STDとしての腸管感染症

執筆者:Sheldon R. Morris, MD, MPH, University of California San Diego
レビュー/改訂 2020年 12月
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    様々な病原体―細菌(細菌性赤痢カンピロバクター感染症,またはサルモネラ感染症),ウイルス(A型,B型,C型肝炎ウイルス),および寄生虫(ジアルジア症またはアメーバ症)―が性行為,特に糞口汚染が生じうる行為を介して伝播する。リスクの高い順に具体的な行為を示す:

    • 口腔直腸間の性交

    • 肛門性器間の性交

    • 口腔性器間の性交

    • 性器間の性交

    上述した細菌および寄生虫の一部は直腸炎を引き起こすことがあるが,通常はより口側の腸管感染症を引き起こす;症状としては,下痢,発熱,腹部膨満,悪心,腹痛などがある。特に複数のセックスパートナーをもつ人々,および直接的または間接的な口腔-直腸接触へつながる性交渉に携わる人々では,重複感染の頻度が高い。

    これらの病原体のほとんどは,無症候性感染を引き起こしうる; Entamoeba dispar(以前は非病原性赤痢アメーバ[Entamoeba histolytica]と呼ばれていた)では無症候性の感染症が一般的で,通常は男性同性愛者に発生する。

    性感染症の概要も参照のこと。)

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