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新生児高ビリルビン血症

(新生児の黄疸)

執筆者:

Alan Lantzy

, MD, West Penn Hospital, Pittsburgh

最終査読/改訂年月 2015年 8月
本ページのリソース

黄疸とは,高ビリルビン血症(血清ビリルビン濃度の上昇)が原因で皮膚および眼球が黄色く変色することである。黄疸を発生させる血清ビリルビン値は,皮膚の色調および体の部位によって異なるが,通常,2~3mg/dL(34~51μmol/L)で強膜に,約4~5mg/dL(68~86μmol/L)で顔面に黄疸が認められるようになる。ビリルビン値が上昇するにつれ,外見上,頭から足の方へ黄疸が進行し,約15mg/dL(258μmol/L)で臍に,約20mg/dL(340μmol/L)で足に認められるようになる。新生児全例の半数強に,生後1週間以内に黄疸が認められる。

高ビリルビン血症の影響

高ビリルビン血症は,その原因および上昇の程度によって無害なこともあれば有害なこともある。黄疸の原因の中には,ビリルビン値にかかわらず本質的に危険なものがある。しかし,病因が何であれ,ビリルビン値が非常に高くなれば,高ビリルビン血症は問題となる。問題となる閾値は以下の条件によって異なる:

  • 年齢

  • 未熟性の程度

  • 健康状態

正期産児では一般に,18mg/dL(308μmol/L)が閾値と考えられている; 在胎35週以上の新生児の高ビリルビン血症リスクを参照のこと。しかしながら,未熟児在胎不当過小児(SGA児),および/または病的状態(例,敗血症低体温,または低酸素症)にある新生児では,はるかにリスクが高くなる。そのような新生児では,高ビリルビン血症の程度に伴ってリスクも上昇するとはいえ,ビリルビンの濃度はいかなる値でも安全とはみなせない;出生後日齢および臨床上の因子に基づいて治療を施す。現在,在胎期間に基づいて光線療法を始めるか否かを決定するための管理閾値が提案されている。

神経毒性は,新生児高ビリルビン血症による重大な病態である。急性脳症の後に脳性麻痺や感覚運動障害などの様々な神経学的異常を伴うことがあるが,認知機能は通常温存される。核黄疸は,神経毒性の最重症形態である。現在核黄疸はまれであるものの,なお発生がみられ,ほぼ必ず予防できる。核黄疸とは,大脳基底核および脳幹核への非抱合型ビリルビンの沈着による脳の損傷のことであり,急性または慢性の高ビリルビン血症によって起こる。正常では,血清アルブミンと結合しているビリルビンは血管内腔に保たれる。しかし,ビリルビンは血液脳関門を通過できるため,特定の状況では核黄疸を起こしうる:

  • 血清ビリルビン濃度が著しく上昇している場合

  • 血清アルブミン濃度が著しく低い場合(例,早産児)

  • ビリルビンが競合結合する物質によってアルブミンから遊離した場合

競合結合する物質として,薬剤(例,スルフイソキサゾール,セフトリアキソン,アスピリン),ならびに遊離脂肪酸および水素イオン(例,絶食状態,敗血症,またはアシドーシスの新生児)が挙げられる。

在胎35週以上の新生児の高ビリルビン血症リスク

リスクは血清総ビリルビン値に基づく。(Adapted from Bhutani VK, Johnson L, Sivieri EM: Predictive ability of a predischarge hour-specific serum bilirubin for subsequent significant hyperbilirubinemia in healthy term and near-term newborns. Pediatrics 103 (1):6–14, 1999.)

在胎35週以上の新生児の高ビリルビン血症リスク

病態生理

ビリルビンの大半は,ヘモグロビンが非抱合型ビリルビン(および他の物質)へ分解されることから生じる。非抱合型ビリルビンは血中でアルブミンと結合し肝臓へ運ばれ,そこで肝細胞に取り込まれ,UDPグルクロン酸転移酵素(UGT)によってグルクロン酸と抱合され水溶性となる。抱合型ビリルビンは胆汁中に排泄され十二指腸へ送られる。成人では,抱合型ビリルビンは腸内細菌によってウロビリンに還元され排泄される。しかしながら,新生児では消化管内の細菌が少ないため,ウロビリンに還元され排泄されるビリルビンも少ない。新生児は,β-グルクロニダーゼという,ビリルビンを脱抱合する酵素も有する。非抱合型となったビリルビンは,血流中に再吸収されて,再利用される。これは,ビリルビンの腸肝循環と呼ばれている(ビリルビン代謝も参照)。

高ビリルビン血症の機序

高ビリルビン血症は,以下のうち1つまたは1つ以上のプロセスにより生じる:

  • 産生の増加

  • 肝臓への取込みの減少

  • 抱合の減少

  • 排泄障害

  • 胆汁流出障害(胆汁うっ滞

  • 腸肝循環

病因

分類

高ビリルビン血症の原因を分類し考察する方法はいくつかある。一過性黄疸は健康な新生児で一般的であるため(黄疸が常に疾患を意味する成人とは異なる),高ビリルビン血症は生理的なものと病的なものに分類できる。また,高ビリルビン血症が非抱合型,抱合型,またはその両方かによっても分類できる。機序によっても分類可能である( 新生児高ビリルビン血症の原因)。

原因

ほとんどの場合は非抱合型高ビリルビン血症である。新生児黄疸の最も一般的な原因としては以下のものがある:

  • 生理的な高ビリルビン血症

  • 生理的黄疸(breastfeeding jaundice)

  • 母乳性黄疸(breast milk jaundice)

  • 溶血性疾患による病的な高ビリルビン血症

肝機能障害(例,胆汁うっ滞を起こす静脈栄養によるもの,新生児敗血症,新生児肝炎)は,抱合型高ビリルビン血症または混合型の高ビリルビン血症を引き起こす可能性がある。

生理的な高ビリルビン血症は,ほぼ全ての新生児に起こる。新生児の赤血球は寿命が比較的短いためにビリルビンの産生が増加すること,UGTの欠乏に起因する抱合不全によりクリアランスが低下すること,および腸内の細菌レベルが低いことと抱合型ビリルビンの加水分解の増加とが組み合わさって,腸肝循環を亢進させる。ビリルビン値は生後3~4日(アジア人種では7日)で18mg/dLまで上昇することがあり,その後下降する。

生理的黄疸(breastfeeding jaundice)は生後1週以内の母乳栄養児の6分の1に発生する。母乳栄養では,母乳摂取量が低下している新生児や脱水またはカロリー摂取不足に陥っている新生児の一部において,ビリルビンの腸肝循環が亢進する。また,腸肝循環の増加は,ビリルビンを再度吸収されない代謝物に変換する腸内細菌の減少からも生じる。

母乳性黄疸(breast milk jaundice)は,生理的黄疸とは異なるものである。生後5~7日に発生し生後約2週にピークがみられる。母乳中のβ-グルクロニダーゼ濃度の上昇によって起こると考えられ,これによりビリルビン脱抱合および再吸収の増加が起こる。

正期産児の病的な高ビリルビン血症は以下の場合に診断される:

  • 黄疸が生後24時間以内に発生する場合,生後1週以降に発生する場合,または2週間以上持続する場合

  • 血清総ビリルビン(TSB)が1日5mg/dL以上上昇する場合

  • TSB > 18mg/dL

  • 重篤な疾患の症状または徴候を示す場合

最も一般的な病因は以下の通りである:

  • 免疫性および非免疫性溶血性貧血

  • G6PD欠損症

  • 血腫の吸収

  • 敗血症

  • 甲状腺機能低下症

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新生児高ビリルビン血症の原因

機序

原因

腸肝循環の亢進

母乳(母乳性黄疸)

授乳ができていない(生理的黄疸)

薬剤性の麻痺性イレウス(硫酸マグネシウムまたはモルヒネ)

絶食状態または他の原因による蠕動低下

ヒルシュスプルング病

輪状膵を含む,腸管の閉鎖または狭窄

胎便性イレウスまたは胎便栓症候群

幽門狭窄*

飲み込んだ血液

過剰産生

血管外血液の分解(例,血腫,点状出血,肺出血,脳出血,潜在出血)

胎児母体間輸血,双胎間輸血,または臍帯クランプの遅れによる赤血球増多症

溶血性貧血による過剰産生

G6PD欠損症の新生児におけるある種の薬物および薬剤(例,アセトアミノフェン,アルコール,抗マラリア薬,アスピリン,ブピバカイン,コルチコステロイド,ジアゼパム,ニトロフラントイン,オキシトシン,ペニシリン,フェノチアジン系,スルホンアミド系)

母児間血液型不適合(例,Rh,ABO)

赤血球関連の酵素欠損症(例,G6PDまたはピルビン酸キナーゼ欠損症)

球状赤血球症

サラセミア(αβγ

胆道閉塞による分泌不足

α1-アンチトリプシン欠乏症*

胆道閉鎖症*

総胆管嚢腫*

嚢胞性線維症*(濃縮胆汁)

Dubin-Johnson症候群およびRotor症候群*

静脈栄養

腫瘍または絞扼*(外因性閉塞)

代謝・内分泌の病態による分泌不足

Crigler-Najjar症候群(家族性非溶血性黄疸1型および2型)

薬物およびホルモン

高メチオニン血症

下垂体機能低下症および無脳症

甲状腺機能低下症

Lucey-Driscoll症候群

母体糖尿病

未熟性

チロシン症

過剰産生および分泌不足の混合型

仮死

子宮内感染

母体糖尿病

呼吸窮迫症候群

敗血症

重度の胎児赤芽球症

梅毒

TORCH感染症

*黄疸が新生児期以外でも発生することがある。

TORCH = トキソプラズマ症,他の病原体,風疹,サイトメガロウイルス,および単純ヘルペス。

Adapted from Poland RL, Ostrea EM Jr: Neonatal hyperbilirubinemia. In Care of the High-Risk Neonate, ed. 3, edited by MH Klaus and AA Fanaroff. Philadelphia, WB Saunders Company, 1986.

評価

病歴

現病歴の聴取では,発症年齢および黄疸の持続期間に注意すべきである。重要な関連症状として,嗜眠および哺乳不良(核黄疸の可能性を示唆)などがあり,昏迷,筋緊張低下,または痙攣へと進行し,最終的には筋緊張亢進に至る場合がある。哺乳パターンは,授乳ができていないか,または授乳不足の可能性を示唆しうる。したがって,病歴聴取には,何をどのくらいの量,どのくらいの回数哺乳しているか,尿量および排便量(授乳ができていないか,または授乳不足の可能性),どのくらい上手に乳房または哺乳瓶の乳首をくわえているか,母親が母乳による乳房の充満を感じているか,授乳中に児が嚥下しているか,授乳後満足そうに見えるかなどを含めるべきである。

系統的症状把握(review of systems)では,呼吸窮迫,発熱,および易刺激性または嗜眠(敗血症);筋緊張低下および哺乳不良(甲状腺機能低下症,代謝性疾患);嘔吐の反復エピソード(腸閉塞)など,原因を示唆する症状がないか検討すべきである。

既往歴の聴取では,母体感染症(トキソプラズマ症,他の病原体,風疹,サイトメガロウイルス,および単純ヘルペス[TORCH]感染症),早期高ビリルビン血症を起こしうる疾患(母体糖尿病),母体Rh因子および血液型(母児間血液型不適合),遷延分娩または難産の既往(血腫または鉗子による外傷)に焦点を置くべきである。

家族歴の聴取では,G6PD欠損症,サラセミア,および球状赤血球症などの黄疸を起こしうる既知の遺伝性疾患,黄疸がみられた同胞の有無に注意すべきである。

薬歴の聴取では,黄疸を強める可能性がある薬剤(例,セフトリアキソン,スルホンアミド系,抗マラリア薬)に特に注意すべきである。

身体診察

全体的臨床所見およびバイタルサインを評価する。

皮膚を視診して黄疸の程度を確認する。皮膚を愛護的に圧迫すると黄疸の存在を明らかにするのに役立つ。また,斑状出血または点状出血(溶血性貧血を示唆)に注意する。

身体診察では,原因疾患の徴候に焦点を置くべきである。

全体的な外見を視診して,多血(胎児母体間輸血),巨大児(母体糖尿病),嗜眠または極度の易刺激性(敗血症または感染症),巨舌症(甲状腺機能低下症)および鼻根部扁平または両側内眼角贅皮(ダウン症候群)などの形態異常の特徴がないか確認する。

頭頸部診察では,頭血腫に一致する頭皮の皮下出血および腫脹に注意する。肺を診察して,断続性ラ音(ラ音),類鼾音,および呼吸音減弱(肺炎)がないか確認する。腹部を診察して,膨隆,腫瘤(肝脾腫),または疼痛(腸閉塞)がないか確認する。神経学的診察では,筋緊張低下または筋力低下の徴候に焦点を置くべきである(代謝性疾患,甲状腺機能低下症,敗血症)。

警戒すべき事項(Red Flag)

以下の所見は特に注意が必要である:

  • 生後24時間以内の黄疸

  • TSB > 18mg/dL

  • 0.2mg/dL/時(3.4μmol/L/時)以上または5mg/dL/日以上のTSB上昇

  • TSBが5mg/dL以下で抱合型ビリルビン濃度が1mg/dL(17μmol/L)以上,または抱合型ビリルビンがTSBの20%以上(新生児胆汁うっ滞を示唆)

  • 生後2週以降の黄疸

  • 嗜眠,易刺激性,呼吸窮迫

所見の解釈

評価は生理的黄疸と病的黄疸との鑑別に焦点を置くべきである。病歴,身体診察,および発生時期が診断に有用であるが,典型的にはTSBおよび血清中の抱合型ビリルビン値を測定する。

発生時期

生後24~48時間以内に発生する,または2週間以上持続する黄疸は,病的である可能性が最も高い。生後2~3日以降まで顕性とならない黄疸は,生理的黄疸または母乳性黄疸により一致する。例外は,代謝因子(例,Crigler-Najjar症候群,甲状腺機能低下症,薬剤)によるビリルビンの分泌不足であり,顕性となるのに2~3日かかる場合がある。そのような場合,ビリルビン値は典型的には生後1週間以内にピークとなり,5mg/dL/日未満の速度で蓄積し,長期間顕性となる。現在ほとんどの新生児は48時間以内に退院するか新生児室を出るため,高ビリルビン血症の多くは退院後にしか発見されない。

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新生児黄疸の身体所見

所見

黄疸の発生時期

原因

一般診察

発熱,頻脈,呼吸窮迫

生後24時間

5mg/dL/日(86μmol/L/日)以上の速度で蓄積

肺炎,TORCH感染症,敗血症

嗜眠,筋緊張低下

生後24~48時間以内に出現

遷延しうる(2週間以上)

甲状腺機能低下症,代謝性疾患

巨大児

24~48時間

5mg/dL以上蓄積しうる

母体糖尿病

点状出血

生後24時間

5mg/dL以上蓄積

溶血状態(例,母児間血液型不適合,赤血球関連の酵素欠損症,遺伝性球状赤血球症,サラセミア,敗血症)

多血

生後24時間

5mg/dL以上蓄積

胎児母体間輸血または双胎間輸血,臍帯クランプの遅れ

頭頸部診察

両側眼瞼裂の傾斜,鼻根部扁平,巨舌症,後頭部扁平

生後2~3日

ダウン症候群(おそらく十二指腸閉鎖,ヒルシュスプルング病,腸閉塞,第1第2趾間の解離)

頭血腫

24~48時間

5mg/dL以上蓄積しうる

分娩外傷

巨舌症

24~48時間

遷延しうる(2週間以上)

甲状腺機能低下症

腹部診察

腹部膨隆,腸音減弱

症状出現が遅延する可能性(2~3日またはそれ以降)

腸閉塞(例,嚢胞性線維症,ヒルシュスプルング病,腸閉鎖または狭窄,幽門狭窄,胆道閉鎖症)

TORCH = トキソプラズマ症,他の病原体,風疹,サイトメガロウイルス,単純ヘルペス。

検査

新生児の皮膚色により本症を疑い,血清ビリルビンの測定により診断を確定する。新生児を対象とした,非侵襲的な経皮的ビリルビ濃度値測定法の使用が増えており,測定値は血清ビリルビン測定値と良好な相関を示す。高ビリルビン血症リスクは年齢特異的なTSB値に基づいている。

早期産児で10mg/dL(170μmol/L)以上,または正期産児で18mg/dL以上のビリルビン濃度で,Hct,血液塗抹標本,網状赤血球数,直接クームス試験,TSBおよび直接血清ビリルビン濃度,児と母親の血液型およびRh型の検査を含む追加的な診断検査が必要となる。

この他にも,病歴および身体診察によっては,敗血症を検出するための血液,尿,髄液培養,溶血のまれな原因を検出するための赤血球関連の酵素レベルの測定などの検査が適応となることがある。このような検査は,最初のビリルビン値が25mg/dL(428μmol/L)以上のいずれの新生児にも適応となる。

治療

高ビリルビン血症の治療は基礎疾患に対して行う。さらに,高ビリルビン血症自体の治療も必要な場合がある。

生理的黄疸は通常臨床的には問題にならず,1週間以内に消失する。頻回の人工乳栄養は,消化管運動と排便頻度を増やし,そのためビリルビンの腸肝循環が最小限になることで,高ビリルビン血症の発生率および重症度を低減できる。人工乳の種類はビリルビン排泄を増やすことに関しては重要ではないと思われる。

授乳頻度を増やすことによって,生理的黄疸を防ぐまたは減らすことが可能な場合がある。早期の生理的黄疸がみられる正期産児で,ビリルビン値が上昇し続け18mg/dL以上となった場合は,母乳から人工乳への一時的変更が適切と考えられる;さらに高値の場合は光線療法が適応となる場合がある。母乳栄養の中止は1~2日でよいことが多く,母親には患児のビリルビン値が低下し始めればすぐに授乳を再開できるよう,母乳を定期的に搾乳し続けるよう奨励する。母親にはまた,高ビリルビン血症は何ら害を起こさず,安全に母乳栄養を再開できるようになるということを理解させておく必要がある。水分またはブドウ糖の補充は,母親の乳汁産生を妨げる恐れがあることから勧められない。

高ビリルビン血症の根治療法では以下の処置を行う:

  • 光線療法

  • 交換輸血

光線療法

光線療法は依然として標準治療であり,蛍光白色光を用いることが最も多い。(集中的な光線療法には青色光,すなわち波長425~475 nmの光が最も効果的である。)光線療法は,光を使用して非抱合型ビリルビンを光異性化し水への溶解度を高め,グルクロン酸抱合なしでも迅速に肝臓および腎臓から排泄できるようにするものである。これは,新生児高ビリルビン血症の根治的な治療および核黄疸の予防となる。

在胎35週以降に生まれた新生児における光線療法の適応は,非抱合型ビリルビンが12mg/dL(205.2μmol/L)以上の場合の選択肢であり,また非抱合型ビリルビンが25~48時間で15mg/dL;49~72時間で18mg/dL,72時間以上で20mg/dL以上の場合である( 在胎35週以上の新生児の高ビリルビン血症リスク)。光線療法は抱合型高ビリルビン血症には適応とならない。

未熟児は神経毒性のリスクがより高いため,在胎35週未満で生まれた新生児では,治療域値が低くなる。早産であればあるほど,閾値は低くなる( 在胎35週未満の新生児に対して提案されている光線療法または交換輸血開始の閾値*)。

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在胎35週未満の新生児に対して提案されている光線療法または交換輸血開始の閾値*

在胎期間(週)

光線療法

(総血清ビリルビン,mg/dL)

交換輸血

(総血清ビリルビン,mg/dL)

< 28

5~6

11~14

28~ < 30

6~8

12~14

30~ < 32

8~10

13~16

32~ < 34

10~12

15~18

34~ < 35

12~14

17~19

*Consensus-based recommendations adapted from Maisels MJ, Watchko JF, Bhutani VK, Stevenson DK: An approach to the management of hyperbilirubinemia in the preterm infant less than 35 weeks of gestation. Journal of Perinatology 32:660–664, 2012.

光線療法実施中は,たとえ血清ビリルビン値は高値のままであっても外見上は黄疸が消失したように見える場合があるため,皮膚によって黄疸の重症度評価をすることはできない。採取用試験管内のビリルビンは急速に光酸化されるため,ビリルビン測定に使用する血液は強い光が当たらないよう遮光する。

交換輸血

交換輸血は循環からビリルビンを速やかに除去でき,免疫介在性の溶血により最も多く発生する重度の高ビリルビン血症に適応となる。部分的に溶血し抗体で覆われた赤血球および循環中Igを除去するため,臍静脈カテーテルを通して少量の血液の採血および補充を行う。患児の血液は,循環血中の抗体に結合する赤血球膜抗原をもたないドナーの赤血球(抗体で覆われていない赤血球)と交換する。つまり,新生児がAB抗原に感作されていればO型血液を使用し,新生児がRh抗原に感作されていればRh陰性の血液を使用するということである。成人ドナーの赤血球は,胎児の細胞に比べて多くのABO抗原部位をもつため,同じ型同士の輸血は溶血を助長する。核黄疸の原因となるのは非抱合型高ビリルビン血症のみであり,抱合型ビリルビンが上昇したとしても,交換輸血が必要かどうかの決定には総ビリルビン値ではなく非抱合型ビリルビン値を使用する。

正期産児への適応としては,血清ビリルビンが24~48時間で20mg/dL以上の場合または48時間を超えて25mg/dL以上の場合,光線療法の結果,開始4~6時間以内で1~2mg/dL(17~34μmol/L)の減少に止まった場合,またはビリルビン値にかかわらず核黄疸の最初の臨床徴候がみられた場合などがある。最初の検査時から血清ビリルビン値が25mg/dLを超えている新生児には,高強度の光線療法によりビリルビン値が減少しなかった場合に備え,交換輸血の準備を整えておく必要がある。

在胎35週未満の新生児での閾値が提唱されている(表「在胎35週未満の新生児に対して提案されている光線療法または交換輸血開始の閾値*」を参照のこと)。以前は,患者の体重だけに基づいた基準が使われていたこともあったが,現在は上に記載した具体的なガイドラインが使用されている。

濃厚赤血球160mL/kg(児の全血量の2倍)を2~4時間かけて交換することが最も多いが,80mL/kgを1~2時間かけて連続2回交換する方法もある。交換輸血では,20mLの血液を採取後直ちに20mLを輸血する。予定総量が交換できるまでこの処置を繰り返す。重症(critically ill)例または未熟児の場合,血液量の大幅な変動を避けるため,1回量として5~10mLを用いる。高ビリルビン血症では1~2時間以内に輸血前の約60%のレベルまでビリルビン値がリバウンドしうることが知られているため,ビリルビンを50%近く減少させることを目標とする。また核黄疸のリスクが増大するような状態(例,絶食状態,敗血症,アシドーシス)にある場合は,その目標レベルをさらに1~2mg/dL下げるのも通例となっている。ビリルビン値が高いままであれば,交換輸血を繰り返す必要もありうる。なお,交換輸血にはリスクおよび合併症があり,光線療法の成功よって本処置の施行頻度が減少してきている。

要点

  • 新生児黄疸は,ビリルビン産生の増大,ビリルビンクリアランスの減少,または腸肝循環の亢進によって生じる。

  • 黄疸の中には,新生児では正常なものもある。

  • リスクは新生児の生後日齢,血清総ビリルビン値,未熟性,および健康状態により異なる。

  • 治療は,ビリルビン高値の原因および程度によって変わる;早産であればあるほど,閾値は低くなる。

  • 根治的治療法には光線療法および交換輸血などがある。

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