いくつかの消化管疾患は新生児や乳児に生じる可能性があり,具体的には以下のものがある:
新生児には,このほかに鼠径ヘルニアや胃穿孔,回腸穿孔,腸間膜動脈閉塞症など,外科的救急疾患となりうる病態もよくみられる。
小児では感染性胃腸炎が最も頻度の高い消化管疾患である。世界で毎年約30億から50億の症例が発生しており,医療サービスの提供が十分でない国々で最も頻度が高く,大半が5歳未満の小児である。2016年には,下痢が死因の第8位となり,160万人以上が死亡した。それらの死亡の27%以上が5歳未満の小児で発生した(1)。
米国では,感染性胃腸炎は毎年3億5000万例が発生し,100~300人が死亡している。
先進国では約2%の小児において,いずれかの時点で急性胃腸炎と脱水のために入院が必要となる。米国では,急性胃腸炎の入院件数は200,000件,外来受診件数は150万件と推定されており,それらによる費用は20億ドルを超えている。ウイルス性で最も頻度の高かったロタウイルス胃腸炎の発生率は,ロタウイルスワクチンの定期接種により58~90%減少した。現在の米国では,ノロウイルスが小児における急性胃腸炎の第一の原因となっている(2)。
(小児における脱水および輸液療法も参照のこと。)
総論の参考文献
1.GBD 2016 Causes of Death Collaborators: Global, regional, and national age-sex specific mortality for 264 causes of death, 1980-2016: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016.Lancet 390(10100):1151-1210, 2017.doi: 10.1016/S0140-6736(17)32152-9
2.Sun ZW, Fu Y, Lu HL, et al: Association of Rotavirus Vaccines With Reduction in Rotavirus Gastroenteritis in Children Younger Than 5 Years: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trials and Observational Studies.JAMA Pediatr 175(7):e210347, 2021.doi: 10.1001/jamapediatrics.2021.0347



