潜水時の予防措置および潜水障害の予防

執筆者:Richard E. Moon, MD, Duke University Medical Center
レビュー/改訂 2019年 7月
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潜水は,適切な訓練および教育を受けた健常者にとっては比較的安全なレジャー活動である。全国的なダイビング団体によるダイビング安全講座が広く普及している。

潜水障害の概要も参照のこと。)

安全対策

圧外傷の発生率は,各種空隙の積極的な平衡化を図る(フェイスマスクでは鼻からマスク内へ息を吐く,中耳では,あくびをかみ殺したり顎を動かす[yawning],嚥下,バルサルバ法を用いる)ことにより低減できる。ダイバーは,浮上中は息止めを避けて正常に呼吸すべきであり,浮上速度は,窒素を徐々に排出させ,空気で満たされた空間(例,肺,副鼻腔)を空にできる速度である,15~30cm/秒(0.5~1フィート/秒)を超えるべきではない。浮上時は,公開ガイドライン(例,US Navy Diving ManualDiagnosis and Treatment of Decompression Sickness and Arterial Gas Embolism内にある減圧表)の記載通りに減圧停止を行うべきである。現在の推奨事項には,さらなる圧平衡化を図る目的で水深3~4m(10~15フィート)地点での3~5分間の安全停止も含まれている。さらに,ダイバーは1回の減圧停止不要な潜水後12時間,または複数回の潜水後もしくは減圧停止を必要とする潜水後18~24時間は飛行すべきでない。

ダイバーは例えば以下のような特定の潜水状況を察知して,これを避けるべきである:

  • 視界の悪さ

  • 過剰な努力を要する潮流

  • 低温

  • 単独の潜水

  • レクリエーショナルドラッグまたは鎮静薬の使用および飲酒

低温は特に危険であり,その理由は,感受性の高い人において急激に低体温を来し,判断力および技用を低下させたり,致死的な不整脈を招く可能性があるためである。単独での潜水は推奨されない。

レクリエーショナルドラッグおよび鎮静薬,ならびにアルコールはいかに少量でも,水深の深い場所では予測不能なまたは思いもよらない影響を与えるため,絶対に避けるべきである。また,処方薬がレクリエーションダイビングに支障を来すことはまれであるが,治療されている疾患が潜水の禁忌であるならば,潜水を行うべきでない。

潜水の禁忌

潜水は激しい労作を伴うため,ダイバーには機能的に重大な心血管疾患または肺疾患があってはならず,さらに平均を上回る有酸素能力が必要とされる。意識,注意力,または判断力を損ないうる疾患があれば,一般に潜水は禁忌である。特定の疾患のために潜水が禁忌となるかどうかについて疑問が少しでもあれば,認定を受けた専門家に相談すべきである。具体的な潜水の禁忌については,潜水に対する医学的禁忌の具体例の表を参照のこと。

表&コラム

より詳細な情報

  1. Divers Alert Network: 24-hour emergency hotline, 919-684-9111

  2. Duke Dive Medicine: Physician-to-physician consultation, 919-684-8111

  3. US Navy Diving Manual

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