禁煙のための薬剤

薬剤

用法・用量

投与期間

有害作用

備考

ブプロピオン徐放錠*

毎朝150mgを3日間(禁煙開始の1~2週間前から),続いて150mgを1日2回;1日2回のレジメンに耐えられない場合は,用量を1日1回150mgで維持することもできる

最初は7~12週間(最長6カ月間まで可)

不眠症

口腔乾燥

精神神経症状

処方薬のみ

痙攣発作もしくは摂食症の既往または過去2週間以内のモノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)の使用歴がある場合は禁忌

ニコチンガム

起床から喫煙までの時間が30分以上の場合:2mg

起床から喫煙までの時間が30分未満の場合:4mg

両用量での投与スケジュール:

1~6週目は1~2時間毎

7~9週目は2~4時間毎

10~12週目は4~8時間毎

最長6カ月間

口腔痛

ディスペプシア

OTC医薬品のみ

血中濃度を最大限に高め,かつ胃および食道への刺激を最小限に抑えるため,ガムをゆっくり噛み頬と歯肉の間に留めることが推奨される;離脱症状に十分対処できるだけの十分量のガムを使用できるかが課題となりうる;様々なフレーバーが入手可能である

ニコチントローチ

起床から喫煙までの時間が30分以上の場合:2mg

起床から喫煙までの時間が30分未満の場合:4mg

両用量での投与スケジュール:

1~6週目は1~2時間毎

7~9週目は2~4時間毎

10~12週目は4~8時間毎

最長6カ月間

悪心

不眠症

口内炎

OTC医薬品のみ;様々なフレーバーおよびミニサイズが入手可能;頻回の投与が必要なため,アドヒアランスが低下しうる

ニコチン吸入器

最初の6~12週間は1日当たり6~16カートリッジ,その後の6~12週間で漸減

3~6カ月間

口腔および咽喉の局所刺激感

処方薬のみ

ニコチン鼻腔スプレー

1日8~40回

(1回量 = 各鼻孔に1回噴霧)

14週間

鼻腔および咽頭の刺激感

処方薬のみ

他のニコチン代替製品よりも早く(10分)血中ピーク濃度に到達する

ニコチンパッチ

21mg/日で6週間,続いて14mg/日で2週間,続いて7mg/日で2週間

喫煙本数が1日10本以上の場合:開始量21mg

喫煙本数が1日10本未満の場合:開始量14mg

10週間

局所の皮膚反応

不眠症

鮮明な夢

OTC医薬品および処方薬

パッチの貼付部位を変えることで,局所の皮膚反応が起こりにくくなる可能性がある;鮮明な夢に悩まされる場合,夜間には取り外してもよい

バレニクリン*

0.5mg,経口,1日1回で3日間,続いて0.5mg,1日2回で4日間,その後は1mg,1日2回

12~24週間†

最も多いのは悪心および睡眠障害

精神神経症状

処方薬のみ

*精神神経症状が市販後に報告されているが,臨床試験データからは因果関係が確認されていない。米国食品医薬品局の黒枠警告は削除されている。

†バレニクリンを12週間投与した後に禁煙した患者では,治療期間を長くするほど長期間禁煙できる可能性が高まる可能性がある。

関連するトピック