計画と準備により,旅行の医学的リスク,特に飛行機による旅行および外国旅行に伴うリスクは減少する。旅行者は,機内預け入れ荷物の到着の遅延,紛失や盗難に備えて,薬,予備の眼鏡またはその他の矯正用レンズ(加えていずれかの最新の処方箋),および補聴器用電池を機内持ち込み手荷物に入れて携帯すべきである。薬はラベルが貼られた元の容器に入れておくべきである。オピオイド,注射器または大量の薬物を携帯する必要のある旅行者は主治医から処方箋あるいは証明書を受け,警備上または税関で起こりうる問題を避ける。もし旅行者が病気になった場合に,医療記録の概要(重大な心臓病歴をもつ者は心電図を含む)は非常に重要となる。行動に支障を来す疾患(例,てんかん)をもつ旅行者や,慢性疾患のある旅行者は,医療情報を記したブレスレットまたはネックレスを身につけるべきである。