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ジカウイルス(ZV)感染症

執筆者:

Matthew E. Levison

, MD, Drexel University College of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月

ジカウイルスは蚊を媒介とするフラビウイルス科のウイルスで,抗原的および構造的にデング熱,黄熱,ウエストナイル熱の原因ウイルスに似る。ジカウイルス感染症は一般的には無症状であるが,発熱,発疹,関節痛,または結膜炎を引き起こすこともある;妊娠中にジカウイルス感染症にかかると,胎児に小頭症(重篤な先天異常)や眼の異常が生じることがある。診断は,酵素結合免疫吸着測定法または逆転写PCRによる。治療は支持療法による。予防策としては,蚊の刺咬を避けることと,ジカウイルス感染症のリスクのあるパートナーとの無防備な性行為を避けることに加え,妊婦であれば流行地域への旅行を控えることがある。

ジカウイルス(ZV)は,デング熱黄熱,およびチクングニア熱の原因ウイルスと同様に,よどんだ水場に散乱するヤブカ(Aedes属の蚊)によって伝播される。これらの蚊は,屋内および屋外で人を刺し,人の近くに住む;日中は盛んに人を刺す。夜間に刺すこともある。

主な媒介生物はネッタイシマカ(A. aegypti)およびヒトスジシマカ(A. albopictus)である。米国では,ネッタイシマカの分布は,米国とメキシコの国境に沿ったディープサウスからカリフォルニア南部までの範囲に限られている。ヒトスジシマカは,寒冷な気候によりよく適応し,南東部の大部分から中西部北部にかけてと,カリフォルニア南部にみられる。ネッタイシマカは,ジカウイルス感染症の流行における主要な媒介生物であると考えられている一方,ヒトスジシマカはジカウイルス感染症の二次的な媒介生物であると考えられているが,米国のより温暖な気候でもそうであるかは不明である。

疫学

ジカウイルスは,1947年,ウガンダのジカ森に生息するサルから初めて分離されたが,2007年に南太平洋諸島で最初の大規模なアウトブレイクが発生するまでは,ヒトの重要な病原体であるとは考えられていなかった。2015年5月に南米で地域内伝播が初めて報告された後,中米,カリブ海諸国へと広がって,2015年11月にはメキシコまで到達した。

現在のところ,ジカウイルスの地域内伝播の持続は以下の地域で報告されている:

  • 南米

  • 中米およびメキシコ

  • カリブ海諸島(プエルトリコおよび米国領ヴァージン諸島を含む)

  • 太平洋諸島

  • カーボベルデ(アフリカ北西岸の島国)

  • 南アジアおよび東南アジア(散発例)

  • アフリカ

米国のCDCは,これらの地域の多くの国に対してtravel alertsを発行した。

2017年5月の時点で,ジカウイルス感染症の地域内伝播がフロリダ州南東部のマイアミ・デイド郡およびテキサス州ブラウンズビルで報告されている。2018年6月の時点で,米国本土でジカウイルスの新しい地域内伝播は報告されていない。ジカウイルス感染症は,地域内伝播のある国から米国に帰国した旅行者でも報告されている。

ジカウイルスがどこで発生するかを予測するのは困難である。しかしながら,ジカウイルスを伝播する蚊はデングウイルスやチクングニアウイルスも伝播するため,デング熱やチクングニア熱の伝播がみられる地域であればどこであれ,ジカウイルスの地域内伝播が起こりうる。デングウイルスへの感染はテキサス州,フロリダ州,およびハワイ州で,チクングニアウイルスへの感染はフロリダ州で発生している。同様に,デングウイルス感染症が流行している米国の地域(カリブ海のプエルトリコや米国バージン諸島;太平洋の米国領サモア,グアム,および北マリアナ諸島)では,ジカウイルス感染症も流行する可能性がある。

ジカウイルスの伝播

感染した最初の週は,ジカウイルスが血中に存在する。蚊は感染した人を刺すことでウイルスを獲得し,その蚊が他の人々を刺すことでウイルスが伝播していく。ジカウイルスの伝播が持続している地域からの旅行者は,帰国したときに血中にジカウイルスを有する可能性があり,媒介する蚊がその地域に存在すれば,ジカウイルスの地域内伝播が起こりうる。しかしながら,米国本土とハワイではヤブカ(Aedes属)の蚊と人との接触はまれであり(蚊の管理が行われ,人々が空調設備の整った環境で生活・労働しているため),ジカウイルスの地域内伝播はまれであるか限定的であると考えられる。

ジカウイルスは主に蚊によって伝播されるが,他の方法で伝播される可能性もある。例えば以下のような経路が考えられる:

  • 性感染

  • 輸血を介した感染

  • 臓器または組織の移植を介した感染(理論的な可能性)

  • 子宮内母子感染(先天性感染症につながる)

  • 感染した母親から乳児への母乳感染

ジカウイルスは精液中に存在するため,たとえ男性に症状がなくても,性行為によって男性からセックスパートナーへ感染することがあり,腟性交,肛門性交のほか,おそらくオーラルセックス(フェラチオ)によっても伝播する。ジカウイルスは,血液,腟分泌液,およびその他の体液と比べて精液中にはるかに長く残存する。無防備な(コンドームを使用しない)性行為によって,男性から女性への感染および男性から男性への感染が起こっている(CDC: Clinical Guidance for Healthcare Providers for Prevention of Sexual Transmission of Zika Virusも参照)。

ジカウイルスは,たとえ感染者に症状がなくても,性玩具を共有することで,男性または女性からセックスパートナーに伝播する可能性がある。

ジカウイルスは血中および尿中から消失した後,腟分泌物にも残存する;女性から男性への性感染が報告されている(1)。

輸血による感染はブラジルで報告されている;しかしながら,現在のところ,米国では輸血による感染は1例も報告されていない(Zika and Blood Transfusionも参照)。

ジカウイルスは,デング熱,チクングニア熱,ウエストナイル熱,および黄熱のウイルスと同様に,妊娠中に母から子に伝播する。ジカウイルスは,デング熱やウエストナイル熱を引き起こすウイルスと同様,母乳を介して伝播される。ただし,母乳栄養には多くの利点があるため,CDCはジカウイルスの伝播が持続している地域であっても母乳育児を奨励している。

伝播に関する参考文献

  • 1.CDC media statement: First female-to-male sexual transmission of Zika virus infection reported in New York City.July 2016.

症状と徴候

ほとんど(80%)の患者は症状を示さない。

ジカウイルス感染症の症状としては,発熱,斑状丘疹状皮疹,結膜炎(充血),関節痛,眼球後部の痛み,頭痛,筋肉痛などがある。症状は4~7日続く。大半の感染症は軽症である。入院を要する重症感染症はまれである。まれに,ジカウイルス感染症により成人に脳症が発生している。ジカウイルス感染症による死亡はまれである。

極めてまれに,ジカウイルス感染症の後にGuillain-Barré症候群(GBS)が発生することがある。GBSは,急性で,通常は急速に進行するが自然治癒する炎症性多発神経障害であり,自己免疫反応が原因と考えられている。GBSはデングまたはチクングニアウイルスによる感染症の後にも発生している。

小頭症およびその他の先天異常

妊娠中のジカウイルス感染症は,小頭症(脳の発生が不完全で頭部が小さくなる先天性疾患)およびその他の重度の胎児脳障害を引き起こすことがある(CDC: Update: Interim Guidance for the Diagnosis, Evaluation, and Management of Infants with Possible Congenital Zika Virus Infectionも参照)。

米国本土では,重度の小頭症の症例とジカウイルスとの関連が確認されている;このような乳児の母親は,おそらく流行国への旅行によって感染したと考えられる。CDCは,米国本土またはプエルトリコもしくはその他の米国領土に住み,ジカウイルス感染症を有する数名の妊婦をモニタリングしている。

子宮内で感染した乳児は,小頭症の有無にかかわらず,眼病変または先天性の拘縮(例,内反足)を有することがある。

診断

  • 血清学的検査

  • 逆転写PCR(RT-PCR)検査

ジカウイルス感染症の症例を確認した医師は,CDCに報告する義務がある。

ジカウイルス感染症は,症状ならびに旅行地および旅行日に基づいて疑う。しかしながら,ジカウイルス感染症の臨床像は熱帯地方の多くの発熱性疾患(例,マラリアレプトスピラ症,その他のアルボウイルス感染症)と類似し,その地理的分布は他のアルボウイルス感染症と類似している。そのため,ジカウイルス感染症の診断には,以下のいずれかの検査による確定が必要である:

  • 血清学的検査(IgMに対する酵素結合免疫吸着測定法[ELISA],ジカウイルス抗体に対するプラーク減少中和試験[PRNT])

  • RT-PCRによる血清中ウイルスRNAの同定

ウイルス特異的IgMおよび中和抗体は,感染1週目の終わりに現れるのが典型的であるが,近縁種のフラビウイルス(例,デングウイルス,黄熱ウイルス)との交差反応がよくみられる。

PRNTは,ウイルス特異的な中和抗体を測定し,近縁種のフラビウイルスにより交差反応している抗体を区別することに役立つ。

発症後最初の1週間は,ジカウイルスは血清のRT-PCRによって同定できることが多い;尿検体にRT-PCRを行うには,発症から14日以内に尿検体を採取すべきである。

米国では,緊急時におけるジカウイルスに対する以下の診断検査が承認されている:

  • Zika MAC-ELISA

  • TrioplexリアルタイムRT-PCR法

これらの検査機器は,高度な検査の実施が認可されている米国内の検査施設に配置されている(さらなる詳細については,CDC: Diagnostic Tests for Zika VirusおよびCDC: Types of Zika Virus Testsを参照)。

ジカウイルス感染症の診断および治療の指針として,CDCから妊婦向けの暫定ガイドライン(interim guidelines for pregnant women)と胎児向けの暫定ガイドライン(interim guidelines for infants)が発行されており,これらは,妊娠中にジカウイルスの伝播が持続している地域に居住または旅行した妊婦とその女性から生まれた乳児に適用される。

現在のところ,性感染のリスクを評価するため男性に対して検査を行うことは推奨されていない(CDC: Clinical Guidance for Healthcare Providers for Prevention of Sexual Transmission of Zika Virusも参照)。ジカウイルスの活発な伝播がある地域に居住しているまたは旅行した男性に,妊娠しているパートナーがいる場合は,妊娠期間中の性行為を避けるか,性交(すなわち,腟性交,肛門性交,フェラチオ)時はコンドームを常に正しく使用するべきである。

母体の検査

ジカウイルスの伝播が持続している地域から帰ってきた妊婦に対し,CDCのガイドラインでは,ジカウイルス感染症の症状があるかどうかにかかわらず,全例で血清学的検査が推奨されている。さらに,妊婦がジカウイルスに接触した可能性があれば,超音波検査により胎児の解剖を評価することが推奨されている(CDC: Update: Interim Guidance for Health Care Providers Caring for Pregnant Women with Possible Zika Virus Exposureも参照)。

  • 無症状の妊婦に対して:妊婦が旅行から戻った後2~12週間後に検査を行うべきである。

  • 症状のある妊婦に対して:症状のあるうちに検査を行うべきである。

ジカウイルスの伝播が持続している地域に住む妊婦には,妊娠期間中を通してジカウイルス感染症のリスクがある。妊婦にジカウイルス感染症を示唆する症状が現れた場合,最初の1週間のうちに検査を行うべきである。ジカウイルスの伝播が持続している地域に住む無症状の妊婦に対し,CDCは初回の妊婦健診時の検査を推奨し,陰性であれば第2トリメスターの中期に再検査を推奨している;胎児超音波検査を妊娠18~20週に行うべきである(CDC: Update: Interim Guidance for Health Care Providers Caring for Pregnant Women with Possible Zika Virus ExposureIも参照)。

旅行者の妊婦に比べ,ジカウイルスの伝播が持続している地域に住む妊婦は近縁種のフラビウイルスに曝露する可能性が高いため,IgMが偽陽性になりやすい。

乳児の検査およびフォローアップ

乳児の母親が妊娠中にジカウイルス感染症の流行地に居住していたまたは旅行した場合,母親の検査結果,乳児に小頭症,頭蓋内石灰化,または眼の異常があるかどうかを検査の指針にすべきである(CDC: Evaluation and Testing: Congenital Zika Virus Infectionも参照)。

  • 母親がジカウイルス検査で陰性であるか検査を受けておらず,乳児に小頭症または頭蓋内石灰化がみられない場合,乳児にはルーチンのケアを行うべきである。

  • 母親がジカウイルスで陽性であるか検査で結論が出ておらず,乳児に小頭症または頭蓋内石灰化がある場合,CDCのUpdate: Interim Guidance for the Diagnosis, Evaluation, and Management of Infants with Possible Congenital Zika Virus InfectionIに従うべきである。頭のサイズが正常な乳児でも,ジカウイルスが脳を損傷し,正常な発達を妨げる可能性があるため,小頭症または眼病変のない乳児にもフォローアップを行うべきである。

  • 乳児に小頭症または頭蓋内石灰化がみられる場合,母親の検査結果にかかわらず,乳児にジカウイルスの検査が行われる。

治療

  • 支持療法

ジカウイルス感染症に対する特異的な抗ウイルス療法はない。

治療としては以下のような支持療法を行う:

  • 安静

  • 輸液による脱水の予防

  • アセトアミノフェンにより発熱および疼痛を緩和する

  • アスピリンとその他のNSAIDの使用を控える

アスピリンやその他のNSAIDが妊娠中に使用されるのは一般的ではないが,出血のリスクがあるため,とりわけジカウイルス感染症の治療を受けている全ての患者では,デングウイルス感染症が除外されるまで使用を控えるべきである。また,ジカウイルスによる死亡および重症感染症が免疫性血小板減少症および出血と関連付けられている(1, 2)。

妊婦の血清中または羊水中のジカウイルスの存在を示す所見が検査で得られた場合,胎児の解剖および成長をモニタリングするため,3~4週間毎に超音波検査を行うべきである。妊娠管理に長けた母子医学または感染症医学の専門家への紹介が推奨される。

ジカウイルスに感染した母親から生まれた全ての乳児に対し,小頭症または眼病変の有無にかかわらず,脳の発達を2年間以上にわたりモニタリングするべきである。

治療に関する参考文献

予防

ジカウイルスについて詳しいことがわかるまで,CDCは妊婦に対し,ジカウイルスの伝播が持続している地域への旅行の延期を検討するよう推奨してきた(CDC: Pregnant Womenも参照)。それでも行くことを決めた場合,ジカウイルス感染症のリスクについて主治医と相談し,旅行中に蚊の刺咬を回避する方法についてアドバイスを受けるべきである。

現在のところジカウイルス感染症を予防するワクチンはない。

蚊による伝播の予防

ジカウイルス感染症の予防は,ジカウイルスの伝播が持続している地域に旅行する際に,ヤブカ(Aedes属の蚊)の対策をして,その刺咬を回避することにかかっている。ネッタイシマカ(A. aegypti)の制御は困難を極めているが,現在以下の2つのアプローチが現地で検証されている:

  • 野生の雌と交尾させて成熟しない幼虫を生ませるために遺伝子操作した雄を放つ

  • 蚊をボルバキアに感染させ,雌の腸管におけるジカウイルスへの感受性を阻害する

蚊の刺咬を回避するには,以下の対策をとるべきである(Protection against MosquitoesおよびZika virus: Prevention and Transmissionも参照):

  • 長袖のシャツおよび長ズボンを着用する。

  • 空調設備のある場所,窓や戸に蚊を寄せ付けない網戸のある場所にとどまる。

  • 十分な網戸や空調設備がない場所では,蚊帳の中で寝る。

  • Environmental Protection Agency(米国環境保護庁)に登録されているDEET(ジエチルトルアミド)やその他の承認済みの活性物質を使用した防虫剤を露出部の皮膚に使用する。

  • 服や持ち物を殺虫剤のペルメトリンで処理する(皮膚に直接散布しないこと)。

小児には,以下の対策が推奨される:

  • 2カ月未満の乳児には防虫剤を使用しない。

  • 3歳未満の小児にはユーカリレモン(パラ-メンタン-ジオール)を含有する製品を使用しない。

  • より年長の小児には,大人が自分の手に防虫剤を噴霧し,それを小児の皮膚に塗布する。

  • 小児には腕や脚を覆う服を着せ,ベビーベッド,ベビーカー,抱っこ紐に虫よけネットを被せる。

  • 防虫剤を小児の手,眼,口,または皮膚の傷口やただれた部位に使用しない。

輸血を介した感染の予防

輸血を介したジカウイルの感染リスクは極めて低いと考えられるが,FDAは,以下のいずれかの理由で血液ドナーにジカウイルス感染症のリスクがあると考えられる場合には28日間待機するよう推奨している(CDC: Zika and Blood Transfusionを参照):

  • ジカウイルスの伝播が持続している地域に旅行したまたは居住している

  • ジカウイルス感染症の既往(ドナーとなる場合は,症状が消失してから4週間待つ)

  • ジカウイルスの伝播が持続している地域への旅行から2週間以内に,ジカウイルス感染症の症状が現れた

  • ジカウイルス感染症と診断された男性との性的接触

  • 過去3カ月以内にジカウイルスの伝播が持続している地域に旅行したまたは居住している男性との性的接触

ドナーが血液を提供した後に,ジカウイルス感染症の症状が発生した場合,汚染されている可能性のある血液の検疫が行われるよう,赤十字社に報告する。

性感染の予防

ジカウイルスは精液を介して伝播するため,ジカウイルスの伝播が持続している地域に居住しているまたは旅行した男性は,パートナーの妊娠中,性的活動を控えるか,性交時(腟性交,肛門性交,フェラチオ)にはコンドームを常に正しく使用すべきである。ジカウイルス感染症のほとんどは無症状で,症状がある場合でも軽症であることが多いため,男性は症状を有するか否かにかかわらずこの推奨を守るべきである。

ジカウイルスRNAは,症状出現から最大188日後まで,精液中から検出されている。そのため,CDCは以下の事項を推奨している:

ジカウイルス感染症と診断された男性および症状がみられるか過去にみられていた男性:

  • 最低6カ月間にたわりコンドームを使用するか性行為を控えることを検討すべきである。

パートナーの男性がジカウイルスの伝播が持続している地域に旅行したカップル:

  • パートナーの男性がジカウイルス感染症と診断されているか,パートナーの男性に症状がみられる(または過去にみられていた)場合には,そのカップルは症状の出現から最低6カ月間にわたり,コンドームを使用するか,性行為を控えることを検討すべきである。

  • パートナーの男性に症状がみられない場合,男性が旅行から戻った後最低8週間,カップルはコンドームを使用するか,または性行為をしないことを検討すべきである。

パートナーの男性がジカウイルスの伝播が持続している地域に居住しているカップル:

  • パートナーの男性がジカウイルス感染症と診断されているか,パートナーの男性に症状がみられる(または過去にみられていた)場合には,そのカップルは症状の出現から最低6カ月間にわたり,コンドームを使用するか,性行為を控えることを検討すべきである。

  • パートナーの男性に症状が現れたことが一度もない場合,ジカウイルスがその地域に存在する限り,カップルはコンドームを使用するか,または性行為をしないことを検討すべきである。

女性から女性への性感染は報告されていないものの,CDCの現在の推奨によると,ジカウイルスの流行地に旅行したまたは居住しているセックスパートナー(男性でも女性でも)のいる全ての妊婦は,妊娠中に性行為の際は必ずバリアーを使用するか性行為をしないようにすべきである。CDCは,性的に活動的な人々に対する推奨項目を更新し続けている。

パートナーの女性が妊娠していなくても,ジカウイルスの伝播が持続している地域に居住しているまたは旅行した場合,コンドームを使用するか,または性行為をしないことを検討する(CDC: Zika: Sexual Transmission and Preventionも参照)。

女性から男性に感染するリスクもわずかにあるため,女性パートナーがジカウイルス感染の流行地に旅行した場合,カップルは以下の期間コンドームを使用するか性行為を控えることを検討すべきである。:

  • 女性パートナーに症状がない場合,旅行から帰還後8週間以上

  • 女性パートナーに症状があるか,ジカウイルス感染症と診断されている場合,発症または診断から8週間以上

要点

  • ジカウイルスはヤブカ(Aedes属の蚊)によって伝播する。

  • ほとんどのジカウイルス感染症は無症状である;症状がある場合も通常は軽症であり,発熱,斑状丘疹状皮疹,結膜炎,関節痛,眼窩後部の痛み,頭痛,および筋肉痛などがみられる。

  • 妊娠中のジカウイルス感染症は,小頭症と呼ばれる重篤な先天異常や眼病変を引き起こす可能性がある。

  • ジカウイルスに感染した母親から生まれた全ての乳児に対し,小頭症または眼病変の有無にかかわらず,脳の発達を2年以上にわたりモニタリングするべきである。

  • ジカウイルスの伝播が持続している地域へ旅行したまたは居住している妊婦には,血清学的検査(IgMに対する酵素結合免疫吸着測定法,ジカウイルス抗体に対するプラーク減少中和試験)または逆転写PCRを行う。

  • 治療は支持療法である;発熱はアセトアミノフェンで治療し,アスピリンなどのNSAIDはデング熱が除外されるまで使用しない。

  • 妊婦には,ジカウイルスの伝播が持続している地域への旅行は延期するようアドバイスすべきである。

  • ジカウイルス感染症の予防は,ヤブカの対策とその刺咬を回避することにかかっている。

  • ジカウイルスは性行為を介して感染する可能性があるため,ジカウイルスの伝播が持続している地域に居住しているまたは旅行した人は(男性でも女性でも),パートナーが妊娠している間は性行為をしないかバリアーを常に正しく使用すべきである。

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