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帯状疱疹

執筆者:

Kenneth M. Kaye

, MD, Harvard Medical School

医学的にレビューされた 2020年 4月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース
  • ウイルスが再活性化する原因は分からないことが多いのですが、病気や薬によって免疫機能が低下したときに起こる場合があります。

  • 帯状疱疹では痛みを伴う水疱の発疹が現れ、患部に慢性痛が生じることもあります。

  • 典型的な水疱が皮膚に帯状に現れると、帯状疱疹の診断が下されます。

  • 50歳以上の人に水痘ワクチンや帯状疱疹ワクチンを接種することが帯状疱疹の予防に役立ちます。

  • 水疱が生じる前に抗ウイルス薬を投与し始めれば、症状を緩和し、早く治すのに役立ちますが、オピオイドなどの鎮痛薬が必要になることもよくあります。

  • 初回感染では、水痘になります。

  • ウイルスが再活性化すると帯状疱疹になり、これは通常、初回感染後何年も経過した後に生じます。

水痘にかかると、ウイルスは血流に入って広がり、脊髄神経や脳神経の神経細胞の集合(神経節)に感染します。そのウイルスは不活性(休眠または潜伏)状態で神経節に潜伏します。二度と症状を引き起こさないこともあれば、何年も経過した後に再び活性化することもあります。再活性化したウイルスは神経線維を伝わって皮膚へ戻り、痛みのある水痘に似たびらんを引き起こします。このびらん(帯状疱疹)はほとんどの場合、感染した神経線維の上にある皮膚に帯状に発生し、体の左右片側だけにみられます。この帯状の皮膚領域は、単一の脊髄神経の神経線維によって支配される領域で、 皮膚分節 皮膚分節 皮膚分節 (デルマトーム)と呼ばれます。びらんは隣接する皮膚分節にも現れることがあります。

帯状疱疹はどの年齢でも起こりますが、50歳以上でよくみられます。帯状疱疹の発生確率は加齢とともに上昇します。

症状と合併症

ほとんどの人では、帯状疱疹が出る前の2~3日間に、体の片側の帯状の皮膚領域(皮膚分節)に痛みやチクチク感、かゆみが起こります。その後、この帯状の皮膚領域に、周囲が赤くなった小さな水疱がかたまって発生します。一般的に、水疱ができるのは、感染した神経線維が支配する皮膚領域に限られます。ほとんどの場合、水疱は体幹の左右どちらかの側にだけできますが、体の他の部位に若干の水疱ができることもあります。一般に水疱の形成は3~5日ほど続きます。患部は通常、軽く触れるなど、どんな刺激にも敏感に反応し、激しく痛むことがあります。

通常、小児の帯状疱疹は成人ほど悪化しません。

水疱は出現してから5日ほどで乾いてかさぶたになります。かさぶたができるまでは、水疱には水痘帯状疱疹ウイルスが入っていて感染力があるため、未感染の人が接触すると、水痘にかかることがあります。主な病変がある皮膚分節以外にも多くの水疱がみられる場合や、水疱が2週間以上持続してみられたりする場合は、通常、免疫系が正常に機能していないと考えられます。

まれに、患部の皮膚に細菌が感染することがあります。水疱をかくと、このリスクが高まります。細菌感染症が生じると皮膚に傷あとが残るリスクが高くなります。

耳につながる神経も侵されることがあります。この感染症(耳帯状疱疹 耳帯状疱疹 耳帯状疱疹とは、聴覚と平衡感覚をつかさどる神経(第8脳神経)と顔面の動きをつかさどる神経(第7脳神経)の神経細胞の集まり(神経節)への帯状疱疹ウイルスによる感染症のことです。 帯状疱疹は、 水痘(水ぼうそう)を引き起こす水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発生する感染症です。水痘が起こった後、このウイルスは休止状態で神経節などにとどまりますが、それが再活性化して神経線維を皮膚まで伝っていき、痛みを伴う皮膚のただれを引き起こすことがあ... さらに読む またはラムゼイ-ハント症候群と呼ばれます)は、外耳道の水疱、痛み、顔面の部分麻痺、 難聴 難聴 世界中で約5億人(世界人口のほぼ8%)が難聴を抱えています。米国では、人口の10%以上に日常のコミュニケーションに影響を及ぼすある程度の難聴があり、最も一般的な感覚障害となっています。発生率は年齢とともに上昇します。永続的な難聴がある18歳以下の小児は2%未満ですが、 乳児期と幼児期の難聴は、言語と社会性の発達に支障をきたすことがあります... さらに読む 難聴 耳鳴 耳鳴り 耳鳴り(耳鳴[じめい])とは、周囲の音ではなく、耳の中で発生している雑音です。耳鳴りは症状であり、特定の病気ではありません。非常によくみられ、程度の差はありますが、10~15%の人が経験します。 耳鳴りの人に聞こえる雑音には、ジー、キーン、ザー、ヒュー、シューなどがあり、 難聴を伴うことがよくあります。その都度異なることがある複雑な音が聞こえる人もいます。これらの音は静かな場所で、特に何かに集中しているわけではないときに聞こえやすくなり... さらに読む (耳鳴り)のほか、ときにめまい(回転性めまい めまい(Dizziness)と回転性めまい(Vertigo) めまいとは厳密な用語ではなく、以下に挙げるような関連する様々な感覚を表現するためによく使われます。 気が遠くなる(気絶しそうになる感覚) ふらつき 平衡障害(バランスを失ったり不安定になる感覚) 漠然とぼうっとする感覚または頭がくらくらする感覚 さらに読む )を引き起こすことがあります。

皮膚に瘢痕(はんこん)や色素沈着が残ることもありますが、ほとんどが後遺症なく回復します。少数ながら、特に高齢者で、患部に慢性的な痛みが続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。

診断

  • 医師による評価

  • まれに水疱から採取したサンプルの分析や生検

早期に治療を開始しなければ効果がないため、帯状疱疹かもしれないと思ったらすぐに医師の診察を受けてください。診察では、どこに痛みを感じるのか正確な位置を尋ねられます。身体の片側に漠然とした帯状の痛みがあれば帯状疱疹が疑われます。特徴的な水疱が典型的なパターン(皮膚分節と一致する皮膚の帯状の領域)で現れた場合、帯状疱疹と診断されます。

まれに、診断を確定するために水疱のサンプルを採取して分析したり、皮膚生検を行うこともあります。

予防

帯状疱疹ワクチン 帯状疱疹ワクチン 帯状疱疹ワクチンには2種類あります。新型の帯状疱疹ワクチンは、予防効果が高く、効果の持続期間も長いため、旧型の帯状疱疹ワクチンより好んで使用されます。 新型のワクチンには、ウイルスの感染性をもたない部分だけが含まれています(組換えワクチンと呼ばれます)。このワクチンには生きたウイルスは含まれていません。 旧型の帯状疱疹ワクチンには、弱毒化された生きたウイルスが含まれています(弱毒生ワクチンと呼ばれます)。... さらに読む には、新型の組換えワクチンと、旧型の弱毒化生ウイルスワクチンの2種類があります。組換えワクチンにはウイルスの一部だけが含まれています。組換えワクチンの方が望ましく、これは水痘または帯状疱疹にかかった覚えがあるかどうかや、旧型の帯状疱疹ワクチンの接種を受けたことがあるかどうかに関係なく、50歳以上の健康な人に推奨されています。

組換え帯状疱疹ワクチンは、筋肉内への注射で2回接種します。1回目と2回目の接種は2~6カ月の間隔を空けて行われ、旧型(弱毒生ウイルス)ワクチンを受けた人の場合、その接種日から2カ月以上経過してから接種します。

治療

  • 抗ウイルス薬

  • 鎮痛薬

帯状疱疹の治療では、いくつかの 抗ウイルス薬 ヘルペスウイルス感染症に対する主な抗ウイルス薬 ヘルペスウイルス感染症に対する主な抗ウイルス薬 が使用されます。よく使用されるのはファムシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬で、特に高齢者や免疫機能が低下している人に投与されます(表「 ヘルペスウイルス感染症に対する主な抗ウイルス薬 ヘルペスウイルス感染症に対する主な抗ウイルス薬 ヘルペスウイルス感染症に対する主な抗ウイルス薬 」を参照)。ときにアシクロビルが使用されますが、一般的にはファムシクロビルかバラシクロビルが好まれます。これらはいずれも経口薬です。

このような薬は、帯状疱疹が疑われた場合に直ちに、できれば水疱が現れる前に投与を開始します。水疱が出てから3日が過ぎた後に投与した場合は、効かない可能性が高くなります。これらの薬は病気を治すわけではありませんが、帯状疱疹の症状を緩和し、症状の持続期間を短縮するのに役立ちます。

眼や耳に症状がある場合は、適切な専門医(眼科医または耳鼻咽喉科医)の診察を受けます。

細菌による二次感染症を予防するには、患部の皮膚を清潔に保ち、水疱をひっかかないようにすることが大切です。

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