenger Safety. Pediatrics 142(5):e20182460, 2018.doi: 10.1542/peds.2018-2460

早期産児の予後

予後は合併症の有無および重症度,または多胎出産であるかどうかによって様々であるが,通常は在胎期間および出生体重の増加に伴い,死亡率ならびに知的障害および他の合併症の可能性は大幅に低下する(超早産児における神経発達障害の表を参照)。

表&コラム
表&コラム

早産の予防

早期かつ適切な出生前ケアが全体として重要であるが,そのようなケアおよび他の介入が早産の発生率を低下させるという良好なエビデンスはない。

切迫早産の進行を抑止し,肺成熟を促進する目的で出生前にコルチコステロイドを投与するための時間を確保する手段としての子宮収縮抑制薬の使用については,本マニュアルの別の箇所で考察されている(切迫早産を参照)。

要点

  • 早産に対する多数の危険因子があるが,大半の症例に危険因子は存在しない。

  • 合併症として,低体温症,低血糖,呼吸窮迫症候群,無呼吸エピソード,脳室内出血,発達遅滞,敗血症,未熟児網膜症,高ビリルビン血症,壊死性腸炎,および哺乳不良などがある。

  • 在胎期間および出生体重の増加に伴い,死亡率および合併症の可能性は大幅に低下する。

  • 疾患を治療し体温および哺乳に関する支持療法を行う。

  • 一貫した出生前ケアを受けた妊婦では早産の発生率が低いが,出生前ケアの改善または他の介入が早産の発生率を低下させるというエビデンスはない。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. National Highway Traffic Safety Administration: Car Seat Inspection (United States)

後期早産児

在胎34週~36週6日で出生した乳児は,後期早産児とみなされる。

後期早産児の合併症

臨床医は在胎34週未満で出生する早産児のより顕著で明白な問題に着目する傾向があるが,後期早産児にも多くの同じ疾患に対するリスクがある(早産児の合併症を参照)。後期早産児は,正期産児と比べて入院期間が長く,再入院率が高く,医学的疾患の診断率も高い。大半の合併症は未熟な器官系の機能障害に関連しており,より未熟に出生した乳児にみられるもの(ただし典型的にはそれほど重症度は高くないが)と同様である。しかし,未熟性による一部の合併症(例,壊死性腸炎未熟児網膜症気管支肺異形成症脳室内出血)は後期早産児ではまれである。ほとんどの場合,合併症は完全に消失する。

後期早産児でより多くみられる合併症としては以下のものがある:

  • 中枢神経系:無呼吸エピソード(未熟児無呼吸発作を参照)

  • 消化管:吸啜および嚥下機序の成熟遅延による哺乳不良(入院延長および/または再入院の主な原因)

  • 高ビリルビン血症:肝ビリルビン代謝機序の未熟性および/またはビリルビンの腸管再吸収増加(例,哺乳困難により腸管運動が減少した場合)に起因する

  • 低血糖:貯蔵グリコーゲンの減少に起因する

  • 体温不安定:半数の新生児でいくらかの新生児低体温がみられる(体積に対する表面積比の上昇,脂肪組織の減少,および褐色脂肪による非効率な熱産生による)

後期早産児の評価

  • 合併症に対するルーチンのスクリーニング

後期早産児のケアは実際には様々であり,特にルーチンにNICU収容とする在胎期間や出生体重に関してはばらつきがある。在胎35週未満の乳児をルーチンにNICU収容にする病院もあれば,34週未満をカットオフとする病院もある。依然として,自由裁量のアプローチを採用している病院もある。児の入院場所にかかわらず,全ての後期早産児において以下を注意深くモニタリングする必要がある:

  • 体温:低体温症のリスクが高く,一部の後期早産児には保育器への収容が必要になる場合がある。児の体温をルーチンに評価すべきである。母親の病室にいる乳児の場合,室温は新生児をケアする場所の推奨温度と同程度の22.2~25.6℃(72~78°F)に維持すべきである。

  • 体重:乳児の摂取量に応じて,過度の体重減少,脱水,高ナトリウム血症がみられる場合がある。乳児の体重は毎日測定し,体重減少率を算出し,追跡すべきである。体重減少が10%を超えた場合は電解質をチェックすべきである。

  • 哺乳および摂取量:後期早産児は,母乳または哺乳瓶による哺育で哺乳不良になり,十分な哺乳ができなくなる場合がある。一般的に経鼻胃管による哺乳補助が必要であり,特に在胎34週未満の乳児でその傾向が強い。母乳が出始めるまでに1~4日かかることがあるため,ドナーミルクまたは人工乳が必要になる場合がある。児が摂取した乳の量および濡れたおむつの枚数または尿量(mL/kg/時で算出)を追跡すべきである。

  • グルコース:早期の低血糖(出生12時間以内)がよくみられるため,American Academy of Pediatricsが推奨しているように早期の授乳と生後24時間の血糖値スクリーニングを行うべきである(1)。さらに一部の専門家は,乳の摂取量不足による乳児の低血糖を検出するため,退院まで12時間毎のスクリーニングの継続を推奨している。

評価に関する参考文献

  1. 1.Committee on Fetus and Newborn, Adamkin DH: Postnatal glucose homeostasis in late-preterm and term infants.Pediatrics 127(3):575–579, 2011.doi: 10.1542/peds.2010-3851

後期早産児の治療

  • 支持療法

  • 合併症に対する特異的な治療

同定された疾患を治療する。特定の病態のない乳児では,体温および哺乳に焦点を置いて支持療法を行う。

後期早産児は深部体温を正常範囲36.5~37.5℃(97.7~99.5°F)に維持するための代謝要求がストレスになる可能性があり,この温度範囲は腋窩温で概ね36.5~37.3℃(97.7~99.1°F)に相当する。深部体温を正常範囲に維持するための代謝要求(とひいてはカロリー消費量)が最小限に抑えられる環境温度を中性温度(thermoneutral temperature)と呼ぶ。正常な深部体温は,環境温度が低くても代謝活性の亢進という代償を払って維持することができるため,深部体温が正常であることは環境温度が十分に高いことの保証にはならない。深部体温が正常範囲を超えて低下したならば,環境温度は体温調節可能域(thermoregulatory range)と呼ばれる温度より低い状態にあり,したがって中性温域(thermoneutral range)より大幅に低いということになる。臨床では,室温を22.2~25.6℃(72~78°F)に設定する,毛布をかけて母子接触(skin-to-skin contact)ケアを行う,何枚もの毛布で包む,帽子をかぶせるという対策を併用すれば,ある程度成熟した大きな後期早産児にとっての中性温度環境(thermoneutral environment)を確保できる可能性がある。あまり成熟していない小さな後期早産児には,中性温度環境を確保するために一定期間の保育器使用が必要になるのが通常である。

母乳哺育が強く推奨される。母乳は牛乳を原料とする人工乳にはない免疫因子および栄養因子を供給し,後期早産児に良好に耐容される。十分に吸啜および/または嚥下ができない乳児の場合,経鼻胃管により少量から哺乳を開始し徐々に増量すべきである。

後期早産児の予後

予後は合併症の有無および重症度により様々である。一般に,在胎期間および出生体重の増加に伴い,死亡率および合併症の可能性は大幅に低下する。

典型的には呼吸の問題は消失し,長期にわたる後遺症もみられない。無呼吸エピソードは典型的には修正週齢37~38週に達する頃に消失し,ほぼ必ず43週までに消失する。

後期早産児では,2歳時および幼稚園年齢での評価時に神経発達症(小児の発達を参照)が(正期産児と比べて)多くみられる(1)。発達のマイルストーンのモニタリングによる早期同定および遅れがみられる乳児の介入プログラムへの紹介が役立つ可能性がある。

予後に関する参考文献

  1. 1.Woythaler M: Neurodevelopmental outcomes of the late preterm infant. Semin Fetal Neonatal Med 24(1):54-59, 2019.doi: 10.1016/j.siny.2018.10.002

要点

  • 後期早産児(在胎34週~36週6日)は正期産児と同程度の大きさおよび外観を呈することがあるが,合併症リスクは高い。

  • 合併症として,低体温症,低血糖,哺乳不良,過度の体重減少,呼吸窮迫,高ビリルビン血症,および退院後の再入院の可能性上昇などがある。

  • 疾患を治療し体温および哺乳に関する支持療法を行う。

  • 神経発達の状況をモニタリングし,障害があれば対処するために適切な紹介を行う。

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