頸部腫瘤の主な原因

頸部腫瘤の主な原因

原因

示唆する所見

診断アプローチ*

感染症によるリンパ節腫脹

HIV

高リスク群

全身性で無痛性のリンパ節腫脹

HIVの血清学的検査

伝染性単核球症

青年で,圧痛がないか,または中等度の圧痛を伴う複数の頸部リンパ節

通常,咽頭炎および著明な倦怠感

エプスタイン-バーウイルスの血清学的検査

ウイルス性または細菌性の中咽頭感染症(咽頭炎またはURIが最も一般的,ときに歯性感染症)

しばしば,URIの症状,咽頭痛,または歯痛

弾性のある急性のリンパ節腫脹,しばしば圧痛を伴う

ウイルス性URI患者では,ときに複数の腫大したリンパ節がみられる

通常は診察のみ

ときに咽頭培養

原発性の細菌性リンパ節炎

圧痛を伴う急性で単発的なリンパ節腫脹

診察のみ

結核

高リスク群

ときに波動性の,癒合した無痛性のリンパ節腫脹

ツベルクリン反応検査またはインターフェロンγ遊離試験

培養

がん†

局所性の原発がん(例,中咽頭癌甲状腺癌,唾液腺癌)

遠隔部位の原発巣からのリンパ節転移(例,リンパ腫前立腺癌乳癌結腸癌腎癌

局所または領域の原発巣からのリンパ節転移(例,肺癌,上部消化管癌)

最も一般的な局所性の原発がんの場合(通常高齢患者で,典型的には重度の喫煙,飲酒,またはその両方がある)

視診可能または触知可能な原発がん(例,中咽頭において)がある場合もない場合もある

がんの腫瘤は,堅固または硬く,かつ可動性であるというよりもむしろ,下部組織に固着している可能性が高い

領域転移または遠隔転移で,局所症状を伴う場合も伴わない場合もある

頸部腫瘤:検査を参照

通常,喉頭鏡検査,気管支鏡検査,および食道鏡検査とともに,全ての疑われる部位の生検

頭頸部および胸部CT,ならびにときに甲状腺シンチグラフィー

先天性疾患

鰓裂嚢胞

側方の腫瘤(通常,胸鎖乳突筋上にあり,しばしば洞または瘻孔を伴う)

小児では,超音波検査

成人では,CT

類皮嚢胞または脂腺嚢腫

弾性があり,圧痛を伴わない(感染している場合を除く)

甲状舌管嚢胞

圧痛を伴わない正中線上の腫瘤

通常,小児期または青年期に現れるが,ときにそれ以降まで現れない

他の疾患

びまん性または結節性甲状腺腫

甲状腺の腫大または結節

甲状腺機能検査

甲状腺シンチグラフィー

超音波検査

亜急性甲状腺炎

発熱,通常は甲状腺の圧痛および腫大

顎下腺の腫大(例,唾液腺炎または唾石による)

典型的には,下顎直下の側方の無痛性腫瘤

急性唾液腺炎患者では,有痛性の腫瘤

CTおよびMRI

生検

* 診察は常に行うものであるが,それが診断の唯一の手段となる可能性がある場合に限り,この列で言及している。

†がんが原因である可能性がある場合,頭頸部の診察のために患者を耳鼻咽喉科医に紹介する。

CT = コンピュータ断層撮影;PPD = 精製ツベルクリン;URI = 上気道感染症。

* 診察は常に行うものであるが,それが診断の唯一の手段となる可能性がある場合に限り,この列で言及している。

†がんが原因である可能性がある場合,頭頸部の診察のために患者を耳鼻咽喉科医に紹介する。

CT = コンピュータ断層撮影;PPD = 精製ツベルクリン;URI = 上気道感染症。

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