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二次性および非定型パーキンソニズム

執筆者:

Hector A. Gonzalez-Usigli

, MD, HE UMAE Centro Médico Nacional de Occidente

最終査読/改訂年月 2018年 12月
本ページのリソース

二次性パーキンソニズムとは,パーキンソン病と類似した特徴を有するが,病因が異なる疾患群である。非定型パーキンソニズムとは,パーキンソン病の特徴の一部を示すが,一部の異なる臨床的特徴および異なる病因をもつ,パーキンソン病以外の神経変性疾患の一群である。診断は臨床的評価およびレボドパへの反応による。可能な場合は原因に対する治療を行う。

二次性パーキンソニズムの機序は,基底核におけるドパミン活性の遮断または阻害である。

二次性パーキンソニズムの最も一般的な原因は以下のものである:

  • ドパミン活性を低下させる薬剤の使用

具体的な薬剤としては,抗精神病薬(例,フェノチアジン系,チオキサンテン系,ブチロフェノン系),制吐薬(例,メトクロプラミド,プロクロルペラジン),ドパミンを枯渇させる薬剤(例,テトラベナジン,レセルピン)などがある。

非定型パーキンソニズムには,進行性核上性麻痺 進行性核上性麻痺(PSP) 進行性核上性麻痺は,眼球の随意運動を進行性に障害し,動作緩慢,進行性体軸性ジストニアを伴う筋強剛,仮性球麻痺,および認知症をもたらす,まれな中枢神経系の変性疾患である。診断は臨床的に行う。治療は症状の緩和に焦点を置く。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。) 進行性核上性麻痺の原因は不明である。 基底核および脳幹のニューロンが変性し,異常なリン酸化を示すタウタンパク質を含んだ神経原線維変化も認められる。基底核および深部白質の... さらに読む レビー小体型認知症 レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症 レビー小体型認知症は,皮質ニューロン細胞質内のレビー小体と呼ばれる細胞封入体を特徴とする,慢性の認知機能低下である。パーキンソン病認知症(Parkinson disease dementia)は,黒質のレビー小体を特徴として認知機能が低下する病態であり,パーキンソン病の後期に発生する。 (せん妄および認知症の概要と認知症も参照のこと。) 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。... さらに読む ,大脳皮質基底核変性症,および多系統萎縮症 多系統萎縮症(MSA) 多系統萎縮症は,錐体路,小脳,および自律神経の障害を引き起こし,間断なく進行する神経変性疾患である。この疾患概念には,かつては異なるとされていた3つの疾患,すなわち,オリーブ橋小脳萎縮症,線条体黒質変性症,およびシャイ-ドレーガー症候群が含まれる。症状としては,低血圧,尿閉,便秘,運動失調,筋強剛,姿勢不安定などがある。診断は臨床的に行う。治療は循環血液量の増量,圧迫帯,および血管収縮薬による対症療法となる。... さらに読む といった神経変性疾患が含まれる。

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症状と徴候

診断

  • 臨床的評価,レボドパ療法に対する反応,および(鑑別診断のために)ときに神経画像検査

パーキンソン病を二次性または非定型パーキンソニズムと鑑別するには,レボドパが劇的な改善をもたらすかどうかに注意し,そうであればパーキンソン病が示唆される。

パーキンソニズムの原因は以下により同定される:

  • 職業歴,薬歴,家族歴を含む,徹底的な病歴聴取

  • パーキンソン病以外の神経変性疾患に特徴的な神経脱落症状の評価

  • 適応がある場合は神経画像検査

パーキンソン病以外の神経変性疾患を示唆する障害としては,注視麻痺 共同注視麻痺 共同注視麻痺は,水平方向(最も多い)または垂直方向のいずれか一方向に両眼を動かすことができない状態である。 (神経眼科疾患および脳神経疾患の概要も参照のこと。) 注視麻痺では水平注視麻痺が最もよくみられる;上方注視麻痺も多少みられるが,下方注視麻痺はさらに少ない。 基礎疾患を治療する。 水平共同注視は大脳半球,小脳,前庭核,および頸部からの神経入力により制御されている。これらの部位からの神経入力情報は水平注視中枢(橋網様体傍正中部)に収... さらに読む ,皮質脊髄路障害の徴候(例,反射亢進),ミオクローヌス ミオクローヌス ミオクローヌスは,単一の筋または筋群に生じる電気ショック様の短時間の筋収縮である。診断は臨床的に行い,ときに筋電図検査により確定する。治療には,可逆的な原因の是正や,必要な場合は,症状を和らげる経口薬がある。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。) ミオクローヌスには以下の種類がある: 局所性 分節性(連続した領域) さらに読む 自律神経障害 自律神経系の概要 自律神経系は種々の生理学的プロセスを調節している。その調節は意識的な制御なしで,すなわち自律的に起こる。次の2つに大別される: 交感神経系 副交感神経系 自律神経系の疾患は,自律神経機能不全ないし自律神経障害を引き起こし,全身のあらゆる器官系統に影響を及ぼす可能性がある。 自律神経系は,体内および外部環境からの刺激を処理し統合している中枢... さらに読む 自律神経系の概要 (早期または重症の場合),小脳性運動失調 小脳疾患 小脳疾患には,先天奇形,遺伝性運動失調症,後天性の病態など様々な原因がある。症状は原因により異なるが,典型的には運動失調(筋肉の協調障害)などである。診断は臨床的に行い,しばしば画像検査や,ときに遺伝子検査が用いられる。原因が後天性で可逆的なものでない限り,治療は通常,支持療法である。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。) 小脳は3つの部分で構成される: 古小脳(前庭小脳):片葉小節葉を含み,内側に位置する。古小脳は身体の... さらに読む ,顕著なジストニア ジストニア ジストニアは身体の同じ部位の拮抗する筋群の,持続的な不随意収縮であり,異常姿勢,または振戦,アテトーゼ,もしくは舞踏病アテトーゼに類似した,発作的でよじるような間欠的な攣縮につながる。ジストニアは原発性または続発性のことがあり,全身性,局所性,または分節性の場合がある。診断は臨床的に行う。ボツリヌス毒素の注入は局所性または分節性のジストニアの治療のために使用される。重症の全身性ジストニアの治療には,経口抗コリン薬,筋弛緩薬,およびベンゾ... さらに読む ,観念運動失行(手の動きを真似できないこと),早期の認知症 認知症 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。診断は臨床的に行い,治療可能な原因の同定には通常,臨床検査および画像検査を利用する。治療は支持療法による。コリンエステラーゼ阻害薬はときに認知機能を一時的に改善する。 (せん妄および認知症の概要も参照のこと。) 認知症はいかなる年齢にも起こりうるが,主として高齢者を侵す。介護施設入居者の半数以上にみられる。... さらに読む ,早期の転倒,車椅子生活を余儀なくされた状態などがある。

治療

  • 原因の治療

  • 理学療法

可能であれば,二次性パーキンソニズムの原因を是正または治療することにより,ときに臨床的改善や症状の消失につながる。

パーキンソン病の治療に使用される薬剤はしばしば無効であるか,または一時的な効果しかもたらさない。しかし,抗精神病薬の使用に続発したパーキンソニズムは,アマンタジンや抗コリン薬(例,ベンツトロピン)で軽減できることがある。しかしながら,これらの薬剤は認知機能の低下を助長し,場合によってはタウ病態と神経変性を促進する可能性があるため,使用を制限すべきである(1 治療に関する参考文献 二次性パーキンソニズムとは,パーキンソン病と類似した特徴を有するが,病因が異なる疾患群である。非定型パーキンソニズムとは,パーキンソン病の特徴の一部を示すが,一部の異なる臨床的特徴および異なる病因をもつ,パーキンソン病以外の神経変性疾患の一群である。診断は臨床的評価およびレボドパへの反応による。可能な場合は原因に対する治療を行う。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む , 2 治療に関する参考文献 二次性パーキンソニズムとは,パーキンソン病と類似した特徴を有するが,病因が異なる疾患群である。非定型パーキンソニズムとは,パーキンソン病の特徴の一部を示すが,一部の異なる臨床的特徴および異なる病因をもつ,パーキンソン病以外の神経変性疾患の一群である。診断は臨床的評価およびレボドパへの反応による。可能な場合は原因に対する治療を行う。 (運動障害疾患および小脳疾患の概要も参照のこと。)... さらに読む )。

可動性と自立性を維持する理学療法が有用である(パーキンソン病に対するものと同様)。 活動性を最大限に引き出すことが目標である。患者は可能な範囲で最大限,日常活動を増やすべきである。不可能であれば,定期的な運動プログラムを伴う理学療法または作業療法が,体調を整えるのに役に立つ可能性がある。療法士は障害に適応する方法を患者に教え,家庭での十分な適応を助け(例,転倒のリスクを軽減するために手すりを設置する),有用となりうる器具の使用を勧める。

適切な栄養補給が必須である。

治療に関する参考文献

  • 1. Yoshiyama Y, Kojima A, Itoh K, Uchiyama T, Arai K: Anticholinergics boost the pathological process of neurodegeneration with increased inflammation in a tauopathy mouse model.Neurobiol Dis 2012 45 (1):329-336, 2012.doi: 10.1016/j.nbd.2011.08.017.

  • 2. Yoshiyama Y, Kojima A, Itoh K, et al: Does Anticholinergic Activity Affect Neuropathology?Implication of Neuroinflammation in Alzheimer's Disease.Neurodegener Dis 15 (3):140-148, 2015.doi: 10.1159/000381484.

要点

  • パーキンソニズムは,薬剤,毒性物質,神経変性疾患,脳を侵すその他の疾患(例,脳卒中,腫瘍,感染症,外傷,副甲状腺機能低下症)によって引き起こされる。

  • パーキンソニズムは臨床的評価に基づいて疑い,レボドパに対する反応の欠如によってパーキンソン病と鑑別する;神経画像検査が必要になる場合もある。

  • パーキンソン病以外の神経変性疾患を示唆する障害がないか確認する。

  • 可能であれば原因を是正または治療し,移動能力を維持するために理学療法を勧める。

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