産科および婦人科歴

執筆者:Shubhangi Kesavan, MD, Cleveland Clinic Learner College of Medicine, Case Western Reserve University
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2024年 3月 | 修正済み 2024年 6月
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産科および婦人科歴は,しばしば病歴の中で独立した項目とみなされる。これには,妊娠,医学的状態,薬剤投与,処置を含めた,生殖器および婦人科全般の健康状態に関連する既往歴が含まれる。

妊娠・分娩歴

妊娠・分娩歴の聴取は通常,過去の妊娠について日付,転帰,合併症を含めて尋ねることから始める。

妊娠中の患者には,以前の妊娠および現在の妊娠に関して,より詳細な妊娠・分娩歴を聴取する。

経妊回数および経産回数

基本的な妊娠・分娩歴を特定の形式で記録し,経妊回数および経産回数を記載する。

経妊回数(G)は確認された妊娠の回数のことである;経妊婦とは妊娠を1回以上経験したことがある人を指す用語である。

経産回数(P)とは妊娠20週以降の分娩回数のことである。他の妊娠転帰とともに経産に関する数字を記録する:

多胎妊娠の場合,経妊回数および経産回数のいずれも1回と数えるが,生存児は例外とする(例,単胎妊娠1回と双胎妊娠1回の経験がある女性で,全員が生存児である場合,生存児は3と記載する)。

この記録形式では,以下のように数字を記録する:

  • G(経妊回数)P(経産回数;4つの数字で満期産,早産,流産,および生存児について記載)

例えば,満期産を1回,32週での双子の分娩を1回,自然流産を1回,および異所性妊娠を1回経験したことがある患者の妊娠・分娩歴は,G4 P1-1-2-3と記録する。

産科転帰および合併症

経妊回数および経産回数に加えて,妊娠していない患者の妊娠・分娩歴の聴取では通常,将来の妊娠または生殖器もしくは全身の健康に影響を及ぼす可能性のある過去の産科合併症に焦点を置く。

将来の妊娠に影響を及ぼす可能性のある過去の妊娠・分娩歴としては以下のものがある:

将来の生殖器または全身の健康に影響を及ぼす可能性のある過去の妊娠・分娩歴としては以下のものがある:

妊娠・分娩歴に関する参考文献

  1. 1.Vounzoulaki E, Khunti K, Abner SC, Tan BK, Davies MJ, Gillies CL.Progression to type 2 diabetes in women with a known history of gestational diabetes: systematic review and meta-analysis. BMJ.2020;369:m1361.Published 2020 May 13.doi:10.1136/bmj.m1361

  2. 2.Mosca L, Benjamin EJ, Berra K, et al.Effectiveness-based guidelines for the prevention of cardiovascular disease in women--2011 update: a guideline from the american heart association [published correction appears in Circulation. 2011 Jun 7;123(22):e624] [published correction appears in Circulation. 2011 Oct 18;124(16):e427]. Circulation.2011;123(11):1243-1262.doi:10.1161/CIR.0b013e31820faaf8

  3. 3.Howard LM, Molyneaux E, Dennis CL, Rochat T, Stein A, Milgrom J.Non-psychotic mental disorders in the perinatal period. Lancet.2014;384(9956):1775-1788.doi:10.1016/S0140-6736(14)61276-9

婦人科歴

婦人科歴の聴取では,受診のきっかけとなった症状や懸念事項について患者に質問する。この聴取には,月経歴,性交歴,尿路症状またはその既往,以前または現在の婦人科的状態および治療を含めるべきである。

現在の症状は自由回答式の質問を用いて調査し,その後以下について具体的な質問を行う:

  • 骨盤痛(位置,持続時間,特徴,性質,誘発および緩和因子)

  • 異常な性器出血(量,持続時間,月経周期との関係)

  • 腟分泌物(色,臭い,粘稠度)

  • 外陰や腟の不快感または疼痛(位置,持続時間,特徴,性質,誘発および緩和因子)

  • 更年期症状

月経歴には以下を含める:

  • 初経年齢または閉経年齢

  • 月経日数

  • 月経周期の長さおよび規則性

  • 最終月経の開始日

  • その前回の月経(前回月経)の日付

  • 月経の量

  • 凝血塊の排出:凝血塊の排出歴がある場合は,さらなる評価と婦人科医への紹介が必要である

  • 月経により生じるあらゆる症状(例,疼痛,痙攣痛,片頭痛)

月経周期の特徴(頻度,規則性,期間,および出血量)について,個々の患者の月経歴を正常範囲と比較する(正常な月経パラメータの表を参照)。月経異常がみられる場合は,異常子宮出血の種類と病因について患者を評価する。

通常,月経出血は24~38日の周期で持続期間は8日間以下である;平均経血量は30mL(範囲,13~80mL)で,月経2日目に最も多く出血する。生理用ナプキンやタンポンの吸収量は5~15mLである。月経量の客観的な測定は調査研究においてのみ行われるため,医師は生理用ナプキンおよびタンポンの使用状況ならびに腟からの凝血塊の排出について患者に尋ねるべきである。子宮からの出血量が多いことを示唆する説明には以下のものがある:

  • 3時間以内に1個以上の生理用ナプキンまたはタンポンが月経血で飽和状態になる

  • 1周期当たり21個を超える生理用ナプキンまたはタンポンが月経血で飽和状態になる

  • 衣服または寝具への血液の漏出を避けるために,夜間に生理用ナプキンまたはタンポンを頻回に交換する必要がある

  • 直径1インチ以上の凝血塊の排出がみられる

痙攣痛は月経開始の前日および1日目によくみられる。不規則で痛みを伴わない少量の性器出血が異常に短い期間または長期間にわたってみられる場合は,排卵障害が示唆される。

閉経後のあらゆる性器出血(量は問わず,少量の性器出血,ピンク色または褐色の染みを含む)には,子宮内膜増殖症または子宮内膜がんに対するさらなる評価が必要である。閉経は月経が停止してから12カ月後に診断される。しかしながら,閉経期女性に不正出血がみられたり,閉経後出血が月経と誤解されたりすることもある。したがって,45歳以上の女性における重度,不規則,または長期の出血については,病因にかかわらず,子宮内膜生検でさらなる評価を行うべきである。

婦人科歴には以下の病歴を含める:

性交歴は,専門職として非判断的な方法で得るべきであり,以下の項目を含める(CDC: A Guide to Taking a Sexual Historyを参照):

  • パートナーのジェンダー

  • リスクのある性行動(例,複数のパートナー,性暴力のリスクまたは既往)

  • 避妊法の使用(特にコンドームの使用)

  • 性機能に関する懸念(例,性交痛,性的関心,興奮,オルガズム)

病歴には,血液疾患,自己免疫疾患,肝疾患,心疾患,腎疾患,糖尿病,高血圧などの全身性疾患の既往を含める。出血性疾患,または凝固に影響を及ぼす薬剤(例,アスピリン),非ステロイド系抗炎症薬(NSAID),視床下部-下垂体-卵巣系に影響を及ぼす抗うつ薬もしくは抗精神病薬の使用に注意すべきである。

社会歴には,社会的ストレス因子,運動パターン,ならびに物質乱用(喫煙を含む)および薬物とアルコールに関する質問票への回答を含める。青年では,社会歴に運動への参加,学校欠席率,および趣味/スポーツへの参加の減少(特に月経周期に関連する場合)を含める。

家族歴には,第1度および第2度近親者における悪性腫瘍,出血性疾患,不妊症,月経の異常,筋腫,子宮内膜症,および甲状腺疾患の既往を含める。糖尿病または脂質もしくはトリグリセリドの異常の家族歴に注意すべきであり,この家族歴は多嚢胞性卵巣症候群を示唆している可能性がある。

システムレビュー(review of systems)には,体重変化,疲労感,男性型多毛症,ざ瘡,視覚の変化,頭痛,乳汁漏出症,排便習慣の変化,腹痛,耐暑性/耐寒性の低下,ならびに泌尿器および消化管の症状を含めるべきである。青年では,自己誘発性嘔吐,摂食症,低栄養,出血/皮下出血の傾向(鼻出血,歯肉出血)の既往が重要である。

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