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純粋自律神経不全症

執筆者:

Phillip Low

, MD, College of Medicine, Mayo Clinic

最終査読/改訂年月 2018年 12月
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純粋自律神経不全症は,自律神経節の神経細胞脱落により生じ,起立性低血圧やその他の自律神経症状を引き起こす。

純粋自律神経不全症は,以前は特発性起立性低血圧やBradbury-Eggleston症候群と呼ばれていた病態で,中枢神経系の障害を伴わない全般的な自律神経障害を指す概念である。この疾患は,中枢神経系と節前神経に障害がみられないという点で多系統萎縮症 多系統萎縮症(MSA) 多系統萎縮症は,錐体路,小脳,および自律神経の障害を引き起こし,間断なく進行する神経変性疾患である。この疾患概念には,かつては異なるとされていた3つの疾患,すなわち,オリーブ橋小脳萎縮症,線条体黒質変性症,およびシャイ-ドレーガー症候群が含まれる。症状としては,低血圧,尿閉,便秘,運動失調,筋強剛,姿勢不安定などがある。診断は臨床的に行う。治療は循環血液量の増量,圧迫帯,および血管収縮薬による対症療法となる。... さらに読む とは異なる。純粋自律神経不全症は女性に多く,40~50代で発症する傾向にあるが,死に至ることはない。

純粋自律神経不全症はシヌクレイノパチー 病態生理 (シヌクレインの蓄積による病態)の一種であるが,シヌクレインの蓄積はパーキンソン病 パーキンソン病 パーキンソン病は,安静時振戦,筋強剛(固縮),緩徐で減少した動作(運動緩慢),および歩行または姿勢の不安定性を特徴とする,緩徐に進行する神経変性疾患である。診断は臨床的に行う。治療は脳内のドパミン系の機能を回復することを目的とし,レボドパに加えてカルビドパおよび/または他の薬剤(例,ドパミン作動薬,MAO-B阻害薬,アマンタジン)を投与する。認知症のない患者における生活に支障を来す難治性の症状には,脳深部刺激療法または凝固術ならびにレボ... さらに読む 多系統萎縮症 多系統萎縮症(MSA) 多系統萎縮症は,錐体路,小脳,および自律神経の障害を引き起こし,間断なく進行する神経変性疾患である。この疾患概念には,かつては異なるとされていた3つの疾患,すなわち,オリーブ橋小脳萎縮症,線条体黒質変性症,およびシャイ-ドレーガー症候群が含まれる。症状としては,低血圧,尿閉,便秘,運動失調,筋強剛,姿勢不安定などがある。診断は臨床的に行う。治療は循環血液量の増量,圧迫帯,および血管収縮薬による対症療法となる。... さらに読む ,およびレビー小体型認知症 レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症 レビー小体型認知症は,皮質ニューロン細胞質内のレビー小体と呼ばれる細胞封入体を特徴とする,慢性の認知機能低下である。パーキンソン病認知症(Parkinson disease dementia)は,黒質のレビー小体を特徴として認知機能が低下する病態であり,パーキンソン病の後期に発生する。 (せん妄および認知症の概要と認知症も参照のこと。) 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。... さらに読む でもみられる。(シヌクレインはニューロンおよび神経膠細胞のタンパク質であり,これが非可溶性の線維へと凝集し,レビー小体を形成する。)純粋自律神経不全症患者の一部は,最終的に多系統萎縮症またはレビー小体型認知症 レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症 レビー小体型認知症は,皮質ニューロン細胞質内のレビー小体と呼ばれる細胞封入体を特徴とする,慢性の認知機能低下である。パーキンソン病認知症(Parkinson disease dementia)は,黒質のレビー小体を特徴として認知機能が低下する病態であり,パーキンソン病の後期に発生する。 (せん妄および認知症の概要と認知症も参照のこと。) 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。... さらに読む を発症する。

症状と徴候

主な症状は以下のものである:

発汗減少,耐暑性低下,尿閉 レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症 レビー小体型認知症は,皮質ニューロン細胞質内のレビー小体と呼ばれる細胞封入体を特徴とする,慢性の認知機能低下である。パーキンソン病認知症(Parkinson disease dementia)は,黒質のレビー小体を特徴として認知機能が低下する病態であり,パーキンソン病の後期に発生する。 (せん妄および認知症の概要と認知症も参照のこと。) 認知症とは,慢性的かつ全般的で,通常は不可逆的な認知機能の低下である。... さらに読む ,膀胱痙攣(失禁 成人の尿失禁 尿失禁とは,意図せずに尿が流出することであるが,患者がそれを問題視することを必須の条件とする専門家もいる。尿失禁は,大幅に過少認識および過少報告されている。多くの患者は医師にこの問題を報告せず,多くの医師は尿失禁を具体的には尋ねない。尿失禁は,どの年齢でも起こりうるが,高齢者と女性に多く,女性高齢者の約30%および男性高齢者の15%で発生している。 尿失禁は,困惑,非難,隔離,抑うつなどにつながり,生活の質を著しく低下させる。尿失禁は介... さらに読む の原因となりうる),勃起障害 勃起障害 勃起障害とは,性交を行うのに十分な勃起を達成または持続できない状態である。大半の勃起障害は血管,神経,精神,または内分泌疾患に関連したものであり,さらに薬剤使用も原因となりうる。評価は典型的には基礎疾患のスクリーニングとテストステロン濃度の測定である。治療選択肢としては,ホスホジエステラーゼ阻害薬の服用,プロスタグランジンの尿道内または海綿体内投与,陰圧式勃起補助具,外科的インプラントなどがある。... さらに読む 便失禁 便失禁 便失禁とは不随意の排便である。 (肛門直腸疾患の評価も参照のこと。) 便失禁は,脊髄の損傷または疾患,先天異常,事故による直腸や肛門の損傷,直腸脱,糖尿病,重度の認知症,宿便,広範囲の炎症性疾患,腫瘍,産科的損傷,および肛門括約筋の切開または拡張を伴う手術から生じうる。 身体診察では,肉眼的括約筋機能および肛門周囲の感覚を評価するとともに,宿便を除外すべきである。 肛門括約筋超音波内視鏡検査,骨盤と会陰のMRI,骨盤底筋電図検査,および... さらに読む または便秘 便失禁 便失禁とは不随意の排便である。 (肛門直腸疾患の評価も参照のこと。) 便失禁は,脊髄の損傷または疾患,先天異常,事故による直腸や肛門の損傷,直腸脱,糖尿病,重度の認知症,宿便,広範囲の炎症性疾患,腫瘍,産科的損傷,および肛門括約筋の切開または拡張を伴う手術から生じうる。 身体診察では,肉眼的括約筋機能および肛門周囲の感覚を評価するとともに,宿便を除外すべきである。 肛門括約筋超音波内視鏡検査,骨盤と会陰のMRI,骨盤底筋電図検査,および... さらに読む ,瞳孔異常など,他の自律神経症状がみられることもある。

診断

治療

  • 対症療法

純粋自律神経不全症の治療は対症療法である:

要点

  • 純粋自律神経不全症は,パーキンソン病,多系統萎縮症,レビー小体型認知症と同様に,シヌクレイノパチーの一種である。

  • 主な症状は起立性低血圧である。

  • 診断は,同様の症状を引き起こす他の疾患を除外することによる。

  • 認められる症状に応じた治療を行う。

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