動悸を訴える患者における示唆的な病歴所見

所見

考えられる原因

ときに脈が飛ぶ

PACPVC

急速で規則的な動悸が突然に発生して消失する

しばしば再発の既往歴

PSVT,2:1房室ブロックを伴う心房粗動,VT

動悸後の失神

洞不全症候群,房室副伝導路(WPW症候群など),先天性QT延長症候群,VT,心房細動心房粗動

運動中または感情的出来事の発生時の動悸

洞頻拍(特に健常者)

労作時の虚血による心室性不整脈(特に先天性不整脈疾患またはCADを有する患者)

散発的*な薬物使用後の動悸

薬剤性の原因

破滅感,不安,パニック

心理的因子を示唆する(確定ではない)

術後の患者

洞頻拍(例,感染,出血,肺塞栓症,疼痛によるもの),心房細動,心房粗動

小児期からの再発性エピソード

上室性不整脈(例,房室結節リエントリー性の副伝導路,WPW症候群)

先天性QT延長症候群(通常は青年期に発症)

失神または突然死の家族歴

ブルガダ症候群,先天性QT延長症候群,遺伝性の拡張型または肥大型心筋症

*薬物(特に治療薬)または物質(例,毎日のカフェイン)の定期的な使用が果たす役割は特定困難なことがあり,ときに試験的な中止が診断に結びつく。心血管系に影響を及ぼす全ての薬物,大半の向精神薬,低カリウム血症または低マグネシウム血症を引き起こしする薬物を疑わなければならない。

CAD = 冠動脈疾患,PAC = 心房性期外収縮,PSVT = 発作性上室頻拍,PVC = 心室性期外収縮,VT = 心室頻拍。

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