子宮頸癌

執筆者:Pedro T. Ramirez, MD, Houston Methodist Hospital;
Gloria Salvo, MD, MD Anderson Cancer Center
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 修正済み 2023年 9月
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子宮頸癌の多くは扁平上皮癌であり,腺癌の頻度は低い。大半の子宮頸癌の原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染である。子宮頸部腫瘍はしばしば無症状である;子宮頸癌の最初の症状は通常,不正性器出血,しばしば性交後の性器出血である。診断は,頸部パパニコロウ検査および生検による。進行期診断は臨床所見のほか,利用可能であれば画像検査および病理検査の結果も踏まえて行う。治療は通常,早期疾患に対しては外科的切除,局所進行例には化学放射線療法が行われる。広範に転移している場合は,化学療法が単独で用いられることが多く,ときに,続いて骨盤照射が行われる。

子宮頸癌のスクリーニングおよび予防も参照のこと。)

米国では,子宮頸癌は婦人科がんとして3番目に多く,女性における悪性腫瘍では15番目に多い(1)。診断時の平均年齢は50歳である;35~44歳の女性において診断されることが多い。米国国立がん研究所(National Cancer Institute)は,2023年に浸潤子宮頸癌の新規症例が13,960例発生し,4310人が死亡すると推計している(2)。世界的には,子宮頸癌の新規症例の約85%と死亡例の約90%が医療などの資源が少ない国と中程度の国で発生している。子宮頸癌は23カ国において最も多くみられる悪性腫瘍となっており,36カ国において悪性腫瘍による死因で最多となっている(3,4)。

子宮頸癌に関連する危険因子としては以下のものがある:

  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症

  • 子宮頸部上皮内腫瘍

  • 性感染症への曝露の可能性が高い(例,最初の性行為または初産の年齢が低い,複数のセックスパートナー,高リスクのセックスパートナー)

  • 外陰もしくは腟の扁平上皮内腫瘍,外陰がん,または腟がんの既往

  • 肛門上皮内腫瘍または肛門癌

  • 経口避妊薬の使用

  • 喫煙

  • 免疫不全

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)は子宮頸癌の前駆病変である。CINおよび浸潤性子宮頸癌の大多数は,ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染によって引き起こされ,HPVは主に性行為を介して伝播する。前がん病変および浸潤性病変の大半(70%)はHPV16型または18型が直接の原因と考えることができるが,子宮頸癌検体の99%に14を超える高リスクのHPV遺伝子型のうちの1つに由来するDNAが含まれている(5,6)。子宮頸癌の発生率は,HPVワクチン接種,子宮頸癌スクリーニング,およびCINの治療により,過去数十年で着実に減少している。

総論の参考文献

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子宮頸癌の病理

子宮頸部は間質と上皮で構成されている。子宮頸部の先端は腟内に突出しており,その表面は扁平上皮で覆われている。子宮頸管(内子宮口から外子宮口まで続く管)は円柱上皮で覆われている。子宮頸癌は,そのほぼ全てが外子宮口を取り囲むように分布する移行帯から発生する;移行帯(transformation zone)とは,発生前の扁平円柱上皮接合部と現時点の扁平円柱上皮接合部の間にある扁平上皮化生の領域のことである(1)。

子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)は異型度に基づいて以下のように分類される:

  • 1:軽度異形成

  • 2:中等度異形成

  • 3:高度異形成および上皮内癌

CIN3は自然に退縮する可能性が低い;無治療では,数カ月~数年を経て基底膜を越えて浸潤癌となりうる。

子宮頸癌全体のうち約80~85%が扁平上皮癌であり,残りの大半は腺癌である。肉腫と小細胞神経内分泌腫瘍はまれである。

浸潤子宮頸癌は通常,直接進展により周囲組織へ,またはリンパ管経由で骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節へと拡がる。血行性に進展することもあるがまれである。

子宮頸癌が骨盤リンパ節または傍大動脈リンパ節に進展している場合には予後は不良であり,放射線療法の照射部位と範囲が影響を受ける。

病理に関する参考文献

  1. 1.Bhatla N, Aoki D, Sharma DN, et al: Cancer of the cervix uteri: 2021 update.Int J Gynaecol Obstet  155 Suppl 1:28-44, 2021. doi: 10.1002/ijgo.13865

子宮頸癌の症状と徴候

早期の子宮頸癌はしばしば無症状である。症状が起こる場合は通常,不正性器出血があり,性交後のことが最も多いが,月経と月経の間に自然に生じることもある。大きな腫瘍ほど自然に出血する可能性が高く,悪臭のある帯下や骨盤痛を引き起こすことがある。腫瘍の進展が広範に及ぶと,閉塞性尿路疾患,背部痛,静脈やリンパ管の閉塞による下肢の腫脹が生じることがある。

子宮頸癌の診断

  • パパニコロウ(Pap)検査(子宮頸部細胞診)

  • 生検

子宮頸癌はルーチンの婦人科診察で疑われることがある。以下を認める患者にはさらなる評価が必要である:

  • 視認可能な子宮頸部病変

  • 異常性器出血

子宮頸部細胞診やHPV検査で異常が検出されたら,通常は子宮頸癌と診断される。所見は通常顕微鏡的なものであるが,一部の症例では子宮頸部病変が認められる。大きな腫瘍は外向性発育を示し壊死性である場合もあるが,より小さく,あまり特徴的でない病変もある。悪性腫瘍が疑われる子宮頸部病変には生検を実施すべきである。

子宮頸部細胞診結果の報告形式は標準化されている(の表を参照[1])。異型細胞やがん細胞が発見された場合および/またはHPV検査が陽性の場合は,細胞診,HPV検査,またはコルポスコピーによるさらなる評価が適応となる。コルポスコピー(拡大鏡による腟と子宮頸部の評価)を用いて生検が必要な部位を同定する;子宮頸管内掻爬もしばしば行われる。

診断が不確かな場合と高異型度のCINまたは浸潤がんが疑われる場合には円錐切除術が必要であり,LEEP法(loop electrical excision procedure),レーザー,またはメスによって円錐状に組織を切除する。

表&コラム
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進行期分類

子宮頸癌の進行期分類は2018年に大幅に改定された。以前の2009年版International Federation of Gynecology and Obstetrics(Federation Internationale de Gynecologie et d'Obstetrique:FIGO)進行期分類では,進行期を判定する方法として診察,頸部生検,およびいくつかの追加検査のみが許容されていた。2018年版のFIGO進行期分類では,いずれの進行期においても,臨床所見を補完する目的で断層画像検査(例,超音波検査,CT,MRI,PET,PET-CT,MRI-PET)と外科的病理診断の結果を(可能であれば)利用することが許容されている。画像検査および病理検査の結果は任意であるが,これは,子宮頸癌の頻度がより高いが,医療などの資源が少ない国と中程度の国で利用できない場合があるためである(2,3,4)。

2018年の進行期分類におけるその他の変更としては以下のものがある:

  • 腫瘍の水平方向への進展は,IA1期およびIA2期の一部とみなされなくなった。

  • IB期は,腫瘍の大きさに応じて,2つのサブグループ(IB1期およびIB2期,カットオフ値として4cmのみを用いる)ではなく,3つのサブグループ(IB1期 ≤ 2cm,IB2期 > 2 ~ ≤ 4cm,IB3期 > 4cm)に細分類する。

  • 現在では,リンパ節の状態が進行期分類に組み込まれている。現在では,骨盤リンパ節転移陽性はIIIC1期,傍大動脈リンパ節転移陽性はIIIC2期とされる。リンパ節の微小転移は陽性とみなされる;ただし,それらの遊離腫瘍細胞によって進行期がIII期に変わることはないが,記録しておくべきである。画像検査でリンパ節転移陽性と判定された場合は進行期に「r」を追記し(例,IIIC1r,IIIC2r),病理検査の結果で陽性と判定された場合は「p」を追記する(IIIC1p,IIIC2p [2,3,4])。

進行期がIA2期より進んでいる場合には,腫瘍の大きさ,子宮傍組織浸潤,腟への進展,およびリンパ節転移についてより正確な判定を下すために,典型的には腹部および骨盤のCTまたはMRIを施行する。PETとCTの併用(PET/CT)が子宮頸部外への進展を確認する目的でしばしば用いられる。PET/CT,MRI,またはCTが不可能であれば,臨床的に適応となる場合には,膀胱鏡検査,S状結腸鏡検査,胸部X線,排泄性尿路造影を進行期診断に使用することがある。

表&コラム
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画像検査で骨盤または傍大動脈リンパ節が大きく腫大している可能性が示唆される場合は(> 2cm),外科的検索(典型的には後腹膜アプローチによる)が適応となることがある。その唯一の目的は腫大したリンパ節を摘出し,放射線療法をより正確に対象を定めたより効果的なものにすることである。

診断に関する参考文献

  1. 1.Nayar R, Wilbur DC: The Pap test and Bethesda 2014.Cancer Cytopathology, 123: 271–281, 2015.doi:10.1002/cncy.21521

  2. 2.Bhatla N, Berek JS, Cuello Fredes M, et al: Revised FIGO Staging for Carcinoma of the Cervix Uteri.Int J Gynaecol Obstet 145 (1):129–135, 2019.doi: 10.1002/ijgo.12749

  3. 3.Bhatla N, Berek JS, Cuello Fredes M, et al: Corrigendum to “Revised FIGO staging for carcinoma of the cervix uteri” [Int J Gynecol Obstet 145(2019) 129–135].Int J Gynaecol Obstet 147(2):279-280, 2019.doi: 10.1002/ijgo.12969

  4. 4.Bhatla N, Aoki D, Sharma DN, Sankaranarayanan R: Cancer of the cervix uteri: 2021 update. Int J Gynaecol Obstet 155 Suppl 1(Suppl 1):28-44, 2021.doi:10.1002/ijgo.13865

子宮頸癌の治療

  • 微小浸潤例には手術単独

  • 子宮傍組織またはそれ以上の進展がなければ,手術または根治的放射線療法

  • 子宮傍組織またはそれ越えた進展があれば,放射線療法と化学療法(化学放射線療法)

  • 転移例および再発例には化学療法

子宮頸癌の治療には,外科手術,放射線療法,化学療法が含まれる。広汎子宮全摘出術の適応があるものの,それに対して理想的な状況にない場合は,化学放射線療法が用いられ,同程度の腫瘍学的成績が得られる。

IA1期(脈管侵襲を認めない)

IA1期の治療として以下を行う:

  • 円錐切除術または単純子宮摘出術

FIGO分類で脈管侵襲(LVSI)を伴わない IA1期と定義されている子宮頸部微小浸潤がんは,リンパ節転移のリスクが1%未満であり,LEEP法,レーザー,またはメスを用いた円錐切除術で保存的に管理してもよい。円錐切除術は,妊孕性の温存に関心がある患者で適応となる(可能であれば,3mmのマージンを確保した断片化していない標本を得る)。メスによる円錐切除術は,病理学的評価に適したマージンを確保できるが,常に選択できるわけではない。

単純子宮摘出術は,患者が妊孕性温存に関心がないか,円錐切除術後に断端陽性となった場合に行うべきである。断端陽性の場合は,センチネルリンパ節(SLN)マッピングを考慮すべきであり,患者が妊孕性の温存に関心があれば,再度の円錐切除術が代替法となる。

子宮頸癌に対するセンチネルリンパ節マッピング

早期(脈管侵襲を伴うIA1期,IB1期,IB2期,またはIIA1期)の子宮頸癌患者では,リンパ節転移の陽性率が15~20%に過ぎないため,それらの患者ではセンチネルリンパ節(SLN)マッピングが完全な骨盤リンパ節郭清の代替の選択肢となる(1)。SLNマッピングを選択すれば,有害作用(例,リンパ浮腫,神経損傷)を起こしうる完全な骨盤リンパ節郭清の実施数が減る。

SLNマッピングでは,青色色素,テクネチウム99(99Tc),またはインドシアニングリーン(ICG)を通常は子宮頸部の3時および9時方向に直接注射する。手術中に,青色色素を直接視認するか,カメラでICGの蛍光を検出するか,またはγ線プローブで99Tcを検出することで,SLNを同定する。SLNは一般的に,外腸骨動静脈の内側,内腸骨動静脈の腹側,または閉鎖孔の上部に位置している。

微小転移および遊離腫瘍細胞(low-volume disease)を検出するために,全てのSLNについてultrastagingを行う。マッピングにかかわらず,肉眼的に疑わしいリンパ節は全て切除すべきである。片側骨盤内にマッピングを認めなければ,片側のみのリンパ節郭清を行う。2018年のFIGO進行期分類では,症例をIIIC期と分類する際に肉眼的転移と微小転移のみが考慮される;遊離腫瘍細胞で進行期が変わることはなく,それらはpN0とみなされる。

SLNマッピングの検出率は径2cm未満の腫瘍において最も良好である。

IA1期(脈管侵襲を認める)およびIA2期

脈管侵襲を認めるIA1期またはIA2期では,推奨される治療法として以下のものがある:

  • 準広汎子宮全摘出術と骨盤リンパ節郭清術(さらにSLNマッピングを行う場合もある)

  • 密封小線源治療を併用する骨盤照射

広汎子宮全摘出術後の放射線療法の基準

広汎子宮全摘出術後に骨盤照射と同時化学療法が必要かどうかを判断するための基準には,以下が含まれる(の表を参照):

  • 脈管侵襲の存在

  • 浸潤の深さ

  • 腫瘍径

腫瘍サイズが大きい(> 4cm),間質浸潤が深い(> 1/3),脈管侵襲(LVSI)陽性などの危険因子を複数有する患者では,手術単独後の再発および死亡のリスクが最大30%となる(2,3)。

断端陽性や病理学的に確定された骨盤リンパ節転移,子宮傍組織への顕微鏡的浸潤などの危険因子は,より高リスクと考えられている。ランダム化試験において,IB期の子宮頸癌で高リスク因子を有する患者の推定4年生存率は,化学療法と放射線療法の併用で治療された患者で81%,放射線療法単独で治療された患者で71%であった (4,5)。

表&コラム
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IB1期,IB2期,およびIIA1期

IB1期,IB2期,およびIIA1期の標準的な推奨を以下に示す:

  • 開腹での広汎子宮全摘出術と両側骨盤リンパ節郭清術(さらにSLNマッピングを行う場合もある)

広汎子宮全摘出術には,子宮(子宮頸部を含む),基靱帯と仙骨子宮靱帯の一部,腟の上部1~2cm,骨盤リンパ節および子宮傍組織の切除が含まれる。Querleu & Morrow分類は,側方への切除範囲に基づき広汎子宮全摘出術を4つのタイプに分類したもので,いくつかのサブタイプでは神経温存と頸管周囲のリンパ節郭清が考慮されている(6)。

あるランダム化試験では,腹式広汎子宮全摘出術と比べて,低侵襲手術(腹腔鏡またはロボット補助下腹腔鏡手術)の方が全生存率が低く,再発率が高いという結果が示された(7)。したがって,適切なアプローチとして開腹での広汎子宮全摘出術が推奨される。

併存症のために患者が手術の理想的な候補者とみなされない場合は,別の妥当な選択肢として,骨盤照射と密封小線源治療に場合によりプラチナ製剤を含む同時化学療法を併用する治療がある。

その他の治療選択肢としては,広汎子宮全摘出術と両側骨盤リンパ節郭清術(さらに傍大動脈リンパ節郭清術を行う場合もある)に,場合により術後にアジュバント放射線療法を併用する治療法がある(の表を参照)。

広汎子宮全摘出術の際に子宮頸部外への進展が判明した場合は,手術を中止すべきであり,局所再発を予防するために術後の放射線療法と同時化学療法が勧められる(8)。

IB3期,IIA2期,IIB期,III期,およびIVA期

IB3期,IIA2期,IIB期,III期,およびIVA期の標準治療は以下の通りである:

  • 骨盤照射と密封小線源治療にプラチナ製剤を含む同時化学療法を併用

照射野の範囲を決定するために,傍大動脈リンパ節への転移を臨床的(腹部CTおよび/またはMRI)または外科的(骨盤および傍大動脈リンパ節郭清術)に評価してもよい。あるランダム化試験では,IIB~IVA期患者において化学放射線療法の前に進行期を臨床的に診断した場合と外科的に診断した場合との間で,腫瘍学的な治療成績に有意差は認められなかった。この研究では,腹腔鏡下での進行期診断は安全とみられ,初回治療を遅らせることはなく,局所進行子宮頸癌患者の33%でupstagingにつながった(9)。

腫瘍が子宮頸部および/または骨盤リンパ節に限局している場合の標準的な推奨を以下に示す:

  • 外照射療法の後,子宮頸部への密封小線源治療(通常はセシウムなどの小線源による腔内照射)

放射線療法により急性合併症(例,放射線直腸炎および膀胱炎)や,ときに晩期合併症(例,腟狭窄,腸閉塞,直腸腟瘻や膀胱腟瘻の形成)が起こることがある。

化学療法(シスプラチンまたはカルボプラチン)は通常,多くの場合,腫瘍の放射線照射に対する感度を上げるために,放射線療法と併せて行う。

IVA期の治療としては,通常はまず放射線療法を施行するが,骨盤除臓術(全ての骨盤内臓器の切除)を考慮してもよい。骨盤除臓術は,放射線療法後に腫瘍が残存しているが,骨盤中心に限局している場合に適応となり,患者の40%近くが治癒する。その手術には,蓄尿型または自排尿型人工膀胱造設術,人工肛門造設術を併用しないかend-descending colostomyを併用する直腸低位前方切除術,骨盤底を閉鎖するための大網充填術(J-flap),ならびに薄筋または腹直筋皮弁による腟再建術が含まれることがある。

IVB期および再発例

IVB期子宮頸癌には化学療法が初回治療となる。奏効率は約38%である(10)。

あるランダム化試験では,多剤併用化学療法(シスプラチン + パクリタキセルまたはノギテカン + パクリタキセル)へのベバシズマブ追加により,再発,治療抵抗性,または転移を認める子宮頸癌の患者において全生存期間の中央値が3.7カ月延長した(11)。

放射線照射部位外の転移巣は,先に照射を行った骨盤内の腫瘍または転移部位よりも化学療法に対する反応が良好なようである。

IVB期の子宮頸癌で,組織型が扁平上皮癌,腺癌,または腺扁平上皮癌の患者2424人を対象とした観察研究のシステマティックレビューでは,全身化学療法(緩和的な骨盤照射を併用または非併用)と比較すると,骨盤への根治的な(45Gy以上)放射線療法に関連した全生存率の改善が認められた(12)。

臨床医は子宮頸癌の再発例,進行例,または転移例では,ミスマッチ修復(MMR)とマイクロサテライト不安定性(MSI),PD-L1(programmed cell death ligand 1)の発現,および/またはNTRK遺伝子融合の検査を考慮すべきである。結果は,PD-L1阻害薬などの免疫療法に対する反応を予測するのに役立つ可能性がある。

再発または転移を認める子宮頸癌に対する効果的な二次治療はほとんどない。

ランダム化プラセボ対照試験において,化学療法へのペムブロリズマブ追加により,治療抵抗性,再発,または転移を認める子宮頸癌患者において無増悪生存期間および全生存期間が改善した (13)。

チソツマブ ベドチンは,治療歴のある再発または転移を認める子宮頸癌に対して臨床的に意味のある持続的な抗腫瘍活性を示し,その安全性プロファイルは管理可能かつ耐容可能なものであった(14)。

妊孕性温存手術

妊孕性温存手術は,早期子宮頸癌(LVSIを認めるIA1期,IA2期,IB1期,IB2期の一部の症例)を有する患者の一部で,妊孕性温存の希望がある場合に選択肢となる。

卵巣に異常がみられない限り,子宮頸癌の外科的治療に卵巣摘出は含まれない。手術を受ける若年患者では,早発閉経を回避するために卵巣温存が特に重要である。骨盤照射の前には,被曝を避けるために卵巣を照射野外に移動させることがある(卵巣固定術)。卵巣機能を温存することの有益性と潜在的な卵巣転移のリスクについて,患者にカウンセリングを行うべきである。Ib期からIIb期の子宮頸癌で広汎子宮全摘出術を受けた3471人の患者を対象とした研究では,1.5%の患者で卵巣への転移が認められた (15)。卵巣転移は,扁平上皮癌患者(0.79%)より腺癌患者(5.31%)で多くみられた。

子宮温存の外科的な選択肢としては,以下のものがある:

  • 広汎子宮頸部摘出術とリンパ節評価

  • 子宮頸部円錐切除術

広汎子宮頸部摘出術は,子宮頸部,頸部に直接接する子宮傍組織,腟の上部2cm,および骨盤リンパ節を切除する術式である。子宮は温存されて腟上部に再接合され,妊孕性温存の可能性が残される。この手技の適応は以下に該当する場合である:

  • 組織型が扁平上皮癌,腺癌,または腺扁平上皮癌である(神経内分泌癌,小細胞癌,肉腫ではない)

  • IA1期/グレード2または3で脈管侵襲を認める

  • IA2期

  • IB1期

手術前にMRIで頸部上部および子宮下部への浸潤を除外すべきである。再発率および死亡率は広汎子宮全摘出術後と同様である。この手技を受けた患者が挙児を希望する場合,分娩は帝王切開で行う必要がある。広汎子宮頸部摘出術後の妊娠率は50~70%であり,再発率は約5~10%である。

広汎子宮頸部摘出術は経腟手術,開腹手術,腹腔鏡手術,またはロボット支援手術で行うことができる。開腹術と比べた低侵襲アプローチ(腹腔鏡またはロボット支援手術)による広汎子宮頸部摘出術の安全性について懸念がある。早期子宮頸癌(≤ 2cm)の患者を対象としたある後ろ向き研究において開腹術と低侵襲アプローチを比較したところ,4.5年無病生存率は同等であった (16)。

低リスクの早期子宮頸癌患者では,円錐切除術と骨盤リンパ節の評価が広汎子宮頸部摘出術の代替となりうる。単一群前向き研究では,低リスクの早期子宮頸癌女性において保存的手術(子宮頸部円錐切除術または単純子宮摘出術とリンパ節の評価)は安全かつ実施可能なようであった;2年再発率は3.5%であった (17)。早期子宮頸癌患者に対する至適治療を決定するための研究が進行中である(例,SHAPE試験)(18)。

進行中の前向き研究(CONTESSA)では,腫瘍サイズが2~4cmで妊孕性温存を希望する患者を対象として,妊孕性温存手術を行う前のネオアジュバント化学療法の役割が評価されている(19)。

治療に関する参考文献

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子宮頸癌の予後

最も一般的な組織型の子宮頸癌(扁平上皮癌,腺癌)は通常,癌が局所進行または再発した場合にのみ遠隔部位に転移する。5年生存率は以下の通りである:

  • I期:80~90%

  • II期:60~75%

  • III期:30~40%

  • IV期:0~15%

再発の80%近くが2年以内に起こる。

予後不良因子としては以下のものがある:

  • リンパ節転移

  • 腫瘍径および腫瘍体積が大きいこと

  • 頸部間質深部への浸潤

  • 子宮傍組織への浸潤

  • 脈管侵襲(LVSI)

  • 扁平上皮以外の組織型

要点

  • 子宮頸癌スクリーニング(HPVまたはPap検査)での異常結果,視認可能な頸部病変,または異常な,特に性交後の性器出血を認める場合には子宮頸癌を考慮する。

  • さらなる評価のためにコルポスコピーおよび/または生検を行い診断を確定する。

  • 生検,内診,および胸部X線などの利用できる画像検査を用いて子宮頸癌の進行期を臨床的に診断する;また超音波検査,PET/CT,MRI,またはCTおよび利用可能であれば外科病理検査も用いる。

  • 治療としては,早期例には外科的切除を,局所進行例には放射線療法と化学療法を,転移例および再発例には化学療法を施行する。

  • 最初の性行為の前に,小児にHPVワクチン接種を推奨する。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. National Cancer Institute: Cervical Cancer Treatment: This web site provides general information about cervical cancer and information about classification, staging, treatment by stage, and cervical cancer during pregnancy.

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