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予防のための手段

執筆者:

Magda Lenartowicz

, MD, Trinity Hospice, Los Angeles

医学的にレビューされた 2020年 10月
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本ページのリソース

予防手段は数多く、主に次の手段があります。

予防的な薬物療法には、アテローム動脈硬化を予防するコレステロール降下薬、心臓発作や脳卒中を予防するアスピリン、乳がんのリスクが高い女性において乳がんを予防するタモキシフェン、血圧を下げて脳卒中を予防する降圧薬などがあります。

知っていますか?

  • 健康的な食事をとり、定期的に運動し、禁煙することは、米国の3つの主な死因(心疾患、がん、脳卒中)のすべてを予防するのに役立ちます。

健康的な生活習慣

生活習慣と病気は明らかに関連があります。例えば、不健康な 食事 食事 アテローム性動脈硬化とは、太い動脈や中型の動脈の壁の中に主に脂肪で構成されるまだら状の沈着物(アテロームあるいはアテローム性プラーク)が形成され、それにより血流が減少ないし遮断される病気です。 アテローム性動脈硬化は、動脈の壁が繰り返し損傷を受けることによって引き起こされます。... さらに読む 食事 (カロリーが高く、飽和脂肪やトランス脂肪酸を多く含むもの)をとり、定期的な運動の習慣がなく、喫煙していると、心疾患やがん、脳卒中といった米国の三大死因である病気が発生するリスクが高くなります。不健康な生活習慣を改めることは、特定の病気の予防に役立ち、健康状態や生活の質の向上につながります。よい判断を下し、健康的な習慣を確立するために、医師や他の医療従事者と話し合うとよいでしょう。しかし、健康的な生活習慣の確立と維持は、本人の取り組みにかかっています。健康的な食生活と十分な運動を継続することは、多くの人にとって容易ではありませんが、実行できれば深刻な病気にかかるリスクが低下し、たいていは快調でいきいきと過ごせるようになります。

身体活動と運動 運動の効果 定期的な運動をすると心臓が強くなり、肺の調子もよくなります。これにより、心血管系が1回の心拍で運ぶ酸素の量が増加し、肺に取り込むことのできる最大酸素量が増えます。運動には以下のような効果もあります。 血圧を低下させる 総コレステロール値と、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロール(悪玉コレステロール)値をいくぶん低下させる... さらに読む は、肥満、高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病、一部のがん、便秘、転倒などの健康上の問題の予防に役立ちます。最善の習慣として、合計で週150分程度の適度な身体活動を行うか、または週75分程度の活発な有酸素運動を行うことが挙げられます。最低10分間は運動を継続するようにし、1週間の中でまんべんなく運動を行うのが理想的です。しかし、少しの運動でも、まったくしないよりはずっとよいでしょう。週に数回、10分ずつしか運動の時間がとれないとしても、かなりの効果があり、運動が活発なものであれば特に効果的です。ウォーキングは、多くの人が楽しんでいる簡単で効果的な運動です。また、特定の問題にねらいを定めて行う運動もあります。例えばストレッチは、柔軟性を改善し、転倒の予防に役立てることができます。また、有酸素運動は心臓発作や狭心症のリスクを低下させます。

飲酒の制限 アルコール アルコール(エタノール)は抑制薬です。急激にまたは定期的に大量飲酒すると、臓器の損傷、昏睡、死亡などの健康上の問題を引き起こす可能性があります。 遺伝特性や個人的な性質がアルコール関連障害の発症に関与しています。 アルコールを飲みすぎると、眠くなったり攻撃的になり、運動協調や精神機能が損なわれ、仕事、家族関係、その他の活動が妨げられます。 長期間大量のアルコールを飲むと、アルコールに依存するようになり、肝臓、脳、心臓を損傷します。... さらに読む も重要です。少量のアルコール、特に赤ワインは健康によい面もありますが、中程度(例えば1日に1~2ドリンク、女性はより少量の可能性もあります)以上の飲酒は、しばしば有害です。ここでの1ドリンクとは、ビールなら約360ミリリットル、ワインなら約150ミリリットル、ウイスキーのようなさらにアルコール度数の高い酒類なら約45ミリリットルです。

けがの予防は、健康的な生活習慣の維持に大きな役割を果たしています。適切な保護具を着用するなどの特定の注意を払って、けがのリスクを低下させることができます。

安全性の基本

簡単かつ常識的な安全対策で、けがを予防することができます。以下はその例です。

全般的な安全性

  • 応急処置を学ぶ。

  • 応急処置のキットを準備または購入する。

  • 心肺蘇生や気道閉塞を回復させるハイムリッヒ法などの方法を学ぶ。

  • 自転車やオートバイに乗るときはヘルメットをかぶり、ローラーブレードやスケートボードではリストガードなどスポーツ用の補助的な保護具も付ける。

  • 銃器を安全に保管する。

  • 1人で泳がない。

  • 手首の反復動作(タイピングなど)が必要な場合は、手根管症候群のリスクを高めないような位置で行う。

  • 定期的かつ安全に運動する。

  • 禁酒するか、飲酒量を制限する。

家庭での安全性

小児の転倒と負傷の予防策:

  • 地下室のドアにセーフティロックを付ける。

  • 小児がいるときは窓を閉めて錠をかける。

  • 角が鋭い家具は交換するかカバーを付ける。

  • 幼児用歩行器は使わない。

  • 窓ガードを取り付ける(特に2階以上の窓)。

  • 階段の上と下に階段用のゲートを使う。

中毒の予防策:

  • 異なる種類の洗剤を混ぜない。

  • オーブンやトイレ用の洗剤、殺虫剤、アルコール、不凍液は密閉し、小児の手の届かないところに保管する。

  • 薬はすべて元の容器に入れて保管し、幼児のいる家庭やよその幼児の訪問時には、チャイルドロックの付いた薬容器を使用する。

  • 使用期限の過ぎた薬や不要になった薬は、安全な廃棄方法の指示に従って廃棄する(米国食品医薬品局ウェブサイトのHow to Dispose of Unused Medicines[使用しなかった薬剤の廃棄方法]を参照)。

火災の予防策:

  • 火災報知器を家のすべての階(地下室も含む)、すべての寝室に設置する。

  • 電池を毎月点検し、6カ月毎に新しい電池と交換する。

  • 避難経路を計画し、避難の訓練をする。

  • 台所の中または近くに消火器を置く。

  • 電気系統を専門業者に点検してもらう。

  • 火のついたロウソクをそのまま放置しない。

  • ベッドで喫煙しない。

一酸化炭素中毒の予防策:

  • 屋内の燃焼源に対して十分に換気する(暖炉、温水暖房機、薪や木炭を燃やすストーブ、石油ストーブなど)。

  • 排気筒や煙突は定期的に清掃し、漏れがないか点検する。

  • 一酸化炭素の検知器を自宅に設置する。

ラドンへの曝露の予防策:

  • 家の中のラドンレベルをチェックしてもらう。

  • 十分に換気する(特に地下室)。

鉛中毒の予防策:

  • 地域の保健局に相談し、家の飲み水に含まれる鉛の毒性を調べる方法を尋ねる。

  • 家屋の塗料が鉛を含有しているかどうか調べる(古い家にみられる);疑わしい場合は、塗料の小片を検査する。

  • 米国外で製造されたセラミック製の皿に鉛が含まれていないか検査する。

  • 医師の勧めに応じて、小児の鉛レベルを検査してもらう。

熱傷(やけど)の予防策:

  • 温水ヒーターの最高温度を54.4℃以下に設定する。

食品の安全性

  • 包装の「賞味期限」に注意する。

  • 傷みやすい食品はすぐに冷蔵する。

  • 傷ついている缶詰や、蓋が緩んでいたり膨らんでいたりするものは買わない。

  • 冷蔵庫は4.4℃、冷凍庫は-17.8℃に保つ。

  • 2日以内に使わない新鮮な肉(魚や鶏肉も含む)は冷凍する。

  • 生肉の肉汁を他の食品に垂らさない。

  • 食品を扱う前後に手を洗う。

  • 食品には完全に火を通す。

  • 生肉と加熱調理した肉の両方に、同じ調理用具や皿を使わない。

  • 使用後は調理台、まな板、調理用具のすべてを熱い石けん水で洗う。

車の安全性

  • 制限速度に従い、安全運転を行う。

  • 乗客全員のシートベルト着用を確認する。

  • 小児は身長と体重に適したカーシートや他の拘束器具に乗せる。

  • 動いている車内で乳児や小児を大人の膝の上に乗せない。

  • 運転前に飲酒してはならず、レクリエーショナルドラッグや眠気を催す薬も使用しない。

ワクチン接種

これまでに各種の ワクチン 小児期の予防接種 感染症から守るため、小児には予防接種を受けさせるべきです。ワクチンには、感染力をもたない細菌やウイルスの断片、または感染症を引き起こさないように弱毒化した細菌やウイルスがそのまま入っています。ワクチンの投与(通常は注射)によって体の免疫系が刺激され病気にかかるのを防ぎます。ワクチン接種は、病気の予防につながる免疫状態を作り出すことから、予... さらに読む が多大な成果を上げてきました。ジフテリア、百日ぜき、破傷風、流行性耳下腺炎(ムンプス)、はしか(麻疹)、風疹、ポリオ(小児麻痺)など、危険で死に至ることもある感染症は、ピーク時から99%以上減少しました。これは、効果的で安全なワクチンが開発され、普及したおかげです。さらに米国では、予防接種に1ドル使うたびに約16ドルの医療費を節約する効果があるといわれています。

ワクチンが原因で起こる副反応には、たくさんのものがあります(小児期の予防接種における懸念 小児期の予防接種における懸念 米国ではワクチンの安全性を確保するための強固な制度が整備されているにもかかわらず、一部に依然として 小児ワクチンや 予防接種スケジュールの安全性について懸念を抱いている親がいます。そうした懸念から、子どもに推奨ワクチンの一部またはすべてを受けさせない親もいます。親がワクチン接種を拒否した子どもでは、ワクチンで予防可能な病気が、接種を受けた小児と比べてはるかに多くみられます。 具体的には、ワクチンの接種を受けていない小児は以下の病気にかか... さらに読む を参照)。実際に生じる副反応はワクチンによって異なりますが、よく起こる副反応は通常は軽く、腫れや痛み、また注射部位のアレルギー反応などのほか、発熱や悪寒がみられることがあります。より重篤な副反応が起こることもあります。自己免疫反応(一時的な脱力や麻痺が生じるギラン-バレー症候群など)はその一例です。しかしながら、ワクチンが適正に接種されれば、重篤な副反応が起こることは非常にまれです。

これまでに、系統的かつ広範な研究によって、ワクチンと他の重篤な副反応(自閉症など)との関連が確認されたことはありません。ワクチンがエイズや不妊症を引き起こすという報告は、事実無根の都市伝説です。副反応を避けるためにワクチン接種を拒否することは、感染症になるリスクを高め、懸念されるワクチン接種の副反応よりはるかに大きな悪影響を健康に及ぼします。

知っていますか?

  • ワクチン接種は、それを受ける人以外にも有益です。

ワクチンで予防できる感染症に最もかかりやすいのは、小児や青年、高齢者、免疫系に障害のある人々です。また彼らは、このような感染症による重篤な症状を最も起こしやすい人々でもあります。例えば、百日ぜきでは乳児に重度の症状がみられることがよくありますが、より年長の健康な人であれば、百日ぜきにかかっても普通のかぜ程度の軽い症状で済むでしょう。感染症になりやすい人にワクチンを接種することが最も重要ですが、それ以外の人に対するワクチン接種も大切です。そうすることで、接種を受けた人の病気を予防できるのに加えて、その地域で発症する可能性がある人の数が減ることで、免疫力が弱くなった人に感染症が広がる機会が少なくなります。そのため、できる限り多くの人々に予防接種をすることで、その地域社会で発生する死亡や重篤な合併症が減少します。この効果は集団免疫と呼ばれています。

スクリーニング

スクリーニングにより、一部の病気による死亡者数は大きく減少しました。例えばアメリカ人女性のがんで最も死亡者数の多かった子宮頸がんは、1955年以来、死亡者数が75%減少しています。スクリーニングでは、根治はできないものの治療可能な疾患(高血圧など)を、健康に様々な害が生じる前に診断することもできます。

スクリーニングの推奨事項は通常、政府や専門家組織によって、その時点で得られる最善の研究結果に基づいて提供されます。ただし、組織によって、ときに推奨事項が異なります。これにはいくつかの理由があります。例えば、最善の研究結果であっても常に決定的なものとは限りません。また、スクリーニングの推奨事項では、どの程度のリスクや費用をスクリーニングを受ける人が許容できるのかを考慮すべきですが、これらを確実に知ることはできません。したがって、個々の懸念を考慮し、個々の状況に合うよう、スクリーニングについて主治医と相談する必要があります。

知っていますか?

  • 症状が現れる前に病気を診断する検査(スクリーニング検査)の中には、利益より大きな害を引き起こしかねないものがあります。

重篤な病気を診断できる検査なら、なんでも受けるべきだと思うかもしれません。しかし、これは正しい考えではありません。スクリーニング検査には多大な有益性がありますが、問題を引き起こすこともあるのです。例えば、実際は病気を患っていないのに検査結果が陽性になることがあります。その後、そうした結果が出た人の一部が不必要なフォローアップ検査や治療を受けて、しばしば費用がかさんだり、場合によっては痛みや危険にさらされたりします。

ときにはスクリーニング検査によって、治療が不可能な異常や治療の必要がない異常が見つかる場合もあります。一例を挙げると、 前立腺がん 前立腺がん 前立腺がんのリスクは年齢とともに高くなります。 排尿困難、頻尿や急な尿意、血尿などの症状は通常、がんが進行するまで現れません。 この種のがんは転移する可能性があり、最も転移しやすい部位は骨とリンパ節です。 スクリーニング検査には議論の余地がありますが、症状のない男性で前立腺がんの可能性をチェックするためには、手袋をはめた指で直腸内から前立腺を診察する直腸指診や血液検査(PSA)を行います。... さらに読む 前立腺がん は極めてゆっくり増殖するため、高齢の男性であれば、他の原因で死に至るまでにがんが健康に害を及ぼす可能性は低くなります。そのようなケースでは、病気より治療の方が悪いということにもなります。他の例として、がんのスクリーニングで、皆に全身のCT検査を行うことが挙げられます。この検査には、リスク(放射線曝露が原因となるがんなどの病気)を上回る利益(救命など)がないため、推奨されません。加えて、重篤な疾患にかかっているかもしれないと告げられると人は不安になり、そのせいで健康を害することもあります。

こうした問題から、スクリーニング検査が推奨されるのは以下のような場合に限られます。

  • ある程度、病気が発生するリスクが存在する。

  • スクリーニング検査が正確である。

  • 症状が現れる前に対象の病気を診断できれば、より効果的に治療できる。

  • 適切なスクリーニングによる医療上の利益が、比較的費用効果に優れている。

一部のスクリーニング検査(子宮頸がんや大腸がんの検査など)は、特定の年齢や性別の全員に推奨されます。リスクが高くなる他の要因がある人には、さらに早い年齢での検査やもっと短い間隔での検査、あるいは追加の検査が勧められる場合があります。例えば大腸がんの家族歴がある人や、潰瘍性大腸炎のような大腸がんを発病する確率が高くなる疾患のある人には、平均的なリスクの人よりも頻繁に大腸内視鏡によるスクリーニング検査を受けることが勧められます。乳がんの強い家族歴のある女性には、マンモグラフィー(乳房撮影)に加え、MRI検査による乳がんのスクリーニング検査がよく勧められます。

特定の疾患のある人に勧められるスクリーニング検査もあります。例えば糖尿病患者は、足に発赤や潰瘍がないか1日1回はチェックするべきです。これを見すごしてしまうと重度の感染症を起こし、最終的に足の切断に至るおそれがあります。

予防的な薬物療法

予防的な薬物療法(化学予防とも呼ばれています)とは、病気の予防のために薬を使うことです。この治療法が推奨されるには、予防しようとする病気のリスクを患者が有しており、検討されている薬による副作用のリスクが低くなければなりません。

予防的な薬物療法は、例えば、ある病気(エイズなど)の患者における感染症の予防、片頭痛の患者における頭痛の予防などのほか、多数の特定の状況で明らかに役立ちます。予防的な薬物療法は特定の状況でのみ効果がありますが、そのような状況の中には頻繁に起こるものもあるため、多くの人に有用です。例えば、冠動脈疾患や脳卒中のリスクのある成人には、通常はアスピリンが推奨されます。新生児には、眼の淋菌感染予防のため、日常的に点眼薬を投与します。乳がんのリスクが高い女性は、予防的な薬物療法(例えばタモキシフェン)が有益な場合があります。

3段階の予防

3段階の予防とは、一次、二次、三次の予防のことです。

一次予防では、発病を実際に防ぎます。ワクチン接種、高リスクの行動を変えるためのカウンセリング、ときには化学予防も一次予防にあたります。

二次予防では、しばしば症状が現れる前の早い段階で病気を発見して治療し、深刻な影響を最小限にとどめます。

二次予防には、マンモグラフィーによる乳がんの検査、二重X線吸収測定法(DXA)による骨粗しょう症の検査などのスクリーニングプログラムが含まれます。また、性感染症と診断された人のセックスパートナーを追跡(接触者追跡)し、必要な場合は治療して、感染の拡大を最小限にとどめることも含まれます。

三次予防では、すでに発病している病気(通常は慢性疾患)を管理し、合併症やさらなる損傷を予防します。例えば糖尿病患者の三次予防は、血糖値の管理、十分なスキンケア、頻繁な足の検査、心血管疾患を予防するための頻繁な運動が主体となります。脳卒中を起こした患者の三次予防には、脳卒中の再発を予防するためのアスピリンの服用などが含まれます。

三次予防には、けが、心臓発作、脳卒中後のリハビリテーションなど、悪化を予防して生活の質を最大限に上げるためのサポートやリハビリテーションなどが含まれます。

さらに、寝たきりの患者の床ずれ(褥瘡)の予防など、身体障害のある人の合併症の予防も、三次予防に含まれます。

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