環軸関節亜脱臼

(C1-C2亜脱臼)

執筆者:Peter J. Moley, MD, Hospital for Special Surgery
レビュー/改訂 2020年 11月
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環軸関節亜脱臼は第1頸椎と第2頸椎のアライメント異常であり,頸部を屈曲するだけで起こることがある。

頸部痛および背部痛の評価ならびに頭蓋頸椎移行部異常も参照のこと。)

環軸関節亜脱臼は,重度外傷に起因して,または関節リウマチ若年性特発性関節炎,もしくは強直性脊椎炎の患者において外傷なしに起こることがある。本症は非常にまれである。

環軸関節亜脱臼は通常無症状であるが,漠然とした頸部痛,後頭部痛,またはときに間欠的な(かつ致死的となりうる)頸髄圧迫を引き起こすことがある。

環軸関節亜脱臼の診断

  • 単純X線

  • 靱帯の完全性を評価するためのMRI

環軸関節亜脱臼は通常は頸部の単純X線検査で診断されるが,間欠性の亜脱臼を示すために屈曲位の画像が必要になることがある。患者が耐えられる限り頸部を屈曲した時の画像は,頸椎全体の動的不安定性を示す。X線像が異常な場合または正常であるが亜脱臼が依然として疑われる場合は,より感度が高いMRIを行うべきである。MRIではさらに最も感度の高い脊髄圧迫の評価が得られ,脊髄圧迫が疑われる場合は直ちに行う。

環軸関節亜脱臼の治療

  • 対症療法

  • 頸部の固定

  • 手術

環軸関節亜脱臼の治療の適応としては,痛み,神経脱落症状,および潜在的な脊椎不安定性などがある。治療には,対症療法および頸部の固定などがあり,通常は硬性の頸椎カラーから始める。治療の緊急性は一般に,症状に基づくか,感受性の高い患者ではMRIにおける脊髄の異常の有無に基づく。症状が増加する症例または急性外傷性損傷では,脊椎の安定化のために手術が必要になる場合がある。

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