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不整脈に対する薬剤

執筆者:

L. Brent Mitchell

, MD, Libin Cardiovascular Institute of Alberta, University of Calgary

最終査読/改訂年月 2015年 7月
本ページのリソース

不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。

ほとんどの抗不整脈薬は,主要な細胞電気生理学的作用に基づき,大きく4つの群(Vaughan Williams分類)に分類される( 抗不整脈薬(Vaughan Williams分類))。

  • I群:I群薬はa,b,cに細分される。I群薬は,速いナトリウムチャネルを遮断し,fast-channel組織(心房および心室の作業心筋細胞,ヒス-プルキンエ系)での伝導を遅延させるナトリウムチャネル遮断薬(膜安定化作用を有する)である。

  • II群:II群薬はβ遮断薬であり,主にslow-channel組織(洞房および房室結節)に作用して,自動能のレートを低下させ,伝導速度を遅延させ,不応期を延長させる。

  • III群:III群薬は基本的にカリウムチャネル遮断薬であり,slow-channelおよびfast-channel組織の活動電位持続時間および不応期を延長させる。

  • IV群:IV群薬は非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬で,slow-channel組織においてカルシウム依存性活動電位を抑制するため,自動能のレートおよび伝導速度を低下させ,不応期を延長させる。

ジゴキシンとアデノシンはVaughan Williams分類には含まれていない。ジゴキシンは心房および心室の不応期を短縮させ,迷走神経刺激作用を有するため,房室結節伝導および房室結節の不応期を延長させる。アデノシンは房室結節伝導を遅延または遮断し,房室結節伝導に依存して持続する頻拍性不整脈を停止させることができる。

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抗不整脈薬(Vaughan Williams分類)

薬物

用法・用量

目標濃度

主な有害作用

備考

Ia群

用途:心房および心室期外収縮の抑制,SVTおよびVTの抑制,AFまたは心房粗動,およびVFの抑制

ジソピラミド

静注:初回は1.5mg/kgを5分以上かけて投与,その後は0.4mg/kg/時で持続静注β

経口,即放性:100または150mg,6時間毎

経口,放出制御:200または300mg,12時間毎

2~7.5μg/mL

抗コリン作用(尿閉,緑内障,口腔乾燥,霧視,腸管障害),低血糖,torsades de pointes型心室頻拍;陰性変力作用(心不全または低血圧を悪化させる可能性あり)

左室機能障害のある患者には慎重に使用すべきである。

腎機能不全のある患者では用量を減らすべきである。

有害作用がアドヒアランス不良につながることがある。

QRS幅が増大した場合(当初が120msec未満であった場合は50%を上回る増大,120msec以上であった場合は25%を上回る増大),またはQTc間隔が550msec以上まで延長した場合は,投与速度を落とすか,減量するか,投与を中止すべきである。

静注製剤は米国では入手できていない。

プロカインアミド*

静注:10~15mg/kgを25~50mg/分で急速静注し,続いて1~4mg/分で持続静注

経口:250~625mg(まれに最大1gまで),3時間毎または4時間毎

経口,放出制御:体重55kg未満の患者では500mg;55~91kgの患者では750mg;91kgを上回る患者では1000mg,6時間毎

4~8µg/mL

低血圧(静注時),12カ月以上投与を受けている患者のほぼ100%でみられる血清学的異常(特にANA),15~20%で薬剤性ループス(関節痛,発熱,胸水),1%未満で無顆粒球症,torsades de pointes型心室頻拍

徐放性製剤を使用すれば頻回の投与が不要になる。

QRS幅が増大した場合(当初が120msec未満であった場合は50%を上回る増大,120msec以上であった場合は25%を上回る増大),またはQTc間隔が550msec以上まで延長した場合は,投与速度を落とすか,減量するか,投与を中止すべきである。

キニジン*

経口:200~400mg,4~6時間毎

2~6μg/mL

下痢,仙痛,鼓腸,発熱,血小板減少,肝機能異常,torsades de pointes型心室頻拍;全有害作用の発現率は30%

QRS幅が増大した場合(当初が120msec未満であった場合は50%を上回る増大,120msec以上であった場合は25%を上回る増大),またはQTc間隔が550msec以上まで延長した場合は,投与速度を落とすか,減量するか,投与を中止すべきである。

Ib群

用途:心室性不整脈(心室期外収縮,VT,VF)の抑制

リドカイン

静注:100mgを2分かけて投与した後,4mg/分(65歳以上の患者では2mg/分)で持続注入および初回投与の5分後に50mgで2回目の急速静注

2~5μg/L

振戦,痙攣発作;投与速度が急すぎる場合,眠気,せん妄,錯感覚;急性心筋梗塞後には徐脈性不整脈の発生リスク上昇の可能性あり

毒性のリスクを軽減するため,24時間後に減量するか投与速度を2mg/分に落とすべきである。

肝臓での初回通過効果により速やかに代謝される。

メキシレチン

経口,即放性:100~250mg,8時間毎

経口,徐放性:360mg,12時間毎

静注:2mg/kgを25mg/分で投与した後,250mgを1時間,続いて250mgを2時間かけて投与し,さらに0.5mg/分で維持注入

0.5~2μg/mL

悪心,嘔吐,振戦,痙攣発作

経口徐放性製剤および静注製剤は米国では入手できない。

Ic群

用途:心房および心室期外収縮の抑制,SVTおよびVTの抑制,AFまたは心房粗動,およびVFの抑制

フレカイニド

経口:100mg,8時間毎または12時間毎

静注:1~2mg/kgを10分かけて投与

0.2~1μg/mL

ときに,霧視および錯感覚

QRS幅が増大した場合(当初が120msec未満であった場合は50%を上回る増大,120msec以上であった場合は25%を上回る増大)は,減量するか,投与を中止する必要がある。

静注製剤は米国では入手できない。

プロパフェノン

経口:150mg,1日3回で開始し,最大で150~300mg,1日3回まで漸増

静注:2mg/kgを急速静注した後,2mg/分で持続静注

0.1~1.0μg/mL

β遮断活性を有し,反応性の気道障害を悪化させる可能性がある;ときに消化管障害

薬物動態は非線形であり,増量は前回用量の50%を超えてはならない。

生物学的利用能およびタンパク結合率は一定でなく,初回通過効果による飽和性の代謝を示す。

静注製剤は米国では入手できていない。

II群(β遮断薬)

用途:上室性頻拍性不整脈(心房期外収縮,ST,SVT,AF,心房粗動),および心室性不整脈(しばしば補助的な使用)

アセブトロール

経口:200mg,1日2回

β遮断薬の濃度は測定されない;心拍数の低下幅が25%を上回るように用量を調整する

β遮断薬に典型的なものとして,消化管障害,不眠症,悪夢,嗜眠,勃起障害,房室結節機能不全のある患者では房室ブロックの可能性あり

気管支攣縮を引き起こす気道疾患を有する患者ではβ遮断薬は禁忌である。

アテノロール

経口:50~100mg,1日1回

ベタキソロール

経口:20mg,1日1回

ビソプロロール

経口:5~10mg,1日1回

カルベジロール

経口:6.25mg,1日2回で開始した後,25mg,1日2回まで漸増

エスモロール

静注:50~200μg/kg/分

メトプロロール

経口:50~100mg,1日2回

静注:5mg,5分毎,最大15mg

ナドロール

経口:60~80mg,1日1回

プロプラノロール

経口:10~30mg,1日3回または1日4回

静注:1~3mg(必要であれば,5分後に1回反復してもよい)

チモロール

経口:10~20mg,1日2回

III群(膜安定化作用を有する薬剤)

用途:torsades de pointes型心室頻拍を除く全ての頻拍性不整脈

アミオダロン

経口:600~1200mg/日を7~10日間,続いて400mg/日を3週間投与した後,維持量(理想的には200mg/日以下)で継続

静注:150~450mgを1~6時間(緊急度による)かけて投与した後,維持量0.5~2.0mg/分で継続

1~2.5μg/mL

肺線維症(5年以上投与を受けている患者の最大5%にみられ,致死的となりうる);QTc延長;torsades de pointes型心室頻拍(まれ);徐脈;露光部の皮膚の灰白色または青色調の変色;日光過敏症;肝機能異常;末梢神経障害;角膜の色素沈着(投与を受けるほぼ全ての患者),通常は視覚に重篤な影響を及ぼさず,投与中止により回復する;甲状腺機能の変化;GFRの変化を伴わない血清クレアチニン値の最大10%の上昇;クリアランスの遅延により有害作用が長期化する可能性あり

非競合的β遮断作用,カルシウムチャネル遮断作用,およびナトリウムチャネル遮断作用を有し,作用の発現は大幅に遅延する。

不応期を延長させることで,心臓全体で再分極を均一な状態にすることができる。

静注製剤は薬理学的除細動に使用することができる。

アジミリド*

経口:100~200mg,1日1回

200~1000ng/mL

Torsades de pointes型心室頻拍

ブレチリウム*

静注:初回は5mg/kg,その後は1~2mg/分で持続注入

筋注:初回は5~10mg/kg,これを総用量30mg/kgまで繰り返すことができる

筋注での維持量は5mg/kg,6~8時間毎

0.8~2.4μg/mL

低血圧

II群の特徴を有する。

作用発現が10~20分遅延することがある。

致死的となる可能性のある治療抵抗性の心室性頻拍性不整脈(難治性VT,再発性VF)の治療に用いられ,この場合は通常,注入30分以内に効果が生じる。

ドフェチリド

経口:CrClが60mL/minを超える場合は500μg,1日2回;CrClが40~60mL/minの場合は250μg,1日2回;CrClが20~40mL/minの場合は125μg,1日2回

N/A

Torsades de pointes型心室頻拍

QTcが440msecを超える場合,またはCrClが20mL/min未満の場合は禁忌である。

dronedarone

経口:400mg,1日2回

N/A

QTc延長,torsades de pointes型心室頻拍(まれ),徐脈,消化管障害,肝毒性の可能性(まれ),GFRの変化を伴わない血清クレアチニン値の最大20%の上昇

アミオダロン分子を修飾(脱ヨウ素化を含む)した物質であり,半減期が短く,分布容積が小さくなっており,有害作用は少ないが,効力も低い。

心不全の既往または永続性心房細動を有する患者に使用してはならない。

ibutilide

静注:60kg以上の患者には1mgを,60kg未満の患者には0.01mg/kgを10分間かけて注入,初回注入が無効の場合は10分後に再投与

N/A

Torsades de pointes型心室頻拍(2%で)

AFの停止(成功率約40%)と心房粗動の停止(成功率約65%)に用いられる。

ソタロール

経口:80~160mg,12時間毎

静注:10mgを1~2分かけて投与

0.5~4μg/mL

II群と同様;左室機能低下およびtorsades de pointes型心室頻拍の可能性あり

ラセミ[d-l]体はII群(β遮断)の特徴を有するが,[d]体はそうではない。どちらもIII群の活性を有する。臨床ではラセミ体のソタロールのみが使用できる。

腎機能不全のある患者に投与してはならない。

IV群(カルシウム拮抗薬)

用途:SVTの停止,および速いAFまたは心房粗動の緩徐化

ジルチアゼム

経口,徐放性(ジルチアゼムCD):120~360mg,1日1回

静注:5~15mg/時で最大24時間

0.1~0.4μg/mL

VT患者ではVFを引き起こす可能性あり,陰性変力作用

AFまたは心房粗動に対する心室拍数の低下には静注製剤が最も頻用されている。

ベラパミル

経口:40~120mg,1日3回,徐放性製剤の場合は180mg,1日1回から240mg,1日2回

静注:5~15mgを10分かけて投与

経口,予防:40~120mg,1日3回

N/A

VT患者ではVFを引き起こす可能性あり,陰性変力作用

房室結節が関与するQRS幅の狭い頻拍の停止には,静注製剤を使用する(5~10mgを10分かけて静注するときの成功率はほぼ100%)。

その他の抗不整脈薬

アデノシン

6mgを急速静注,必要に応じて12mgで2回再投与;さらに生理食塩水20mLの急速投与によるフラッシュ

N/A

一過性の呼吸困難,胸部不快感,および紅潮(30~60%にみられる);一過性の気管支攣縮

房室結節伝導を遅延または遮断する。

作用の持続時間は極めて短い。

禁忌には喘息,高度の心ブロックなどがある。

ジピリダモールによって作用が増強する。

ジゴキシン

静注,負荷量:0.5mg

経口,維持量:0.125~0.25mg/日

0.8~1.6μg/mL

食欲不振,悪心,嘔吐,しばしば重篤な不整脈(心室期外収縮,VT,心房期外収縮,心房頻拍,第2度または第3度房室ブロック,これら不整脈の併発)

禁忌には房室副伝導路を介する順行性伝導(顕性WPW症候群)が含まれ,これはAFが発生した場合に心室応答が過剰となりうるためである(ジゴキシンは房室副伝導路の不応期を短縮する)。

*入手可能性は不明。

AF = 心房細動;ANA = 抗核抗体;APB = 心房期外収縮;AV = 房室;CrCl = クレアチニンクリアランス;LV = 左室;rQTc = 心拍数で補正したQT間隔;SVT = 上室頻拍;VF = 心室細動;VPB = 心室期外収縮;VT = 心室頻拍。

I群抗不整脈薬

ナトリウムチャネル遮断薬(膜安定化作用を有する)は,速いナトリウムチャネルを遮断し,fast-channel組織(心房および心室の作業心筋細胞,ヒス-プルキンエ系)での伝導を遅延させる。この作用は心電図では,P波幅の増大,QRS幅の増大,PR間隔の延長,またはこれらの組合せとして反映される。

I群薬はナトリウムチャネル作用の動態に基づいて細分される。

  • Ib群薬は早い動態を示す。

  • Ic群薬は遅い動態を示す。

  • Ia群薬は中程度の動態を示す。

ナトリウムチャネル遮断の動態によって,その電気生理学的作用が現れる心拍数が規定される。Ib群薬は速い動態を示すため,その電気生理学的作用は速い心拍数でのみ発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図には,fast-channel組織の伝導遅延を示す所見は通常認められない。Ib群薬はそれほど強力な抗不整脈薬ではなく,心房組織に及ぼす作用はごくわずかである。Ic群薬は遅い動態を示すため,あらゆる心拍数でその電気生理学的作用を発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図では通常,fast-channel組織の伝導遅延が認められる。Ic群薬はより強力な抗不整脈薬である。Ia群薬は中程度の動態を示すため,正常心拍数の正常な調律中に測定した心電図では,fast-channel組織の伝導を遅延させる作用が認められる場合と認められない場合がある。Ia群薬はカリウムチャネルの再分極も遮断し,fast-channel組織の不応期を延長させる。心電図上では,この作用は心拍数が正常でもQT間隔の延長として反映される。Ib群薬およびIc群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

ナトリウムチャネル遮断の動態によって,その電気生理学的作用が現れる心拍数が規定される。

主な適応は,Ia群およびIc群薬で上室頻拍(SVT),ならびに全てのI群薬で心室頻拍(VT)である。

I群薬の有害作用には,治療対象の不整脈よりも悪性の薬剤性不整脈を引き起こす催不整脈作用があり,これが最も懸念される有害作用である。I群薬は全てVTを悪化させる可能性がある。I群薬は心室の収縮性を抑制する傾向もある。I群薬のこれらの有害作用は構造的心疾患を有する患者でより発生しやすいため,それらの患者へのI群薬の使用は一般に推奨されない。したがって,これらの薬剤は通常,構造的心疾患のない患者または構造的心疾患を有するが他に治療選択肢がない患者にのみ使用される。I群薬には,ほかにも下位分類や個々の薬剤に特異的な有害作用が存在する。

Ia群抗不整脈薬

Ia群薬は,速い動態を示すIb群薬と遅い動態を示すIc群薬の中間程度の動態を示す。心拍数正常かつ調律正常の状態で測定した心電図では,fast-channel組織の伝導を遅延させる作用が認められる場合と認められない場合がある。Ia群薬はカリウムチャネルの再分極を遮断し,fast-channel組織の不応期を延長させる。心電図上では,この作用は心拍数が正常でもQT間隔の延長として反映される。

Ia群薬は,心房期外収縮(APB),心室期外収縮(VPB),上室頻拍,心室頻拍,心房細動(AF),心房粗動,および心室細動の抑制に用いられる。主な適応は上室頻拍と心室頻拍である。

Ia群薬はTorsades de pointes型心室頻拍を引き起こす可能性がある。Ia群薬は心房性頻拍性不整脈を十分に抑制および緩徐化して,心室拍数の著明な上昇を伴う1:1の房室伝導を生じさせる。

Ib群抗不整脈薬

Ib群薬は速い動態を示し,その電気生理学的作用は速い心拍数でのみ発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図には,fast-channel組織の伝導遅延を示す所見は通常認められない。Ib群薬はそれほど強力な抗不整脈薬ではなく,心房組織に及ぼす作用はごくわずかである。Ib群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

Ib群薬は,心室性不整脈(心室期外収縮,心室頻拍,心室細動)の抑制に用いられる。

Ic群抗不整脈薬

Ic群薬は遅い動態を示し,あらゆる心拍数でその電気生理学的作用を発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図では通常,fast-channel組織の伝導遅延が認められる。Ic群薬はIa群薬やIb群薬よりも強力な抗不整脈薬である。Ic群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

Ic群薬は心房性頻拍性不整脈を十分に抑制および緩徐化して,心室拍数の著明な上昇を伴う1:1の房室伝導を生じさせる。

Ic群薬は, 心房期外収縮,心室期外収縮,上室拍,心室頻拍,心房細動,心房粗動,および心室細動の抑制に用いられる。

II群抗不整脈薬

II群抗不整脈薬はβ遮断薬であり,主にslow-channel組織(洞房および房室結節)に作用して,自動能のレートを低下させ,伝導速度を遅延させ,不応期を延長させる。したがって,心拍数は低下し,PR間隔は延長して,房室結節では速い心房脱分極がより低い頻度で伝導する。

II群薬は主にSVT(洞頻拍,房室結節リエントリー,AF,心房粗動を含む)の治療に使用される。また,VTの治療として,心室細動(VF)の閾値を引き上げ,βアドレナリン受容体刺激の心室に対する催不整脈作用を抑制する目的でも使用される。

β遮断薬の忍容性は一般に良好であり,有害作用には,倦怠感,睡眠障害,消化管障害などがある。これらの薬剤は喘息患者では禁忌である。

III群抗不整脈薬

III群薬は膜安定化作用を有する薬剤で,基本的にカリウムチャネル遮断薬であり,slow-channelおよびfast-channel組織の活動電位持続時間および不応期を延長させる。したがって,高頻度で刺激を伝導する能力は全心臓組織で低下するが,伝導速度は顕著な影響を受けない。活動電位が延長するため,自動能のレートが低下する。心電図に及ぼす主な影響はQT間隔の延長である。

これらの薬剤はSVTおよびVTの治療に使用される。III群薬には心室に対する催不整脈作用,特にtorsades de pointes型心室頻拍のリスクがあり,torsades de pointes型心室頻拍の患者には使用されない。

IV群抗不整脈薬

IV群薬は非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬で,slow-channel組織においてカルシウム依存性活動電位を抑制するため,自動能のレートおよび伝導速度を低下させ,不応期を延長させる。心拍数は低下し,PR間隔は延長して,房室結節では速い心房脱分極がより低い頻度で伝導する。IV群薬は主にSVTの治療に用いられる。頻拍性心房細動や心房粗動に対して心拍数を低下させるために使用されることもある。VTの一種(左室中隔起源またはBelhassen VT)はベラパミルで治療することができる。

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