冠動脈疾患の概要

執筆者:Ranya N. Sweis, MD, MS, Northwestern University Feinberg School of Medicine;
Arif Jivan, MD, PhD, Northwestern University Feinberg School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 7月
意見 同じトピックページ はこちら

冠動脈疾患では,冠動脈の血流が障害され,そのほとんどがアテロームに起因する。臨床像としては,無症候性心筋虚血,狭心症急性冠症候群不安定狭心症心筋梗塞),心臓突然死などがある。診断は症状,心電図検査,負荷試験,ときに冠動脈造影による。予防法は可逆的な危険因子(例,高コレステロール血症,高血圧,運動不足,肥満,糖尿病,喫煙)の是正である。治療法としては,虚血を軽減して冠血流量を回復または改善する薬剤および手技がある。

先進国では,冠動脈疾患は男女ともに主な死因となっており,全死亡の約3分の1を占める。白人男性における死亡率は,25~34歳では10,000人当たり約1例,55~64歳では100人当たりほぼ1例である。35~44歳の白人男性における死亡率は,同年齢層の白人女性の6.1倍である。理由は不明であるが,白人以外の患者と糖尿病患者では性差はそれほど顕著ではない。女性の死亡率は閉経後に上昇し,75歳までに男性の死亡率と同等となるか上回る。

冠動脈疾患の病因

通常,冠動脈疾患は以下のものが原因である:

  • 冠動脈の動脈硬化:大型および中型の冠動脈の内膜下へのアテロームの沈着

頻度は低くなるが,冠動脈疾患は以下が原因の場合もある:

血管内皮機能障害は動脈硬化を促進し,冠動脈攣縮の一因となる可能性がある。重要性を増している点として,内皮機能障害は現在,心外膜冠動脈の狭窄および攣縮を伴わない狭心症の原因としても認識されている(シンドロームXを参照)。

まれな原因として,冠動脈の塞栓症,解離,動脈瘤(例,川崎病),血管炎(例,全身性エリテマトーデス梅毒)などがある。

冠動脈疾患の病態生理

冠動脈の動脈硬化

冠動脈の動脈硬化は複数の血管に不規則に分布することが多いが,典型的には乱流が生じる部位(例,血管分岐部)で発生する。アテローム性プラークが成長するにつれて,動脈内腔は進行性に狭小化していき,虚血へと至る(しばしば狭心症を引き起こす)。虚血を惹起するために必要な狭窄の程度は酸素需要により様々である。

ときに,アテローム性プラークが破裂または崩壊する。理由は不明であるが,おそらくはプラークの形態およびカルシウム含有量と炎症によるプラークの軟化が関係していると考えられている。破綻によりコラーゲンやその他の血栓形成物質が露出する結果,血小板および凝固カスケードが活性化され,それにより急性血栓が生じて冠動脈血流が遮断され,いくらかの心筋虚血が引き起こされる。急性虚血による病態は急性冠症候群(ACS)と総称され,閉塞の部位および程度に応じて,不安定狭心症から,非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI),貫壁性梗塞を来す可能性があるST上昇型心筋梗塞(STEMI)までの幅があり,その他の合併症として,悪性心室性不整脈,伝導異常,心不全,突然死なども起こりうる。

冠動脈攣縮

冠動脈攣縮は,一過性かつ限局的な血管緊張の亢進であり,内腔を著明に狭小化させ,血流を減少させることで,症候性の虚血(異型狭心症)を引き起こすことがある。著明な狭小化が血栓形成の引き金となり,梗塞や生命を脅かす不整脈を引き起こす可能性がある。動脈の攣縮はアテロームの有無にかかわらず発生しうる。

  • アテロームのない動脈では,おそらくは基礎的な冠動脈緊張が亢進していることで,血管収縮刺激に対する反応が増幅されるものと考えられる。正確な機序は不明であるが,内皮細胞による一酸化窒素産生の異常か,内皮由来の収縮因子と弛緩因子の不均衡が関係していると考えられる。

  • アテロームが生じた動脈では,アテロームによって内皮機能障害が引き起こされ,局所的な過剰収縮が生じる可能性がある。提唱されている機序としては,アテローム領域における内因性血管拡張物質(例,アセチルコリン)に対する感受性の喪失や,血管収縮物質(例,アンジオテンシンII,エンドセリン,ロイコトリエン,セロトニン,トロンボキサン)の産生増加などがある。繰り返す攣縮によって内膜が損傷し,アテローム形成につながる可能性もある。

血管収縮薬物(例,コカインニコチン)の使用と精神的ストレスも冠攣縮の引き金となることがある。

冠動脈解離

冠動脈解離は,冠動脈内膜のまれな非外傷性裂傷であり,内部に偽腔ができる病態である。偽腔内部を流れる血液が偽腔を拡張し,真の内腔を通る血流を制限するため,冠動脈虚血または梗塞の原因となることがある。解離は,動脈硬化を伴う冠動脈と動脈硬化を伴わない冠動脈のどちらにも生じうる。動脈硬化を伴わない冠動脈解離は,妊娠中または産後の女性および/または線維筋性異形成もしくはその他の結合組織疾患の患者に起こりやすい。

冠動脈疾患の危険因子

成人における冠動脈疾患の危険因子は,動脈硬化の危険因子と同じである:

  • 血中低比重リポタンパク質(LDL)コレステロール高値(脂質異常症を参照)

  • 血中リポタンパク質a高値

  • 血中高比重リポタンパク質(HDL)コレステロール低値

  • 糖尿病(特に2型)

  • 喫煙

  • 肥満

  • 運動不足

  • アポタンパク質B(アポB)高値

  • 血中C反応性タンパク(CRP)高値

喫煙は,女性(特に45歳未満)において,心筋梗塞のより強い予測因子と考えられる。遺伝因子は一定の役割を果たし,いくつかの全身性疾患(例,高血圧,甲状腺機能低下症)および代謝性疾患(例,高ホモシステイン血症)はリスクに寄与する。アポB高値は,総コレステロール値またはLDL値が正常な患者でリスク増大の同定につながることがある。

血中C反応性タンパク(CRP)値の上昇はプラークの不安定性および炎症を示唆し,虚血イベントリスクの予測因子としてLDL高値よりも強力と考えられる。血中トリグリセリド値およびインスリン値(インスリン抵抗性を反映)の上昇は,危険因子である可能性があるが,あまり明確なデータは得られていない。冠動脈疾患のリスクは,喫煙;脂肪およびカロリーが多く,フィトケミカル(果実や野菜に含まれる),食物繊維,ビタミンC,D,Eが少ない食事;ω-3(n-3)多価不飽和脂肪酸(PUFA)が相対的に少ない食事(少なくとも一部の人では);ならびにストレス管理不良により増大する。

冠動脈の解剖

左右の冠動脈は,大動脈弁口直上の大動脈基部にある左右の冠静脈洞から始まる(心臓の動脈の図を参照)。冠動脈は心臓の表面に沿って走行する大型および中型動脈(心外膜冠動脈)に分かれ,その後より小径の細動脈を心筋に送り込む。

左冠動脈は左主幹部として始まり,すぐに左前下行枝(LAD),回旋枝,およびときに中間動脈(中間枝)に分岐する。LADは通常,前室間溝に沿って走行し,症例によっては心尖部を越えて続く。この動脈は前中隔(伝導系の近位部を含む)および左室前壁に血液を供給する。回旋枝は通常,LADより細く,左室後壁に血液を供給する。

ほとんどの人は右優位であり,右冠動脈は心臓の右側を房室溝に沿って走行し,洞結節(55%),右室,ならびに通常は房室結節および心筋下壁に血液を供給する。約10~15%の人は左優位であり,回旋枝がより太く,後面の房室溝に沿って続き,後壁および房室結節に血液を供給する。

心臓の動脈

冠動脈疾患の治療

  • 抗血小板薬,脂質低下薬(例,スタチン系),β遮断薬などの薬物療法

  • 経皮的冠動脈インターベンション

  • 急性血栓症に対し,ときに血栓溶解薬

  • 冠動脈バイパス術

治療目標は一般的に,酸素需要の低下および冠動脈血流量の改善により心仕事量を軽減し,長期的には動脈硬化のプロセスを停止および逆行させることにある。冠動脈血流量は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)または冠動脈バイパス術(CABG)により改善することが可能である。急性冠動脈血栓症は,ときに血栓溶解薬により溶解することができる。

薬物療法

急性冠症候群に対する薬剤も参照のこと。)

冠動脈疾患患者の内科的管理は,症状,心機能,その他の疾患の有無に依存する。推奨される治療法としては,血栓形成を予防する抗血小板薬や,LDLコレステロール値を低下させるスタチン系薬剤(おそらくアテローム性プラークの安定性と血管内皮機能を改善することにより,短期的および長期的転帰を改善させる)などがある。β遮断薬は狭心症の症状を軽減し(心拍数および収縮性の低下と心筋酸素需要の低下による),梗塞後の死亡率(特に心筋梗塞後の左室機能障害の存在下)を低下させる上で効果的である。カルシウム拮抗薬も役立ち,狭心症および高血圧の管理でしばしばβ遮断薬と併用されるが,死亡率を低下させる効果は確認されていない。硝酸薬は冠動脈を中程度に拡張して静脈還流量を低下させる作用を有し,その結果,心仕事量が低下して狭心症が速やかに軽減される。長時間作用型の硝酸薬は,狭心症イベントの軽減に有用であるが,死亡率は低下させない。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は,左室機能障害のある冠動脈疾患患者で最も効果的である。

内皮機能障害がある患者での治療選択の指針となるエビデンスはほとんど存在しない。一般には典型的な大血管動脈硬化に対する治療法と同様であるが,β遮断薬を使用すると内皮機能障害が増悪する懸念もある。

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)

PCIは,急性冠症候群(ACS)の特定の患者と,至適な薬物療法にもかかわらず狭心症発作がみられる安定虚血性心疾患の特定の患者で適応となる。

初期のPCIはバルーン血管形成術のみで施行されていた。しかしながら,バルーン血管形成術後に患者の約5~8%で急性血管閉塞が発生し,結果として急性心筋梗塞を来すことがあり,しばしば緊急バイパス手術が必要とされてきた(1)。また,30~40%の患者で6カ月以内に再狭窄が発生し,最終的には3例に1例の頻度で血管形成術の再施行またはCABGが必要となっていた。血管形成後のベアメタルステントの挿入により,再狭窄率は低下したが,依然として多くの患者で再治療が必要であった。

薬剤溶出性ステントは,増殖抑制薬(例,エベロリムス,ゾタロリムス[zotarolimus])を数週間にわたって放出するもので,再狭窄率を10%未満に低下させた。しかし,2006年に薬剤溶出性ステントと急激なステント血栓症について議論が起きた際には,大半の医療施設で薬剤溶出性ステントの使用数が減少した。その後の研究により,急性血栓症のリスクは当初考えられていたほどは高くないことが示されている。薬剤溶出性ステント用の新たなプラットフォームが開発されたことで,ステント内血栓症の発生率は著しく低減した。現在では,ほとんどのPCIでステントが使用され,米国で使用される全ステントの約4分の3が薬剤溶出性となっている。

有意な梗塞や合併症がない患者は,ステント留置後速やかに職場や普段の生活に復帰できるが,激しい運動は6週間は避けるべきである。

ステント内血栓症は,金属ステントに固有の血栓形成性により発生する。ほとんどの症例では最初の24~48時間以内に発生する。しかしながら,遠隔期ステント血栓症は30日後から1年以上後(まれ)に発生し,ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントのいずれでも可能性があり,特に抗血小板療法の中止後に発生する。ベアメタルステントでは,最初の数カ月間で進行性の内皮化が起こり,血栓症のリスクを低下させる。一方の薬剤溶出性ステントでは,放出される増殖抑制薬がこの過程を阻害するため,血栓症のリスクが延長される。このため,ステントを留置される患者には様々な抗血小板薬が投与される。ベアメタルステントまたは薬剤溶出性ステントを使用する患者に対する現在の標準レジメンでは,以下の全てを行う:

  • ヘパリンまたは類似の薬剤(例,ビバリルジン[bivalirudin],特に出血のリスクが高い患者に対して)による手技中の抗凝固療法

  • アスピリンの無期限投与

  • クロピドグレル,プラスグレル,またはチカグレロルの6~12カ月以上の投与

これらの新しい抗血小板薬は処置前に開始された場合,最良の成績が得られる。

糖タンパク質IIb/IIIa阻害薬は,待機的ステント留置術を受ける安定した(すなわち,併存症がなく,急性冠症候群を呈していない)患者に対しては,もはやルーチンには使用されていない。急性冠症候群患者の一部で有益となる可能があるが,まだ議論があり,ルーチンに考慮すべきではない。心臓カテーテル室への到着前に糖タンパク質IIb/IIIa阻害薬を投与することが有益かどうかは不明であるが,この状況での使用はほとんどの国で推奨されていない(2)。

PCI自体は冠動脈疾患を治癒させたり進行を予防したりすることはないため,スタチン系薬剤をまだ使用していない場合,ステント挿入後に開始する。スタチン系薬剤により長期のイベント回避生存率が改善することが示されている(3)。手技の前にスタチン系薬剤を投与されている患者では,周術期の心筋梗塞の発生リスクが低い。

全体的なPCIのリスクはCABGのそれと同様である。死亡率は1%未満で,Q波心筋梗塞の発生率は2%未満である。1%未満の症例では,内膜解離により緊急CABGを要する閉塞が発生する。脳卒中のリスクは,CABGと比較してPCIで明らかに低い(1.2%対0.34%)。

冠動脈バイパス術(CABG)

CABGでは,可能であれば必ず動脈(例,内胸動脈,橈骨動脈)を使用し,必要な場合には自家静脈(例,伏在静脈)の一部を使用して,冠動脈の病変部をバイパスする。静脈グラフトは,1年後の開存率が約85%であり,5年後には3分の1以上が完全に閉塞する。一方,内胸動脈グラフトは10年後の開存率が最大97%である。また,動脈は血流増加に対応するために肥大する。糖尿病の患者とバイパス術が適した多枝病変がある患者では,PCIよりCABGの方が優れている。

典型的な冠動脈バイパス術は,体外循環下で心臓を停止させた状態で施行され,人工心肺装置によりポンプ機能と血液の酸素化を代行する。この手技のリスクには,脳卒中や心筋梗塞などがある。心臓の大きさが正常で,心筋梗塞の既往がなく,心室機能が良好で,他に危険因子がない患者におけるリスクは,周術期心筋梗塞が5%未満,脳卒中が1~2%,死亡が1%以下であり,リスクは年齢,左室機能低下,および基礎疾患の存在により増加する。2回目の体外循環手術での死亡率は初回の3~5倍高くなる。

体外循環後には,約25~30%の患者で認知機能障害または行動の変化がみられ,おそらくは人工心肺装置内で生じた微小塞栓によるものと考えられる。認知機能または行動の変化は高齢患者でより多くみられることから,これらの変化は「神経予備能」の低下に起因している可能性が高く,高齢患者では体外循環中に発生する微細な損傷に対して感受性が高まっていることが疑われる。機能障害には軽度から重度まであり,数週間から数年間にわたり持続する。このリスクを最小限にするために,一部の医療施設では拍動下(人工心肺を使用しないオフポンプCABG)の術式が採用されており,この術式では特殊な機器を用いて心臓の処置部位を機械的に安定させる。しかしながら,従来のオンポンプCABGと比較した長期の研究では,このアプローチの持続的な有益性は実証されていない。

冠動脈疾患はバイパス手術を施行しても進行することがある。術後には,バイパスされた血管の近位部での閉塞率が上昇する。静脈グラフトは,血栓が形成された場合には早期に閉塞し,動脈硬化により内膜および中膜に緩徐な変性が生じた場合には遠隔期(数年後)に閉塞する。アスピリンは静脈グラフトの開存期間を延長させる。喫煙の継続は開存期間に深刻な悪影響を及ぼす。CABGの施行後には,患者の最大忍容用量でスタチン系薬剤を開始または継続すべきである。

治療に関する参考文献

  1. 1.Byrne RA, Joner M, and Kastrati A:  Stent thrombosis and restenosis: what have we learned and where are we going?The Andreas Gruntzig Lecture ESC 2014.Eur Heart J 36(47):3320–3331, 2015.doi: 10.1093/eurheartj/ehv511

  2. 2.O'Gara PT, Kushner FG, Ascheim DD, et al: 2013 ACCF/AHA Guideline for the management of ST-elevation myocardial infarction.JACC 61: e78–140, 2013.doi.org/10.1161/CIR.0b013e3182742cf6

  3. 3.Stone NJ, Robinson J, Lichtenstein AH, et al: 2013 ACC/AHA Guideline on the treatment of blood cholesterol to reduce atherosclerotic cardiovascular risk in adults.JACC 63: 2889–2934, 2014.doi.org/10.1161/01.cir.0000437738.63853.7a

冠動脈疾患の予防

冠動脈疾患の予防としては,以下のように動脈硬化の危険因子を是正する

  • 禁煙

  • 減量

  • 健康的な食事

  • 定期的な運動

  • 血清脂質値の是正

  • 食塩摂取量の抑制

  • 高血圧および糖尿病のコントロール

降圧薬に関する推奨事項は様々である。米国では,動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクが低い(10%未満)患者では,血圧が140/90を超える場合に降圧薬が推奨される。冠動脈疾患の患者,またはASCVDのリスクが10%を超える患者では,血圧が130/80mmHgを超える場合に降圧治療が推奨される(1)。

血清脂質値の是正(特にスタチン系薬剤の使用)は,CADの進行の遅延,さらには部分的な逆行をもたらす可能性がある。治療目標は修正されている。低比重リポタンパク質(LDL)コレステロールの特定の目標値を達成する代わりに,ASCVDのリスクに基づいて治療対象となる患者が選択される。LDLコレステロールが高値でリスクは低い患者には,スタチン系薬剤による治療が必要ない場合がある。スタチン療法を行う利点が有害事象のリスクを上回る以下の4つの高リスク患者群が特定されている:

  • 症候性のASCVD患者

  • LDLコレステロール値190mg/dL(4.9mmol/L)以上の患者

  • 40~75歳で糖尿病があり,かつLDLコレステロール値70~189mg/dL(1.8~4.9mmol/L)の患者

  • 40~75歳で糖尿病があり,かつLDLコレステロール値70~189mg/dL(1.8~4.9mmol/L)で,ASCVDリスク > 7.5%の患者

高比重リポタンパク質(HDL)コレステロール値40mg/dL(1.03mmol/L)未満の患者にはニコチン酸またはフィブラート系薬剤を追加してもよいが,いくつかの最近の試験では,薬剤を用いてHDL値を上昇させた患者において,虚血リスクの低下や動脈硬化の進行の遅延は実証されなかった(2)。

予防に関する参考文献

  1. 1.Whelton PB, Carey RM, Aronow WS, et al: ACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNA Guideline for the prevention, detection, evaluation, and management of high blood pressure in adults: A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines.J Am Coll Cardiol 71:e127–e248, 2018.

  2. 2.AIM-HIGH Investigators, Boden WE, Probstfield JL, Anderson T, et al: Niacin in patients with low HDL cholesterol levels receiving intensive statin therapy.N Engl J Med 365(24): 2255–2267, 2011.doi: 10.1056/NEJMoa1107579

quizzes_lightbulb_red
Test your KnowledgeTake a Quiz!
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS