間質性肺疾患は,肺胞中隔の肥厚,線維芽細胞の増殖,コラーゲン沈着,および(疾患が進行した場合は)肺線維化を特徴とする,多様な疾患の集合である。間質性肺疾患は様々な基準によって分類しうる(例,急性か慢性か,肉芽腫性か非肉芽腫性か,原因がわかっているか不明か,肺原発性か全身性疾患に続発するものか,喫煙歴があるかないか)。
数多くの原因が存在し,ほとんどの結合組織疾患と 職業曝露 職業性喘息 職業性喘息は可逆性の気道閉塞であり,職場における数カ月から数年のアレルゲンへの感作を経て発症する。症状は,呼吸困難,喘鳴,咳嗽であり,ときに上気道のアレルギー症状がみられる。診断は職業歴に基づき,従事している活動,職場におけるアレルゲン,仕事と症状との時間的関連の評価などを行う。アレルゲンの皮膚テストおよび吸入誘発試験は専門施設で行われる... さらに読む および多くの 薬物 薬剤性肺障害 薬剤性肺障害は,単一の疾患というよりもむしろ臨床全般に及ぶ問題であり,肺疾患の既往がない患者が薬物療法に関連して,呼吸器症状,胸部X線の変化,肺機能の悪化,組織学的変化,またはこれらのうち複数の組合せを発現する病態である。150を超える薬物または薬物の種類が肺疾患を引き起こすことが報告されている;その機序はあまり分かっていないが,多くの薬... さらに読む がその中に含まれる(間質性肺疾患の原因 間質性肺疾患の原因 の表を参照)。原因不明のいくつかの間質性肺疾患は特徴的な組織像,臨床的特徴,または臨床像を示すことから,独特の疾患と考えられており,例として以下のものが挙げられる:
明らかな原因のない間質性肺疾患の患者の最大30%において,主に特徴的な病理組織学的所見によって疾患が区別されており,これらの疾患は 特発性間質性肺炎 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎(IIP)は,類似した臨床的および画像的所見を共有する原因不明の 肺間質の疾患群であり,主に肺生検における病理組織パターンにより区別される。組織学的に8つのサブタイプに分類され,その全てが程度の異なる炎症および線維化を特徴とし,いずれも呼吸困難を引き起こす。診断は,病歴,身体診察,高分解能CT,肺機能検査,および肺生検に基... さらに読む と呼ばれている。