心房細動とWPW症候群

執筆者:L. Brent Mitchell, MD, Libin Cardiovascular Institute, University of Calgary
Reviewed ByJonathan G. Howlett, MD, Cumming School of Medicine, University of Calgary
レビュー/改訂 2024年 9月 | 修正済み 2024年 10月
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WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群では,副伝導路を介した順行性伝導が発生する。心房細動が発生した場合は,心室拍数が非常に高くなる可能性があるため,医学的な緊急事態となる。

不整脈の概要および心房細動も参照のこと。)

顕性WPW症候群では,副伝導路を介した順行性伝導が発生する。心房細動が発生すると,房室結節の正常な律速作用が迂回され,結果として起きる心室拍数の過度の上昇(ときに200~300/分)により,心室細動の図を参照)や突然死につながる可能性がある(1)。

順行性伝導が起こる房室副伝導路がある患者では,WPW症候群(潜在性WPW症候群)の特徴であるPR間隔の短縮とδ波がみられない。それでも,副伝導路が逆行性に利用される正方向性房室リエントリー性頻拍は依然として発生する可能性があるものの,副伝導路が順行性に利用される心房細動の急速な伝導のリスクはない。

WPW症候群における心房細動

心室の応答は非常に速い(RR間隔の最小値は160msec)。その後間もなくして心室細動が発生する(下の図はモニター心電図のII誘導)。

総論の参考文献

  1. 1. Klein GJ, Bashore TM, Sellers TD, et al: Ventricular fibrillation in the Wolff-Parkinson-White syndrome.N Engl J Med 301(20):1080–1085, 1979.doi: 10.1056/NEJM197911153012003

心房細動およびWPW症候群の治療

  • カルディオバージョン

心房細動を伴ったWPW症候群に対する第1選択の治療法はカルディオバージョンである(1)。心房細動に通常使用される心拍数抑制薬は無効であり,ジゴキシンおよびアデノシンと他の多くの形態の上室頻拍に用いられる非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(例,ベラパミル,ジルチアゼム)は,心室拍数を上昇させて心室細動を引き起こす可能性があるため,禁忌である。

カルディオバージョンが不可能な場合は,副伝導路の不応期を延長させる薬剤を使用すべきである。プロカインアミドまたはイブチリド(ibutilide)の静注が望ましいが(1),Ia群,Ic群,またはIII群の抗不整脈薬も使用できる。

パール&ピットフォール

  • 心房細動を合併したWPW症候群患者では,ジゴキシン,アデノシン,および非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(例,ベラパミル,ジルチアゼム)は心室細動の引き金となる可能性があるため,これらの薬剤を投与してはならない。

治療に関する参考文献

  1. 1. Joglar JA, Chung MK, Armbruster AL, et al: 2023 ACC/AHA/ACCP/HRS Guideline for the Diagnosis and Management of Atrial Fibrillation: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Joint Committee on Clinical Practice Guidelines.Circulation 149(1):e1–e156, 2024.doi: 10.1161/CIR.0000000000001193

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