胎便栓症候群

(small left colon syndrome)

執筆者:Jaime Belkind-Gerson, MD, MSc, University of Colorado
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 2023年 9月 | 修正済み 2024年 3月
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胎便栓症候群は粘稠度の高い胎便による結腸閉塞である。診断は造影剤の注腸によるX線検査のほか,ときにヒルシュスプルング病の検査にも基づく(ヒルシュスプルング病でも生後24時間以内に胎便の排出が認められないことがあるため)。治療はX線造影剤による注腸であるが,まれに外科的減圧が必要になる。

胎便栓症候群は通常,健康な乳児に発生し,頻度は出生500例当たり1例である。

胎便栓症候群は一般に,結腸の機能的未熟性によって初回排便が遅延する病態と考えられている。

胎便栓症候群の病因

胎便栓症候群は以下の集団でより多くみられる:

ある研究では,胎便栓症候群症例の16%でマグネシウムによる子宮収縮抑制との関連が認められた(1)。胎便栓症候群の乳児の約10~40%ではヒルシュスプルング病がみられる(2)。胎便栓症候群には嚢胞性線維症との関連もみられる。

病因論に関する参考文献

  1. 1.Cuenca AG, Ali AS, Kays DW, Islam S: "Pulling the plug"--management of meconium plug syndrome in neonates. J Surg Res 175(2):e43-e46, 2012.doi: 10.1016/j.jss.2012.01.029

  2. 2.Buonpane C, Lautz TB, Hu YY: Should we look for Hirschsprung disease in all children with meconium plug syndrome?J Pediatr Surg 54(6):1164, 2019.doi: 10.1016/j.jpedsurg.2019.02.036

胎便栓症候群の症状と徴候

生後数日以内に腹部膨隆,嘔吐がみられ,排便はみられない。粘稠度が高く濃縮された弾性のある胎便が結腸の形の栓を形成し,完全閉塞を引き起こす。

胎便栓症候群の診断

  • X線造影剤による注腸

  • ときにヒルシュスプルング病の検査

胎便栓症候群の診断は除外診断であり,最初にヒルシュスプルング病と鑑別すべきであり,特に胎便栓が排出されたにもかかわらず遠位部の閉塞の症状が持続する場合は鑑別が必要である。

腹部単純X線は非特異的であり,下部腸閉塞の徴候を示すことがある。一方,下部消化管造影では,特徴的な所見である結腸壁に対する濃縮された胎便のアウトラインが示され,二重造影のように見える(1)。胎便性イレウスと異なり,胎便栓症候群は遠位部で発生する病態であるため,X線上のmicrocolonの所見は通常みられない。

胎便栓症候群の患児には嚢胞性線維症の検査を行うべきである。

診断に関する参考文献

  1. 1.Manzoor A, Talat N, Adnan HM, et al: Contrast Enema: Solving Diagnostic Dilemmas in Neonates With Lower Intestinal Obstruction. Cureus 14(3):e23458, 2022.doi: 10.7759/cureus.23458

胎便栓症候群の治療

  • X線造影剤による注腸

水溶性造影剤の注腸により,腸壁から胎便栓を分離し排出させることで,治療できる場合がある。ときに,注腸を繰り返す必要がある。

まれに外科的減圧が必要となる。以降は大半の患児が健康になるが,ヒルシュスプルング病または嚢胞性線維症を除外するために診断検査が必要になる場合がある。

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