出血は以下の異常によって起こる場合があります。
血管
コラーゲンは体内の強い血管を維持するのに重要なタンパク質です。コラーゲンが異常であったり、血液中の異常な物質が血管の壁に入ったりすると、血管が弱くなり、出血が起こります。
血管がもろくなると皮膚の下で出血が起こり、点状出血(皮膚にできる赤色、紫色もしくは茶色の小さな斑点)や紫斑(赤色もしくは紫色の染みやあざ)、あざができます。血管がもろくなることによって生じる病気のほとんどは、重篤な失血を引き起こすことはありません。遺伝性疾患の 遺伝性出血性毛細血管拡張症 遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT) 遺伝性出血性毛細血管拡張症は、血管形成に異常があるため、血管がもろくなって出血しやすくなる遺伝性疾患です。 皮膚や口腔、鼻腔、消化管の内側に血管の拡張(毛細血管拡張)がみられます。 血管が破れると、これらの血管から持続的に出血し、特に鼻腔内の血管で出血がみられます。 通常は、唇や舌で血管の拡張が認められることで、診断を下すのに十分な情報に... さらに読む は例外です。
壊血病 ビタミンC欠乏症 先進国では、ビタミンCの少ない食事が原因でビタミンC欠乏症が発生することがありますが、重度の欠乏症(壊血病を引き起こす)はまれです。 新鮮な果物や野菜を十分に食べないと、ビタミンC欠乏症になることがあります。 疲労、筋力低下を感じ、易怒性がみられます。 重度のビタミンC欠乏症は壊血病と呼ばれ、あざができ、歯ぐきや歯のトラブル、毛髪や皮膚の... さらに読む (ビタミンCが不足した食事による)や、 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群 エーラス-ダンロス症候群は、関節が過度に柔軟である、皮膚が異常に伸びる、組織がもろいといった症状がみられる、まれな遺伝性結合組織疾患です。 この症候群は、結合組織の産生を制御する遺伝子の1つに異常があるために発生します。 典型的な症状としては、柔軟な関節、猫背、扁平足、伸びる皮膚などがあります。... さらに読む とその他のまれな遺伝性結合組織疾患(マルファン症候群 マルファン症候群 マルファン症候群は、眼、骨、心臓、血管、肺、中枢神経系などに異常が生じるまれな遺伝性結合組織疾患です。 この症候群は、フィブリリンというタンパク質をコードしている遺伝子の突然変異によって発生します。 典型的な症状は、軽い場合から重い場合までありますが、腕や指が長いこと、関節が柔軟であること、心臓や肺の障害などがあります。... さらに読む
、 骨形成不全症 骨形成不全症 骨形成不全症は、骨の正常な形成が妨げられ、骨が異常にもろくなる遺伝性の病気です。 典型的な症状としては、骨がもろく骨折しやすいなどがあります。 診断は、X線検査の結果に基づいて下されます。 乳児期に発生するタイプは致死的です。 特定の薬や注射が骨を強くするのを助けます。 さらに読む
、 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫 弾性線維性仮性黄色腫は、皮膚、眼、血管に異常が生じる、まれな遺伝性結合組織疾患です。 結合組織は頑丈で、その多くは線維性であり、互いに結合して体の構造を支えるとともに、弾力性をもたらしています。 弾性線維性仮性黄色腫では、伸びた組織が再び元に戻るようにする結合組織の線維(弾性線維)が硬くなります。弾性線維は皮膚や全身の様々な組織にあり、血... さらに読む
など)では、血管内のコラーゲンが異常になることがあり、これらの病気では出血のリスクが高くなります。
血管が弱くなる原因には、 異常なタンパク質が血管の壁に沈着すること あざや出血の原因になるタンパク質異常 血液中の異常なタンパク質や正常でも異常な量のタンパク質を生じる疾患では、血管がもろくなることがあります。このようにもろくなった血管が破れると、皮膚に赤色もしくは紫色の染みやあざ(紫斑)ができます。紫斑を引き起こす可能性のある疾患には以下のものがあります。 アミロイドーシス クリオグロブリン血症... さらに読む (アミロイドーシス アミロイドーシス アミロイドーシスは、異常に折りたたまれたタンパク質がアミロイド線維を形成し、様々な組織や器官に蓄積して臓器が正常に機能しなくなり、臓器不全や死に至ることもあるまれな病気です。 アミロイドーシスの症状と重症度は、どの重要臓器が影響を受けるかによって異なります。 組織サンプル(生検サンプル)を採取し、顕微鏡で検査することにより、診断を確定しま... さらに読む
、 クリオグロブリン血症 クリオグロブリン血症 血液中の異常なタンパク質や正常でも異常な量のタンパク質を生じる疾患では、血管がもろくなることがあります。このようにもろくなった血管が破れると、皮膚に赤色もしくは紫色の染みやあざ(紫斑)ができます。紫斑を引き起こす可能性のある疾患には以下のものがあります。 アミロイドーシス クリオグロブリン血症... さらに読む
、 高ガンマグロブリン血症性紫斑病 高ガンマグロブリン血症性紫斑病 血液中の異常なタンパク質や正常でも異常な量のタンパク質を生じる疾患では、血管がもろくなることがあります。このようにもろくなった血管が破れると、皮膚に赤色もしくは紫色の染みやあざ(紫斑)ができます。紫斑を引き起こす可能性のある疾患には以下のものがあります。 アミロイドーシス クリオグロブリン血症... さらに読む
など)や、炎症(自己免疫性血管炎など)もあります。例えば、小児期によくみられる細い血管の炎症である IgA血管炎 IgA血管炎 IgA血管炎(以前はヘノッホ-シェーンライン紫斑病と呼ばれていた)は、主に小型血管の炎症で、ほとんどの場合小児に起こります。 通常、膝から下に現れる赤紫色の隆起した発疹や斑状の発疹が最初の症状で、続いて発熱、関節痛、消化器の不調、腎臓の機能障害が続きます。 侵された皮膚の生検で、診断を確定できます。... さらに読む
では、出血が顕著な特徴となる場合があります。