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小児における骨の病気の概要

執筆者:

Frank Pessler

, MD, PhD, Hannover, Germany

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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本ページのリソース
  • 骨の病気は、けが、感染症、がんが原因で起こったり、遺伝によって生じたり、小児の成長の一環として起こったりすることがあり、また原因が不明の場合もあります。

  • 骨の病気には、痛みが起こり、歩くのが難しくなるものもありますが、何の症状も起こらないものもあります。

  • 徹底的な病歴聴取、注意深い観察と診察、および適宜用いるX線検査またはMRI検査に基づいて、診断が下されます。

  • 治療は病気によって異なります。

小児の骨は成長し続けており、盛んに作り変えられています(リモデリング)。骨の成長は成長板と呼ばれる傷つきやすい部分で起こります。 リモデリング 骨は強固ですが、絶えず変化している組織で、いくつかの機能を果たしています。まず、骨には人体を堅固に形づくるとともに、壊れやすい内臓を盾のように保護する役割があります。骨の中には骨髄が入っていて、骨髄では血球(血液の細胞)がつくられます。また、骨はカルシウムの貯蔵場所として働き、体内のカルシウムを一定量に保っています。小児では成長板と呼ばれ... さらに読む では、骨の古い組織が徐々に新しい組織に置き換わっていきます。骨の病気の多くは、成長期の小児に起こる、筋骨格系の変化が原因です。そのような病気は小児の成長に伴い軽快することもあれば、悪化することもあります。骨の病気には遺伝するものや、小児期に起こる原因不明のものもあります。

成長板

骨は固いものと考えられがちです。しかし骨は、小児の身体の他の部分に合わせて、成長する必要があります。小児の骨は、骨の端部に近い軟骨の柔らかい部分から成長します。この部分を成長板といいます。小児の成長が終わると、成長板は固い骨になります。成長板が固い骨になると、骨の長さは伸びなくなります。これが、青年期の後期のある時点以降は身長が伸びなくなる理由です。例えばけがをした後、骨は自力で修復しますが、この成長板は修復されません。

骨軟骨症は、小児が急速に成長している時期に起こる一連の成長板の病気です。骨軟骨症の原因はよく分かっていませんが、遺伝するとみられています。骨軟骨症には、ケーラー病 ケーラー病 ケーラー病は、足の舟状骨(足のアーチ部分を構成する骨の1つ)への血液供給が途絶えるためにその部分が壊死する病気です。 (小児における骨の病気の概要も参照のこと。) ケーラー病は骨軟骨症(小児が急速に成長している時期に起こる一連の骨の成長板の病気)の一種です。骨軟骨症の原因はよく分かっていませんが、遺伝するとみられています。骨軟骨症にはほか... さらに読む レッグ・カルベ・ペルテス病 レッグ・カルベ・ペルテス病 レッグ・カルベ・ペルテス病は、小児において股関節が破壊される病気です。 原因は股関節に近い大腿骨上部の成長板への血液供給不足です。 典型的な症状としては、股関節痛や歩行困難などがあります。 診断は、X線検査およびときにMRI検査に基づいて下されます。 治療としては、股関節を固定して動かさないようにすることや、床上安静などがあります。 さらに読む オスグッド・シュラッター病 オスグッド・シュラッター病 オスグッド・シュラッター病とは、すねの骨(脛骨[けいこつ])の最上部の骨と軟骨に痛みを伴う炎症が起きる病気です。 この病気は脚の使い過ぎによって起こります。 典型的な症状としては、膝の痛み、腫れ、圧痛などがあります。 身体診察およびときにX線検査の結果に基づいて診断します。 治療は通常、痛みの緩和と安静にすることです。 さらに読む ショイエルマン病 ショイエルマン病 脊柱後弯症とは、脊椎が異常に曲がって猫背を引き起こしている状態です。 (小児における骨の病気の概要も参照のこと。) 背中の上部は、正常な場合は前方にいくらか弯曲しています。一部の小児では弯曲の程度が大きい場合があります。過度の弯曲は、以下の場合があります。 柔軟である 固定している(構造上) さらに読む などがあります。

成長板の位置

成長板(ピンク色の線で示されています)は、長管骨(腕や脚の骨など)の端部に近い軟骨の領域です。小児が十分な身長に達するまで、小児の骨を伸ばす働きを担います。

成長板の位置

原因

小児の骨の病気は、けが、がん、感染症などが原因で起こります。主として小児でみられる骨の病気の原因としては、典型的には骨の配置のずれがあり、これは小児の発達につれて成長板に力がかかることによって徐々に起こります。成長板は、血液供給が悪かったり、骨の他の部分と分離したり、または、配置がわずかにずれただけでも損傷を受けます。成長板が損傷を受けると骨の成長が制限され、関節が変形し、関節に長期的な損傷が起こります(関節炎)。

ある種の、まれな結合組織疾患 小児における結合組織疾患の概要 結合組織は頑丈で、その多くは線維性であり、互いに結合して体の構造を支えるとともに、弾力性をもたらしています。筋肉、骨、軟骨、靱帯、腱は、ほとんどが結合組織からできています。ほかには皮膚や内臓などにも結合組織があります。結合組織の特徴や含まれる細胞の種類は、体のどこに位置する組織かによって異なります。結合組織は、重さや張力に耐えられるだけの... さらに読む も、骨の異常を引き起こします。その例として、マルファン症候群 マルファン症候群 (遺伝性結合組織疾患の概要も参照のこと。) マルファン症候群は、眼、骨、心臓、血管、肺、中枢神経系などに異常が生じるまれな遺伝性結合組織疾患です。 この症候群は、フィブリリンというタンパクをコードしている遺伝子の突然変異によって発生します。 典型的な症状は、軽い場合から重い場合までありますが、腕や指が長いこと、関節が柔軟であること、心臓や... さらに読む マルファン症候群 骨形成不全症 骨形成不全症 骨形成不全症は、骨の正常な形成が妨げられ、骨が異常にもろくなる遺伝性の病気です。 典型的な症状としては、骨がもろく骨折しやすいなどがあります。 診断は、X線検査の結果に基づいて下されます。 乳児期に発生するタイプは致死的です。 特定の薬や注射が骨を強くするのを助けます。 さらに読む 骨形成不全症 骨軟骨異形成症 骨軟骨異形成症 骨軟骨異形成症は、骨格の成長に異常が現れる、結合組織、骨、軟骨のまれな遺伝性の病気の一群です。 骨軟骨異形成症では、骨、軟骨、結合組織の発育と発達が障害されます。結合組織は頑丈で、その多くは線維性であり、互いに結合して体の構造を支えるとともに、弾力性をもたらしています。 骨軟骨異形成症はタイプによって現れる症状が異なります。一般に、骨軟骨... さらに読む が挙げられます。ほかに、大理石骨病 大理石骨病 大理石骨病とは、骨密度を上昇させ骨の異常な増殖を引き起こす、まれな遺伝性疾患の一群のことです。 そのような病気は、古い骨細胞が再利用されない場合に起こります。 典型的な症状としては、骨の成長障害や折れやすい厚い骨などがあります。 診断は症状とX線所見に基づいて下されます。 乳児に発症した場合は、治療しなければ死亡することがあります。 さらに読む もまれな遺伝性疾患で、骨密度を上昇させたり、骨の異常な増殖を引き起したりします(この両方が起きることもあります)。

症状

骨の病気によって、痛みを伴わない変形がときに起こります。変形によっては、小児の歩く能力や四肢を動かす能力が影響を受けることがあります。

診断

治療

  • 病気によって異なる

骨の病気の治療は病態により異なります。一部の病気は小児が成長することで治ることがあります。しかし、矯正装具や手術が必要になる場合もあります。

成長板が損傷を受けている場合は手術が役に立つことがあります。分離したり配置がずれたりした成長板の端を手術で正確に正しい位置へ移動させると、骨の成長が正常に戻る可能性があります。また、骨の配置のずれによって生じている刺激を手術で軽減すると、関節炎の発生を防げる場合があります。

骨の病気で体に変形が生じていると、小児は不安を感じたり抑うつ状態になったりする場合があります。また、一部の治療が、小児にとって心理的に受け入れがたいこともあります。例えば、青年が、脊柱側弯症の治療 治療 脊柱側弯症とは脊柱が異常に曲がった状態です。 脊柱側弯症は生まれつきみられることも、青年期に発生することもあります。 軽症であれば軽度の不快感しか起こらないこともありますが、重症では慢性的な痛みをおぼえたり、内臓に影響したりする場合があります。 診断は診察とX線検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む 治療 に用いる体幹装具をつけると仲間から浮いてしまうという理由で、つけたがらないことがあります。専門家によるカウンセリングで小児の不安や抑うつを軽減できることがあります。カウンセリングは小児が難しい治療に臨む際にも役立つことがあります。

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