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過剰出血による貧血

執筆者:

Evan M. Braunstein

, MD, PhD, Johns Hopkins School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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失われる赤血球が新しく産生される赤血球より多いと、過剰な出血による貧血が発生します。

  • 急速に血液が失われると血圧が低下し、めまいを覚えることがあります。

  • 徐々に血液が失われた場合は、疲労感や息切れを覚えたり、顔が青白くなったりすることがあります。

  • 出血箇所を確認するために、便や尿の検査、画像検査が必要になる場合があります。

  • 出血の原因を取り除き、必要であれば輸血や鉄分補給を行います。

貧血の最も一般的な原因は次のものです。

  • 過剰な出血

貧血の概要も参照のこと。)

血液が失われると、体は血管を液体で満たそうとして、血管の外側の組織から急速に水分を取り込みます。その結果、血液は薄くなり、ヘマトクリット値(体内の全血液量に占める赤血球の割合)が低下します。最終的には、骨髄における赤血球の産生量が増えることで、貧血が治る可能性があります。しかし、出血が長引いて体内の鉄分が減少すると、骨髄における新しい赤血球の産生量を、失われた分を補う量まで増加させることができません。

急激な失血

けが、手術、出産、または血管破裂による突然の失血のために貧血が急速に発生した場合は、最初から重い症状が現れることがあります。大量の血液が突然失われると、次の2つの問題が生じるおそれがあります。

  • 血圧低下(血管に十分な量の液体が残らないことが原因)。

  • 体内酸素供給量の急激な低下(酸素を運ぶ赤血球の数があまりにも早く減少することが原因)。

いずれも、心臓発作脳卒中、死亡の原因になります。

慢性的な失血

突然の失血よりはるかに多いのが長期的(慢性的)な出血で、体の様々な場所で起きる可能性があります。鼻血や痔の出血のような大量の出血はすぐ分かりますが、少量の出血は気づかないことがあります。例えば、便の中の少量の出血は見ても分からないことがあります。これを潜血といいます。少量の出血でも長く続いている場合は、かなりの量の血液が失われる可能性があります。このように徐々に進む出血は、胃や小腸にみられる潰瘍憩室(けいしつ)症、大腸のポリープ、または大腸のがんなどの一般的な病気とともに発生することがあります。慢性出血のその他の原因としては、尿中への出血を引き起こす可能性がある腎腫瘍膀胱の腫瘍月経での重度の出血などがあります。

症状

症状は貧血の種類が違っていても似ており、以下の要素に応じて軽いものから重いものまで様々です。

  • 失われた血液の量

  • 血液が失われた速度

急速に血液が失われた場合、例えば数時間の内に失われた場合は、全血液量の3分の1を失うと、死に至る可能性があります。横になった状態から座ったり立ち上がったりした場合に感じるめまい(起立性低血圧)が、急速に血液が失われた際によくみられます。血液が失われる速度が遅い場合、つまり数週間以上にわたる場合は、血液量の3分の2まで失っても、水分を十分にとっていれば疲労感と脱力感を覚えるだけだったり、まったく症状がなかったりすることもあります。

その他に、出血自体による症状や出血をもたらした病気による症状が現れることがあります。胃や小腸から出血している場合は、黒いタール状の便に気づくことがあります。腎臓や膀胱からの出血では、赤みを帯びた尿や茶色がかった尿がみられることがあります。女性の場合は、月経期間が普段より長く、重いことに気づくことがあります。胃潰瘍などの慢性的な出血をもたらす病気では、腹部に不快感を生じるものがあります。ほかに、憩室症、腸の早期のがんやポリープなど、まったく症状がみられない病気もあります。

診断

  • 血液検査

  • ときに画像検査または内視鏡検査

貧血の症状がみられたり、出血に気づいたりした場合は、血液検査を行って貧血かどうかを確認します。出血箇所を調べるため、便と尿に血液が混じっていないか検査します。

出血箇所を確認するのに、画像検査や内視鏡検査が必要になることもあります。

治療

  • 止血

  • 通常は鉄剤の服用

大量の失血や急速な失血では、出血箇所を突き止めて止血しなければなりません。赤血球の輸血が必要になることもあります。

速度の遅い失血や少量の失血では、出血が止まれば、輸血をしなくても体が十分な赤血球を産生して貧血が解消されることもあります。

貧血の原因が出血である場合は、出血によって赤血球をつくるのに必要な鉄分が失われているため、ほとんどの例で鉄分の補給が必要となり、通常は錠剤を数カ月間服用します。ときには静脈から鉄分を投与することもあります。

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