RSウイルス(RSV)ワクチン

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 7月
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RSウイルス(RSV)感染症は乳児や高齢者では重症化して入院が必要になる可能性があるため,これらの集団をRSV感染症から保護するために,妊婦(1)と高齢者(2)を対象としてRSVワクチンの接種が推奨されている。

予防接種の概要も参照のこと。)

総論の参考文献

  1. 1.Kampmann B, Madhi SA, Munjal I, et al.Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med.2023;388(16):1451-1464.doi:10.1056/NEJMoa2216480

  2. 2.Wilson E, Goswami J, Baqui AH, et al.Efficacy and Safety of an mRNA-Based RSV PreF Vaccine in Older Adults. N Engl J Med.2023;389(24):2233-2244.doi:10.1056/NEJMoa2307079

RSVワクチンの製剤

RSVワクチンには以下の3つがある:

  • アジュバント無添加RSVワクチン

  • アジュバント添加RSVワクチン

  • アジュバント無添加mRNA RSVワクチン

アジュバント無添加RSVワクチンとアジュバント添加RSVワクチンは,不活化された組換え型RSウイルス糖タンパク質抗原を成分とする。

アジュバント無添加mRNA RSVワクチンは,RSV F糖タンパク質(pre-Fタンパク質)をコードしたヌクレオシド改変mRNAである。

RSVワクチンの適応

アジュバント無添加RSVワクチンは,米国本土の大半の地域で9月から1月にかけて妊娠32週から36週までの妊婦を適応とする(1)。同じ妊娠中や以降の妊娠中に追加で接種することは推奨されていない。過去の妊娠中にRSVワクチンの接種を受けた妊婦から出生した乳児には,代わりにRSVモノクローナル抗体を投与すべきである。RSVの季節性が米国本土の大半の地域と異なる地域(例,アラスカ,熱帯地域)では,医療従事者が公衆衛生当局(例,CDC,州および地域の保健局)または地域の医療センターからのガイダンスに従って,地域におけるRSVの季節性に基づいて接種のタイミングを決定することが推奨される。このワクチンはRSV感染歴に関係なく接種すべきである。

3つのRSVワクチンはいずれも,75歳以上の全ての成人と60歳以上の一部の成人を適応とし,臨床的な共同意思決定に基づいて使用する。具体的には,60歳以上の成人でワクチン接種が有益となる可能性が最も高いのは,以下のような慢性疾患を有する患者を含めた,RSV感染症の重症化リスクが高いと考えられる場合である:

  • 肺疾患

  • 心血管疾患

  • 神経疾患または神経筋疾患

  • 腎疾患

  • 肝疾患

  • 血液疾患

  • 糖尿病

  • 中等度または重度の易感染状態(何らかの病態に起因するか,免疫抑制薬や同様の治療を受けている)

フレイルの人,75歳以上の高齢者,および介護施設やその他の長期療養施設に居住する人も,RSV感染症の重症化リスクが高い。

適応に関する参考文献

  1. 1.Centers for Disease Control and Prevention.RSV Vaccine Guidance for Pregnant Women.Accessed April 18, 2025.

RSVワクチンの禁忌および注意事項

RSVワクチンの主な禁忌は以下の通りである:

RSVワクチンの主な注意事項は以下の通りである:

  • 発熱の有無を問わず,中等症または重症の急性疾患

RSVワクチンの用量および用法

RSVワクチンは0.5mLの筋肉内注射で単回接種する。

RSVワクチンの有害作用

有害作用としては注射部位疼痛,疲労感,筋肉痛,頭痛,関節痛などがある。

これらのワクチンの有害作用に関する詳細については,処方情報を参照のこと。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこれらの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP): ACIP Recommendations: Respiratory Syncytial Virus (RSV) Vaccine Immunizations

  2. ACIP: Changes in the 2025 Adult Immunization Schedule

  3. ACIP: Changes in the 2025 Child and Adolescent Immunization Schedule

  4. Centers for Disease Control and Prevention (CDC): RSV (Respiratory Syncytial Virus)

  5. CDC: Healthcare Providers: RSV Vaccination for Adults 60 Years of Age and Over

  6. CDC: Clinical Guidance for RSV Immunizations and Vaccines

  7. CDC: Healthcare Providers: RSV Immunization for Infants and Young Children

  8. European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC): RSV: Recommended vaccinations

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