クローン病びょう

(肉芽腫性にくげしゅせい回腸かいちょう炎えん、肉芽腫性にくげしゅせい回結腸かいけっちょう炎えん、限局げんきょく性せい腸炎ちょうえん)

完全なレビュー: 2025年 3月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 3月
v31266455_ja
プロフェッショナル版を見る
家庭版で詳しい説明を読む

消化管しょうかかんとは、食たべものが体からだの中なかを通とおっていく管くだのことです。食たべものは、口くちから肛門こうもんまで移動いどうします(そして、便べんになって出でていきます)。腸ちょうは、消化器官しょうかきかんの1つで、胃いと肛門こうもんの間あいだをつないでいる長ながい管くだです。食たべたものが消化しょうかされ、栄養えいようが吸収きゅうしゅうされるところです。

あなたの体からだの中なかには、小腸しょうちょうと大腸だいちょうがあります。小腸しょうちょうは、とても長ながくて、くねくねと曲まがっています。大腸だいちょう(結腸けっちょうともいいます)は、小腸しょうちょうよりも短みじかく、太ふとくなっています。

クローン病びょうとはどのような病気びょうきですか?

クローン病びょうは、腸ちょうの炎症えんしょうが長ながい間あいだ続つづく病気びょうきです。クローン病びょうは、炎症性腸疾患えんしょうせいちょうしっかんという種類しゅるいの2つある病気びょうきの1つです。もう1つの炎症性腸疾患えんしょうせいちょうしっかんは潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえんです。

クローン病びょうはふつう、小腸しょうちょうで起おこります。しかし、大腸だいちょうで起おこることも、小腸しょうちょうと大腸だいちょうの両方りょうほうで起おこることもあります。

  • クローン病びょうは炎症性腸疾患えんしょうせいちょうしっかんの一種いっしゅです。

  • 原因げんいんは分わかっていませんが、免疫めんえきの仕組しくみに問題もんだいがあるためかもしれません。

  • 症状しょうじょうが現あらわれたり消きえたりして、下痢げり、差さし込こむような腹痛ふくつう、熱ねつが出でる、お腹なかがすかない、体重たいじゅうが減へるなどの症状しょうじょうが現あらわれます。

  • 医師いしはクローン病びょうを診断しんだんするために、大腸内視鏡検査だいちょうないしきょうけんさや画像検査がぞうけんさをします。

  • クローン病びょうを治なおす方法ほうほうはありませんが、薬くすりで治療ちりょうをするほか、手術しゅじゅつで症状しょうじょうを抑おさえられることもあります。

クローン病びょうの原因げんいんは何なんですか?

クローン病びょうの原因げんいんは、医師いしにもよく分わかっていません。免疫めんえきの仕組しくみに問題もんだいがあるために、腸ちょうが過度かどに反応はんのうするようになり、炎症えんしょうを起おこすと考かんがえられています。

もし次つぎのどれかに当あてはまる場合ばあい、あなたはクローン病びょうになる危険性きけんせいが高たかいです。

  • 家族かぞくにこの病気びょうきの人ひとがいる

  • あなたがユダヤ人じんで、家族かぞくが東ひがしヨーロッパの出身しゅっしんである

  • 喫煙きつえん習慣しゅうかんがある

  • 女性じょせいで、避妊薬ひにんやくを飲のんでいる

クローン病びょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

症状しょうじょうは現あらわれたり、消きえたりします。症状しょうじょうはふつう、重おもい状態じょうたいが数日すうじつから数週間すうしゅうかん続つづきますが、その後ごは症状しょうじょうがなくなるか、少すくなくともしばらくは軽かるくなります。ほとんどの人ひとでは、症状しょうじょうが悪わるくなって治おさまるのが、一生いっしょうくり返かえされます。

大人おとなで最もっともよくある症状しょうじょうとしては、次つぎのものがあります。

  • 下痢げり(ときどき血ちが混まじることもあります)

  • 引ひきつるような腹部ふくぶの痛いたみ

  • 発熱はつねつ

  • 食欲しょくよくがわかない

  • 体重減少たいじゅうげんしょう

症状しょうじょうが重おもくなると、あなたは次つぎのようになります。

  • 膿うみが入はいった袋ふくろ(膿瘍のうよう)が腸ちょうのまわりにできて、そのせいで、強つよい腹部ふくぶの痛いたみがずっと続つづく

  • 腸ちょうがつまるために、激はげしく嘔吐おうとする

クローン病びょうが長ながく続つづくと、次つぎのような症状しょうじょうが現あらわれます。

  • 皮膚ひふの発疹ほっしん

  • 関節痛かんせつつうと腫はれ

  • 目めが赤あかくなる

  • 肝臓かんぞうや胆嚢たんのうの病気びょうき

  • 肛門こうもんの傷きず、ときどき裂肛れっこう

  • 腸ちょうにがんができる危険性きけんせいが高たかくなる

子こどもの場合ばあいは、腹部ふくぶの痛いたみ、下痢げり、発熱はつねつなどが起おきますが、次つぎのような症状しょうじょうもあります。

  • 成長せいちょうが遅おそい

  • 関節かんせつの腫はれ

  • 疲労ひろう(全身ぜんしんに力ちからが入はいらなくなり、疲つかれを感かんじる)

医師いしはどのようにして、私わたしがクローン病びょうかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは、あなたの症状しょうじょうと、その症状しょうじょうがどれくらい急きゅうに現あらわれたかによって、次つぎのような検査けんさをします。

  • 突然とつぜんとつぜん激はげしいおなかの痛いたみが現あらわれた場合ばあい:おなかのCT検査けんさまたはMRI検査けんさを行おこないます

  • おなかの痛いたみがしばらくの間あいだ、出でたり消きえたりしている場合ばあい:腸ちょうの一部いちぶを見みえやすくする液体えきたいを飲のんでもらってから、おなかのX線検査せんけんさやCT検査けんさをしたり、小ちいさなカメラが入はいった特別とくべつなカプセルを飲のみ込こんでもらって、それが消化管しょうかかんを通とおっていく間あいだに写真しゃしんをとる検査けんさをしたりすることがあります。

  • 下痢げりがある場合ばあい:大腸内視鏡検査だいちょうないしきょうけんさ(医師いしが小ちいさなカメラとライトの付ついた細ほそい管くだを肛門こうもんから腸ちょうの中なかに入いれて、腸ちょうの中なかを見みる検査けんさ)をします。

医師いしは血液検査けつえきけんさもします。血液検査けつえきけんさでは、クローン病びょうを診断しんだんすることはできませんが、ある種類しゅるいの合併症がっぺいしょうがあるかどうかが分わかります。

クローン病びょうの異常いじょうが大腸だいちょうだけに起おきている場合ばあい、症状しょうじょうの多おおくが潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえんの症状しょうじょうと同おなじになるため、大腸だいちょうのクローン病びょうを潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえんと見分みわけることは医師いしにも難むずかしい場合ばあいがあります。

医師いしはクローン病びょうをどのように治療ちりょうしますか?

クローン病びょうを治なおす方法ほうほうはありません。治療ちりょうは、炎症えんしょうを抑おさえ、症状しょうじょうを軽かるくするのに役立やくだちます。

薬くすりを使つかえば:

  • 下痢げりや腹部ふくぶの痛いたみを止とめるのに役立やくだち、

  • 腸ちょうの炎症えんしょうが軽かるくなり、

  • 免疫めんえきの働はたらき方かたを変かえることができます。

医師いしは、栄養分えいようぶんを追加ついかした特別とくべつな液体えきたいを飲のむようにすすめることもあり、特とくに成長せいちょうがおくれている子こどもに、よくすすめられます。

医師いしはあなたに次つぎのことも指示しじします。

  • タバコを吸すっている人ひとは、治療ちりょうした後あとに症状しょうじょうがまた現あらわれることが多おおいので、タバコをやめる

  • 鉄分てつぶん、カルシウム、ビタミンDのサプリメントなどで栄養えいようをとる

  • 症状しょうじょうが悪わるくなったときは、ナッツや生なまの果物くだものや野菜やさいを食たべない

  • 乳製品にゅうせいひんを含ふくまない食事しょくじを試ためしてみて、症状しょうじょうが軽かるくなるかどうか調しらべる

  • NSAIDという種類しゅるいの痛いたみ止どめなど、症状しょうじょうを悪化あっかさせる可能性かのうせいがある一部いちぶの薬くすりを飲のまないようにする

  • ストレスを避さける

クローン病びょうの人ひとの多おおくは、どこかの時点じてんで手術しゅじゅつが必要ひつようになります。この手術しゅじゅつでは、医師いしが腸ちょうの一部いちぶを切きり取とります。これは症状しょうじょうを軽かるくするのに役立やくだちます。手術しゅじゅつを受うけた人ひとの半数はんすうでは、その後あとに2回目かいめの手術しゅじゅつが必要ひつようになります。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS