全世界で約5億人(世界人口の約8%)が難聴を有する( 1)。米国では,10%以上の人に日常のコミュニケーションを損なうある程度の難聴があり,難聴は最も一般的な感覚器障害である。新生児の約800~1000人に1人には,出生時に高度から重度の難聴がある。その2~3倍で,それより軽度の難聴が出生時にみられる。小児期には,さらに1000人に2~3人の小児が中等度から高度の難聴を来す。青年には,過度の騒音への曝露,頭部外傷,またはその両方のリスクがある。高齢者は一般的に,進行性の聴力低下( 老人性難聴)を経験するが,これは加齢,騒音曝露および遺伝因子に直接関連する。米国では約3千万人が損傷を与えるレベルの騒音に日常的に曝露していると推定されている。