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混合性結合組織病(MCTD)

執筆者:

Alana M. Nevares

, MD, The University of Vermont Medical Center

医学的にレビューされた 2020年 4月
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混合性結合組織病とは、一部の医師が使う用語であり、 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ 炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 診断を下すため、血液検査のほか、ときにその他の検査を行います。 全身性エリテマトーデスの全患者でヒドロキシクロロキンが必要であり、損傷を引き起こし続けている全身性エリテマトーデス(活動性の全身性エリテマトーデス)の患者には、コルチコステロイドな... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性強皮症 全身性強皮症 全身性強皮症は、皮膚、関節、内臓の変性変化と瘢痕化、および血管の異常を特徴とする、まれな慢性 自己免疫リウマチ疾患です。 全身性強皮症の原因は不明です。 指が腫れる、間欠的に指が冷たくなり青く変色する、関節が永続的に(通常は曲がった状態で)固まる(拘縮)などの症状のほか、消化器系、肺、心臓、腎臓の損傷が発生することがあります。 多くの場合、患者の血液中には自己免疫疾患に特徴的な抗体が認められます。... さらに読む 全身性強皮症 多発性筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は、筋肉の炎症と筋力低下(多発性筋炎)または皮膚と筋肉の炎症(皮膚筋炎)を引き起こします。 筋肉が損傷すると筋肉痛が発生し、筋力低下によって、肩より上に腕を上げること、階段を昇ること、または座った姿勢から立ち上がることが困難になることがあります。 医師は、筋肉の酵素(筋酵素)の血中濃度を調べ、場合によっては筋肉の電気的活動性を検査し、筋肉のMRI(磁気共鳴画像)検査、筋肉組織の一部を採取して調べる検査を行います。... さらに読む 自己免疫性筋炎 の特徴を合わせもつ病気を指しています。

  • レイノー症候群、関節痛、皮膚の様々な異常、筋力低下、内臓の問題が発生します。

  • 診断は症状や特徴的な抗体の濃度を測定する血液検査の結果に基づきます。

  • 治療は、症状の重症度によって異なり、非ステロイド系抗炎症薬、ヒドロキシクロロキン、コルチコステロイド、免疫抑制薬が使用されることがあります。

混合性結合組織病は男性よりも女性に多くみられます。混合性結合組織病は世界中でみられ、すべての年齢の人に発生し、発生率が最も高いのは、多くの場合が青年期と20代です。混合性結合組織病の原因は不明ですが、これは自己免疫疾患です。

症状

混合性結合組織病の典型的な症状は、 レイノー症候群 レイノー症候群 レイノー症候群は、 機能性の末梢動脈疾患の一種で、寒さに対する反応として起きる細い動脈(細動脈)の狭窄(収縮)が正常時より強くなる状態であり、通常は手足の指の細動脈が侵されます。 細い動脈の収縮によって、手足の指が青白くなったり、しびれやチクチクした感覚が生じたりします。 多くの場合、診断は症状に基づいて下されます。 体を温かく保つことや禁煙、ときには薬剤を服用することが助けになります。... さらに読む レイノー症候群 (手の指が突然青白くなってチクチクしたり、寒冷や感情的な動揺に対する反応としてしびれや皮膚の蒼白がみられたりします)、関節の炎症(関節炎)、手の腫れ、筋力低下、嚥下困難、胸やけ、息切れです。レイノー症候群は、他の症状がみられる何年も前から先行することがあります。どのように始まるかとは関係なく、混合性結合組織病は悪化する傾向があり、症状が体の数カ所に広がっていきます。

全身性エリテマトーデスに類似した発疹が生じることがあります。指の皮膚が硬くなるなど、全身性強皮症に類似した皮膚の変化がみられることもあります。毛が薄くなる場合もあります。

混合性結合組織病では、ほぼすべての患者が関節にうずくような痛みを感じます。約75%の患者では、関節炎で一般的にみられる腫れと痛みが生じます。混合性結合組織病では、筋肉の線維に損傷が起こるため、筋力の低下や筋肉の痛みを感じることがあり、特に肩や殿部でよくみられます。腕を肩より上に上げる、階段を昇る、椅子から立ち上がるなどの動作が非常に困難になる場合があります。

混合性結合組織病患者のうち、最大75%で肺が侵されます。肺の中や周囲に液体がたまることもあります。一部の患者では、運動時に息切れを起こすなど、肺機能の異常が最も深刻な問題となる場合もあります。肺にある空気の袋(肺胞)の周囲にある組織を侵す 間質性肺疾患 間質性肺疾患の概要 間質性肺疾患は、びまん性実質性肺疾患とも呼ばれ、間質腔が傷害されるいくつかの病気をまとめた総称です。間質腔とは、肺胞(肺にある空気の袋)の壁や、血管と細い気道の周りの空間を指します。間質性肺疾患は、肺組織に炎症細胞が異常に集積する結果、息切れやせきが生じる病気で、それぞれの病気の画像所見は似ていますが、それ以外の点で関連性はありません。間... さらに読む が最も一般的な肺の問題です。 肺高血圧症 肺高血圧症 肺高血圧症とは、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。 多くの病気が肺高血圧症を引き起こす可能性があります。 通常は、体力低下のほか軽い運動であっても息切れが現れ、場合によっては軽い運動でもふらつきや疲労感がみられることもあります。 胸部X線検査、心電図検査、心エコー検査により、診断の手がかりが得られるものの、... さらに読む は、死亡の主な原因となる疾患で、心臓から肺につながる動脈(肺動脈)の血圧が異常に高くなる病気です。

ときには心臓の力が弱くなり、 心不全 心不全(HF) 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全(HF) に至ることもあります。心不全の症状としては、体液の貯留、息切れ、疲労などがあります。25%の患者で腎臓が侵され、その場合の損傷は、全身性エリテマトーデスが原因の場合と比べれば軽いものとなるのが通常です。他の症状として、発熱、リンパ節の腫れ、腹痛などがあります。

シェーグレン症候群 シェーグレン症候群 シェーグレン症候群はよくみられる 自己免疫リウマチ疾患で、眼や口などの粘膜の異常な乾燥を特徴とします。 白血球が、体液を分泌する腺に侵入して損傷を与えることがあり、ときには他の臓器に損傷が及ぶ場合もあります。 診断を助けるために確立された基準が用いられることがあり、検査により涙と唾液の分泌量を測定するとともに、血液中に異常な抗体が存在しないかを評価できます。 通常は、眼や口などの表面を乾燥させないようにする対策を講じるだけで十分ですが、... さらに読む シェーグレン症候群 を発症することもあります。時間が経過するにつれて、多くの患者に、 全身性エリテマトーデス 症状 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ 炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 診断を下すため、血液検査のほか、ときにその他の検査を行います。 全身性エリテマトーデスの全患者でヒドロキシクロロキンが必要であり、損傷を引き起こし続けている全身性エリテマトーデス(活動性の全身性エリテマトーデス)の患者には、コルチコステロイドな... さらに読む 症状 全身性強皮症 症状 全身性強皮症は、皮膚、関節、内臓の変性変化と瘢痕化、および血管の異常を特徴とする、まれな慢性 自己免疫リウマチ疾患です。 全身性強皮症の原因は不明です。 指が腫れる、間欠的に指が冷たくなり青く変色する、関節が永続的に(通常は曲がった状態で)固まる(拘縮)などの症状のほか、消化器系、肺、心臓、腎臓の損傷が発生することがあります。 多くの場合、患者の血液中には自己免疫疾患に特徴的な抗体が認められます。... さらに読む 症状 でみられる典型的な症状が現れます。

診断

  • 血液検査

  • ときにその他の検査

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎の症状が重複している場合には、混合性結合組織病が疑われます。

血液検査を行い、混合性結合組織病患者のほとんどで認められる、抗核抗体(ANA)とリボ核タンパク質(RNP)に対する抗体の濃度を測定します。この病気の可能性が最も高いのは、これらの抗体の量が多く、なおかつ類似する病気で認められる他の抗体が検出されない人です。血液検査の結果はこの病気の診断を下すのに役立ちますが、そこで検出される異常がときとして健康な人や別の病気の人でみられることがあるため、それだけでは混合性結合組織病の診断を確定することはできません。混合性結合組織病の診断は、症状、身体診察の結果、すべての検査結果など、医師が集めたすべての情報に基づいて下されます。

肺高血圧症の有無を判定するために、医師は肺を評価する 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺にためることができる空気の量、肺から空気を出し入れする能力、肺に酸素を取り込む能力を測定します。 肺機能検査は、肺疾患の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、 喘息や 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの特定の病気を診断するために使用されることもあります。 ( 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および 呼吸器系も参照のこと。)... さらに読む 肺機能検査 と心臓を評価する 心エコー検査 心エコー検査とその他の超音波検査 超音波検査では、周波数の高い超音波を内部の構造に当てて跳ね返ってきた反射波を利用して動画を生成します。この検査ではX線を使いません。心臓の超音波検査(心エコー検査)は、優れた画像が得られることに加えて、以下の理由から、心疾患の診断に最もよく用いられる検査法の1つになっています。 非侵襲的である 害がない 比較的安価である 広く利用できる さらに読む 心エコー検査とその他の超音波検査 を行います。他の臓器が侵されていることが疑われる場合は、問題を検出するために、MRI検査や筋生検(検査のために筋肉の組織を一部採取すること)など他の検査を行うことがあります。

予後(経過の見通し)

全体的な10年生存率は約80%ですが、予後は患者の症状に大きく左右されます。例えば、主に全身性強皮症や多発性筋炎の症状が認められる場合には、予後は悪くなります。死因としては肺高血圧症(こちらが主)、腎不全、心疾患などがあります。

治療

  • 軽症の場合、非ステロイド系抗炎症薬、抗マラリア薬、またはごく低用量のコルチコステロイド

  • 中等症から重症の場合、コルチコステロイドや免疫抑制薬

  • その他の症状に対して必要なその他の治療

混合性結合組織病の治療は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、自己免疫性筋炎の治療と同様です。通常はコルチコステロイドが有効で、早期に診断された場合には、特に有効です。軽症の場合は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、抗マラリア薬(ヒドロキシクロロキンやクロロキンなど)、またはごく低用量のコルチコステロイドによる治療が可能です。より重症になるほど、より高用量のコルチコステロイドが必要になります。中等症から重症の場合は、さらに免疫抑制薬(アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルなど)も必要なことがあります。主要な器官が重度に侵されている人には、通常は高用量のコルチコステロイドと追加の免疫抑制薬が必要です。

一般に、病気が進行するほど、また臓器の損傷が大きくなるほど、治療の効果は小さくなります。全身性強皮症に類似した皮膚や食道の組織の損傷では、治療に対して反応がみられる可能性が最も低くなります。

筋炎 自己免疫性筋炎 自己免疫性筋炎は、筋肉の炎症と筋力低下(多発性筋炎)または皮膚と筋肉の炎症(皮膚筋炎)を引き起こします。 筋肉が損傷すると筋肉痛が発生し、筋力低下によって、肩より上に腕を上げること、階段を昇ること、または座った姿勢から立ち上がることが困難になることがあります。 医師は、筋肉の酵素(筋酵素)の血中濃度を調べ、場合によっては筋肉の電気的活動性を検査し、筋肉のMRI(磁気共鳴画像)検査、筋肉組織の一部を採取して調べる検査を行います。... さらに読む 自己免疫性筋炎 または 全身性強皮症 治療 全身性強皮症は、皮膚、関節、内臓の変性変化と瘢痕化、および血管の異常を特徴とする、まれな慢性 自己免疫リウマチ疾患です。 全身性強皮症の原因は不明です。 指が腫れる、間欠的に指が冷たくなり青く変色する、関節が永続的に(通常は曲がった状態で)固まる(拘縮)などの症状のほか、消化器系、肺、心臓、腎臓の損傷が発生することがあります。 多くの場合、患者の血液中には自己免疫疾患に特徴的な抗体が認められます。... さらに読む 治療 を発症する人には、症状に基づいた治療が行われます。レイノー症候群がみられる人には、症状に基づいた治療が行われ、カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)や血流を増やす薬(シルデナフィルやタダラフィルなど)が投与されることがあります。

コルチコステロイドを服用している患者では、 骨粗しょう症 骨粗しょう症 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む 骨粗しょう症 に伴う骨折リスクが高くなります。そのような患者では、骨粗しょう症を予防するために、 ビスホスホネート系薬剤 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む 薬 ビタミンDとカルシウムのサプリメント カルシウムとビタミンD 骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病態です。 加齢、エストロゲンの不足、ビタミンDやカルシウムの摂取不足、およびある種の病気によって、骨密度や骨の強度を維持する成分の量が減少することがあります。 骨粗しょう症による症状は、骨折が起こるまで現れないことがあります。... さらに読む カルシウムとビタミンD など、骨粗しょう症の治療に用いられる薬を投与することがあります。免疫抑制薬の投与を受けている患者には、真菌のニューモシスチス・イロベチイ Pneumocystis jiroveciiなどによる感染症を予防するための薬も投与されます(免疫力が低下した人の肺炎予防 予防 肺炎は肺の感染症です。免疫機能が低下している人または免疫系に異常がある人(例えば、後天性免疫不全症候群[エイズ]、がん、臓器移植、特定の薬剤の使用による)では、しばしば、健康な人とは異なる原因微生物によって肺炎が引き起こされます。 免疫機能が低下していると、健康な人にはほとんど病気を引き起こすことのない微生物が原因で肺炎が発生することがあります。 その症状は多様ですが、息切れ、せき、発熱などがあります。... さらに読む を参照)。

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