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新生児の甲状腺機能低下症

執筆者:

Andrew Calabria

, MD, Perelman School of Medicine at The University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌量が低下した状態です。

  • 新生児の甲状腺機能低下症は、甲状腺の構造に問題がある場合に起こることがあります。

  • 症状は、長期にわたる成長と発達の遅延などがあります。

  • 診断は、新生児スクリーニング検査、甲状腺機能検査、および画像検査に基づきます。

  • 治療としては、甲状腺ホルモンの補充療法があります。

甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンは体の代謝速度を調節します。これには心拍の速さや体温の調節などが含まれます。甲状腺から十分な量の甲状腺ホルモンが分泌されない場合、これらの機能の働きが遅くなります。

出生時に認められる甲状腺機能低下症は先天性甲状腺機能低下症と呼ばれます。

新生児の甲状腺機能低下症の最も一般的な原因は、

  • 甲状腺の完全な欠損、甲状腺の発達が悪い、異所での甲状腺発達

まれですが、甲状腺はあるのに甲状腺ホルモンの産生量が正常でないことがあります。特定の発展途上国では、母親がヨウ素欠乏症である場合に甲状腺機能低下症がみられます。まれに、母親のある種の抗体や母親が服用した甲状腺の腫大を引き起こす薬剤あるいは抗甲状腺薬などが胎盤を通過し、新生児が一時的に甲状腺機能低下症になることがあります。他のまれな原因として、下垂体の形成異常により、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを分泌させることができない場合があります。

症状

初期には、新生児に甲状腺機能低下症の症状がない場合があります。その後、甲状腺機能低下症の基礎にある原因が特定されない場合や、甲状腺機能低下症が診断されないか無治療のままである場合、中枢神経系の発達が遅れます。活動性の低下(嗜眠)、食欲の減退、皮膚が黄色くなる(黄疸)、筋肉の緊張の低下、便秘、泉門拡大、かすれた泣き声、心拍数の低下、臍ヘルニア(へその部分から腹部の臓器が飛び出している状態)などがみられます。まれに、重度の甲状腺機能低下症の診断・治療が遅れると、知的障害低身長につながる可能性があります。最終的には乳児に、乾燥して冷たい斑状の皮膚、特徴的な顔つき(扁平な鼻梁、顔の腫れなど)、舌が腫大してわずかに開口しているなどの症状がみられる場合があります。

診断

  • 出生後のスクリーニング検査

  • 甲状腺機能検査

  • 画像検査

早期に治療すれば知的障害を防ぐことができるため、すべての新生児に対して、出生後に甲状腺ホルモンの濃度を測定するための定期的な血液スクリーニング検査を行います。この病気の新生児は、血液検査で甲状腺刺激ホルモンの高値と、通常は甲状腺ホルモンの低値を示します。

スクリーニング検査が陽性の場合、血液検査による甲状腺機能検査を行います。

新生児が甲状腺機能低下症と診断されると、医師は画像検査などを行い、甲状腺の大きさと位置を確認します。これらの検査には核医学検査超音波検査があります。

治療

  • 甲状腺ホルモンの補充

甲状腺機能低下症の新生児の大部分が、生涯にわたって甲状腺ホルモン剤の内服が必要になりますが、おおよそ3歳になる頃には治療を中止できる場合もあります。甲状腺機能低下症の治療は、小児の内分泌系の異常を専門とする医師(小児内分泌専門医と呼ばれる)の指示で治療が行われます。

速やかな治療を受けても、重度の甲状腺機能低下症の場合には軽微な発達問題や難聴が生じることもあります。難聴は定期的な新生児スクリーニングでは検出されないほど非常に軽度であることがありますが、言語学習の妨げになる場合があります。軽微な難聴を検出するため、乳児期以降の再検査が行われます。

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