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肥満

執筆者:

Adrienne Youdim

, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA

レビュー/改訂 2021年 8月
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やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

肥満とは、体重が過剰な状態です。

過体重や肥満の定義にはBMI(ボディマスインデックス)が用いられます。BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値です。

  • 過体重は通常、BMI値25~29.9と定義されています。

  • 肥満はBMI値30~39.9と定義されています。

  • 重度の肥満はBMI値40以上と定義されています。

アジア人やその他の一部の民族集団では、正常および過体重とみなされるBMI値はやや低めに設定されています。

BMIでは脂肪と筋肉(脂肪以外)の組織を区別しません。そのため、BMIだけに基づくと、一部の人では体脂肪の割合が非常に小さいのに肥満に分類されてしまうことがあります。例えば、ボディービルダーなどの一部の人では、筋肉(脂肪より重い)が大量にあるため脂肪がほとんどなくてもBMIが高くなります。そうした人は肥満とはみなされません。

肥満は世界中でますます増えています。米国では、肥満は非常に多くみられます。成人の3分の1以上(36.5%)が肥満で、小児と青年の25%以上が過体重または肥満です。さらに、重度の肥満が増えてきています。

肥満は治療するよりも予防する方がはるかに簡単です。いったん体重が増えすぎると、体は体重が減らないように抵抗します。例えば、ダイエットをしたりカロリー摂取量を減らすと、体はこれを補うために食欲を増したり、安静時のカロリーの燃焼量を減らしたりします。

肥満の原因

肥満は、運動する機会が少ないこと、高カロリーの食品が手に入れやすくなっていること、肥満になる可能性を高める遺伝子をもっていることなど、複数の要因が組み合わさって起こります。しかし究極的には、肥満は体に必要な量よりも多くの カロリー カロリー カロリーはエネルギーの単位です。食物にはカロリーがあります。つまり、食物は消化され分解される過程で生じるエネルギーを体に供給します。エネルギーによって体内の細胞は、タンパク質などの体に必要な物質の生成をはじめとする、すべての機能を果たすことができます。エネルギーはすぐに使うことも、蓄えておいて後で使うこともできます。... さらに読む を長期間にわたって摂取することで起こります。

余分なカロリーは脂肪(脂肪組織)として体内に蓄わえられます。必要なカロリー量は人によって異なり、年齢、性別、運動量、代謝率によって変わります。安静時に体が燃焼するカロリーの量である安静時(基礎)代謝率は、筋肉(除脂肪)組織の量と総体重によって決まります。筋肉が多いほど、代謝率は高くなります。

消化器系内に通常存在している細菌(腸内菌叢)の変化は、肥満リスクを増加させる可能性があります。通常、これらの細菌は食物などを消化する働きを担うことによって、体の機能を助けています。消化器系の細菌の量や種類の変化は、体が食物を消化する方法に変化を引き起こすことがあります。

オビソゲンは、正常な発達と代謝を妨げる化合物です(例えば、タバコの煙、ビスフェノールA、大気汚染、難燃剤、フタル酸、ポリ塩化ビフェニルなど)。若いうちにオビソゲンにさらされると、肥満になるリスクが高まります。

運動不足

技術的に進んだ国では運動不足がよくみられ、肥満増加の一因となっています。エレベーターや自動車、リモコンなどの技術の進歩によって体を動かす機会が減っています。コンピュータの操作やテレビ鑑賞、コンピュータゲームなど、座ったまま行うことに使う時間が増えています。また仕事も、肉体労働が事務仕事やデスクワークに置きかえられることで、座って行うものが増えています。座っていることの多い人は運動量の多い人よりカロリーの消費量が少ないため、食事に必要なカロリーの量も少なくなります。それに従ってカロリーの摂取量を減らさなければ、体重が増加します。

食事

エネルギー密度の高い食品は、比較的少ない量にカロリーが多く含まれており、体重増加を促進します。そのような食品の大半では、精製された炭水化物と脂肪が多く、食物繊維はあまり含まれていません。脂肪は本質的にエネルギー密度が高いものです。脂肪は1グラム当たり9キロカロリーですが、炭水化物とタンパク質は1グラム当たり4キロカロリーです。エネルギー密度の高い食品は、技術的に進んだ国で普及しています。

自動販売機やファストフードレストランで購入できるエネルギー密度の高いスナックなどの手軽な食品は、肥満の増加の一因です。ソーダ、ジュース、多くのコーヒー飲料、アルコール飲料などの高カロリー飲料も、大きな原因となっています。例えば、約350ミリリットルのソーダやビール1本には150キロカロリー、約350ミリリットルのコーヒー飲料(乳製品と砂糖を含むもの)やフルーツスムージーには500キロカロリー以上が含まれています。高果糖コーンシロップ(多くのボトル入り飲料に含まれる甘味料)は、特に肥満を引き起こす可能性が高いものとして指摘されることがよくあります。しかし最近の研究では、高果糖コーンシロップが肥満を引き起こす可能性は、糖で同じカロリーを含む食品と同程度にすぎないということが示されています。

分量が多い食事や飲みもの(例えば、レストランでの食事やパッケージ入り食品、大容量ボトルの飲みものなど)は、食べすぎを助長します。さらに、レストランでの食事やパッケージ入り食品は、カロリーが増えるやり方で調理されていることがよくあります。結果として、思っているより多くのカロリーを摂取している可能性があります。

遺伝子

肥満は遺伝する傾向があります。しかし、家族は遺伝子だけにとどまらず、環境も共有しており、この2つの影響度合いを分けることは困難です。 遺伝子 遺伝子 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む 遺伝子 は、安静時および運動中に体がカロリーを燃焼する速度に影響を及ぼすことがあります。また、食欲(ひいては食事の量)にも影響することがあります。遺伝子は体脂肪が蓄えられる量よりも蓄えられる場所(特にウエスト周りと腹部)に大きく影響する可能性があります。

体重に影響を与える遺伝子は数多くありますが、それぞれの遺伝子がもつ影響力は非常に小さなものです。単一の遺伝子のみが異常である場合、肥満はめったに生じません。

まれに、以下の遺伝子の突然変異が肥満を引き起こします。

  • メラノコルチン4受容体遺伝子:受容体とは、細胞の表面にある構造で、特定の物質(化学伝達物質など)と結合すると細胞の活動を阻害したり促進したりします。メラノコルチン4受容体は主として脳にあり、体のエネルギー消費の制御を助けます。この遺伝子の突然変異が、小児の1~4%における肥満の原因になっている可能性があります。

  • ob遺伝子:この遺伝子は脂肪細胞が作るホルモンであるレプチンの分泌を調節します。レプチンは脳に到達すると、視床下部(食欲の調節を助ける脳の部分)にある受容体と相互作用します。そしてレプチンは、食物の摂取量を減らし、カロリー(エネルギー)の燃焼量を増やせという指示を脳に伝えます。ob遺伝子に突然変異が生じると、レプチンの生産が阻害され、その結果、重度の肥満が引き起こされます。これはごく少数の小児にみられます。このようなケースでは、レプチンを投与することで体重が正常値まで減少します。

背景

特定の特徴によって、過体重や肥満になるリスクが増大する可能性があります。具体的には以下のものがあります。

小児期の有害事象や、小児期に言語的、身体的、性的虐待を受けた個人歴は、肥満リスクの上昇と関連しています。米国疾病予防管理センター(CDC)の小児期有害事象研究では、小児期の言語的、身体的、または性的虐待の個人歴がある人では、肥満のリスクが8%上昇し、重度の肥満のリスクは17.3%上昇すると予測されました。

妊娠と閉経

妊娠中の体重増加は正常で、必要なことです。しかし、出産後に妊娠前の体重に戻らない場合、妊娠をきっかけにして、体重に関する問題を抱えてしまうことがあります。女性の約15%で、妊娠を経験する毎に体重が約9キログラム増加していきます。数人の子どもを短い間隔で出産すると、この問題がさらに悪化することがあります。授乳が妊娠前の体重に戻す助けになります。

妊婦が肥満であるか喫煙する場合は、子の体重調節に乱れが生じることがあり、小児期以降の体重増加の一因になります。

閉経後は多くの女性で体重が増加します。この体重増加は、運動量の減少が原因である可能性もあります。ホルモンの変化により体内の脂肪の分布が変わり、ウエストの周囲に脂肪が蓄積することがあります。この場所の脂肪は健康問題のリスクを増大させます(メタボリックシンドローム メタボリックシンドローム メタボリックシンドロームは、腹部脂肪の過剰による大きいウエスト周囲長、高血圧、インスリンの作用への反応低下(インスリン抵抗性)または糖尿病、血液中のコレステロールなどの脂肪の異常な値(脂質異常症)を特徴とします。 腹部脂肪の過剰は 高血圧、 冠動脈疾患、 2型糖尿病のリスクを高めます。... さらに読む など)。

加齢

生活習慣

睡眠不足(通常は一晩に6~8時間以下だと睡眠不足とみなされます)によって体重が増加することがあります。不眠により、ホルモンが変化して食欲が増したりエネルギー密度の高い食品が食べたくなったりします。

喫煙をやめると通常は体重が増えます。ニコチンは食欲を減退させ、代謝率を高めます。ニコチンを摂取しなくなると、食物の摂取量が増加して代謝率が減少することがあり、それにより燃焼されるカロリーが少なくなることがあります。その結果、体重が5~10%増えることがあります。

ホルモン

内分泌系の病気によってまれに肥満が生じることがあります。最も多くみられるものの例としては、以下のものがあります。

知っていますか?

  • 内分泌系の病気によってまれに肥満が生じることがあります。

摂食障害

以下の2種類の摂食障害が肥満に関連しています。

よくみられる病気の治療に使用される薬の中には、体重増加を促進するものが多数あります。例えば、うつ病などの精神障害の治療に用いられる薬(抗うつ薬 うつ病に対する薬物治療 アゴメラチン(agomelatine)は、新しいタイプの抗うつ薬で、うつ病エピソードの治療法になる可能性があります。 うつ病の治療には数種類の薬剤が使用できます。 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) 新規抗うつ薬 複素環系抗うつ薬 さらに読む など)、けいれん発作の治療に用いられる薬(抗てんかん薬 抗てんかん薬 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまる場合もあります。... さらに読む など)、高血圧の治療に用いられる薬(ベータ遮断薬などの 降圧薬 高血圧の薬物治療 高血圧は非常によくみられます。症状がない場合も多いですが、高血圧は 脳卒中、 心臓発作、および 心不全のリスクを高める可能性があります。そのため、高血圧を治療することは重要です。高血圧の人は、血圧を下げるために 生活習慣を変えるべきです。しかし、そのような変更だけで血圧が十分に低下しない場合には、薬物治療が必要になります。... さらに読む )、 コルチコステロイド コルチコステロイド 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。... さらに読む コルチコステロイド 糖尿病の治療に用いられる薬 糖尿病の薬物治療 糖尿病の人の多くは、血糖値を下げ、症状を緩和し、 糖尿病の合併症を予防するために薬を必要とします。 糖尿病には、以下の2つの種類があります。 1型糖尿病:体の免疫系が膵臓のインスリン産生細胞を攻撃し、90%を超える細胞が破壊されて回復不能になる 2型糖尿病:体がインスリンの効果に抵抗性を示す... さらに読む 糖尿病の薬物治療 の一部が肥満の原因になることがあります。

肥満の症状

肥満の最も明らかな症状は外見の変化です。

合併症

肥満であることによって多くの健康問題のリスクが高まります。実質的にすべての器官系が影響を受ける可能性があります。そのような体重に関連した健康問題により、息切れ、運動中の呼吸困難、いびき、皮膚の異常(皮膚がのびることでできる線など)、関節痛や腰痛などの症状が起こります。

肥満は以下のリスクを高めます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 睡眠時無呼吸症候群 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea)は、睡眠中に長い呼吸停止が繰り返し起こって眠りが妨げられる重篤な病気で、しばしば一時的に血液中の酸素レベルが低下して二酸化炭素濃度が上昇することもあります。 睡眠時無呼吸症候群の患者は、日中でも強い眠気を催し、睡眠中には大きないびきをかいて、あえぎや息詰まり、呼吸停止などを起こし、荒い鼻息ととも... さらに読む 睡眠時無呼吸症候群 は、睡眠中に首の脂肪が気道を圧迫する場合に起こることがあります。短い間呼吸が止まることが、一晩に何百回もみられます。この病気は診断されないでいることがよくあります。大きないびきや日中の眠気が生じ、高血圧、不整脈、メタボリックシンドローム、心臓発作、心不全、脳卒中のリスクが高まります。

肥満は早期死亡のリスクを高めます。肥満が重度であればあるほど、そのリスクが高くなります。米国では、年間30万人が肥満が原因で死亡しています。肥満は予防可能な死亡の原因の第2位です(第1位は喫煙)。

肥満は、社会的、経済的、精神的な問題につながります。例えば、肥満の人が不完全雇用または失業中であったり、自分の体に対するイメージ(身体像)が悪く自尊心が低いことがあります。

肥満の診断

  • BMI(ボディマスインデックス)

  • ウエスト周囲長

  • 場合により、身体組成の算出

肥満の診断は BMI 肥満 肥満 を算出することによって下されます。ただし、BMIにはいくつかの限界があります。BMIは性別や年齢を考慮に入れておらず、人種に基づく調整をわずかしか行いません。アジア人やその他の一部の民族集団では、過体重とされるBMI値はやや低めに設定されています。

また、BMIでは脂肪組織と脂肪以外の組織を区別しません。そのため、高いBMIが筋肉によるものか(ボディービルダーなど)、過剰な脂肪によるものかについて医師は確信をもてない場合があります。このような場合、医師は身体組成(体脂肪と筋肉の割合)を測定します。

身体組成は以下のような方法で測定することができます。

  • 生体電気インピーダンス法(診察室で行うことができます)

  • 皮下脂肪厚および上腕周囲長の測定

  • 静水力学的(静水)計量

通常、皮下脂肪厚は二の腕の背中側にある上腕三頭筋の上の皮膚で測ります。皮下脂肪厚とは皮膚とその下にある脂肪の層のことで、皮膚をつまむことで測定します。

静水力学的計量は、体脂肪の割合を測定する最も正確な方法です。しかしながら、費用と時間がかかります。そのため臨床よりも研究でよく使用されています。

一般的には、血液検査が行われます。 前糖尿病状態(prediabetes) 前糖尿病状態(Prediabetes) 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む または 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む になっていないか確認するために血糖値を測定し、 コレステロール高値 脂質異常症 脂質異常症とは、 脂質(コレステロール、中性脂肪[トリグリセリド]、または両方)の濃度が高いか、高比重リポタンパク質(HDL)コレステロールの濃度が低い状態をいいます。 生活習慣、遺伝、病気(甲状腺ホルモン低値や腎疾患など)、薬、またはそれらの組合せが影響します。 動脈硬化をもたらし、狭心症、心臓発作、脳卒中、末梢動脈疾患の原因になります... さらに読む 脂質異常症 や他の異常な脂肪の値がないか確認するためにコレステロールとその他の脂肪の値を測定します。 高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなっている状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む 高血圧 がないか確認するために血圧も測定します。これらの検査は、患者が メタボリックシンドローム メタボリックシンドローム メタボリックシンドロームは、腹部脂肪の過剰による大きいウエスト周囲長、高血圧、インスリンの作用への反応低下(インスリン抵抗性)または糖尿病、血液中のコレステロールなどの脂肪の異常な値(脂質異常症)を特徴とします。 腹部脂肪の過剰は 高血圧、 冠動脈疾患、 2型糖尿病のリスクを高めます。... さらに読む (上記の3つの病気がすべて含まれる)かどうかを医師が判断するのに役立ちます。

患者のBMIよりも、ウエストの長さとメタボリックシンドロームの有無が分かった方が、医師が特定の合併症(心疾患など)のリスクを推定するのに役立ちます。

医師はさらに、 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 睡眠時無呼吸症候群 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea)は、睡眠中に長い呼吸停止が繰り返し起こって眠りが妨げられる重篤な病気で、しばしば一時的に血液中の酸素レベルが低下して二酸化炭素濃度が上昇することもあります。 睡眠時無呼吸症候群の患者は、日中でも強い眠気を催し、睡眠中には大きないびきをかいて、あえぎや息詰まり、呼吸停止などを起こし、荒い鼻息ととも... さらに読む 睡眠時無呼吸症候群 脂肪肝 脂肪肝 脂肪肝は、肝細胞の内部に中性脂肪(トリグリセリド)が過剰に蓄積した状態です。 脂肪肝の患者には、疲労や腹部の軽い不快感が生じることがありますが、それ以外の症状はみられません。 脂肪肝は、線維化や肝硬変などの進行した肝疾患を引き起こすことがあります。 診断を確定するため、また損傷の原因と範囲を特定するために肝生検が必要になることがあります。... さらに読む うつ病 うつ病 遷延性悲嘆症についての短い考察。 うつ病とは、悲しみを感じたり、活動に対する興味や喜びが減少したりする症状がその人の社会生活を困難にするほど強くなり、病気になった状態です。喪失体験などの悲しい出来事の直後に生じることがありますが、悲しみの程度がその出来事とは不釣り合いに強く、妥当と考えられる期間より長く持続します。... さらに読む など、肥満の人によくみられる病気がないかも確認します。

肥満の治療

  • 食事

  • 身体活動

  • 行動の修正

  • 減量薬

  • 肥満外科手術

肥満に対する主な治療は生活習慣の改善で、具体的には食習慣の変更、運動の増加、行動の変化などがあります。薬による治療や 減量手術(肥満外科手術) 肥満外科手術 肥満外科手術(減量手術)では、体重を減らすために胃、腸、またはその両方に施術します。 米国では、毎年約16万件以上の肥満外科手術が行われます。この数は、世界で行われる肥満外科手術のほぼ3分の2を占めます。この手術によって体重が大幅に減ります。体重の超過分の半分や、さらにそれ以上、約35~70キログラム減少することもあります。体重の減少は最... さらに読む が必要になる人もいます。体重の5~10%を減らすだけで、 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む 高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなっている状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む 高血圧 コレステロール高値 脂質異常症 脂質異常症とは、 脂質(コレステロール、中性脂肪[トリグリセリド]、または両方)の濃度が高いか、高比重リポタンパク質(HDL)コレステロールの濃度が低い状態をいいます。 生活習慣、遺伝、病気(甲状腺ホルモン低値や腎疾患など)、薬、またはそれらの組合せが影響します。 動脈硬化をもたらし、狭心症、心臓発作、脳卒中、末梢動脈疾患の原因になります... さらに読む 脂質異常症 などの体重に関連した問題のリスクや重症度を減らすのに役立つことがあります。

体重減少の成功には動機と前向きな気持ちが必要です。最も成功する人は現実的な目標をもち、健康な減量が達成できるのは特効薬や長く続けられない流行のダイエット法ではなく、生涯にわたる生活習慣の改善だけだと認識しています。

栄養士や医師などの医療従事者のサポートを受けることが有益な場合もあります。家族からのサポートも非常に重要です。

WW(旧ウェイト・ウォッチャーズ[Weight Watchers])などの定期的な交流が必要なプログラムに参加すると、責任感が増し、成功の可能性が高まります。一般的には、カウンセラー主導のミーティングが毎週行われ、さらに教育・指導用の教材で補足します。

知っていますか?

  • 体重の5~10%を減らすだけで、体重に関連する健康のリスクを減らすことができます。

食習慣の変更

体重減少のためのバランスのとれた健康的な食事には、摂取カロリーを減らすこと、そして十分な栄養が摂取できる様々な種類の食品を選択することが欠かせません。摂取カロリーを1日500~1000キロカロリー減らすことで、1週間につき約450グラム~約900グラムの体重減少(健康的な減量の速度)が期待できます。この方法では通常、1日当たり1200~1500キロカロリーを摂取することになります。しかし、カロリーの減少に対して体が適応することがあります(例えば代謝率が下がるなどで)。そのため、体重減少が期待より少ないこともあります。それでも、食物繊維が多い食事をとり、さらに1日600キロカロリーを減らし、炭水化物の一部をタンパク質で置き換えることが、減量とその継続のための最善の方法だと考えられます。非常に低カロリーの食事をとれば体重はより急速に減りますが、このような食事には医師の指導が必要です。

以下のような食習慣の変更が推奨されています。

ビタミンDの欠乏の予防に役立てるため、無脂肪または低脂肪の乳製品(ビタミンDを含む)を食事に含めるべきです。

食事代わりの栄養補給食を、たまにか定期的に用いると、一部の人では減量とその継続に役立ちます。

身体活動

身体活動を増やすと、健康的な減量とその継続に役立ちます。身体活動には運動(体系的な身体活動)だけでなく、エレベーターの代わりに階段を使う、ガーデニングをする、可能な限り車ではなく徒歩で移動するなど、生活の中での活動も含まれます。生活の中での活動で、かなりのカロリーが燃焼できます。ダイエット中に運動をしない場合は、減らした体重が再び増える可能性が高くなります。

ジョギング、速足のウォーキング(1時間に5~6キロメートル)、サイクリング、テニス(シングルス)、スケート、クロスカントリースキーなどの有酸素運動は、他の軽い運動に比べて多くのカロリーを燃焼します(正しい運動を選ぶ 正しい運動を選ぶ 運動にはたくさんの種類があり、それぞれに長所と短所があります。他の運動よりも多くのカロリーを消費する運動もあります(表「 各運動の消費カロリー」を参照)。異なる形態の運動(例えば、太極拳、ピラティス、スピニングなど)も開発されています。ジムや家(動画の動きをみながら行う運動など)といった屋内での運動を好む人もいれば、屋外での運動を好む人も... さらに読む を参照)。例えば、速足のウォーキングは1分で約4キロカロリーを燃焼できるため、1日に1時間速足で歩けば約240キロカロリー燃焼することになります。ランニングは1分で約6~8キロカロリーを燃焼します(1時間で約360~480キロカロリー)。一般的な指針として、健康の増進のためには1週間に150分以上歩くことが必要です。減量とその継続のためには、適度な身体活動を1週間に300~360分行うか、激しい有酸素運動(ランニングや楕円運動のマシンを使うなど)を1週間に150分行うことが必要です。 激しい有酸素運動がもたらす健康上のその他の利点 運動の効果 定期的な運動をすると心臓が強くなり、肺の調子もよくなります。これにより、心血管系が1回の心拍で運ぶ酸素の量が増加し、肺に取り込むことのできる最大酸素量が増えます。運動には以下のような効果があることも示されています。 血圧を低下させる 総コレステロール値と、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロール(悪玉コレステロール)値をいくぶん低下さ... さらに読む には、 冠動脈疾患 冠動脈疾患の概要 冠動脈疾患とは、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が部分的または完全に遮断されることで起きる病気です。 心筋は酸素を豊富に含んだ血液を絶えず必要とします。その血液を心臓に送る血管は、大動脈が心臓から出たところで枝分かれする 冠動脈です。この血管が狭くなる冠動脈疾患では、血流が遮断されて、... さらに読む 冠動脈疾患の概要 のリスク低下や持久力の増加などがあります。

運動で最大限の効果をあげるには、筋力トレーニング(ウェイトなどの抵抗を利用するもの)をおよそ週3日行うべきです。筋力トレーニングは筋肉組織の量を増やし、これによって代謝率が増加して安静時の体のカロリー消費量が増えます。

行動の変化

減量を効果的なものにし長続きさせるには、最終的には行動を変えなければなりません。行動の変化を助ける減量プログラムが最も効果的です。行動を変えるには、以下のような特定の能力が必要です。

  • 問題解決

  • ストレス管理

  • セルフモニタリング

  • 随伴性マネジメント

  • 刺激の制御

問題解決をするのに、不健康な食事の可能性が高まる状況(夕食の外食、旅行など)や、身体活動の機会が減る状況(移動に車を使うなど)などを特定し、前もって計画します。

ストレス管理をするためには、ストレスの多い状況を特定できるようになったり、食べることを伴わずにストレスを管理する方法(散歩に行く、瞑想、深呼吸など)を考え出したりすることができます。

セルフモニタリングするのには、食事の記録(食品のカロリーを含む)をつけたり、定期的に体重をはかったりすることができます。食事をした場所と時間、食事中の気分、誰と食事したかを記録することもあります。この情報によって、行動と食事のパターンの観察と記録ができ、体重増加や不健康な食事につながる状況を避けられる可能性があります。

随伴性マネジメントは、減量や体重維持に貢献する行動に対して食品以外の報酬を与えます。例えば、歩く量を増やしたり特定の食品を食べる量を減らしたりしたときに、新しい服を買ったり映画に行ったりして自分に報酬を与えるということができます。報酬は、例えば家族や支援グループのメンバーからほめられるなど、他の人からもらうこともあります。

不健康な食事を誘発する刺激をコントロールするには、健康的な食事や活動的な生活習慣を妨げるものが何かを特定できるようにします。それにより、誘惑に打ち勝つための方法をつくりだすことができます。例えば、通勤中にファストフード店に立ち寄るのを避けたり、家の中に甘いものを置かないといったことが可能です。活動的な生活習慣をつくりだすには、活動的な趣味(ガーデニングなど)を始める、歩くことを増やす、エレベーターの代わりに階段を使うことを習慣にする、駐車する場合には遠くて端の方にある駐車スペースにとめる(より長く歩くことになる)といったことができます。

インターネットの情報源、モバイル機器のアプリケーション、その他の電子機器も、活動的な生活習慣をつくり減量を維持するために役立つ可能性があります。アプリケーションは、減量の目標の設定や、自分の進歩のモニタリング、食事内容の確認、身体活動の記録に役立ちます。

肥満や過体重に加えて体重に関連する病気のある人には、薬が有用です。薬は、食習慣の変更や身体活動の増加、行動の変化を含む体系的なプログラムとともに使用すると最も効果的です。

減量薬の一部は短期間の使用が意図されています。より長期間の使用が意図されているものもあります。

米国で現在利用可能な減量薬には、以下のものがあります。

  • オルリスタット

  • フェンテルミン(phentermine)

  • フェンテルミン(phentermine)とトピラマートの併用

  • ロルカセリン(lorcaserin)(米国では入手できません)

  • ナルトレキソンとブプロピオンの併用

  • リラグルチド

  • セマグルチド

オルリスタットは、腸での脂肪の分解と吸収を制限するため、実質的に低脂肪食をとったことになります。オルリスタットは米国では市販薬としても処方薬としても入手できます。オルリスタットによって、消化管で脂肪が吸収されなくなります。吸収されなかった脂肪は、腹部膨満、ガス、ゆるい便の原因になりますが、これらの問題は時間が経つにつれて解消する傾向があります。オルリスタットは食事と一緒に服用するべきです。また、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を妨げることがあります。ビタミンDが十分に吸収されないと、骨粗しょう症が発生することがあり、骨折の可能性が高まります。オルリスタットを服用する場合は、これらの栄養素を含むビタミンサプリメントを併用するべきです。サプリメントはオルリスタット服用の2時間以上前または後に服用する必要があります。

フェンテルミン(phentermine)は、脳内の食欲を制御する部分にある化学伝達物質に作用して、食欲を低下させます。これは処方薬だけが利用できます。血圧と心拍数が上昇し、不眠症、不安、便秘が生じることがあります。

フェンテルミン(phentermine)とトピラマート(けいれん発作と片頭痛の治療に使用される薬)は、処方薬だけが利用できます。この併用によって、最長で2年間の体重減少が起こります。しかし、先天異常の原因となるため、妊娠可能年齢の女性が服用するのは、避妊を行っていて妊娠検査を毎月受けている場合だけにするべきです。これらの薬は睡眠と集中力に関する問題を引き起こすことがあり、心拍数が上昇することもあります。

ロルカセリン(lorcaserin)は、処方せんがなければ入手できません(がんのリスクが高まる可能性が懸念されるため、米国では入手できません)。脳にある特定の受容体に作用して、食欲を抑えます。副作用には頭痛、吐き気、めまい、疲労、口腔乾燥、便秘などがありますが、これらは時間が経つにつれて解消する傾向があります。妊婦はロルカセリン(lorcaserin)を服用してはいけません。ロルカセリン(lorcaserin)を服用している人は特定の抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、モノアミン酸化酵素阻害薬)を服用してはいけません。

ナルトレキソンとブプロピオンの配合剤は処方によってのみ利用できます。食事と運動との併用により、減量に役立ちます。ナルトレキソンは、オピオイドの作用を阻害する目的や、アルコール依存症患者の禁酒を助けるために単独で使用されます。ナルトレキソンは空腹感を抑制する働きもあります。ブプロピオンはうつ病の治療や禁煙のために単独で使用されます。ブプロピオンは食欲を低下させる働きもあります。この配合剤による副作用には血圧の上昇、吐き気、嘔吐、頭痛などがあります。コントロール不良の高血圧、けいれん発作の既往、けいれん性疾患のある人はこの薬を服用してはいけません。

リラグルチド2型糖尿病 注射用の血糖降下薬 糖尿病の人の多くは、血糖値を下げ、症状を緩和し、 糖尿病の合併症を予防するために薬を必要とします。 糖尿病には、以下の2つの種類があります。 1型糖尿病:体の免疫系が膵臓のインスリン産生細胞を攻撃し、90%を超える細胞が破壊されて回復不能になる 2型糖尿病:体がインスリンの効果に抵抗性を示す... さらに読む 注射用の血糖降下薬 や肥満の治療に使用されます。リラグルチドは、胃から食べものが出ていく速度を遅らせます。この薬は、注射により投与しなければなりません。副作用には頭痛、下痢、吐き気、嘔吐、膵臓の炎症(膵炎)、血糖値の低下(低血糖)などがあります。髄様がんと呼ばれる甲状腺がんの一種をある人は、リラグルチドを使用してはいけません。

セマグルチドは、 2型糖尿病 注射用の血糖降下薬 糖尿病の人の多くは、血糖値を下げ、症状を緩和し、 糖尿病の合併症を予防するために薬を必要とします。 糖尿病には、以下の2つの種類があります。 1型糖尿病:体の免疫系が膵臓のインスリン産生細胞を攻撃し、90%を超える細胞が破壊されて回復不能になる 2型糖尿病:体がインスリンの効果に抵抗性を示す... さらに読む 注射用の血糖降下薬 と、ときに肥満の治療に使用される注射薬です。セマグルチドは、膵臓からの適切な量のインスリンの放出を促す食欲抑制薬です。リラグルチドと同様に、セマグルチドの主な副作用としては吐き気と下痢があります。セマグルチドは、甲状腺髄様がんと呼ばれる甲状腺がんの病歴や家族歴がある人、または 多発性内分泌腫瘍症2型 多発性内分泌腫瘍症(MEN) 多発性内分泌腫瘍症はまれな遺伝性の病気で、いくつかの 内分泌腺で良性(がんではない)腫瘍または悪性腫瘍(がん)が発生したり、腫瘍はできないものの腺が過剰に肥大したりします。 多発性内分泌腫瘍症は、遺伝子変異により発生するため、家族内で遺伝する傾向がみられます。 多発性内分泌腫瘍症には、1型、2A型、2B型など、いくつかの種類があります。... さらに読む 多発性内分泌腫瘍症(MEN) (MEN 2)と呼ばれる内分泌系の病気がある人には使用すべきではありません。

以前はフェンフルラミン(fenfluramine)とフェンテルミン(phentermine)の組合せ(通称、フェンフェン)が効果的な薬物療法でした。しかし、この組合せで服用する人に心臓弁の問題が発生したため、フェンフルラミンは販売中止になりました。

薬用ハーブなど市販のダイエット補助薬の一部は、代謝や満腹感を高めることで減量を促進すると主張されています。そうしたサプリメントは効果的であることは証明されておらず、有害な添加物や刺激物(例えばマオウ、カフェイン、ガラナ、フェニルプロパノールアミンなど)を含んでいることがあり、使用を避けるべきです。

肥満治療用の新薬は現在開発中のものが多数あり、将来の肥満の治療法を変える可能性もあります。

高齢者の肥満

米国では、肥満の高齢者の割合が増加しています。高齢者の肥満には注意が必要で、その理由としては、過体重が例えば 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む 、がん、血液中の脂肪(脂質)の値の異常(脂質異常症 脂質異常症 脂質異常症とは、 脂質(コレステロール、中性脂肪[トリグリセリド]、または両方)の濃度が高いか、高比重リポタンパク質(HDL)コレステロールの濃度が低い状態をいいます。 生活習慣、遺伝、病気(甲状腺ホルモン低値や腎疾患など)、薬、またはそれらの組合せが影響します。 動脈硬化をもたらし、狭心症、心臓発作、脳卒中、末梢動脈疾患の原因になります... さらに読む 脂質異常症 )、 高血圧 高血圧 高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなっている状態のことです。 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。... さらに読む 高血圧 心不全 心不全 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全 冠動脈疾患 冠動脈疾患の概要 冠動脈疾患とは、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が部分的または完全に遮断されることで起きる病気です。 心筋は酸素を豊富に含んだ血液を絶えず必要とします。その血液を心臓に送る血管は、大動脈が心臓から出たところで枝分かれする 冠動脈です。この血管が狭くなる冠動脈疾患では、血流が遮断されて、... さらに読む 冠動脈疾患の概要 関節疾患 関節の病気 など、加齢に伴って増える傾向がある特定の健康問題のリスクを増大させるからです。

次のように、加齢に伴う変化のいくつかが体重増加の一因となります。

減量が必要な高齢者に対しては、医師は身体活動の増加と食習慣の変更を推奨しています。身体活動を行うことによって筋力、持久力、全体的な健康感が向上し、 糖尿病 糖尿病 糖尿病は、体がインスリンを十分に生産しないかインスリンに正常に反応しないため、血中の糖分の濃度(血糖値)が異常に高くなる病気です。 排尿が増加し、のどが渇くほか、減量しようとしていなくても体重が減少することがあります。 糖尿病は神経の損傷をもたらし、触覚の問題を引き起こします。... さらに読む などの慢性疾患が発生するリスクが低下します。活動には筋力トレーニングと持久力運動を含めるべきです。

高齢者の減量に健康のリスクがあるかどうかについてはまだ結論は出ていません。医師は、高齢者それぞれの状況に基づいて、高齢者が減量の方策を立てる手助けをします。高齢者が減量する場合は、医師の指導に従って行うのが最善です。

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