青年は,小児期に罹患する疾患と同様の疾患に対し感受性を有するものの,概して健康な集団である。青年期でも,推奨されるスケジュール( Professional.see table 7~18歳を対象とする推奨予防接種スケジュール 7~18歳を対象とする推奨予防接種スケジュール )に基づき,継続して予防接種を受けるべきである。
ざ瘡 尋常性ざ瘡 尋常性ざ瘡は,毛包脂腺系(毛包とそれに付属する皮脂腺)の閉塞および炎症の結果として,面皰,丘疹,膿疱,結節,嚢腫などが形成される病態である。ざ瘡は顔面および体幹上部に生じる。青年期に最も多くみられる。診断は診察による。治療には重症度に応じて,皮脂産生,面皰形成,炎症,および細菌増殖を抑制すると同時に角化を正常化させることを目的とした,多岐... さらに読む は非常によくみられるが,自尊心への影響のために処置が必要である。
外傷 外傷患者へのアプローチ 外傷は1~44歳の年齢層における死亡原因の第1位である。米国では2017年には外傷による死亡が243,039件あり,およそ70%が事故によるものであった。故意の外傷による死亡のうち,70%以上は自傷行為によるものであった。死亡以外でも,外傷により年間約4320万人が救急外来を受診し,280万人が入院している。... さらに読む も青年において生じる頻度が非常に高く,スポーツや自動車による負傷が最も多い。自動車事故,他の不慮の負傷,殺人,および 自殺 小児および青年における自殺行動 自殺行動には,自殺既遂,自殺企図(少なくともある程度の死亡企図を伴う),自殺演技などがあり,希死念慮とは自殺について考え計画することを指す。精神科への紹介が通常必要である。 (成人における 自殺行動も参照のこと。) 若年者の自殺率は,10年以上にわたる着実な増加の後に低下していたが,近年になって再び上昇に転じている。このような変動の正確な原因は不明である。多くの専門家は,抗うつ薬処方率の変動が1つの要因と考えている(... さらに読む が青年期の4大死因である。
青年期によくみられる疾患としては以下のものがある:
青年期女子によくみられる疾患としては以下のものがある:
青年期女子を診察する際には, 妊娠 避妊と青年期の妊娠 多くの青年が性行為を行っているが,避妊,妊娠およびC型肝炎やHIV感染症などの性感染症については十分な情報を与えられていない。衝動性,計画性の欠如,および薬物やアルコールを同時に摂取していることにより,青年がバリア法などによる避妊を行う可能性が低くなる。 成人の 避妊法のいずれも青年は使用できる。最も多い問題は,方法の原理を理解し,能動的に,正しく実施できるか否かである。である(例,経口避妊薬の毎日の服用を忘れる,または,しばしば別の避... さらに読む に留意しなければならない。
一般的ではないものの, 白血病 白血病の概要 白血病は,未成熟または異常な白血球の過剰産生が起きることで,最終的に正常な血球の産生が抑制され,血球減少に関連する症状が現れる悪性疾患である。 白血化は,自己複製能が少し制限された造血前駆細胞レベルで生じることもあるが,通常は多能性幹細胞の段階で発生する。異常な増殖,クローン性増殖,異常な分化,およびアポトーシス(プログラム細胞死)の低下... さらに読む , リンパ腫 リンパ腫の概要 リンパ腫は,網内系およびリンパ系から発生する不均一な一群の腫瘍である。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別される( ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の比較の表を参照)。 リンパ腫はかつて, 白血病とは全く異なる疾患と考えられていた。しかし現在では,細胞マーカーとそれらのマーカーを評価するツールについて理解が深まったことで,これら... さらに読む , 骨腫瘍 原発性悪性骨腫瘍 原発性骨腫瘍は転移性骨腫瘍よりはるかに頻度が低く,特に成人でその傾向がある。原発性骨腫瘍には, 多発性骨髄腫, 骨肉腫, アダマンチノーマ, 軟骨肉腫, 脊索腫, 骨のユーイング肉腫, 線維肉腫および未分化多形肉腫, 骨のリンパ腫, 悪性巨細胞腫などがある。( 骨と関節の腫瘍の概要および 白血病の概要も参照のこと。) 多発性骨髄腫は最も一般的な原発性悪性骨腫瘍であるが,造血系由来であるため,骨腫瘍というよりも骨内の骨髄細胞の腫瘍であると... さらに読む , 脳腫瘍 小児の脳腫瘍の概要 脳腫瘍は15歳未満の小児で最も多くみられる悪性固形腫瘍であり,がんによる小児期死亡の2番目の原因である。診断は典型的には,画像検査(通常MRI)と生検による。治療には外科的切除,化学療法,放射線療法が含まれる。 小児の中枢神経系腫瘍の原因はほとんどの場合不明であるが,2つの確立された危険因子として電離放射線(例,高線量全脳照射)と特定の遺伝性症候群(例, 神経線維腫症)がある。... さらに読む などの腫瘍性疾患もみられる。