産褥期のケアの大まかな説明

(妊娠と分娩後のケア)

完全なレビュー: 2024年 8月 執筆者:Julie S. Moldenhauer, MD, Children's Hospital of Philadelphia | 査読者Oluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
最終更新日: 2025年 2月
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やさしくわかる病気事典

妊娠を経て赤ちゃんを分娩してからの6週間の期間を、産褥期といい、これは母体が妊娠前の状態に戻るまでの期間です。

出産後に母体に起こる身体的な変化や症状はいくつかありますが、正常なものや軽度で一時的なものがほとんどです。重度の健康上の問題はまれです。医師、助産師、看護師が、産後の変化や何が予想されるかについて女性に話します。通常は、生後6週間(ときには生後2週間)に、医療従事者によって、産後のフォローアップのための来院や往診を行う予定が立てられます。また、合併症の徴候と思われる症状について、医師に連絡すべきタイミングについても指示を受けます。

最も一般的な出産後の合併症は以下のものです。

分娩後異常出血は分娩直後に起こることもあれば、最長で産後6週間も経過してから起こることもあります。

分娩の約6週間後は血栓症の発生リスクが高くなります(妊娠中の血栓塞栓症を参照)。脚の深部静脈に形成された血栓(深部静脈血栓症)が血流に乗って肺へ運ばれることがあります(肺塞栓症)。これは生命を脅かす病気です。

出産後2日間のケア

分娩後1~4時間は、医師、助産師、看護師が母体の経過を注意深くモニタリングします。麻酔(硬膜外麻酔など)を使用した場合や、陣痛や分娩中に何らかの問題が生じた場合は、通常は必要に応じて、酸素、輸液(静脈からの水分補給)、および薬剤などが整った回復室で分娩後の母体をより長期間にわたってモニタリングします。

綿密なモニタリング期間中は、女性の血圧、心拍数、体温を測定します。問題がない場合は出産後24時間以内に母親の心拍数は低下し始めて正常値に戻り始め、体温がわずかに上昇することがありますが、数日以内で正常に戻ります。

医療従事者は痛みをできるだけ和らげ、出血や感染のリスクを最小限に抑えるよう努めます。

性器出血

分娩直後、出血は主に子宮の収縮によりコントロールされます。子宮の大部分は筋肉でできており、筋肉が収縮すると血管が圧迫され、出血が遅くなります。

医療チームは、出血過多を防ぐための措置を講じます。子宮収縮を刺激するために、オキシトシンと呼ばれる薬が、通常、静脈内または筋肉への注射により投与されます。

胎盤の娩出(後産)後、看護師が定期的に母体の腹部マッサージを行い、子宮の収縮させ、収縮状態を持続させます。

分娩中や分娩後の失血が多かった場合には、血液検査により貧血がないかどうか確認します。

腟、外陰部、会陰部の痛みや腫れ

腟口周囲が痛むことが多く、排尿中に刺すような痛みを感じることもあります。会陰部(膣口と肛門の間の皮膚)の裂傷や会陰切開の縫合痕が痛んだり、腫れたりすることもあります。

分娩直後から24時間はアイスパックや冷湿布を使うと痛みや腫れが和らぐことがあります。麻酔薬のクリームやスプレーを皮膚に使用してもよいでしょう。スプレーボトルに入れたぬるま湯で1日に2~3回腟の周りを洗っても痛みが軽減します。

腰かける動作は慎重にし、座った姿勢で痛みが生じる場合はドーナツ形のクッションを使用するとよいでしょう。

排尿

多くの場合、出産後には尿量が大幅に増えますが、数日後には正常に戻ります。

分娩時に胎児の頭から膀胱が圧迫されるため、膀胱の感覚が低下することがあります。そのため、病院のスタッフは母親に少なくとも4時間おきに定期的に排尿するように促します。このようにして膀胱に尿がたまりすぎるのを防ぎ、膀胱感染を予防します。

看護師やその他の医療スタッフは、母親の腹部をそっと押したり、携帯型の超音波装置を使って膀胱を調べ、空になっているかどうかを確認します。

ときに母親が自分で排尿できない場合があり、一時的にカテーテルを挿入して膀胱を空にする処置を行う必要があります。まれに、留置カテーテル(一定期間、膀胱に入れたままにしておくカテーテル)が必要になります。

排便

分娩後3日以内に排便することが勧められます。これが起きない場合には、便軟化剤や下剤の使用が勧められることがあります。分娩中に肛門周辺の筋肉に裂傷が生じた場合には、その部分が圧迫されないように便軟化剤を使用することが重要です。

分娩後初めての排便では便が硬かったり、肛門部や会陰部の痛みのため困難が伴うことがあります。帝王切開後やその他の理由で強い痛みがある女性には、便秘を引き起こす可能性のあるオピオイド鎮痛薬が処方されることがあります。

また、最初の排便が数日間遅れることもありますが、これは、いきむことや縫合痕に重力をかけることへの懸念のため、または外陰部や会陰部の痛みや腫れのためである場合もあります。

分娩時にいきむことや、分娩後の便秘がを悪化させ、排便時やその他以外の時にも痛む場合があります。痛みは温かい坐浴や局所麻酔薬の使用によって緩和できます。痔は通常2~4週間以内に回復します。

食事と運動

通常は、吐き気がなければ、分娩直後でも普通の食事をとることができます。

また、できるだけ早く起き上がり、歩行を始めるとよいでしょう。

シャワーと入浴

経腟分娩後、立ってもふらつきがなければすぐにシャワーを浴びることができます。

帝王切開の後も、包帯を取った後で立ってもふらつきがなければシャワーを浴びることができます。切開部位をこすらないように細心の注意を払います。縫合痕が完全にふさがって、すべてのステープルや縫合糸が抜去され、切開部が完全に治癒するまで、入浴は控えるべきです。これには約6週間ほどかかります。

経腟分娩でも帝王切開でも、出産後少なくとも2週間は、タンポンや腟洗浄器などを含めて腟内に何も入れてはいけません。負荷のかかる活動や重い物を持ち上げる動作は、6週間程度は避けるべきです。

薬物治療

出産後、女性はしばしば外陰腟部や帝王切開の切開部位などの痛みがあり、医師の指示にしたがい痛みを和らげるための薬を服用することがあります。

母乳哺育の場合は、比較的安全な鎮痛薬であるアセトアミノフェンやイブプロフェンを使います。母乳哺育中に薬剤を服用する必要がある母親は、これについて主治医に相談するべきです。

予防接種

妊娠中のワクチン、妊婦へのワクチン接種に関するガイドライン[Guidelines for Vaccinating Pregnant Women]、およびCDC:妊娠中または母乳哺育中のCOVID-19ワクチン接種[CDC: COVID-19 Vaccines While Pregnant or Breastfeeding]も参照のこと。)

一部の女性では出産後にワクチン接種が推奨され、これは通常は出産後2日以内(または退院前)に行われます。ワクチン接種は、出生前検査で特定の感染症に対する免疫がないことが分かった場合、または定期予防接種を受ける予定がある場合に行われます。一部のワクチン(生ワクチンや弱毒生ワクチンなど)は、妊娠中は接種できないため、必要に応じて出産後に接種します。ほとんどのワクチンは、一部の例外(天然痘のワクチンおよび黄熱ワクチンの大半の使用など)を除き、授乳中でも安全に使用できます。

麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチンは、このうち1種類またはそれ以上のウイルスに対する免疫がない場合に接種します(ときに、過去に予防接種を受けても、免疫が発達していない場合があります)。

水痘にかかったことがなく、水痘ワクチンの接種を受けたこともない妊婦は、分娩後に水痘ワクチンの1回目の接種を受け、4~8週間後に2回目の接種を受けるべきです。

ジフテリア・破傷風・百日ぜき混合ワクチン(Tdap)は各妊娠中、できれば27週~36週の間に受けるのが理想的です。母親が今回または過去の妊娠中、または青年期や成人期にTdapワクチンの接種を受けたことがない場合は、授乳中かどうかにかかわらず、退院出産後数日以内に接種する必要があります。新生児と接触する家族がTdapワクチンを受けたことがない場合は、該当する家族が新生児と接触する少なくとも2週間前にTdapの接種を受けるべきです。Tdapワクチンは百日ぜきに対する免疫をつけるもので、無防備な新生児を百日ぜきに感染させるリスクを抑えます。

ヒトパピローマウイルスワクチンの接種に適格であり、この接種を受けていない、または一連のワクチン接種を完了していない女性は、出産後にワクチン接種を受けることができます。

Rh陰性血液型

母親の血液型がRh陰性で子どもの血液型がRh陽性である場合(Rh式血液型不適合)、分娩後3日以内に筋肉内注射によりRho(D)免疫グロブリンを母親に投与します。この薬には、母親の血流内に移行した胎児の赤血球が免疫系に認識されないように作用することで、母体内で胎児の赤血球に対する抗体が作られる反応を阻止する働きがあります。このような抗体は、次回以降の妊娠を危険なものにするおそれがあるため、

退院前

退院前に母親の診察が行われます。母親も新生児も健康であれば、通常、経腟分娩では出産後24~48時間以内に、帝王切開では96時間以内に退院します。全身麻酔を使わず何の問題もなかった場合には、早ければ6時間後には退院することがあります。

フォローアップのため、通常は分娩後2~8週からの定期的な来院予定が立てられます。妊娠中または出産時に合併症があった場合は、フォローアップのための最初の来院がそれより早く予定されることがあります。

出産後最初の6週間のケア

出産後、女性は多くの身体的変化、ときには感情的な変化を経験します。医師は、予想される変化について説明し、自宅でこれらの変化を管理する方法を指導し、いつ診察を受けるべきかについて母親に話します。

性器出血およびおりもの(悪露)

出産後最長6週間は、性器出血が起きてからおりものが分泌されますが、その量は減少し、色が変化します。出産後に出る血液とおりものが混ざったものを悪露といい、これには赤色悪露、漿色悪露、白色悪露の3段階があります。出産後の性器出血は正常ですが、どのぐらいの出血量が多すぎるとされるのか、どのようなときに問題の徴候である可能性があるのか(出血が1週間止まってから再び始まる場合など)を知っておくことが重要です。重い出血や予期しない出血について懸念がある場合は、医師に連絡すべきです。

最初の数時間は出血が重く、その後は重い月経出血の程度まで減少します。3、4日間は出血が続きます(赤色悪露)。

その後、ピンク色または薄茶色になり(漿色悪露)、14日間ほど持続します。出産から約1~2週間経つと子宮内で胎盤が付着していた部位にできていたかさぶたが剥がれ、大量出血がみられた後、軽い出血が1~2時間ほど続きます。

次におりものは黄色っぽい白色になり(白色悪露)、最長14日間続きます。

出血やおりものを吸収するため生理用ナプキンなどを使用し、頻繁に交換します。タンポンは、分娩後6週間は使用すべきではありません

外陰部、腟、および会陰部のケア

経腟分娩後、特に裂傷があったり、会陰切開と縫合が行われた場合、通常は腟、外陰部、会陰部に痛みや腫れが生じます。

温かい坐浴で痛みが和らぐこともあります。坐浴を行う場合は、腰かけた姿勢で少なくとも会陰部と殿部を水につけます。座浴後は、下着を着る前に完全に乾かします。

帝王切開のケア

帝王切開が行われた場合、包帯は通常1~2日後に取り除きます。外科用ステープルまたは非吸収性の縫合糸は通常1週間以内に除去します。吸収性縫合糸や手術用位接着剤は、除去する必要はありません。

切開部位は清潔で乾いた状態にしておく必要があります。切開部で発赤が強くなったり、浸出液が出てきたりした場合は、医師の診察を受ける必要があります。

切開部位周辺の痛みは時間とともに軽減します。出産後数日間はオピオイド鎮痛薬が投与されることがあります。その後は、アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェンなど)で痛みを和らげることができます。切開部周囲の痛みは数カ月間続くことがあり、しびれ感はもっと長く続くことがあります。

負荷のかかる活動や重い物(通常、赤ちゃんより重い物と定義)を持ち上げる動作は、帝王切開後6週間は避けるべきです。

身体の他の部位の変化

子宮は出産後4週間ほどは大きいままです。主に筋肉でできている子宮はしばらくの間は収縮を続け、妊娠していないときの大きさに戻るまで徐々に小さくなります。この収縮は、分娩後数日間痛みを伴うこともあります。通常、子宮は出産後1~2週間は、小さくなって上部(子宮底部)が恥骨より下になるまで、腹部から触知できます。子宮の収縮力は母乳を与えると強まります。授乳がきっかけとなって、オキシトシンというホルモンの分泌が刺激されます。オキシトシンには乳汁分泌を促す作用(催乳反射)と子宮を収縮させる作用があります。

出産後は腹部の皮膚や筋肉が伸びてたるんでいます。数週間かけて徐々に筋緊張が戻ります。しかし、腹部の皮膚や筋緊張は通常、運動するかどうかに関係なく、妊娠前の状態には数カ月間は戻りません。数カ月経った後も、多くの女性で、妊娠前よりも腹部が突出したままです。

腹部や乳房の皮膚のストレッチマークは消えませんが、1年かけて徐々に薄くなっていきます。

出産後数週間で、多くの女性の髪の毛が抜けます。くしやブラシ、シャワーの排水口に抜けた毛に気づきます。妊娠中はエストロゲン値が高くなるため、安静段階(この段階で毛髪が脱落する)に入る毛包が減少し、そのため毛髪が通常よりも増えたように感じられます。しかし、出産後にはエストロゲン濃度と毛髪成長周期が正常に戻るため、増えていた毛髪が抜け落ちます。

気分

出産後には悲しみの感情(マタニティーブルー)が現れるのは一般的です。易怒性、気分変動、不安、集中力の低下、睡眠障害(過眠または不眠)などもみられることがあります。こういった症状は通常、7~10日で治まります。しかし、症状が2週間以上続く場合や、症状のために新生児の世話や日常生活に支障をきたしている場合は、主治医に相談するべきです。このような場合、産後うつ病や他の精神疾患の可能性があります。

体重

出産直後の母親の体重の減少量は、多くの場合わずかのみで、最初の数日間は体重が増えることもあります。胎児と胎盤は娩出されたものの、子宮は腫大したままです。また、妊娠中の血液中の水分の増加や、陣痛中に静脈内注射を受けた輸液がまだ残っており、また母乳によっても体重が増えます。

最初の2週間に、排尿によって余分な水分が体外に排出されます。妊娠前の体重に戻るのには、健康的な食生活と運動の習慣に従った場合でも、通常6~12カ月かかります。

運動

経腟分娩の後は、分娩中に肛門括約筋に損傷がなければ、通常分娩後数日以内に腹筋や骨盤底筋を強化するための運動(ケーゲル体操)を始めることができます。

帝王切開は大きな手術であるため、十分に回復して傷が癒えるまで、運動を始めるべきではありません。通常、この経過には約6週間かかります。

出産後の健診で主治医の了解が得られれば、妊娠前に行っていた通常の運動を再開できます。

性行為と家族計画(避妊)

性行為は、希望するのであればすぐに再開してもかまいませんが、一般的には分娩後少なくとも6週間、または裂傷もしくは会陰切開が完全に回復するまで待つことが勧められます。帝王切開後の性行為は、傷が癒えるまで待つべきです。

性交時に痛みがある場合は、性行為をやめて医師の診察を受けます。授乳するとエストロゲン濃度が低下し、腟の乾燥につながることがあるため、授乳中の女性は腟の性交を不快に感じることがあります。

母乳を与えていない場合は、通常、出産から4~6週間くらいが経過した後に排卵が起こります。排卵が起きたら、約2週間後に月経があります。しかし、排卵がもっと早く起こる場合もあります。早ければ分娩後2週間で妊娠することもあります。母乳のみで授乳を行う場合は、排卵と月経の再開がいくらか遅れる傾向があり、再開は産後6カ月近くになります。ただし母乳を与えている場合でも、母乳を与えていない場合と同じくらい早い時期に排卵や月経が起こることがあります。

妊娠の可能性を最小限に抑えるために、男性との性行為を再開する前に避妊を開始する必要があります。少なくとも6カ月間、できれば18カ月間は妊娠を避けた方がよいと多くの医師が勧めています。

風疹水痘の予防接種を受けた母親は、胎児に及ぼす危険を避けるために少なくとも1カ月間は再妊娠を避けなければなりません。

医師は通常、分娩の前後に避妊の選択肢について話します。

以下のような避妊法は、出産直後に開始できます。

  • プロゲスチンのみの避妊法(インプラント、注射剤、または錠剤): 経腟分娩または帝王切開直後に開始できる

  • 子宮内避妊器具:経腟分娩の直後(胎盤分娩後10分以内)に挿入可能

  • 女性不妊手術:帝王切開の手術中または経腟分娩後1~2日以内に行うことができる

授乳中であっても、ほとんどの避妊法が使用できますが、エストロゲンは血栓(深部静脈血栓症または肺塞栓症)のリスクを増加させる可能性があるため、エストロゲンを含む経口避妊薬(またはリングやパッチ)は出産後3週間まで開始すべきではありません。また、エストロゲンによる避妊により、一時的に生産される母乳の量を減らすことがあります。これらの方法の使用は、授乳が十分に確立されるまで待ちたいと考える女性もいます。

特定の種類の経口避妊薬、酢酸メドロキシプロゲステロン注射、プロゲスチンインプラントなどのプロゲスチンのみのホルモン避妊法は、血栓形成にほとんど影響せず、乳汁産生にも影響しません。 

子宮内避妊器具(IUD)は、経腟分娩直後または分娩後のいつの時点でも留置できます。

将来妊娠を希望しない女性は、不妊手術を選択することができます。この手術では、精子が卵子に到達して受精するのを防ぐために卵管を切断または遮断します。不妊手術は、経腟分娩後1~2日以内(おへその下の小さな切開部位から)、帝王切開の施行時、または産褥期(分娩後6週間)に行うことができます。このような外科的処置は、永久的で不可逆的であると考えられています。男性パートナーが不妊手術(精管切除術)を選択することもできます。

ペッサリーをしっかりと装着できるようになるのは、子宮が妊娠していないときと同じ大きさに戻ってからで、通常は出産後約6~8週間以降です。妊婦が妊娠前にペッサリーを使用していた場合は、出産後は違うサイズのものが必要であることがあるため、出産後にフィッティングを行う必要があります。その前に性行為を行う場合は、発泡剤やゼリー、コンドームを使用できます。

知っていますか?

  • 出産後2週間経つと、早くも女性は再び妊娠可能となります。

母乳哺育

母親は最低6カ月は他の食品で補うことなく、母乳哺育を行うことが推奨されます。それからさらに6カ月、他の食品を取り入れながら母乳栄養を続けるべきです。その後は、母親または乳児の関心がなくなるまで、授乳を続けるよう推奨されます。

母親が母乳を与えられない場合や、母乳哺育を選択しない場合は、代わりに人工乳を与えます。

多くの女性は、出産する前に授乳について学んでおくことが役立つと考えています。授乳に関する情報は、書籍やインターネットから、または地域の病院、授乳支援組織、授乳コンサルタントを通じて入手できます。分娩後は、看護師や助産師が授乳方法を学ぶのを助けてくれます。

授乳の開始

分娩後2~6日間は、どろっとしており通常は黄色い初乳が出ます。その後、乳房から乳汁が分泌され始めます。この移行が起こると、乳房がより張り、温かみを帯びるようになります。乳汁は白色になり、初乳よりも薄いです。

乳房ケア

母乳を与える場合は、授乳時に乳児をどのように抱けばよいかを学ぶ必要があります。抱き方が悪いと乳頭(乳首)が痛くなったり、乳頭にひび割れができたりすることがあります。例えば、ときに乳児が下唇を巻きこんだ状態で乳頭を吸うと、乳頭がヒリヒリします。このような場合には母親が親指で乳児の下唇を引き出します。乳児の口から乳首を離すときは、母親が乳児の口に自分の指を差し入れ、吸いつきを外します。

授乳を終えたら、乳頭に付いた乳汁は自然に乾かすか、そっとふき取ります。早く乾かしたい場合は、低温にしたヘアドライヤーを使っても構いません。授乳後は、100%ラノリンを乳頭に塗布してもよいでしょう。これにより痛みを和らげ、乳頭が保護されます。

授乳期間中は、母乳が乳房から漏れることがあります。母乳を吸収するため、綿の母乳パッドを利用できますが、ブラジャーの合成樹脂製のライナーは乳頭を刺激することがあるため使うべきではありません。

授乳中の食事

母乳を与えている間は1日のカロリー摂取量を約300~500キロカロリー増やす必要があります。ビタミンや、カルシウムなどのミネラルについても、ほぼすべての摂取量を増やすべきです。通常、乳製品や葉物などの野菜が豊富に含まれたバランスのよい食事を摂取して、葉酸を含有する妊婦用ビタミン剤の摂取を1日1回続ければ十分です。妊婦用ビタミン剤は、最低400マイクログラムの葉酸が含まれているものにします。水分を十分に摂取して、母乳の量が不足しないようにします。母親が特別な食事をとっている場合には、このほかにビタミンやミネラルのサプリメント(菜食主義者の場合のビタミンB12など)を摂取する必要があるか、主治医に相談するべきです。

母乳哺育中の女性が魚介類を摂取する場合は、水銀含有量が少ない魚介類を選ぶべきです。さらなる情報については、魚介類中の水銀を参照してください。

乳房緊満

乳房に母乳がたまって張るため、乳房が大きくなったり、硬くなったり、痛んだりすることがあります。乳房緊満は、母乳が分泌され始めてすぐの時期に起こります。

授乳をしている母親は、乳房が張った場合は以下を行うと役立ちます。

  • 定期的に授乳します。

  • ゆったりとした授乳用ブラジャーを1日24時間着用します。

  • 次の授乳時間との間に母乳を搾ったり搾乳器を使ったりします(ただしこの方法により乳汁の分泌が刺激され、乳房緊満が長引く傾向があります)。

乳房の張りがひどい場合は、張りの程度を下げるために、乳児の口が乳輪(乳頭周囲の色素に富んだ部分)にぴったり合うように、授乳の直前に搾乳しなければならない場合もあるでしょう。

授乳をするつもりがない、または授乳をやめた母親には、以下が役立ちます。

  • 胸の大きさにぴったりと合ったブラジャーを装着することで乳房に圧力をかけ、乳汁分泌を抑えます。

  • アイスパックをあてがったり鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を使用したりして、乳汁分泌が自然に止まるまでの不快感を和らげます。

  • 搾乳することでより多くの母乳が必要であることが体に伝わり、乳汁の分泌が増加するため、手で搾乳することは控えます。

特定の状況では、母乳の産生を抑えるためにカベルゴリンなどの薬を服用するよう、医師から提案されることがあります。

知っていますか?

  • 母乳がたまって乳房が張っている場合には、次の授乳時間がくるまでに搾乳すると一時的に張りが治まりますが、そうすることでより多くの母乳が必要であると体に伝わることになり、結果的に乳房緊満を悪化させる傾向があります。

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