性器出血

執筆者:Shubhangi Kesavan, MD, Cleveland Clinic Learner College of Medicine, Case Western Reserve University
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2024年 6月 | 修正済み 2024年 8月
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異常な性器出血または子宮出血の病因,診断,および管理は,生殖に関するライフステージや状況(初経前,妊娠可能年齢,妊娠,または閉経)によって異なる。ここでは,妊娠していない妊娠可能年齢の女性と閉経後女性にみられる異常性器出血について考察する。

妊娠初期または妊娠後期および小児における性器出血も参照のこと。)

性器出血の病因

患者は性器出血のため医療機関を受診することがあるが,その出血源は,外陰,腟,子宮頸部,子宮体部,卵管,卵巣を含めた女性の生殖器のあらゆる部位が考えられる。性器出血の出血源が子宮内にある場合は,異常子宮出血(AUB)と呼ぶ。さらに,腟からのように見える出血が尿路または消化管から生じていることもある。

外陰からの出血の原因としては以下のものがある:

  • 感染性または炎症性疾患,特に潰瘍もしくはびらんを生じる疾患(例,性器ヘルペス,梅毒性下疳,水疱性類天疱瘡)または外陰のそう痒を生じる疾患では,患者が病変部および/または周囲の皮膚もしくは粘膜(例,硬化性苔癬)を掻破すると,表皮剥離により出血を来すことがある。

  • 身体的外傷(例,外陰への直接的な衝撃を伴う転倒,性的暴行)

  • 外陰に対する処置(例,生検または女性性器切除)

  • 良性病変(例,表皮嚢腫,コンジローマ,被角血管腫,軟骨様のもの)

  • 外陰の上皮内腫瘍もしくは扁平上皮癌またはその他の悪性腫瘍(例,黒色腫)

いかなる外陰病変も摩擦(例,衣服との接触)により出血することがある。

腟からの出血の原因としては以下のものがある:

  • 閉経関連泌尿生殖器症候群

  • 感染症または感染症によって生じる病変(例,細菌性腟症,コンジローマ,腟潰瘍)

  • 身体的外傷(例,性的またはその他の理由による物の挿入,タンポンの遺残,性的暴行)

  • 放射線療法

  • 良性病変(例,Gartner管嚢胞,腟腺症[vaginal adenosis],ポリープ,尿道カルンクル)

  • 腟の上皮内腫瘍もしくは扁平上皮癌またはその他の悪性腫瘍(例,明細胞癌)

  • まれに,中毒性表皮壊死融解症およびスティーブンス-ジョンソン症候群

異常子宮出血(AUB)の原因は,PALM-COEIN分類により構造的病因と非構造的病因に分類されている(1, 2)。

AUBの構造的病因としては以下のものがある:

  • P:頸管または内膜ポリープ

  • A:子宮腺筋症

  • L:平滑筋腫(子宮筋腫)

  • M:子宮または子宮頸部の悪性腫瘍または過形成

AUBの非構造的病因としては以下のものがある:

  • C:凝固障害

  • O:排卵障害

  • E:子宮内膜(例,慢性子宮内膜炎)

  • I:医原性(例,経口避妊薬服用中の破綻出血

  • N:未分類

妊娠可能年齢の女性でみられるAUBの最も一般的な原因は,排卵障害である。PALM-COEIN分類には,AUBの具体的な原因がほかにも多数含まれている(妊娠していない成人女性における子宮出血の主な原因の表を参照)。

PALM-COEIN分類は主に子宮体部からの出血の病因を説明している。子宮頸管からの出血の原因としては以下のものがある:

  • 子宮頸管炎

  • 子宮頸部に発生した子宮内膜症

  • 重度の骨盤臓器脱

  • 身体的外傷(例,性的またはその他の理由による物の挿入,性的暴行)

  • 子宮頸管ポリープ,嚢胞,乳頭腫/疣贅

  • 子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸癌

卵巣および卵管からの出血は,性器出血の一般的な原因ではない。これらの臓器からの出血は腹腔内にとどまる可能性が高いが,血液が子宮を通過する場合があり,腟を通過することで初めて気づかれる場合がある。卵管からの出血の原因としては以下のものがある:

卵巣からの出血の原因としては以下のものがある:

PALM-COEIN分類

表&コラム
表&コラム

病因論に関する参考文献

  1. 1.American College of Obstetricians and Gynecologists’ Committee on Practice Bulletins—Gynecology: Practice Bulletin No. 128: Diagnosis of abnormal uterine bleeding in reproductive-aged women. Obstet Gynecol.2012 (reaffirmed 2024);120(1):197-206.doi:10.1097/AOG.0b013e318262e320

  2. 2.American College of Obstetricians and Gynecologists’ Committee on Practice Bulletins—Gynecology: Practice Bulletin No. 136: Management of abnormal uterine bleeding associated with ovulatory dysfunction.Obstet Gynecol2013 (reaffirmed 2022); 122 (1):176-185.doi: 10.1097/01.AOG.0000431815.52679.bb

性器出血の病態生理

大半の異常性器出血には以下が関与する:

  • 視床下部-下垂体-卵巣系のホルモン異常

  • 良性の器質的疾患(例,子宮筋腫)

  • 感染性疾患または炎症性疾患(例,子宮頸管炎,慢性子宮内膜炎)

  • 婦人科がん

  • 出血性疾患(まれ)

排卵障害は内分泌異常によって生じる。その結果,排卵は起こらないか,不規則である。無排卵周期では,黄体が形成されず,そのためプロゲステロンの正常な周期的分泌が生じない。プロゲステロンがない状態では,エストロゲンにより子宮内膜が増殖し続け,最終的には血液供給を上回る。子宮内膜はその後,不完全に,不規則に脱落および出血し,ときとして多量出血や長期出血を起こす。

良性の器質的疾患(例,子宮筋腫,子宮腺筋症)は子宮筋層の機能を阻害するため,異常出血を引き起こす可能性がある。子宮内膜または子宮頸管ポリープには,脆弱な血管が密集しており,容易に出血が起こる。

性器出血の評価

異常性器出血は急性の場合と慢性の場合がある。患者が性器出血を呈している場合,出血が救急治療を必要とするほど多量であるかどうか,および患者が妊娠しているかどうかの2点の判定をまずは優先すべきである。妊娠中の性器出血の原因のなかには生命を脅かすもの(例,異所性妊娠)もあるため,妊娠可能年齢の女性では気づいていない妊娠を疑い診断すべきである。

病歴

現病歴の聴取は,出血のタイミングや原因因子との関係を含む出血の発症について患者に尋ねることから始めるべきである。どのようにして出血に気づいたか,および出血源が腟であることをどの程度確信しているかについて患者に確認する。トイレットペーパーや便器内に認められる出血のほか,ときに下着やナプキンに付着している血液は,生殖器,尿路,または消化管からのものである場合がある。

出血の特徴を明らかにするために以下について質問すべきである:

  • 発症:出血の始まり方と原因として考えられる因子があったかどうか

  • パターン:間欠的または持続的;月経周期または性行為との関係

  • 期間

  • 量:わずかな出血,軽度の出血,正常な月経,それ以上;1~2時間でナプキンやタンポンで吸収しきれないほど多い,凝血塊の排出がみられる,および/または失神する場合は,大量出血が示唆される

  • 他の症状との関係:骨盤部もしくは腹部の疼痛もしくは圧迫感,発熱,または泌尿器症状もしくは腸管症状の有無

医師は以下についても尋ねるべきである:

  • 月経歴:最終正常月経の日付,閉経の年齢(該当する場合),月経周期の長さおよび規則性,典型的な月経出血の量と期間など

  • 過去の異常出血エピソードとその原因が同定されたかどうか

  • 性交歴:可能性のある性的暴行の経歴を含む

正常な月経の範囲は,頻度は24~38日毎,規則性は最長周期と最短周期の長さの差が7~9日未満,期間は4.5~8日間,および失血量は5~80mLである(正常な月経パラメータの表を参照)。

システムレビュー(review of systems)では,可能性のある原因の症状として,以下のようなものがないか検索すべきである:

既往歴の聴取では最近の妊娠,慢性的に不規則な月経,または既知の器質的疾患(例,子宮筋腫子宮腺筋症)を含む,性器出血の原因として知られている疾患を同定すべきである。医師は婦人科がんの危険因子を同定すべきであり,具体的には子宮内膜がん(肥満,糖尿病,黄体ホルモン拮抗のないエストロゲン曝露[内因性(慢性排卵障害による)または外因性(プロゲスチンを併用しないエストロゲンの長期使用による)のいずれか]),50歳前の大腸癌または子宮内膜がんの家族歴(リンチ症候群を示唆),子宮頸癌(子宮頸癌スクリーニング結果の異常またはスクリーニングが不十分,免疫抑制状態)などが挙げられる。

薬歴の聴取には,ホルモン避妊薬,閉経期ホルモン療法,その他のホルモン剤,およびAUBを引き起こす可能性のあるその他の薬剤(例,抗凝固薬,プロゲスチン単剤避妊薬)の使用に関する具体的な質問を含めるべきである。

出血性疾患または婦人科がんの家族歴について確認すべきである。

社会歴の聴取には,ドメスティックバイオレンスまたは最近の性的暴行の既往についての質問を含めるべきである。

身体診察

バイタルサインを評価して,発熱および循環血液量減少の徴候(例,頻脈,低血圧)がないか確認する。全身状態を観察する際には,貧血の徴候(例,結膜蒼白)がないか確認すべきである。

腹部を診察して,膨隆,圧痛,腫瘤(特に増大した子宮)がないか確認する。

内診を行う。外部の視診と腟鏡診は外陰,腟,子宮頸部,および尿道に生じた病変または物理的外傷の所見を同定するのに役立つ。子宮の大きさ,可動性,硬さ,圧痛,および輪郭(例,筋腫では不整な形状が認められる),ならびに卵巣の大きさ,可動性,および圧痛を評価するために双合診を行う。消化管出血が疑われる場合は,直腸診を行う。

異常子宮出血の原因となりうる全身性疾患または婦人科疾患を示唆する身体所見のパターンとしては以下のものがある:

警戒すべき事項(Red Flag)

以下の所見には特に注意が必要である:

  • 不規則な月経,無防備な性行為,悪心,または乳房の圧痛の既往:出血は妊娠に関連する場合がある

  • 多量で持続性の出血:貧血,血行動態不安定,またはショックが起こる可能性がある

  • 性交後の出血:子宮頸癌の可能性がある

  • 閉経後の性器出血:子宮体がんの可能性がある

所見の解釈

長期にわたる無月経の後に起こる多量の出血,または子宮筋腫による多量の出血,もしくはまれに卵巣嚢胞の破裂による多量の出血を除いて,著明な循環血液量減少または出血性ショックが起こる可能性は低い。

妊娠可能年齢の女性では,診察により生殖器の病変もしくは骨盤内腫瘤または他の所見(例,骨盤部圧痛,子宮頸部の脆弱性)が検出されることがあり,これにより出血源が同定され原因が示唆される。外陰,腟,もしくは子宮頸部の病変,または腟もしくは子宮頸部の分泌物は,感染症または良性もしくは悪性の腫瘍に起因することがある。肉眼的に病変が認められない子宮頸管からの出血は,子宮頸部上皮内腫瘍または子宮頸癌の可能性がある。硬く,結節性で,可動性のある腫大した子宮は子宮筋腫である可能性が高い。球状で軟らかく腫大した子宮は子宮腺筋症である可能性が高い。ただし,固定性の骨盤内腫瘤はがんまたは炎症性疾患(例,骨盤内炎症性疾患)を示唆する。

内診所見が正常で,不規則な月経が排卵障害と一致する患者については,内分泌疾患を同定するためにさらなる評価を行うべきである。不正性器出血がある患者では,過去6カ月以内にプロゲスチン単剤避妊薬を開始したか,エストロゲン-プロゲスチン避妊薬を2年以上使用している場合,医原性の排卵障害または子宮内膜萎縮が原因である可能性がある。

性器出血を認める閉経後女性では,婦人科がんについてさらなる評価を行うべきである。

検査

妊娠可能年齢で性器出血を認める患者は全て,月経歴および性交歴にかかわらず,尿または血液による妊娠検査が必要である。妊娠5週未満では,尿妊娠検査で妊娠を検出できないことがある。尿検体での妊娠検査が陰性ながら妊娠の可能性がある場合は,血清検体でのヒト絨毛性ゴナドトロピンβ(β-hCG)の定量検査を行うべきである。妊娠中の性器出血には特有のアプローチが必要となる(妊娠初期における性器出血および妊娠後期における性器出血を参照)。

血液検査を行って,疑われる合併症または病因を評価するが,これには例えば以下のようなものがありうる(1):

  • 貧血:多量,長期にわたる,持続性,または再発性の出血の場合,血算;貧血が同定され,鉄欠乏症(例,小球性,低色素性を示す赤血球検査値に基づく)によるものか明らかでない場合,鉄の検査(血清鉄,総鉄結合能[TIBC],フェリチン);急性の多量出血の場合,輸血が必要な場合に備えて血液型検査と交差適合試験

  • 内分泌疾患:病歴および症状に応じて,甲状腺疾患(甲状腺刺激ホルモン),多嚢胞性卵巣症候群(総テストステロン,17-ヒドロキシプロゲステロン,デヒドロエピアンドロステロン硫酸),または高プロラクチン血症(プロラクチン)の検査;閉経は疾患ではないが,閉経しているかどうかが不確実な場合は卵胞刺激ホルモンの検査

  • 肝疾患:肝機能検査

  • 出血性疾患:過多月経に対し,病歴聴取により危険因子の有無を確認;危険因子ありの場合は,血小板数,プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間,およびフィブリノーゲンを測定;フォン・ヴィレブランド病が疑われる場合は,フォン・ヴィレブランド因子抗原,リストセチンコファクター活性,および第VIII因子を測定

出血性疾患の危険因子ありとなる病歴には,以下のいずれかが含まれる(2):

  • 初経以降の重い月経

  • 次のいずれか:分娩後異常出血,手術に関連する出血,または歯科処置に伴う出血

  • 次のうち2つ以上:少なくとも月に1~2回の直径5cmを超える皮下出血,月に1~2回の鼻出血,頻回の歯肉出血,または出血症状の家族歴

以下のいずれかに該当する場合,画像検査に経腟超音波検査を含める:

異常子宮出血がみられる患者で以下に該当する場合は,子宮内膜採取が適応となる:

  • 年齢45歳以上

  • 年齢45歳未満で,黄体ホルモン拮抗のないエストロゲン曝露(BMI[body mass index]高値や多嚢胞性卵巣症候群の女性で生じるような)または内科的管理の失敗

  • 閉経後出血では超音波検査で内膜肥厚が4mmを超えるか,または子宮内膜がんの高リスク(例,現在のタモキシフェン療法,リンチ症候群)患者で何らかの出血がみられる

  • 子宮体がんの危険因子

検体の採取は,子宮内膜生検または頸管拡張・内膜掻爬(D&C)により行う。

生理食塩水を注入して行うソノヒステログラフィーによる二次的な評価は,小さな子宮内病変(例,子宮内膜ポリープ,粘膜下筋腫)の特徴を明らかにするのに役立つ。子宮鏡検査は,異常子宮出血の子宮内の構造的原因を診断するためのゴールドスタンダードである。

診察で発見された病変が悪性の可能性がある場合,またはその診断が不確かな場合は,外陰または腟の生検を行う。

頸部が出血源であり,頸部病変があるかパパニコロウ(Pap)検査結果の異常から生検が適応となる場合は,頸部生検を行う。診察で異常所見がなく,最近Pap検査を受けていない場合は,Pap検査を子宮頸部からの出血に対して施行する。

評価に関する参考文献

  1. 1.American College of Obstetricians and Gynecologists’ Committee on Practice Bulletins—Gynecology: Practice Bulletin No. 128: Diagnosis of abnormal uterine bleeding in reproductive-aged women. Obstet Gynecol.2012 (reaffirmed 2024);120(1):197-206.doi:10.1097/AOG.0b013e318262e320

  2. 2.Kouides PA, Conard J, Peyvandi F, Lukes A, Kadir R: Hemostasis and menstruation: appropriate investigation for underlying disorders of hemostasis in women with excessive menstrual bleeding.Fertil Steril.2005;84(5):1345-1351.doi:10.1016/j.fertnstert.2005.05.035

性器出血の治療

性器出血の管理の主な目的は以下の2つである:

  • 活動性の出血をコントロールする

  • 将来のエピソードを予防するために,基礎的な要因を治療または管理する

性器出血は重度となることがあり,不安定な血行動態または出血性ショックでは,重度の貧血を是正するための輸液管理および輸血による迅速な治療が必要である。血行動態が安定しており,軽度から中等度の貧血がみられる場合は,しばしば補液により管理できる。鉄欠乏性貧血には経口による鉄補充が数カ月間必要になることがある。

急性で重度の出血は,腟裂傷,子宮頸癌,または異常子宮出血から起こる可能性が最も高い。

腟裂傷があれば修復する。

子宮頸癌からの出血に対しては,経験豊富な婦人科の外科医が手術室で管理すべきである。病変部を焼灼することも可能であるが,より広範な手術が必要となる場合がある。

急性で重度の子宮出血に対しては,ホルモン療法による内科的管理が望ましい初期治療である。治療の選択肢としては,結合型エストロゲンの静脈内投与,エストロゲン/プロゲスチン混合型経口避妊薬,経口プロゲスチン,トラネキサム酸などがある。決定は患者の病歴および薬剤に対する禁忌に基づく。

重度の出血を伴い血行動態が不安定な患者の場合,または内科的治療が禁忌であるか失敗した場合には,外科的治療が必要となる。外科的治療としては,頸管拡張・内膜掻爬,子宮鏡下手技(例,ポリープ切除術,筋腫核出術,アブレーション,子宮内へのバルーン留置術),およびIVRガイド下での両側子宮動脈塞栓術がある。これらの方法で出血をコントロールできない場合,または患者が根治的治療を希望する場合は,子宮摘出術を行う。

急性期管理後または非急性出血の場合は,性器出血の原因に対して治療を行う。

老年医学的重要事項:性器出血

閉経後出血(最後の月経から12カ月以上経過してからの出血)は異常であり,外因性ホルモンの投与中止によるものであることが明らかな場合を除き,がんを除外するためにさらなる評価が必要である。

外因性ホルモンの投与を受けていない女性の場合,閉経後出血の原因で最も頻度が高いのは子宮内膜の萎縮であるが,子宮内膜増殖症と子宮内膜がんを除外すべきである。

一部の高齢女性では,エストロゲンの減少により狭小化と圧痛を伴った腟萎縮や,ときに陰唇癒着が起きているために,腟の診察が困難な場合がある。これらの患者では,小児用の腟鏡を用いることで,苦痛が少なくなることがある。

要点

  • 異常な性器出血または子宮出血の病因,診断,および管理は,生殖に関するライフステージや状況(初経前,妊娠可能年齢,妊娠,または閉経)によって異なる。

  • 異常子宮出血は,器質的疾患(ポリープ,子宮腺筋症,子宮筋腫,悪性腫瘍)または非器質的疾患(凝固障害,排卵障害,子宮内膜,もしくは医原性)に起因する可能性がある。妊娠可能年齢でみられる異常子宮出血の最も一般的な原因は,排卵障害である。

  • 患者は性器出血のため医療機関を受診することがあるが,その出血源は,外陰,腟,子宮頸部,子宮体部,卵管,卵巣を含めた女性の生殖器のあらゆる部位が考えられ,尿路または消化管の場合も考えられる。

  • 妊娠可能年齢の女性で異常性器出血を認める場合は,病歴から妊娠が示唆されなくても妊娠検査を行う。

  • 閉経後の性器出血に対しては,子宮内膜採取または他の検査によりがんの評価を行う。

  • 重度で急性の子宮出血は,輸液,輸血(必要な場合),ホルモン療法(例,結合型エストロゲンの静脈内投与),および必要に応じて手術により管理する。

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