特発性肺ヘモジデローシス

執筆者:Joyce Lee, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 4月
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特発性肺ヘモジデローシスは,基礎疾患を同定できない再発性のびまん性肺胞出血を引き起こすまれな病気である;主に10歳未満の小児に起こる。特発性肺ヘモジデローシスの患者では,繰り返す肺胞出血により結果として肺ヘモジデローシスおよび肺線維症が引き起こされることがある。

この疾患は,肺胞毛細血管内皮の障害(可能性として,自己免疫性の損傷による)に起因すると考えられている。患者の多くはセリアック病を有する。

症状と徴候

小児における特発性肺ヘモジデローシスの症状および徴候には,再発性の呼吸困難のエピソードおよび咳嗽などがあり,特に初期には乾性咳嗽がみられる。その後,喀血が起こる。特発性肺ヘモジデローシスの小児は発育不良および鉄欠乏性貧血のみを呈することがある。成人における最も一般的な症状は,肺出血および鉄欠乏性貧血による労作時呼吸困難および疲労である。

診断

  • 気管支肺胞洗浄

特発性肺ヘモジデローシスの診断は,特徴的な臨床所見の組合せ,鉄欠乏性貧血,および気管支肺胞洗浄(BAL)液または肺生検の検体におけるヘモジデリン貪食マクロファージを証明することに加え,小血管の血管炎(肺毛細血管炎)など,病態を説明できる他の疾患の存在する証拠が認められないことが必要である;他の所見によって結論が出なければ,肺生検で診断を確定する。

治療

  • コルチコステロイド

コルチコステロイドは,急性の肺胞出血の発生率とそれによる死亡率を減少させ,肺線維症の進行を抑制する可能性がある。一部の患者では免疫抑制薬を追加する必要がある。

セリアック病の患者では,グルテン除去食が必要である。

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