小児における尿路感染症(UTI)

執筆者:Geoffrey A. Weinberg, MD, Golisano Children’s Hospital
Reviewed ByBrenda L. Tesini, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry
レビュー/改訂 2024年 2月 | 修正済み 2024年 10月
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小児における尿路感染症(UTI)は,カテーテル採尿による尿検体中で5 × 104コロニー/mL以上,または年長児では複数回の尿検体で105コロニー/mL以上の病原体を認める場合と定義される。幼児においては,UTIはしばしば先天性尿路異常に合併する。UTIは発熱,発育不良,側腹部痛,および敗血症徴候を引き起こすことがあり,これらは特に幼児でよくみられる。治療は抗菌薬による。異常が疑われる場合は,フォローアップとして尿路画像検査を行う。

尿路感染症(UTI)は腎臓,膀胱,またはその両方を侵す。

尿路の正常な無菌性を維持する機構として,尿の酸性度と自由な流れ,正常な排尿機構,正常に機能する尿管膀胱および尿道の括約筋,免疫学的および粘膜バリアなどがある。これらの機構の異常はUTIの素因となる。

(成人については,尿路感染症に関する序論を参照のこと。)

小児におけるUTIの病因

7歳までに,女児の8%と男児の2%がUTIを経験する(1)。UTIの好発年齢は二峰性であり,第1のピークは乳児期にあり,第2のピークは2歳から4歳までの間(多くの小児にとってトイレトレーニングの時期に当たる)である。

生後2カ月間での女児/男児比は1:1から1:4までと幅がみられる(この推定値の幅については,おそらく,包皮切除を受けていない男児の割合が研究対象集団間で異なることと,現在では出生前超音波検査により子宮内で診断されるのが一般的となった尿路形成異常を有する乳児が除外されていることが理由と考えられる)。女児/男児比は年齢とともに急速に上昇し,生後2カ月から1歳になるまでの期間はおよそ2:1まで,1歳から2歳になるまでの期間は4:1,4歳以降では5:1以上となる。

女児では通常,感染は上行性に発生し,比較的頻度は低いが菌血症を来す。乳児期以降に女児の頻度が顕著に高くなることには,女児の尿道が短いことと,男児が受ける包皮切除術の両方が寄与している。

比較的年少の小児における素因としては,以下のものがある:

  • 先天性腎尿路異常(CAKUT)

  • 女児または包皮切除を受けていない男児

  • 腸管または膀胱機能障害

  • 高グレードの膀胱尿管逆流

比較的年長の小児における素因としては以下のものがある:

  • 糖尿病

  • 外傷

  • 女児では,性交

尿路の先天異常またはその他の異常

小児の尿路感染症は潜在的な尿路の先天異常またはその他の異常(例,閉塞,神経因性膀胱重複尿管)のマーカーであり,それらの異常は膀胱尿管逆流症(VUR)が存在すると,特に感染症の反復につながりやすくなる。UTIを有する生後12~36カ月の乳幼児および小児の約20~30%にVURがみられる。UTIの初発年齢が低ければ低いほど,VURを有する可能性が高くなる。VURはグレードで分類される(膀胱尿管逆流のグレード*の表を参照)。

再発性UTIは明らかにVUR(特に高度のVUR)と関連している。この関連は2つの因子による可能性が高い―すなわち,VURが感染症の素因となり,繰り返す感染症がVURを悪化させることがある。再発性UTIの小児においてそれぞれの因子がどの程度寄与しているのかは不明である。重度の逆流がある小児ほど,高血圧および腎不全(反復感染と慢性腎盂腎炎による)のリスクが高い可能性があるが,確実なエビデンスはない(VURの治療を参照)。

表&コラム

起因菌

解剖学的異常のある尿路では,多くの微生物が尿路感染症を引き起こす。

比較的正常に近い尿路で,最も頻度が高い病原体は以下のものである:

  • 膀胱および尿管の移行上皮に対する特異的な接着因子を発現する大腸菌(Escherichia coli)株

全年齢層の小児において,UTIの85~90%以上が大腸菌(E. coli)によるものである(2)。

残りの起因菌は,その他のグラム陰性腸内細菌であり,特にKlebsiella属,Proteus mirabilis,および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が多くを占めている。グラム陽性菌としては,腸球菌コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(例,腐性ブドウ球菌[Staphylococcus saprophyticus])の頻度が最も高い。CAKUTを有する小児の感染症では,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)や緑膿菌( P. aeruginosa)などの微生物が起因菌であることが多い。

真菌および抗酸菌はUTIのまれな原因であり,易感染性宿主でみられる。

アデノウイルスもまれにUTIの原因となることがあり,そのほとんどは出血性膀胱炎で,易感染性宿主にみられる。

病因論に関する参考文献

  1. 1.Hellström A, Hanson E, Hansson S, et al: Association between urinary symptoms at 7 years old and previous urinary tract infection.Arch Dis Child 66(2):232-234, 1991.doi: 10.1136/adc.66.2.232

  2. 2.Tullus K, Shaikh N: Urinary tract infections in children.Lancet 395(10237):1659-1668, 2020.doi: 10.1016/S0140-6736(20)30676-0

小児におけるUTIの症状と徴候

新生児では,UTIの症状と徴候は非特異的であり,哺乳不良,下痢,発育不良,嘔吐,軽度の黄疸(通常は直接ビリルビンの上昇),嗜眠,発熱,低体温症などがみられる。新生児敗血症を来すこともある。

UTIの2歳未満の乳幼児でもまた,発熱や消化管症状(例,嘔吐,下痢,腹痛),悪臭尿など,感染部位を想定しづらい徴候のみとなることがある。局所的な徴候のない発熱のある乳児の約4~10%がUTIである。

2歳以上の小児では,より典型的な膀胱炎または腎盂腎炎の病像を呈するようになる。膀胱炎の症状としては,排尿困難,頻尿,血尿,尿閉,恥骨上部痛,尿意切迫,そう痒,尿失禁,悪臭尿,遺尿症などがある。腎盂腎炎の症状としては,高熱,悪寒,肋骨脊柱角の疼痛および圧痛などがある。

先天性尿路異常の合併を示唆する身体所見としては,腹部腫瘤,腎腫大,尿道口異常,下部脊椎形成異常の徴候などがある。尿勢低下が閉塞または神経因性膀胱への唯一の手がかりとなる場合もある。

小児におけるUTIの診断

  • 尿検査および尿培養

  • しばしば尿路画像検査

尿検査

UTIを確実に診断するためには,尿検査で膿尿を認め,抗菌薬投与前に正しい方法で採取された尿の細菌培養が陽性になる必要がある(1)。尿検査で膿尿を認め,尿培養は結果待ちの状態でも,UTIの診断が下されることがある。多くの臨床医は,乳幼児では尿道カテーテル法で採尿を行っており,恥骨上膀胱穿刺は中等度から重度の包茎がある男児のみに用いている。どちらの手技も専門的な技術を必要とするが,カテーテル法は恥骨上穿刺と比べて侵襲が少なく,安全性も若干高く,また95%の感度と99%の特異度を有する。採尿バッグによる検体は信頼性が低いため,診断に用いるべきではない。

尿培養の結果は,コロニーの数に基づいて解釈する。カテーテル法で採尿した場合は,一般的には1 × 104コロニー/mL以上でUTIと診断できる(女児における膀胱へのカテーテル挿入および男児における膀胱へのカテーテル挿入も参照)。恥骨上膀胱穿刺で採尿した場合は,1 × 103コロニー/mLでUTIと診断できる(小児における恥骨上膀胱穿刺も参照)。清潔に採取された中間尿検体では,単一の病原体のコロニー数(すなわち,「混合細菌叢」の総数ではない)が1 × 105/mL以上の場合に有意とされる。しかしながら,症状のある小児では,ときに尿培養でのコロニー数がこれより少ないにもかかわらず,UTIが存在する場合がある。

尿検体は可能な限り速やかに尿検査および培養に出すか,10分以上の遅れが予想される場合は,4℃で保存するべきである。ときに,コロニー数が上記の指針より少ないにもかかわらず,UTIが存在することがあるが,これはおそらく,事前に投与された抗菌薬や,非常に薄い尿(比重1.003未満),菌を含む尿の流れが遮られることなどが理由として考えられる。培養で無菌と判定されれば,採尿前に抗菌薬が投与されていた場合と抗菌作用のある皮膚消毒剤が尿検体に混入していた場合を除き,一般にUTIは除外される。

尿の鏡検は非常に有用であるが,決定的ではない。膿尿(遠心尿沈渣で白血球数 > 5/強拡大視野と定義)はUTIに対して感度96%,特異度91%である。現在では多くの検査室が自動機器を使用して,非遠心尿を用いて強拡大視野当たりの白血球数で膿尿を報告しており,その値は遠心分離した尿の鏡検に基づく計数結果と近似するようである。非遠心尿で白血球数(血球計算盤を使用)> 10/μL(0.01 × 109/L)という基準は,感度は高い(90%)ものの,多くの検査室が採用しているわけではない。新鮮尿の沈渣または遠心前の状態での細菌の存在は,感度80~90%であるが,特異度は66%に過ぎない;尿のグラム染色による細菌の同定は,感度も特異度も約80%である。

試験紙法による尿検査は,典型的にはグラム陰性細菌を検出するもの(亜硝酸塩試験)と白血球を検出するもの(白血球エステラーゼ試験)が併せて行われており,両方が陽性となった場合のUTIに対する診断感度は約93~97%,特異度は約72~93%である。いずれか1つの試験だけでは感度が下がり,特に亜硝酸塩試験は感度約50%と低いが,これは細菌が代謝によって亜硝酸塩を産生するのに数時間かかるのに対し,小児は頻繁に排尿するので亜硝酸塩が排泄されてしまう場合があるためである。亜硝酸塩試験の特異度はかなり高く(約98%),新鮮尿検体での陽性はUTIを強く示唆する。白血球エステラーゼ試験の感度は83~96%,特異度は78~90%である。

発熱のある乳児を対象とした最近の多施設共同解析では,尿検査で膿尿,白血球エステラーゼ陽性,または亜硝酸塩の存在を認めた場合,UTIに対する感度は94%,特異度は91%であった;研究対象集団では,陽性適中率は43%,陰性適中率は100%であった(2)。

上部UTIを下部UTIと鑑別することは困難な場合がある。高熱,肋骨脊柱角の圧痛,および尿円柱を伴う肉眼的膿尿は腎盂腎炎を示唆する;C反応性タンパク(CRP)またはプロカルシトニン高値も腎盂腎炎と関連する傾向がある。しかしながら,これらの症候が認められない小児が上部UTIであることも多い。上部UTIを下部UTIと鑑別するための検査は,その結果により治療方針が変わるわけではないため,多くの臨床状況において必要ではない。

血液検査

境界域の尿所見がみられる患者で感染を診断する上では,血算と炎症を検出する検査(例,赤血球沈降速度,C反応性タンパク[CRP])が役立つことがある。

一部の専門家は,初発のUTI患者で血中尿素窒素およびクレアチニンの血清中濃度を測定している。

UTIの乳児と重症感(toxic appearance)を呈する1~2歳以上の小児には血液培養が適切である。

尿路画像検査

重大な腎尿路形成異常の多くは,現在ではルーチンの出生前超音波検査により子宮内で診断されているが,結果が正常であっても解剖学的異常がある可能性を完全に排除できるわけではない。そのため,3歳未満の小児には,有熱性UTIの初発後に腎臓および膀胱の超音波検査が行われるのが一般的である(3)。患児が7歳まで,あるいはさらに年長児であっても,このような画像検査を行う医師もある。

腎臓および膀胱の超音波検査は,有熱性UTIの小児で閉塞,水腎症,およびCAKUTを除外するのに役立ち,乳児では一般にUTIが診断されてから1週間以内に行われる。乳児が抗菌薬にすぐに反応しない場合,または極めて重症の場合,48時間に超音波検査が行われる。乳児期以降であれば,超音波検査はUTIの診断から数週間以内に行えばよい。

排尿時膀胱尿道造影(VCUG)および膀胱シンチグラフィー(RNC)は,VURや解剖学的異常を同定する上で超音波検査より優れており,以前は初回UTI後に大半の小児に行われていた。しかしながら,VCUGとRNCはいずれも放射線を利用し,超音波検査に比べて不快感が強い。また,慢性腎臓病においてVURの果たす役割は評価し直されており,VURを緊急で診断する必要性は低くなっている。そのため,初回UTI後の小児にVCUGがルーチンに推奨されることはもはやなく,特に超音波検査の結果が正常で小児が抗菌薬に迅速に反応している場合は不要であることが多い。VCUGは通常,以下に該当する小児にのみ施行される:

  • 超音波検査で異常がある(例,瘢痕,顕著な水腎症,CAKUT,閉塞性尿路疾患の所見またはVURを示唆する所見)

  • 複雑性UTI(すなわち,持続する発熱,大腸菌[E. coli]以外の病原体)

  • 再発性の有熱性UTI

VCUGを行う場合は,臨床的な反応を認めてから都合のつく最も早い時期(典型的には治療終了近くで膀胱過敏性が消失して尿が無菌に戻った時点)に施行する。治療完了が見込まれる時期までに画像検査が計画されない場合は,VURが除外されるまで抗菌薬を予防量で継続すべきである。

現在では主に腎瘢痕化の同定を目的として,核医学検査が用いられている。テクネチウム99m標識ジメルカプトコハク酸(DMSA)を使用することで,腎実質の画像が得られる。DMSAシンチグラフィーは,ルーチンには行わないが,超音波検査での異常所見や高熱,大腸菌(E. coli)以外の病原体などの危険因子があるか,有熱性UTIを繰り返している場合に施行してもよい(1,3)。

診断に関する参考文献

  1. 1.Tullus K, Shaikh N: Urinary tract infections in children.Lancet 395(10237):1659-1668, 2020.doi: 10.1016/S0140-6736(20)30676-0

  2. 2.Tzimenatos L, Mahajan P, Dayan PS, et al: Accuracy of the urinalysis for urinary tract infections in febrile infants 60 days and younger.Pediatrics 141(2):e20173068, 2018.doi: 10.1542/peds.2017-3068

  3. 3.Mattoo YK, Shaikh N, Nelson CP: Contemporary management of urinary tract infection in children.Pediatrics 147:e2020012138, 2021.doi: 10.1542/peds.2020-012138

小児におけるUTIの治療

  • 抗菌薬

  • 重度VURの場合,ときに抗菌薬の予防投与と外科的修復

UTIの治療では,急性感染症の排除,尿路敗血症の予防,および腎実質機能の温存を目的とする。抗菌薬は,重症感(toxic appearance)を呈する小児全例と,重症感はないがUTIが疑われる(白血球エステラーゼ,亜硝酸塩,または膿尿を認める)小児に開始される。それ以外の小児では,尿培養の結果を待つことができ,尿培養はUTIを診断する上でも抗菌薬の感受性を調べる上でも重要である(1)。

生後2カ月以上の乳児で重症感または脱水症状を呈しているか経口摂取の維持が困難な場合は,注射剤の抗菌薬,通常は第3世代セファロスポリン系薬剤(例,セフトリアキソン)を使用する。局所の典型的病原菌が感受性と判明している場合には,第1世代のセファロスポリン系薬剤(例,セファゾリン)を使用してもよい。アミノグリコシド系薬剤(例,ゲンタマイシン)は,腎毒性の可能性があるが,複雑性UTI(例,先天性尿路異常,カテーテル留置,再発性UTI)においてPseudomonas属など耐性の可能性があるグラム陰性桿菌を治療する上で有用となる可能性がある。

血液培養陰性で臨床効果が良好であれば,抗菌薬感受性試験の結果に基づき選択した適切な経口抗菌薬(例,セフィキシム,セファレキシン,スルファメトキサゾール/トリメトプリム[SMX-TMP,コトリモキサゾール],アモキシシリン/クラブラン酸,または多剤耐性大腸菌[E. coli],緑膿菌[P. aeruginosa],その他のグラム陰性細菌による複雑性UTIの1歳以上の小児など一部の患者にはフルオロキノロン系薬剤)で7~10日間の投与を行う。臨床的な改善が不良な場合(例,発熱が72時間以上続いている)は,耐性菌または閉塞性病変が示唆され,超音波検査や再度の尿培養による緊急の評価が必要となる。

重症感も脱水症状もなく,経口摂取の維持が可能な乳児および小児には,最初から経口抗菌薬を投与してもよい。選択すべき薬剤は,SMX-TMP,セファロスポリン系薬剤(例,セフィキシム,セファレキシン),またはアモキシシリン/クラブラン酸である。その後,培養および抗菌薬感受性試験の結果に基づき治療法を変更する。治療は通常,7~10日間継続されるが,より短期間の治療が現在検証されている。腎盂腎炎があると考えられ,臨床的な改善が速やかに場合は,最長14日間にわたり投与することができる。臨床的に明らかな効果がみられない場合を除き,ルーチンに尿検査または尿培養を繰り返す必要はない。

膀胱尿管逆流症

抗菌薬の予防投与は,UTIの再発を減らし,腎障害を予防するため,VURの小児では有熱性UTIの初発後または2回目の発症後にこれを行うべきであると長きにわたり考えられてきた。しかしながら,この結論は長期的なプラセボ対照比較試験に基づいたものではなかった(この点が重要であるのは,多くのVURが,小児の成長につれて悪化することが指摘されていたためである)。膀胱尿管逆流症の小児を対象とした大規模ランダム化比較試験であるRIVUR(Randomized Intervention for Children with Vesicoureteral Reflux)試験(2)では,SMX-TMPを予防投与した群において対照群と比べてUTIの再発が50%減少したが(約25%から13%),2年時点での腎瘢痕の発生率には差がみられなかった(両群とも8%)。また,RIVUR試験において抗菌薬の予防投与を受けていながらUTIを発症した小児では,耐性菌に感染する可能性がより高かったが,この可能性は時間の経過とともに減少した。さらなる研究により,いずれ抗菌薬の予防投与にはある程度の腎保護作用があるものの,抗菌薬耐性菌への感染リスクが高まることが証明される可能性がある。そのため,最適な戦略はまだ不明な部分がある。予防投与は,VURと腸管・膀胱の機能障害がある小児に最も有益になると考えられ,瘢痕化のリスクが非常に高い小児(例,有熱性UTIを繰り返している小児)にも有益となるかもしれない。

グレードIVまたはVのVURがある小児には,開腹下の修復術かポリマー膨張剤による内視鏡下注入療法が通常推奨され,修復が完了するまでは抗菌薬の予防投与が併用されることが多い。より軽度のVURについては,さらなる研究が必要である。1回や2回のUTIで腎合併症が起こる可能性は低いため,さらなる研究結果が出るまでの次善戦略として,UTIの小児を頻回にモニタリングし,UTIが発症したときに治療し,繰り返し感染を起こす小児(特に再発性の有熱性UTI,より重度のVUR,または腸管もしくは膀胱機能障害がある患児)では抗菌薬の予防投与を再び考慮してもよい。

予防投与が希望される場合に頻用される薬剤としては,ニトロフラントインまたはSMX-TMPの1日1回投与(3)などがあり,通常は就寝時に投与する。

治療に関する参考文献

  1. 1.Mattoo YK, Shaikh N, Nelson CP: Contemporary management of urinary tract infection in children.Pediatrics 147:e2020012138, 2021.doi: 10.1542/peds.2020-012138

  2. 2.The RIVUR Trial Investigators: Antimicrobial prophylaxis for children with vesicoureteral reflux.NEJM 370:2367–2376, 2014.doi: 10.1056/NEJMoa1401811

  3. 3.Nelson CP, Hoberman A, Shaikh N, et al: Antimicrobial resistance and urinary tract infection recurrence.Pediatrics 137(4):e20152490, 2016.doi: 10.1542/peds.2015-2490

小児におけるUTIの予後

是正不能な尿路異常がない限り,適切に管理された小児が腎不全まで進行することはまれである。しかしながら,感染を繰り返すと,特にVURが存在する場合,高血圧および末期腎不全につながると考えられる(証明はされていない)腎瘢痕化を来すことがある。高グレードVURのある患児では,長期的に腎瘢痕化を来す頻度が低グレードVURのある患児より4~6倍高く,VURのない小児と比べると8~10倍高くなる。再発性UTI(2回以上の発熱を伴う)後の瘢痕化のリスクは25%にものぼり,これは有熱性UTIが1回のみの小児と比べて10~15倍であるが,発熱を伴う再発性UTIがみられる小児はほとんどいない。

要点

  • 小児の尿路感染症(UTI)には,先天性腎尿路異常(CAKUT),閉塞,神経因性膀胱,および重複尿管が関連していることが多い。

  • UTIの好発年齢は二峰性であり,第1のピークは乳児期にあり,第2のピークは通常,多くの小児にとってのトイレトレーニングの時期にある。

  • 大腸菌(E. coli)は,小児の全年齢層で最も頻度の高いUTIの原因である;その他の原因は,通常グラム陰性腸内細菌(例,Klebsiella属,P. mirabilis,緑膿菌[P. aeruginosa])と,しばしば関与するグラム陽性菌の腸球菌およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(例,S. saprophyticus)である。

  • 非特異的な症状と徴候(例,哺乳不良や食欲不振,下痢,発育不良,嘔吐)がある新生児および2歳未満の小児はUTIの可能性がある;2歳以上の小児は通常,膀胱炎または腎盂腎炎の症状と徴候を呈する。

  • 抗菌薬は,重症感(toxic appearance)を呈する小児全例と,重症感はないが白血球エステラーゼ,亜硝酸塩,または膿尿を認める小児に開始される。

  • 高度の膀胱尿管逆流症(VUR)を有する小児には,外科的修復が終わるまで抗菌薬の予防投与が行われる;より軽度のVURに対する抗菌薬の予防投与のベネフィットは不明であり,個々の小児に対して再発性UTIの綿密なモニタリングを行うことが次善の管理戦略であろう。

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