Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

麻疹(はしか)

(九日ばしか)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2018年 3月
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
本ページのリソース

麻疹は非常に感染力の強いウイルス感染症で、様々な症状と特徴的な発疹が現れます。

  • 麻疹の原因はウイルスです。

  • 症状としては、発熱、鼻水、頻発する空せき、目の充血、かゆみを伴う赤い発疹などがみられます。

  • 診断は、典型的な症状と特徴的な発疹に基づいて下されます。

  • ほとんどの小児が回復しますが、まれに麻疹により死亡したり脳に損傷が生じたりすることもあります。

  • 定期予防接種で感染を予防できます。

  • 治療の目標は症状を緩和することです。

予防接種が普及するまでは、麻疹は2~3年毎に流行し、特に就学前の小児と学齢期の小児の間で流行していました。また、その他の年には局地的な小規模流行がみられました。米国以外の国では、麻疹は依然としてよくみられます。 世界全体で、毎年約2000万人が麻疹にかかり、約20万人が死亡しています(主に小児)。一方、米国では定期予防接種のおかげで、麻疹はまれな病気になっています。2000年から2007年の間に米国疾病予防管理センター(CDC)に報告された患者数は、年間平均でわずか63人でした。しかしながら、米国で麻疹の発生数は増加しています。2014年には、記録的な数の麻疹症例が発生しました。2015年には、カリフォルニア州の遊園地に関連して大きな流行が発生しました。この増加の原因は、おそらく麻疹に対する予防接種を受ける小児が減ったためです。

麻疹にかかったことがあるか、予防接種を受けたことがある妊婦は、麻疹に対する免疫を抗体という形で新生児に与え、この免疫は出生後1年近く持続します。しかし、それ以降は、予防接種を受けなければ麻疹にかかりやすくなります。麻疹は一度かかれば免疫ができるため、一般的には再びかかることはありません。

感染した人がせきをすると飛沫が散布され、これにより汚染された空気を小児が吸い込むことで感染します。麻疹の予防接種を受けていない人が麻疹にかかっている人と接触すると、約90%が麻疹を発症します。感染力があるのは発疹が現れる数日前から、現れて数日後までの期間です。

症状

麻疹の症状は、感染してから約7~14日後に現れ、まず起きるのは、発熱、鼻水、頻発する空せき、目の充血です。明るい光に対して過敏になることもあります。発疹が現れる前に、中心が白または青白い、小さな明るい赤色の点(コプリック斑)が口の中に出ることがあります。この点は砂粒に似ていることがあります。その後、のどの痛みが発生します。

症状が現れ始めて3~5日経つと、軽いかゆみのある発疹が現れます。この発疹は耳の前や下と、首の横に、平らで不規則な形の赤い部分として現れて、すぐ盛り上がってきます。そして、1~2日以内に、体幹、腕、手のひら、脚、足の裏に広がり、その一方で顔の発疹は消え始めます。

症状が一番ひどい時期には小児は非常に具合が悪くなり、目に炎症ができ(結膜炎)、発疹が広範囲に広がります。体温は40℃を超えることがありますが、3~5日後に熱は下がり、状態も落ち着いてきて、残っていた発疹も急速に消えていきます。

麻疹の合併症

診断

  • 医師による評価

麻疹の診断は、典型的な症状、コプリック斑、特徴的な発疹に基づいて下されます。

ウイルスを特定するための血液検査は、主に公衆衛生の目的から症例を記録するために行われ、これにより公衆衛生当局は流行を抑え、さらなる拡大を制限するよう努めることができます。

予後(経過の見通し)

もともと健康で栄養状態のよい小児では、麻疹が重篤になることは一般にありません。しかし、米国でさえ、麻疹にかかった小児1000人のうち約2人は死亡します。死亡のリスクは発展途上国でははるかに高く、約13万4000人が死亡しており、主に小児が犠牲になっています。麻疹にかかった人の死亡のリスクは、低栄養 低栄養 低栄養とは、カロリーまたは1つ以上の必須栄養素が不足している状態です。 低栄養は、食べものを手に入れたり調理したりできない、食べものを食べたり吸収したりしにくくなる病気がある、またはカロリーの必要量が大幅に増えているということが原因で発生することがあります。 低栄養は、多くの場合、見た目にも明らかです。低体重で、しばしば骨が突き出ており、... さらに読む 低栄養 ビタミンA欠乏症 ビタミンA欠乏症 ビタミンA(レチノール)は、眼の網膜にある光を感じ取る神経細胞(視細胞)の機能に必要で、夜間視力の維持を助けます。また皮膚と、肺、腸、尿路の内壁を健康に保ち、感染に対する防御にも役立ちます。 (ビタミンの概要も参照のこと。) 魚の肝油、レバー、卵黄、バター、クリーム、栄養強化牛乳などには、ビタミンAが豊富に含まれています。 ベータカロテンなどのカロテノイドは、果物や野菜に黄色やオレンジ色、赤色を与える色素です。カロテノイドは、摂取される... さらに読む により上昇するおそれがあります。

予防

  • 麻疹ワクチン

麻疹ワクチン 麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチン 麻疹・ムンプス・風疹(MMR)混合ワクチンは、この3種の重篤なウイルス感染症を予防するためのワクチンです。このワクチンには、麻疹(はしか)、ムンプス(流行性耳下腺炎、おたふくかぜ)、風疹の生きたウイルスが弱毒化されて含まれています。これらのいずれかの病気に対する予防が必要な人は、他の2つに対する予防も必要になることから、この混合ワクチンが使用されています。これらのワクチンを個別に接種することはできません。... さらに読む は、小児期の定期予防接種 小児期の予防接種スケジュール 米国では、ほとんどの医師は米国疾病予防管理センター(CDC—CDCのウェブサイトを参照)が推奨している予防接種スケジュールに基づいて予防接種を行っており、このスケジュールは病院の新生児室で行われるB型肝炎ワクチンの接種から始まります。(小児期の予防接種も参照のこと。) 親は子どもにスケジュールに従って予防接種を受けさせるよう努めるべきです。予防接種のタイミングがかなり遅れると、小児にワクチンで予防しえた深刻な病気にかかるリスクが生じます... さらに読む の1つで、生後12~15カ月の間に接種しますが、麻疹の流行時や外国旅行の前には、生後6カ月でも接種できます。米国では、2回目の接種を、4歳から6歳の間に行います(訳注:本邦では1回目を1歳~2歳までの間、2回目を5歳以上7歳未満で小学校就学前1年間に行います[2016年10月現在、https://www.niid.go.jp/niid/ja/schedule.html])。予防接種時に1歳未満であった小児は、1歳の誕生日以降に接種を2回受ける必要が依然としてあります。使用されるワクチンは、混合型ワクチンです。混合型ワクチンには、麻疹、ムンプス、風疹(MMR) に対するワクチンが含まれており、ときには水痘(水ぼうそう)ワクチンも含まれます。麻疹のみを対象とした別個のワクチンはもう使われていません。一部の小児では、ワクチン接種によって微熱と発疹が起こりますが、他者に感染することはありません。ワクチンが自閉症を引き起こすことはありません(MMRワクチンと自閉症 MMRワクチンと自閉症に関する懸念 米国ではワクチンの安全性を確保するための強固な制度が整備されているにもかかわらず、一部に依然として小児ワクチンや予防接種スケジュールの安全性について懸念を抱いている親がいます。そうした懸念から、子どもに推奨ワクチンの一部またはすべてを受けさせない親もいます。ワクチンで予防可能な病気は、ワクチンの接種を親が拒否した子どもには、接種を受けた小児と比べてはるかに高い頻度でみられます。具体的には、ワクチンの接種を受けていない小児は以下の病気にか... さらに読む を参照)。

麻疹に免疫がない小児や成人が、麻疹ウイルスに接触した場合でも、3日以内に予防接種を受ければ発症せずに済むことがあります。ワクチン接種を受けるべきではない人(妊婦、特定のがんまたは未治療の結核がある人、重篤な病気にかかっているか免疫機能が低下している人)に対しては、予防のため、ワクチンの代わりに免疫グロブリンが投与されます。

治療

  • ビタミンA

  • 解熱薬

麻疹に対する特別な治療法はありません。麻疹にかかっている小児にはビタミンAが投与されますが、これはビタミンA欠乏症がよくみられる国でビタミンAを投与したところ、麻疹による死亡者や重篤な患者の数が減少することが証明されたためです。

麻疹に感染した小児は、暖かくして、快適な状態を保ちます。

熱を下げるためにアセトアミノフェンやイブプロフェンを投与することがあります。

細菌感染症が起こった場合は抗菌薬を投与します。

プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP