Msd マニュアル

Please confirm that you are a health care professional

honeypot link

不整脈に対する薬剤

執筆者:

L. Brent Mitchell

, MD, Libin Cardiovascular Institute of Alberta, University of Calgary

最終査読/改訂年月 2019年 7月
患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
本ページのリソース

不整脈 不整脈の概要 正常な心臓は規則正しく協調的に拍動するが,これは固有の電気的特性を有する筋細胞によって電気パルスが生成・伝達され,それにより一連の組織化された心筋収縮が誘発されることによって生じる。不整脈と伝導障害は,そうした電気パルスの生成,伝導,またはその両方の異常により引き起こされる。 先天的な構造異常(例,房室副伝導路)や機能異常(例,遺伝性のイ... さらに読む 不整脈の概要 治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動 カルディオバージョン/電気的除細動 不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動,植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),カテーテルアブレーション,手術,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。 胸壁を介して十分な強さのDCショックを加えると,心筋全体を脱分極させることができ,反復する脱分極に対して心臓全体が... さらに読む 植込み型除細動器 植込み型除細動器(ICD) 不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動,植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),カテーテルアブレーション,手術,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。 ICDは心室頻拍(VT)または心室細動(VF)に反応してカルディオバージョンまたは除細動を行う。最新のICDでは,... さらに読む 植込み型除細動器(ICD) (ICD),ペースメーカー 心臓ペースメーカー 不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動,植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),カテーテルアブレーション,手術,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。 ペースメーカーは電気的イベントを感知し,必要な場合には反応して心臓に電気刺激を与える。恒久型ペースメーカーのリード... さらに読む 心臓ペースメーカー (および特殊なペーシング,心臓再同期療法 心臓再同期療法(CRT) 不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動,植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),カテーテルアブレーション,手術,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。 一部の患者では,心腔が収縮を繰り返す間の整然とした正常な順序関係が崩壊している(同期不全を呈している)。同期不全に... さらに読む ),カテーテルアブレーション 不整脈に対するアブレーション 不整脈治療のニーズは,不整脈の症状および重篤度に依存する。治療は原因に対して行う。必要に応じて,抗不整脈薬,カルディオバージョン/電気的除細動,植込み型除細動器(ICD),ペースメーカー(および特殊なペーシング,心臓再同期療法),カテーテルアブレーション,手術,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。 頻拍性不整脈が特定の伝導路ないし異所性自動能に依存している場合には,治療のために問題の部位を意図的に破壊(アブレー... さらに読む 手術 不整脈の手術 正常な心臓は規則正しく協調的に拍動するが,これは固有の電気的特性を有する筋細胞によって電気パルスが生成・伝達され,それにより一連の組織化された心筋収縮が誘発されることによって生じる。不整脈と伝導障害は,そうした電気パルスの生成,伝導,またはその両方の異常により引き起こされる。 先天的な構造異常(例,房室副伝導路)や機能異常(例,遺伝性のイ... さらに読む 不整脈の手術 ,またはこれらの併用などによる直接的な抗不整脈療法が用いられる。

ほとんどの抗不整脈薬は,主要な細胞電気生理学的作用に基づき,大きく4つの群(Vaughan Williams分類)に分類される(抗不整脈薬(Vaughan Williams分類) 抗不整脈薬(Vaughan Williams分類) 抗不整脈薬(Vaughan Williams分類) の表を参照)。

ジゴキシンとアデノシンはVaughan Williams分類には含まれていない。ジゴキシンは心房および心室の不応期を短縮させ,迷走神経刺激作用を有するため,房室結節伝導および房室結節の不応期を延長させる。アデノシンは房室結節伝導を遅延または遮断し,房室結節伝導に依存して持続する頻拍性不整脈を停止させることができる。

icon

I群抗不整脈薬

I群抗不整脈薬には以下のものがある:

  • ナトリウムチャネル遮断薬:速いナトリウムチャネルを遮断し,fast-channel組織(心房および心室の作業心筋細胞,ヒス-プルキンエ系)での伝導を遅延させる(膜安定化作用を有する)

心電図上では,この作用はP波幅の増大,QRS幅の増大,PR間隔の延長,またはこれらの組合せとして反映される。

I群薬はナトリウムチャネル作用の動態に基づいて細分される。

  • Ib群薬は早い動態を示す。

  • Ic群薬は遅い動態を示す。

  • Ia群薬は中程度の動態を示す。

ナトリウムチャネル遮断の動態によって,その電気生理学的作用が現れる心拍数が規定される。Ib群薬は速い動態を示すため,その電気生理学的作用は速い心拍数でのみ発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図には,fast-channel組織の伝導遅延を示す所見は通常認められない。Ib群薬はそれほど強力な抗不整脈薬ではなく,心房組織に及ぼす作用はごくわずかである。

Ic群薬は遅い動態を示すため,あらゆる心拍数でその電気生理学的作用を発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図では通常,fast-channel組織の伝導遅延が認められる。Ic群薬はより強力な抗不整脈薬である。

Ia群薬は中程度の動態を示すため,正常心拍数の正常な調律中に測定した心電図では,fast-channel組織の伝導を遅延させる作用が認められる場合と認められない場合がある。Ia群薬はカリウムチャネルの再分極も遮断し,fast-channel組織の不応期を延長させる。心電図上では,この作用は心拍数が正常でもQT間隔の延長として反映される。Ib群薬およびIc群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

主な適応は,Ia群およびIc群薬で上室頻拍(SVT),ならびに全てのI群薬で心室頻拍(VT)である。

I群薬の有害作用には,治療対象の不整脈よりも悪性の薬剤性不整脈を引き起こす催不整脈作用があり,これが最も懸念される有害作用である。I群薬は全てVTを悪化させる可能性がある。I群薬は心室の収縮性を抑制する傾向もある。I群薬のこれらの有害作用は構造的心疾患を有する患者でより発生しやすいため,それらの患者へのI群薬の使用は一般に推奨されない。したがって,これらの薬剤は通常,構造的心疾患のない患者または構造的心疾患を有するが他に治療選択肢がない患者にのみ使用される。I群薬には,ほかにも下位分類や個々の薬剤に特異的な有害作用が存在する。

Ia群抗不整脈薬

Ia群薬は,速い動態を示すIb群薬と遅い動態を示すIc群薬の中間程度の動態を示す。心拍数正常かつ調律正常の状態で測定した心電図では,fast-channel組織の伝導を遅延させる作用が認められる場合と認められない場合がある。Ia群薬はカリウムチャネルの再分極を遮断し,fast-channel組織の不応期を延長させる。心電図上では,この作用は心拍数が正常でもQT間隔の延長として反映される。

Ia群薬は,心房性期外収縮 心房性期外収縮 上室の興奮起源(通常は心房)から種々の調律が生じる。診断は心電図検査による。多くは無症状で,治療の必要はない。 (不整脈の概要も参照のこと。) 異所性上室性調律としては以下のものがある: 心房性期外収縮 心房頻拍 さらに読む 心房性期外収縮 心室性期外収縮 心室性期外収縮(VPB) 心室性期外収縮(VPB)は,心室内リエントリーまたは心室細胞の異常自動能に起因する単発性の心室興奮である。健常者と心疾患患者ともに極めて高頻度にみられる。心室性期外収縮は無症状のこともあれば,動悸を引き起こすこともある。診断は心電図検査による。通常,治療は必要ない。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室性期外収縮(VPB)は,PCVとも呼ばれるが,不規則に生じることもあれば,一定間隔で(例,3心拍毎[三段脈]または2心拍毎[二段脈])生... さらに読む 心室性期外収縮(VPB) 上室頻拍 リエントリー性上室頻拍(SVT),WPW症候群を含む リエントリー性上室頻拍(SVT)は,ヒス束分岐部より上位の要素を含むリエントリー性伝導路が関与する。患者には突然始まって突然停止する突発性の動悸がみられ,患者によっては呼吸困難や胸部不快感もみられる。診断は臨床および心電図所見による。通常,初期治療は迷走神経刺激による。それが無効に終わった場合,QRS幅の狭い調律,あるいは房室結節伝導を必要とする変行伝導を伴うリエントリー性SVTと判明しているQRS幅の広い調律は,静注のアデノシンまたは... さらに読む 心室頻拍 心室頻拍(VT) 心室頻拍は,連続で3拍以上にわたり心拍数が120/分以上となる状態である。症状は持続時間に依存し,無症状から動悸,血行動態の破綻,さらには死に至ることもある。診断は心電図検査による。短時間の発作に収まらない場合の治療には,症状に応じてカルディオバージョンまたは抗不整脈薬を用いる。必要な場合は,植込み型除細動器による長期治療を行う。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室頻拍(VT)のカットオフ値としては,心拍数100/分以上を採用している... さらに読む 心房細動 心房細動 心房細動は,心房における速い絶対的不整(irregularly irregular)の調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されることがあり,その場合塞栓性脳卒中のリスクが有意に増大する。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与またはカルディオバージョ... さらに読む 心房粗動 心房粗動 心房粗動は,心房のマクロリエントリー回路に起因する速い規則的な心房調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されて塞栓症を来すことがある。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与,カルディオバージョン,または心房粗動の基質に対するアブレーションを行う。... さらに読む ,および心室細動 心室細動(VF) 心室細動では,心室が非協調的に震動し,有効な収縮は発生しない。直ちに失神を来し,数分以内に死亡する。治療は,即時の除細動を含めた心肺蘇生による。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室細動(VF)は複数の微小な興奮波によるリエントリー性の電気活動を原因とし,心電図上では超高速の基線の動揺として出現し,動揺のタイミングと形態は不規則である。 VFは心停止状態にある患者の約70%でみられる調律であり,したがって多くの疾患における最終的な事象で... さらに読む 心室細動(VF) の抑制に用いられる。主な適応は上室頻拍と心室頻拍である。

Ia群薬はトルサード・ド・ポワンツ型心室頻拍を引き起こす可能性がある。Ia群薬は心房性頻拍性不整脈を十分に抑制および緩徐化して,心室拍数の著明な上昇を伴う1:1の房室伝導を生じさせる。

Ib群抗不整脈薬

Ib群薬は速い動態を示し,その電気生理学的作用は速い心拍数でのみ発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図には,fast-channel組織の伝導遅延を示す所見は通常認められない。Ib群薬はそれほど強力な抗不整脈薬ではなく,心房組織に及ぼす作用はごくわずかである。Ib群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

Ib群薬は,心室性不整脈(心室性期外収縮 心室性期外収縮(VPB) 心室性期外収縮(VPB)は,心室内リエントリーまたは心室細胞の異常自動能に起因する単発性の心室興奮である。健常者と心疾患患者ともに極めて高頻度にみられる。心室性期外収縮は無症状のこともあれば,動悸を引き起こすこともある。診断は心電図検査による。通常,治療は必要ない。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室性期外収縮(VPB)は,PCVとも呼ばれるが,不規則に生じることもあれば,一定間隔で(例,3心拍毎[三段脈]または2心拍毎[二段脈])生... さらに読む 心室性期外収縮(VPB) 心室頻拍 心室頻拍(VT) 心室頻拍は,連続で3拍以上にわたり心拍数が120/分以上となる状態である。症状は持続時間に依存し,無症状から動悸,血行動態の破綻,さらには死に至ることもある。診断は心電図検査による。短時間の発作に収まらない場合の治療には,症状に応じてカルディオバージョンまたは抗不整脈薬を用いる。必要な場合は,植込み型除細動器による長期治療を行う。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室頻拍(VT)のカットオフ値としては,心拍数100/分以上を採用している... さらに読む 心室細動 心室細動(VF) 心室細動では,心室が非協調的に震動し,有効な収縮は発生しない。直ちに失神を来し,数分以内に死亡する。治療は,即時の除細動を含めた心肺蘇生による。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室細動(VF)は複数の微小な興奮波によるリエントリー性の電気活動を原因とし,心電図上では超高速の基線の動揺として出現し,動揺のタイミングと形態は不規則である。 VFは心停止状態にある患者の約70%でみられる調律であり,したがって多くの疾患における最終的な事象で... さらに読む 心室細動(VF) )の抑制に用いられる。

Ic群抗不整脈薬

Ic群薬は遅い動態を示し,あらゆる心拍数でその電気生理学的作用を発現する。したがって,正常心拍数の正常な調律中に記録した心電図では通常,fast-channel組織の伝導遅延が認められる。Ic群薬はIa群薬やIb群薬よりも強力な抗不整脈薬である。Ic群薬はカリウムチャネルを直接遮断しない。

Ic群薬は心房性頻拍性不整脈を十分に抑制および緩徐化して,心室拍数の著明な上昇を伴う1:1の房室伝導を生じさせる。

Ic群薬は,心房性期外収縮 心房性期外収縮 上室の興奮起源(通常は心房)から種々の調律が生じる。診断は心電図検査による。多くは無症状で,治療の必要はない。 (不整脈の概要も参照のこと。) 異所性上室性調律としては以下のものがある: 心房性期外収縮 心房頻拍 さらに読む 心房性期外収縮 心室性期外収縮 心室性期外収縮(VPB) 心室性期外収縮(VPB)は,心室内リエントリーまたは心室細胞の異常自動能に起因する単発性の心室興奮である。健常者と心疾患患者ともに極めて高頻度にみられる。心室性期外収縮は無症状のこともあれば,動悸を引き起こすこともある。診断は心電図検査による。通常,治療は必要ない。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室性期外収縮(VPB)は,PCVとも呼ばれるが,不規則に生じることもあれば,一定間隔で(例,3心拍毎[三段脈]または2心拍毎[二段脈])生... さらに読む 心室性期外収縮(VPB) 上室頻拍 リエントリー性上室頻拍(SVT),WPW症候群を含む リエントリー性上室頻拍(SVT)は,ヒス束分岐部より上位の要素を含むリエントリー性伝導路が関与する。患者には突然始まって突然停止する突発性の動悸がみられ,患者によっては呼吸困難や胸部不快感もみられる。診断は臨床および心電図所見による。通常,初期治療は迷走神経刺激による。それが無効に終わった場合,QRS幅の狭い調律,あるいは房室結節伝導を必要とする変行伝導を伴うリエントリー性SVTと判明しているQRS幅の広い調律は,静注のアデノシンまたは... さらに読む 心室頻拍 心室頻拍(VT) 心室頻拍は,連続で3拍以上にわたり心拍数が120/分以上となる状態である。症状は持続時間に依存し,無症状から動悸,血行動態の破綻,さらには死に至ることもある。診断は心電図検査による。短時間の発作に収まらない場合の治療には,症状に応じてカルディオバージョンまたは抗不整脈薬を用いる。必要な場合は,植込み型除細動器による長期治療を行う。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室頻拍(VT)のカットオフ値としては,心拍数100/分以上を採用している... さらに読む 心房細動 心房細動 心房細動は,心房における速い絶対的不整(irregularly irregular)の調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されることがあり,その場合塞栓性脳卒中のリスクが有意に増大する。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与またはカルディオバージョ... さらに読む 心房粗動 心房粗動 心房粗動は,心房のマクロリエントリー回路に起因する速い規則的な心房調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されて塞栓症を来すことがある。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与,カルディオバージョン,または心房粗動の基質に対するアブレーションを行う。... さらに読む ,および心室細動 心室細動(VF) 心室細動では,心室が非協調的に震動し,有効な収縮は発生しない。直ちに失神を来し,数分以内に死亡する。治療は,即時の除細動を含めた心肺蘇生による。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室細動(VF)は複数の微小な興奮波によるリエントリー性の電気活動を原因とし,心電図上では超高速の基線の動揺として出現し,動揺のタイミングと形態は不規則である。 VFは心停止状態にある患者の約70%でみられる調律であり,したがって多くの疾患における最終的な事象で... さらに読む 心室細動(VF) の抑制に用いられる。

II群抗不整脈薬

II群抗不整脈薬には以下のものがある:

  • β遮断薬

β遮断薬は,主にslow-channel組織(洞房および房室結節)に作用して,自動能のレートを低下させ,伝導速度を遅延させ,不応期を延長させる。したがって,心拍数は低下し,PR間隔は延長して,房室結節では速い心房脱分極がより低い頻度で伝導する。

II群薬は主に上室頻拍 リエントリー性上室頻拍(SVT),WPW症候群を含む リエントリー性上室頻拍(SVT)は,ヒス束分岐部より上位の要素を含むリエントリー性伝導路が関与する。患者には突然始まって突然停止する突発性の動悸がみられ,患者によっては呼吸困難や胸部不快感もみられる。診断は臨床および心電図所見による。通常,初期治療は迷走神経刺激による。それが無効に終わった場合,QRS幅の狭い調律,あるいは房室結節伝導を必要とする変行伝導を伴うリエントリー性SVTと判明しているQRS幅の広い調律は,静注のアデノシンまたは... さらに読む (洞頻拍,房室結節リエントリー,心房細動 心房細動 心房細動は,心房における速い絶対的不整(irregularly irregular)の調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されることがあり,その場合塞栓性脳卒中のリスクが有意に増大する。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与またはカルディオバージョ... さらに読む 心房粗動 心房粗動 心房粗動は,心房のマクロリエントリー回路に起因する速い規則的な心房調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されて塞栓症を来すことがある。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与,カルディオバージョン,または心房粗動の基質に対するアブレーションを行う。... さらに読む を含む)の治療に使用される。また,心室頻拍 心室頻拍(VT) 心室頻拍は,連続で3拍以上にわたり心拍数が120/分以上となる状態である。症状は持続時間に依存し,無症状から動悸,血行動態の破綻,さらには死に至ることもある。診断は心電図検査による。短時間の発作に収まらない場合の治療には,症状に応じてカルディオバージョンまたは抗不整脈薬を用いる。必要な場合は,植込み型除細動器による長期治療を行う。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室頻拍(VT)のカットオフ値としては,心拍数100/分以上を採用している... さらに読む の治療として,心室細動 心室細動(VF) 心室細動では,心室が非協調的に震動し,有効な収縮は発生しない。直ちに失神を来し,数分以内に死亡する。治療は,即時の除細動を含めた心肺蘇生による。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室細動(VF)は複数の微小な興奮波によるリエントリー性の電気活動を原因とし,心電図上では超高速の基線の動揺として出現し,動揺のタイミングと形態は不規則である。 VFは心停止状態にある患者の約70%でみられる調律であり,したがって多くの疾患における最終的な事象で... さらに読む 心室細動(VF) の閾値を引き上げ,βアドレナリン受容体刺激の心室に対する催不整脈作用を抑制する目的でも使用される。

β遮断薬の忍容性は一般に良好であり,有害作用には,倦怠感,睡眠障害,消化管障害などがある。この種の薬剤は喘息患者では禁忌である。

III群抗不整脈薬

III群薬としては以下のものがある:

  • 膜安定化作用を有する薬剤(基本的にカリウムチャネル遮断薬)

III群薬はslow-channelおよびfast-channel組織の活動電位持続時間と不応期を延長させる。したがって,高頻度で刺激を伝導する能力は全心臓組織で低下するが,伝導速度は顕著な影響を受けない。活動電位が延長するため,自動能のレートが低下する。心電図に及ぼす主な影響はQT間隔の延長である。

この種の薬剤はSVT リエントリー性上室頻拍(SVT),WPW症候群を含む リエントリー性上室頻拍(SVT)は,ヒス束分岐部より上位の要素を含むリエントリー性伝導路が関与する。患者には突然始まって突然停止する突発性の動悸がみられ,患者によっては呼吸困難や胸部不快感もみられる。診断は臨床および心電図所見による。通常,初期治療は迷走神経刺激による。それが無効に終わった場合,QRS幅の狭い調律,あるいは房室結節伝導を必要とする変行伝導を伴うリエントリー性SVTと判明しているQRS幅の広い調律は,静注のアデノシンまたは... さらに読む およびVT 心室頻拍(VT) 心室頻拍は,連続で3拍以上にわたり心拍数が120/分以上となる状態である。症状は持続時間に依存し,無症状から動悸,血行動態の破綻,さらには死に至ることもある。診断は心電図検査による。短時間の発作に収まらない場合の治療には,症状に応じてカルディオバージョンまたは抗不整脈薬を用いる。必要な場合は,植込み型除細動器による長期治療を行う。 (不整脈の概要も参照のこと。) 心室頻拍(VT)のカットオフ値としては,心拍数100/分以上を採用している... さらに読む の治療に使用される。III群薬には心室に対する催不整脈作用,特にトルサード・ド・ポワンツ型心室頻拍のリスクがあり,トルサード・ド・ポワンツ型心室頻拍の患者には使用されない。

IV群抗不整脈薬

IV群薬としては以下のものがある:

  • 非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬

この種の薬剤は,slow-channel組織においてカルシウム依存性活動電位を抑制するため,自動能のレートおよび伝導速度を低下させ,不応期を延長させる。心拍数は低下し,PR間隔は延長して,房室結節では速い心房脱分極がより低い頻度で伝導する。IV群薬は主にSVT リエントリー性上室頻拍(SVT),WPW症候群を含む リエントリー性上室頻拍(SVT)は,ヒス束分岐部より上位の要素を含むリエントリー性伝導路が関与する。患者には突然始まって突然停止する突発性の動悸がみられ,患者によっては呼吸困難や胸部不快感もみられる。診断は臨床および心電図所見による。通常,初期治療は迷走神経刺激による。それが無効に終わった場合,QRS幅の狭い調律,あるいは房室結節伝導を必要とする変行伝導を伴うリエントリー性SVTと判明しているQRS幅の広い調律は,静注のアデノシンまたは... さらに読む の治療に用いられる。頻拍性心房細動 心房細動 心房細動は,心房における速い絶対的不整(irregularly irregular)の調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されることがあり,その場合塞栓性脳卒中のリスクが有意に増大する。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与またはカルディオバージョ... さらに読む 心房粗動 心房粗動 心房粗動は,心房のマクロリエントリー回路に起因する速い規則的な心房調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されて塞栓症を来すことがある。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与,カルディオバージョン,または心房粗動の基質に対するアブレーションを行う。... さらに読む に対して心拍数を低下させるために使用されることもある。VTの一種(左室中隔起源またはBelhassen VT)はベラパミルで治療することができる。

患者さん向けの 同じトピックページ はこちら
家庭版で同じトピック をみる
よく一緒に読まれているトピック

おすすめコンテンツ

ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP