受動免疫

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 7月
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受動免疫では抗体を投与するが,微生物自体を標的とする抗体と微生物が産生する毒素を標的とする抗体がある。

受動免疫は以下の状況で行われる:

  • 患者が体内で抗体を合成できないとき

  • 患者が免疫を有していない疾患または合併症を引き起こす可能性が高い疾患に曝露したとき

  • 疾患を発症した患者で産生された毒素の作用を軽減する必要があるとき

受動免疫では自然免疫は誘導されない。

免疫グロブリンおよび抗毒素製剤の表を参照のこと。)

表&コラム
表&コラム

ヒト免疫グロブリン(IG)

IG製剤は,健康ドナーから採取した血漿より調製される抗体濃縮溶液である。主にIgGから構成されるが,IgA,IgM,および他の血清タンパク質も微量に含有する。IG製剤に感染性ウイルス(例,B型またはC型肝炎ウイルス,HIV)が含まれることは非常にまれであり,4℃で保存すれば何カ月にもわたって安定である。IG製剤は筋肉内投与する。

筋肉内投与したとき最大血清中抗体濃度への到達には約48時間を要するため,IG製剤は曝露後可及的速やかに投与する必要がある。主要なIgG成分の循環血中での半減期は約3週間である。

IG製剤は,以下に曝露したか,以下のリスクがある個人の予防に使用できる:

IG製剤には一時的な予防効果しかなく,対象の病原体に対する抗体の含有濃度は製剤間で10倍ものばらつきがある。投与には痛みを伴い,アナフィラキシーが発生する可能性がある。

静注用免疫グロブリン製剤(IVIG)は,ヒトIGの大量反復投与を可能にするために開発された。IVIGは,特に以下のものをはじめとする,細菌性およびウイルス性の重症感染症,自己免疫疾患,および免疫不全疾患の治療または予防に使用される:

皮下注用免疫グロブリン製剤(SCIG)もプールしたヒト血漿から調製されるが,SCIGは基本的に原発性免疫不全症患者が自宅で使用することを想定した製剤である。

IVIGの有害作用としては,発熱,悪寒,頭痛,失神,悪心,嘔吐,過敏症,咳嗽,体液量過剰などがみられる(1)。全身性の有害作用(例,発熱,悪寒)はIVIGよりSCIGの方が少ない(2)。アナフィラキシー反応,腎障害,血栓症,不整脈,無菌性髄膜炎,溶血性貧血,および輸血関連急性肺障害などの重篤な有害作用は,いずれのIG製剤でもまれである。

参考文献

  1. 1.Martinez C, Wallenhorst C, van Nunen S.Intravenous immunoglobulin and the current risk of moderate and severe anaphylactic events, a cohort study. Clin Exp Immunol.2021;206(3):384-394.doi:10.1111/cei.13665

  2. 2.Guo Y, Tian X, Wang X, Xiao Z.Adverse Effects of Immunoglobulin Therapy. Front Immunol.2018;9:1299.Published 2018 Jun 8.doi:10.3389/fimmu.2018.01299

高力価免疫グロブリン

高力価免疫グロブリンは,特定の微生物または抗原に対する抗体価が高い人々の血漿から調製される。自然感染からの回復期にある個人,または人工的に免疫を付与したドナーから採取される。高力価免疫グロブリンは筋肉内または静脈内から投与できる。

高力価免疫グロブリンは以下の感染症の治療に使用できる:

抗Rho(D)高力価免疫グロブリンは,胎児および新生児の溶血性疾患の予防免疫性血小板減少症の治療に使用できる。

高力価免疫グロブリンの投与には痛みを伴い,アナフィラキシーが発生する可能性もある。

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