眼外傷の概要

執筆者:Jurij R. Bilyk, MD, Thomas Jefferson University Hospital
Reviewed ByDiane M. Birnbaumer, MD, David Geffen School of Medicine at UCLA
レビュー/改訂 修正済み 2024年 10月
v1112284_ja
意見 同じトピックページ はこちら

眼損傷の一般的な原因には,事故による身体的損傷,身体的暴行,スポーツ損傷(エアガン,ペイントガン,ペレットガンによる受傷も含む),自動車事故(エアバッグ損傷も含む),毒性化学物質への曝露(例,一部の洗浄剤)などがある。アーク溶接や雪に反射した明るい日光などの強い紫外線に曝されると,角膜損傷を起こすことがある(点状表層角膜炎を参照)。損傷部位としては,眼球,周囲の軟部組織(筋肉,神経,腱など),および/または眼窩の骨などがありうる。

眼損傷の一般的な評価には以下の項目を含めるべきである:

  • 他の外傷性損傷の評価

  • 視力検査

  • 瞳孔の外観および反応

  • 眼球運動の範囲

  • 対面視野検査

  • 眼瞼および結膜の裂傷の位置および深さ

  • 異物の位置

  • 前房の深さ

  • 前房出血や硝子体出血もしくは白内障の存在,または赤色反射の消失

  • 網膜検査

  • 眼圧測定

  • 適応による画像検査

赤色反射は,網膜からの光の正常な反射である。これは,カメラで「赤目軽減」機能を選択しない限り,散瞳した患者や写真で最もよく観察される。強膜,前眼部(角膜,結膜,前房,毛様体,虹彩),水晶体,および前部硝子体の詳細な検査には,細隙灯を用いるのが最も適している(細隙灯顕微鏡検査を参照)。水晶体および後眼部の構造の一部を検査する方法として直像検眼鏡が用いられることもあるが,倒像検眼鏡を(通常は眼科医が)使用すれば双眼でこれらの構造をより詳細に観察できる。倒像眼底検査の適応には,硝子体の異常(例,出血,異物)や網膜の異常が臨床的に疑われる場合が含まれる;臨床的な疑いは,症状,受傷機転,赤色反射の欠如,または直像検眼鏡で観察可能な網膜の異常などに基づく。

直像および倒像眼底検査は散瞳下に行うのが最善であるため,散瞳下での眼科診察に禁忌(例,浅前房,アレルギー,眼球破裂)がなければ,妊婦の場合には注意を払いつつ,検査の約15~30分前に散瞳薬を点眼することができる。1%トロピカミドは,シクロペントラートなどの他の薬剤と比較して作用の発現が速く,作用の持続期間が比較的短いため,望ましい。点眼薬が処方される際の投与量はいずれも1滴のみである。

顔面の単純X線像では,眼窩または眼窩周囲の異物の全てを十分に検出することはできない。しかしながら,他の適応で単純X線を施行した場合に,異物,特に金属で構成される異物の存在が判明することがある。このようなケースでは,異物の存在を確認するためにCTまたはMRIを施行する。MRIまたはCTは,眼窩骨折を検出するために施行することもある。

しかしながら,金属異物が存在する可能性がある場合は,MRIを最初の画像検査法として用いるべきではない。MRIでは,磁場内で金属異物の動きが誘発されるために眼にさらなる損傷が生じる可能性がある。診断目的でMRIが必要な場合は,疑い症例において金属異物を決定的に除外するために,単純X線によるスクリーニングを行うべきである。

一般に単純X線は,金属異物の同定を除けば,眼および眼窩の病理の診断に役立つツールではない。眼窩および頭蓋底のCTは非常に診断に有用であり,容易に利用でき,骨の解剖学的構造の優れた画像が得られ,検査時間は60秒未満である。ゆえに,眼窩膿瘍などの緊急介入を必要とする急性の病態または外傷患者では,CTが第1選択の画像検査である。MRIではCTよりもはるかに詳細な眼窩尖部および頭蓋底の画像が得られ,特定の病理学的実体に対して特定のシーケンスを用いることができる。しかし,眼窩のMRIは実施に約45分かかり,緊急事態では容易に利用できないことがあり,患者が非協力的であるか閉所恐怖症の場合には著しい画像劣化が生じることがある。

眼の保護具,ゴーグル,またはラップアラウンド型ポリアミド製フレームにポリカーボネート製レンズを付けたような特殊メガネを用いることは,受傷リスクを大幅に低減する簡便な予防措置である。

網膜剥離も参照のこと。)

quizzes_lightbulb_red
Test your KnowledgeTake a Quiz!
iOS ANDROID
iOS ANDROID
iOS ANDROID