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混合性結合組織病(MCTD)

執筆者:

Alana M. Nevares

, MD, The University of Vermont Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 4月
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混合性結合組織病とは、一部の医師が使う用語であり、全身性エリテマトーデス全身性強皮症多発性筋炎の特徴を合わせもつ病気を指しています。

  • レイノー現象、関節痛、皮膚の様々な異常、筋力低下、内臓の問題が発生します。

  • 診断は症状や特徴的な抗体の濃度を測定する血液検査の結果に基づきます。

  • 治療は、症状の重症度によって異なり、非ステロイド系抗炎症薬、ヒドロキシクロロキン、コルチコステロイド、免疫抑制薬が使用されることがあります。

結合組織の自己免疫疾患の概要も参照のこと。)

混合性結合組織病は男性よりも女性に多くみられます。混合性結合組織病は世界中でみられ、すべての年齢の人に発生し、発生率が最も高いのは、多くの場合が青年期と20代です。混合性結合組織病の原因は不明ですが、これは自己免疫疾患です。

混合性結合組織病の症状が他の結合組織の自己免疫疾患の症状と大きく重なるために医師が区別できないことがあることから、混合性結合組織病は重複疾患であると考えられています。しかし、混合性結合組織病患者の全員が他の自己免疫疾患の症状を発症するわけではありません。

症状

混合性結合組織病の典型的な症状は、レイノー症候群(手の指が突然青白くなってチクチクしたり、寒冷や感情的な動揺に対する反応としてしびれや皮膚の蒼白がみられたりします)、関節の炎症(関節炎)、手の腫れ、筋力低下、嚥下困難、胸やけ、息切れです。レイノー現象は、他の症状がみられる何年も前から先行することがあります。どのように始まるかとは関係なく、混合性結合組織病は悪化する傾向があり、症状が体の数カ所に広がっていきます。

全身性エリテマトーデスに類似した発疹が生じることがあります。指の皮膚が硬くなるなど、全身性強皮症に類似した皮膚の変化がみられることもあります。毛が薄くなる場合もあります。

混合性結合組織病では、ほぼすべての患者が関節にうずくような痛みを感じます。約75%の患者では、関節炎で一般的にみられる腫れと痛みが生じます。混合性結合組織病では、筋肉の線維に損傷が起こるため、筋力の低下や筋肉の痛みを感じることがあり、特に肩や殿部でよくみられます。腕を肩より上に上げる、階段を昇る、椅子から立ち上がるなどの動作が非常に困難になる場合があります。

混合性結合組織病患者のうち、最大75%で肺が侵されます。肺の中や周囲に液体がたまることもあります。一部の患者では、運動時に息切れを起こすなど、肺機能の異常が最も深刻な問題となる場合もあります。肺にある空気の袋(肺胞)の周囲にある組織を侵す間質性肺疾患が最も一般的な肺の問題です。肺高血圧症は、死亡の主な原因となる疾患で、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。

ときには心臓の力が弱くなり、心不全に至ることもあります。心不全の症状としては、体液の貯留、息切れ、疲労などがあります。25%の患者で腎臓が侵され、その場合の損傷は、全身性エリテマトーデスが原因の場合と比べれば軽いものとなるのが通常です。他の症状として、発熱、リンパ節の腫れ、腹痛などがあります。

シェーグレン症候群を発症することもあります。時間が経過するにつれて、多くの患者に、全身性エリテマトーデス全身性強皮症でみられる典型的な症状が現れます。

診断

  • 血液検査

  • ときにその他の検査

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎の症状が重複している場合には、混合性結合組織病が疑われます。

血液検査を行い、混合性結合組織病患者のほとんどで認められる、抗核抗体(ANA)とリボ核タンパク(RNP)に対する抗体の濃度を測定します。混合性結合組織病の可能性が最も高いのは、これらの抗体の量が多く、なおかつ類似する病気で認められる他の抗体が検出されない人です。血液検査の結果は混合性結合組織病の診断を下すのに役立ちますが、そこで検出される異常がときとして健康な人や別の病気の人でみられることがあるため、それだけでは混合性結合組織病の診断を確定することはできません。混合性結合組織病の診断は、症状、身体診察の結果、すべての検査結果など、医師が集めたすべての情報に基づいて下されます。

肺高血圧症の有無を判定するために、医師は肺を評価する肺機能検査と心臓を評価する心エコー検査を行います。他の臓器が侵されていることが疑われる場合は、問題を検出するために、MRI検査や筋生検(検査のために筋肉の組織を一部採取すること)など他の検査を行うことがあります。

予後(経過の見通し)

混合性結合組織病は、治療を受けたとしても患者の約13%では病気が進行し、死に至る可能性のある合併症を引き起こす可能性があります。死因としては肺高血圧症(こちらが主)や心疾患があります。主に全身性強皮症または多発性筋炎の特徴が認められる場合には、予後は悪くなります。

混合性結合組織病によって余命が縮むことはないようですが、全身性強皮症や多発性筋炎、肺高血圧症、心疾患の特徴など、特定の特徴がみられる患者は例外です。

治療

  • 軽症の場合、非ステロイド系抗炎症薬、ヒドロキシクロロキン、またはごく低用量のコルチコステロイド

  • 中等症から重症の場合、コルチコステロイドや免疫抑制薬

  • その他の症状に対して必要なその他の治療

混合性結合組織病の治療は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、自己免疫性筋炎の治療と同様です。通常はコルチコステロイドが有効で、早期に診断された場合には、特に有効です。軽症の場合は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ヒドロキシクロロキンやその類似薬、またはごく低用量のコルチコステロイドによる治療が可能です。より重症になるほど、より高用量のコルチコステロイドが必要となります。中等症から重症の場合は、さらに免疫抑制薬(アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルなど)も必要なことがあります。主要な器官が重度に侵されている人には、通常は高用量のコルチコステロイドと追加の免疫抑制薬が必要です。

一般に、病気が進行するほど、また臓器の損傷が大きくなるほど、治療の効果は小さくなります。全身性強皮症に類似した皮膚や食道の組織の損傷では、治療に対して反応がみられる可能性が最も低くなります。

筋炎または全身性強皮症を発症する人には、症状に基づいた治療が行われます。レイノー現象がみられる人には、症状に基づいた治療が行われ、カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)や血流を増やす薬(シルデナフィルやタダラフィルなど)が投与されることがあります。

コルチコステロイドを服用している患者では、骨粗しょう症に伴う骨折リスクが高くなります。そのような患者では、骨粗しょう症を予防するために、ビスホスホネート系薬剤ビタミンDとカルシウムのサプリメントなど、骨粗しょう症の治療に用いられる薬を投与することがあります。免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ Pneumocystis jiroveciiなどによる感染症を予防するための薬も投与されます(免疫力が低下した人の肺炎予防を参照)。

混合性結合組織病の患者では、動脈硬化のリスクが高く、医師は綿密なモニタリングを行い、動脈硬化特有の症状と合併症が起きた場合はその治療が行われます。

医師は、肺機能検査心エコー検査、またはその両方を、症状に応じて1~2年毎に行い、肺高血圧症がないか混合性結合組織病患者のモニタリングを続けます。

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