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腎動脈の狭窄および閉塞

執筆者:

Zhiwei Zhang

, MD, Loma Linda University School of Medicine

最終査読/改訂年月 2019年 7月
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腎動脈狭窄は,片側または両側腎動脈の本幹または分枝を通る血流が低下する状態である。腎動脈閉塞は,片側または両側腎動脈の本幹または分枝を通る血流が完全な遮断である。狭窄および閉塞の原因は通常,血栓塞栓症,動脈硬化,線維筋性異形成である。急性閉塞の症状は,間断なくうずく側腹部痛,腹痛,発熱,悪心,嘔吐および血尿などである。急性腎障害が発生する場合がある。慢性,進行性の狭窄は,難治性高血圧をもたらし,慢性腎臓病に至る場合がある。診断は画像検査(例,CT血管造影,MRアンギオグラフィー)による。急性閉塞の治療は,抗凝固療法ならびに,ときに血栓溶解薬および外科的またはカテーテルによる塞栓除去術,またはその組合せによる。慢性,進行性狭窄の治療は,ステント留置による血管形成術または外科的バイパスによる。

病因

閉塞は急性または慢性の場合がある。急性閉塞は通常は一側性である。慢性閉塞は一側性または両側性の場合がある。

急性腎動脈閉塞

最も一般的な原因は血栓塞栓症である。塞栓は心臓(心房細動 心房細動 心房細動は,心房における速い絶対的不整(irregularly irregular)の調律である。症状としては,動悸のほか,ときに脱力感,運動耐容能低下,呼吸困難,失神前状態などがみられる。心房内血栓が形成されることがあり,その場合塞栓性脳卒中のリスクが有意に増大する。診断は心電図検査による。治療としては,薬剤によるレートコントロールと抗凝固療法による血栓塞栓症の予防のほか,ときに洞調律に復帰させるための薬剤投与またはカルディオバージョ... さらに読む 心筋梗塞 急性心筋梗塞 急性心筋梗塞は,冠動脈の急性閉塞により心筋壊死が引き起こされる疾患である。症状としては胸部不快感がみられ,それに呼吸困難,悪心,発汗を伴う場合がある。診断は心電図検査と血清マーカーの有無による。治療法は抗血小板薬,抗凝固薬,硝酸薬,β遮断薬,スタチン系薬剤,および再灌流療法である。ST上昇型心筋梗塞に対しては,血栓溶解薬,経皮的冠動脈インターベンション,または(ときに)冠動脈バイパス術による緊急再灌流療法を施行する。非ST上昇型心筋梗塞... さらに読む 急性心筋梗塞 後,もしくは細菌性心内膜炎 感染性心内膜炎 感染性心内膜炎は,心内膜の感染症であり,通常は細菌(一般的にはレンサ球菌またはブドウ球菌)または真菌による。発熱,心雑音,点状出血,貧血,塞栓現象,および心内膜の疣贅を引き起こすことがある。疣贅の発生は,弁の閉鎖不全または閉塞,心筋膿瘍,感染性動脈瘤につながる可能性がある。診断には血液中の微生物の証明と通常は心エコー検査が必要である。治療... さらに読む 感染性心内膜炎 による疣贅に起因)または大動脈(アテローム塞栓 腎アテローム塞栓症 腎アテローム塞栓症は,アテローム性塞栓による腎細動脈の閉塞であり,進行性慢性腎臓病を引き起こす。同疾患は,アテローム性プラークの破綻に起因する。症状は腎不全によるものであり,広範囲にわたる動脈塞栓症の症状と徴候が存在することがある。診断は腎生検による。長期予後は通常不良である。治療の目標はさらなる塞栓形成の予防である。 アテローム性プラークの破綻は,通常は血管手術,血管形成,動脈造影中の大動脈またはその他の大径動脈の処置に起因する。プラ... さらに読む 腎アテローム塞栓症 )に由来する可能性があり,より頻度は低いものの脂肪または腫瘍塞栓も原因である。血栓症は,腎動脈に自然発生するか,または外傷,手術,血管造影,血管形成術後に生じうる。急性閉塞のその他の原因としては,大動脈解離 大動脈解離 大動脈解離は,大動脈内膜の裂口を介して壁内に血液が急激に流入することで,内膜と中膜が分離して偽腔(チャネル)が生じる病態である。内膜裂口は原発性に生じることもあれば,中膜内の出血に続発することもある。大動脈解離は大動脈のあらゆる部位から始まる可能性があり,さらに中枢または末梢に進展して他の動脈に及ぶこともある。高血圧が重要な寄与因子の1つである。症状と徴候には,胸部または背部に突然生じる引き裂かれるような痛みがあるほか,解離により大動脈... さらに読む 大動脈解離 腎動脈瘤 大動脈分枝の動脈瘤 動脈瘤は主要な大動脈分枝のいずれにも発生するが,腹部または胸部大動脈瘤と比較すると,そのような動脈瘤の頻度はかなり低い。症状は部位および罹患冠動脈により様々であるが,動脈瘤が隣接組織を圧迫している領域の疼痛などがみられる。診断は超音波検査またはCT血管造影により行う。治療は血管内ステントグラフト内挿術または外科手術である。 (大動脈瘤の概要,腹部大動脈瘤,および胸部大動脈瘤も参照のこと。)... さらに読む の破裂などがある。

大型腎動脈の急速な完全閉塞は30~60分で梗塞をもたらす。梗塞は,典型的に楔状で,罹患血管から外に向かって放射状に広がる。

慢性進行性腎動脈狭窄

症例の約90%は動脈硬化 アテローム性動脈硬化 アテローム性動脈硬化は,中型および大型動脈の内腔に向かって成長する斑状の内膜プラーク(アテローム)を特徴とし,そのプラーク内には脂質,炎症細胞,平滑筋細胞,および結合組織が認められる。危険因子には,脂質異常症,糖尿病,喫煙,家族歴,座位時間の長い生活習慣,肥満,高血圧などがある。症状はプラークの成長または破綻により血流が減少ないし途絶した... さらに読む アテローム性動脈硬化 に起因し,通常は両側性である。症例のほぼ10%は線維筋性異形成 線維筋性異形成 線維筋性異形成には,動脈硬化でも炎症性でもない一群の異質な動脈変化が含まれ,いくらかの血管狭窄,閉塞,または動脈瘤を引き起こす。 線維筋性異形成は通常,40~60歳の女性に発生する。原因は不明である。しかしながら,遺伝的要素があると考えられ,喫煙が危険因子である可能性がある。線維筋性異形成は,特定の結合組織疾患(例,エーラス-ダンロス症候群IV型,嚢胞性中膜壊死,遺伝性腎炎,神経線維腫症)を有する集団でより多くみられる。... さらに読む 線維筋性異形成 (FMD)に起因し,一般的には一側性である。症例の1%未満は高安動脈炎 高安動脈炎 高安動脈炎は,大動脈,その分枝,および肺動脈を侵す炎症性疾患である。主に若年女性に発症する。病因は不明である。血管の炎症によって動脈の狭窄,閉塞,拡張,または動脈瘤を生じることがある。患者には,四肢の間(両側の肢の間または同じ側の腕と下肢の間)に非対称性の脈もしくは血圧測定値の不一致,四肢の跛行,脳灌流量の減少による症状(例,一過性視覚障害,一過性脳虚血発作,脳卒中),および高血圧もしくはその合併症がみられることがある。診断は,大動脈造... さらに読む 高安動脈炎 川崎病 川崎病 川崎病は血管炎の1つであり,乳児および1~8歳の小児に発生しやすく,ときに冠動脈を侵す。遷延する発熱,発疹,結膜炎,粘膜炎症,リンパ節腫脹を特徴とする。冠動脈瘤が発生し,破裂する,あるいは心筋梗塞を引き起こす可能性がある。診断は臨床基準により行われ,本疾患と診断されれば,心エコー検査が行われる。治療はアスピリンと免疫グロブリン静注療法である。冠動脈血栓には,線溶療法または経皮的インターベンションが必要となることがある。... さらに読む 川崎病 神経線維腫症1型 神経線維腫症 神経線維腫症とは,互いに臨床像に重複がみられるが遺伝学的原因は明確に異なることが判明している,いくつかの関連疾患を総称する用語である。中枢または末梢神経を侵す様々な種類の良性または悪性腫瘍が発生し,しばしば皮膚の色素沈着斑がみられ,ときにその他の臨床像を呈する。診断は臨床的に行う。特異的な治療法はないが,良性腫瘍は外科的に切除することがで... さらに読む 神経線維腫症 ,大動脈壁血腫,大動脈解離 大動脈解離 大動脈解離は,大動脈内膜の裂口を介して壁内に血液が急激に流入することで,内膜と中膜が分離して偽腔(チャネル)が生じる病態である。内膜裂口は原発性に生じることもあれば,中膜内の出血に続発することもある。大動脈解離は大動脈のあらゆる部位から始まる可能性があり,さらに中枢または末梢に進展して他の動脈に及ぶこともある。高血圧が重要な寄与因子の1つである。症状と徴候には,胸部または背部に突然生じる引き裂かれるような痛みがあるほか,解離により大動脈... さらに読む 大動脈解離 に起因する。

FMDは動脈壁の病的な肥厚であり,ほとんどの場合,腎動脈本幹の遠位部または腎内分枝に認められる。肥厚は不規則な傾向があり,いずれの層も関与する可能性がある(しかしながら最も一般的には中膜)。本疾患は主に若年成人,特に20~50歳の女性において発生する。FMD患者の第1度近親者およびACE1遺伝子の保有者で頻度はより高い。

症状と徴候

臨床像は,発症の急性度,程度,一側性か両側性か,および腎血流低下の持続時間によって異なる。腎動脈の一側性狭窄は,しばしば相当な期間にわたり無症候性である。

腎動脈の一側性または両側性の急性完全閉塞は,間断なくうずく側腹部痛,腹痛,発熱,悪心,嘔吐をもたらす。肉眼的血尿,乏尿または無尿が起こる場合があり,高血圧はまれである。24時間後に,急性腎障害の症状と徴候 症状と徴候 急性腎障害は,数日間から数週間で腎機能が急速に低下する病態であり,これにより,尿量減少の有無にかかわらず,血中に窒素化合物が蓄積する(高窒素血症)。原因は重度の外傷,疾患,または手術による腎臓の灌流低下である場合が多いが,ときに急速進行性の内因性の腎疾患に起因する場合もある。症状としては,食欲不振,悪心,嘔吐などがある。無治療の場合,痙攣... さらに読む が生じる可能性がある。原因が血栓塞栓性の場合,血栓塞栓症のその他の部位での特徴(例,つま先の青色の変色,網状皮斑,眼底検査での網膜病変)も存在する場合がある。

診断

  • 臨床的な疑い

  • 画像検査

診断は以下がみられる腎不全患者で疑われる:

  • 急性腎動脈閉塞の症状

  • 血栓塞栓症の症状または徴候

  • 30歳未満で発症した高血圧,または3剤を超える降圧薬治療で難治性となった高血圧

血液および尿検査を行って腎不全を確認する。診断は画像検査により確定される(腎動脈狭窄または閉塞を診断するための画像検査 腎動脈狭窄または閉塞を診断するための画像検査 腎動脈狭窄または閉塞を診断するための画像検査 の表を参照)。行う検査は患者の腎機能やその他の特徴,また各検査の利用可能性によって異なる。

一部の検査(CT血管造影,動脈造影,デジタルサブトラクション血管造影)には静注用のイオン性造影剤が必要であり,それらの造影剤は腎毒性を生じる可能性がある;一方,現在広く使用されている非イオン性の低浸透圧または等浸透圧造影剤では,このリスクが低い(Professional.see page 放射線造影剤および造影剤反応 放射線造影剤および造影剤反応 X線撮影およびX線透視検査では,同じような放射線透過性の組織間の境界を描出するのに役立てるため,しばしば放射線透過性の造影剤が用いられる。ほとんどの造影剤はヨード性である。 ヨード造影剤には以下のものがある: イオン性 非イオン性 イオン性造影剤は塩であり,血液より浸透圧が高い。この造影剤は脊髄造影や,脊柱管(神経毒性のリスクがあるため)または気管支(肺水腫のリスクがあるため)に入る可能性がある注射では使用すべきでない。 さらに読む )。MRアンギオグラフィー(MRA)にはガドリニウム造影剤の使用が必要であるが,重度の慢性腎臓病 慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD)とは,腎機能が長期にわたり進行性に悪化する病態である。症状は緩徐に現れ,進行すると食欲不振,悪心,嘔吐,口内炎,味覚異常,夜間頻尿,倦怠感,疲労,そう痒,精神的集中力の低下,筋収縮,筋痙攣,水分貯留,低栄養,末梢神経障害,痙攣発作などがみられる。診断は腎機能検査に基づき,ときに続いて腎生検を施行する。治療は主に基礎疾患... さらに読む 慢性腎臓病 患者でガドリニウム造影剤を使用すると,腎性全身性線維症のリスクがあり,この疾患は全身性強皮症 全身性強皮症 全身性強皮症は,皮膚,関節,および内臓(特に食道,下部消化管,肺,心臓,腎臓)におけるびまん性の線維化および血管異常を特徴とする,原因不明のまれな慢性疾患である。一般的な症状としては,レイノー現象,多発性関節痛,嚥下困難,胸やけ,腫脹などがあり,最終的には皮膚の硬化と手指の拘縮が起こる。肺,心臓,および腎臓の病変がほとんどの死亡の原因である。診断は臨床的に行うが,臨床検査は診断の裏付けになり,予後予測に役立つ。特異的治療は困難であり,合... さらに読む 全身性強皮症 に極めて類似し,十分な治療法が存在しない。

他の検査結果が断定的でないか,または陰性であるが臨床的に強く疑われる場合には,確定診断のために動脈造影が必要となる。動脈造影はまた,侵襲的な介入を行う前にも必要になる場合がある。

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血栓塞栓性疾患が疑われる場合,塞栓の治療可能な発生源を同定するため,心電図(心房細動の検出)および凝固亢進検査が必要になることがある。経食道心エコー検査は,上行大動脈および胸部大動脈の動脈硬化病変と心臓由来の血栓または弁疣贅を検出するために施行される。

血液および尿検査は診断には不十分であるが,腎不全の確認のために施行され,クレアチニンおよび血中尿素窒素の高値と高カリウム血症によって示唆される。白血球増多,肉眼的または顕微鏡的血尿,およびタンパク尿も出現することがある。

治療

  • 急性閉塞,および患者が難治性高血圧または腎不全の可能性を有する場合の慢性狭窄では,血管の開存性回復

治療は原因に応じて異なる。

急性腎動脈閉塞

腎血栓塞栓性疾患は,抗凝固療法,血栓溶解薬,外科的またはカテーテルによる塞栓除去術の併用で治療することができる。症状出現後3時間以内に治療を行えば,腎機能が改善する可能性が高い。しかしながら,完全な回復が得られることはまれであり,腎臓以外での塞栓形成や基礎にある動脈硬化性心疾患のため,早期および後期死亡率は高い。

血栓塞栓性疾患の全患者で,ヘパリン静脈内投与による抗凝固療法 治療 深部静脈血栓症(DVT)とは,四肢(通常は腓腹部または大腿部)または骨盤の深部静脈で血液が凝固する病態である。DVTは肺塞栓症の第1の原因である。DVTは,静脈還流を阻害する病態,内皮の損傷または機能不全を来す病態,または凝固亢進状態を引き起こす病態によって発生する。DVTは無症状の場合もあるが,四肢に疼痛および腫脹が生じる場合もあり,肺塞栓症が直接の合併症の1つである。診断は病歴聴取と身体診察で行われ,客観的検査法(典型的にはdupl... さらに読む 治療 が,禁忌の場合を除いて必要である。侵襲的介入の計画がない場合は,経口ワルファリンによる長期の抗凝固療法をヘパリンと同時に開始することができる。適切な患者では非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(例,ダビガトラン,アピキサバン,リバーロキサバン)を考慮することができる。抗凝固療法を少なくとも6~12カ月継続すべきであり,血栓塞栓症を繰り返す患者や凝固亢進性疾患の患者には無期限に継続する。

血管の開存性を回復するための手術は血栓溶解療法に比べ死亡率が高く,腎機能の回復に関する利益はない。しかしながら外傷性腎動脈血栓症患者では,手術は,特に最初の数時間以内に行われるのであれば好ましい治療法である。非外傷性の重症腎不全患者が4~6週間の薬物療法によっても機能を回復しない場合は,外科的血行再建術(塞栓除去術)を考慮することができるが,ごくわずかの症例のみで有用である。

原因が血栓塞栓の場合は,発生源を同定し,適切に治療すべきである。

慢性進行性腎動脈狭窄

治療は以下の5つの基準の1つ以上を満たした患者で適応である:

治療は,経皮的血管形成術(PTA) 経皮的冠動脈インターベンション(PCI) 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)には,経皮的冠動脈形成術(PTCA)やステント留置を伴うPTCAなどがある。最も重要な適応は以下の治療である: 狭心症(安定または不安定) 心筋虚血 急性心筋梗塞(特に心原性ショックを起こしているか,その発生が確認された患者) 貫壁性のST上昇型心筋梗塞(STEMI)では,疼痛の発生から90分以内のPTCAおよびステント留置が至適な治療である。待機的PCIは,退院前に再発性または誘発性の狭心症がみ... さらに読む 経皮的冠動脈インターベンション(PCI) とステント留置の併用,または狭窄部位の外科的バイパス術による。通常,動脈硬化による閉塞にはPTAより外科手術の方が効果的であり,60~70%の患者で高血圧の治癒または症状軽減が得られる。しかしながら,手術は患者が複雑な器質的病変を有している場合か,PTAが無効で,特にステント内再狭窄が再発する場合にのみ考慮される。線維筋性異形成の患者に対してはPTAが優先され,リスクは最小限で成功率が高く,かつ再狭窄率も低い。

腎血管性高血圧

治療は,血管の開存性(Professional.see page 治療 治療 腎血管性高血圧は,片側もしくは両側の腎動脈またはその分枝の部分または完全閉塞により血圧が上昇する病態である。長期化しない限り,通常は無症状である。50%未満の患者では,片側または両側の腎動脈に血管雑音が聴取される。診断は身体診察とduplex法による超音波検査,核医学検査,またはMRアンギオグラフィーによる腎画像検査により行う。手術または血管形成術による根治的治療の前に血管造影を施行する。... さらに読む 治療 )が回復されない限り,典型的に無効である。しかしながら,2014年のCORAL試験では,有害な心血管イベントまたは腎イベントの予防における腎動脈ステント留置術および薬物療法の併用は,薬物療法単独に比べ,有意な便益をもたらさないことが示された(1) 治療に関する参考文献 腎動脈狭窄は,片側または両側腎動脈の本幹または分枝を通る血流が低下する状態である。腎動脈閉塞は,片側または両側腎動脈の本幹または分枝を通る血流が完全な遮断である。狭窄および閉塞の原因は通常,血栓塞栓症,動脈硬化,線維筋性異形成である。急性閉塞の症状は,間断なくうずく側腹部痛,腹痛,発熱,悪心,嘔吐および血尿などである。急性腎障害が発生する場合がある。慢性,進行性の狭窄は,難治性高血圧をもたらし,慢性腎臓病に至る場合がある。診断は画像検査... さらに読む 治療に関する参考文献 。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬,レニン阻害薬は,一側性腎動脈狭窄に対して用いることが可能で,糸球体濾過量(GFR)が綿密にモニタリングされる場合は両側性腎動脈狭窄に対しても用いることができる。これらの薬剤はGFRを低下させ,血清血中尿素窒素およびクレアチニン値を上昇させる可能性がある。GFRが低下することで血清クレアチニン値が上昇する場合は,カルシウム拮抗薬 カルシウム拮抗薬 いくつかの薬物クラスが高血圧の初期治療およびその後の管理に効果的である。安定した高血圧に選択される薬物と用法については,Professional.see also page 薬剤を参照のこと。高血圧緊急症の薬物治療については,Professional.see table 高血圧緊急症に対する注射薬を参照のこと。 (高血圧の概要も参照のこと。) 高血圧に使用される利尿薬の主なクラス(Professional... さらに読む (例,アムロジピン,フェロジピン―)または血管拡張薬 直接的血管拡張薬 いくつかの薬物クラスが高血圧の初期治療およびその後の管理に効果的である。安定した高血圧に選択される薬物と用法については,Professional.see also page 薬剤を参照のこと。高血圧緊急症の薬物治療については,Professional.see table 高血圧緊急症に対する注射薬を参照のこと。 (高血圧の概要も参照のこと。) 高血圧に使用される利尿薬の主なクラス(Professional... さらに読む (例,ヒドララジン,ミノキシジル)を追加するか,これらに置換すべきである。

治療に関する参考文献

要点

  • 腎動脈狭窄または閉塞は急性(通常は血栓塞栓症に起因)または慢性(通常は動脈硬化もしくは線維筋性異形成に起因)の場合がある。

  • 患者が間断なくうずく側腹部痛または腹痛,ときに発熱,悪心,嘔吐を呈し,および/または肉眼的血尿が認められる場合は急性閉塞を疑う。

  • 患者が原因不明の重症または早期発症の高血圧を発症する場合は慢性閉塞を疑う。

  • 診断は血管画像検査で確定する。

  • 急性閉塞を呈する患者および選択された慢性閉塞患者(例,重度の合併症または難治性疾患を呈する)では血管の開存性を回復する。

  • 高血圧は血管開存性が回復するまではコントロールが困難なことがあるが,ACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬,またはレニン阻害薬で治療を開始し,GFRを綿密にモニタリングし,GFRが低下する場合はカルシウム拮抗薬または血管拡張薬に置き換える。

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