骨形成不全症は、骨が奇形し、異常にもろくなる遺伝性の病気です。
この病気は特定の遺伝子の変異によって引き起こされます。
典型的な症状としては、骨がもろく骨折しやすいなどがあります。
診断は、症状と遺伝子検査に基づいて下されます。
特定の薬剤が骨の強化に役立ち、成長ホルモンの注射が一部の小児に役立つ可能性があります。
骨形成不全症は骨異形成症の一種です。骨異形成症は骨の成長が阻害される病気です。骨形成不全症は、最もよく知られている骨異形成症です。
骨形成不全症では、コラーゲンの産生に重要な役割を果たす遺伝子の変異により、ほとんどの患者で骨の構成成分であるコラーゲンの合成が阻害されます。そのため、骨が弱くなって、折れやすくなります(骨折)。
骨形成不全症には5つの主なタイプ(I、II、III、IV、V)があります。他にも、異なる遺伝子の変異によって引き起こされるまれな型が数多くあります。
骨形成不全症の症状
骨形成不全症は、軽い場合から重い場合まであります。
骨形成不全症の患者の大半は、骨がもろく、約70%に難聴が認められます。
白眼(強膜)が青くなる患者もいます。異常に薄い強膜ごしに、その下にある静脈が見えるため、青い色になります。強膜が正常より薄いのは、コラーゲンが正常に合成されていないためです。
骨形成不全症のタイプによって、歯の変色と形成不全(象牙質形成不全症といいます)がみられる小児もいます。
小児の骨形成不全症では、心臓や肺の病気が発生することもあります。
この眼の拡大写真には、通常は白色である強膜が青色である様子が写っています。
I型の骨形成不全症は最も軽いタイプです。青色強膜と、ゆるい関節による筋肉痛、関節痛しか症状がないことがあります。I型の小児は、小児期に骨折リスクが高くなります。
II型の骨形成不全症は、最も重いタイプで、死に至ります。II型骨形成不全症の新生児は、多くの骨が折れた状態で生まれてくるのが一般的です。頭蓋骨が非常に柔らかいため、出産時に頭に加わる圧力から脳を守れないおそれがあり、このため、脳内と脳周囲の出血が起きたり、死産となる可能性があります。II型の新生児では、腕と脚が短く青色強膜がみられます。このタイプの骨形成不全症は、生後数日ないし数週間以内に突然死亡する可能性があります。
III型の骨形成不全症は、最も重いタイプですが死亡には至りません。III型の小児は、非常に低身長で、脊椎が弯曲し、頻繁に骨折します。III型骨形成不全症では、非常に軽いけがで骨折することがよくあり、通常は小児が歩き始めたときに骨折が起こります。また、III型の小児は、頭蓋骨の発育が過剰で顔の骨の発育が不良なため、頭蓋骨が大きく、顔が三角形です。胸郭の変形がよくみられます。強膜の色は様々です。
これは重度の骨形成不全症の人の写真です。樽状胸、脊椎の弯曲、重度の骨の変形がみられるほか、関節が弛緩し、筋肉が十分に発達していない様子が写っています。
IV型の骨形成不全症では、重症度に大きく幅があり、変形が起こる可能性があります。この型の小児では、思春期前の小児期に骨折しやすい状態がみられます。強膜は典型的には白色です。患者の小児は低身長です。この型の小児では治療が有益なことがあり、生存率が高いです。
V型の骨形成不全症には、可動性を制限する前腕骨間の膜の硬化などがあります。子どもには、肘関節に脱臼した腕の骨(橈骨)があります。骨折から治癒するときに骨が異常に成長することもあります。
骨形成不全症の診断
出生前:ときに出生前超音波検査、絨毛採取、または羊水穿刺
出生後:医師の評価と、ときに細胞の分析または遺伝子検査
出生前:妊婦では出生前超音波検査により骨形成不全を検出できます。診断を下すために、絨毛採取または羊水穿刺などの検査も行われます。
出生後の骨形成不全症の診断は、症状と身体診察の結果に基づいて下されます。診断がはっきりしない場合は、結合組織細胞の一種である線維芽細胞の分析を行う顕微鏡検査のための皮膚サンプルの採取(生検)や、特定の遺伝子を分析するための血液サンプルの採取を行うことがあります。
X線検査によって骨の異常が明らかになり、骨形成不全症ではないかと疑われることがあります。
小児期を通してオージオメトリーと呼ばれる聴力検査を定期的に行い、聴覚に異常がないか観察します。
骨形成不全症の治療
ビスホスホネート
成長ホルモン
ときにデノスマブ、テリパラチド、ビタミンDサプリメント
骨形成不全症には根治的な治療法がありませんが、症状と一部の合併症を管理するための治療法があります。
ビスホスホネート系薬剤という薬剤は、骨を強化し、骨の痛みを和らげ、骨折のリスクと背骨の弯曲を減らすのに役立ちます。ビスホスホネート系薬剤は静脈内(例えばパミドロン酸とゾレドロン酸)または経口(アレンドロン酸)で投与します。
一部の小児では、ビスホスホネート系薬剤に加えて成長ホルモン注射薬を投与することで、成長と骨強度を改善できます。
デノスマブは、骨量減少の予防に役立つという点でビスホスホネート系薬剤と類似した薬剤で、通常は注射により投与します。一部の骨形成不全症の患者で役立つ場合があります。
テリパラチドは副甲状腺ホルモンの合成型です。この薬剤は骨の形成を刺激し、力を高めます。皮下に注射して投与します。テリパラチドは小児には投与できません。
ビタミンDは、健康な骨に欠かせないカルシウムおよびリンの身体への吸収を助けるビタミンです。骨形成不全症の患者でビタミンDが不足している場合は(ビタミンD欠乏症)、医師はビタミンDサプリメントを投与します。
骨形成不全症のない小児の場合と同様に骨折を治療します。しかし、骨形成不全症の小児の骨折は変形したり、成長しなくなったりすることがあります。そのため、骨折の多い小児では、成長が恒久的に阻害されるようになり、体の変形がよくみられます。成長を安定させ、骨折を防ぐために、腕や脚などの長管骨に金属製ロッドを外科的に埋め込むこともあります。
理学療法や作業療法が、身体機能と筋力の改善に役立ちます。軽いけがでも避ける対策を講じることが骨折予防の助けになります。
一部の難聴の小児には、人工内耳(音波を電気信号に変換し、内耳に埋め込まれた電極に送信する装置)が役立つ可能性があります。
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