妊娠中の2型糖尿病*の管理

時期

方法

受胎前

高血糖をコントロールする。

受胎時のHb A1c値が6.5%以下であれば,リスクは最も低い。†

BMI > 27kg/m2であれば,減量を奨励する。

食事では脂肪を少なく,複合炭水化物を相対的に多く,食物繊維を多く摂取する。

運動を奨励する。

出生前

過体重の女性では,約6.8~11.3kg超(15~25lb),または肥満である場合には約5~9.1kg 超(> 11~20lb)の体重増加を避けるため,食事とカロリー摂取を個別化しモニタリングする。

食後の適度なウォーキングを推奨する。

血糖値の自己モニタリングを指導し,実施させるべきである。

可能であれば朝食2時間後の血糖値を週1回の受診時にチェックする。

トリメスター毎にHb A1c値をチェックすべきである。

32週から分娩まで(適応があればさらに早期から)以下による出生前検査を行うべきである:

  • ノンストレステスト(毎週)

  • バイオフィジカルプロファイル(毎週)

  • 胎動数カウント(毎日)

インスリンの量および種類を個別に調整する。肥満女性には,毎食前に速効型インスリンを投与する。 非肥満女性には,午前に全投与量の3分の2(60%NPH,40%レギュラー)を投与する;午後には全投与量の3分の1(50%NPH,50%レギュラー)を投与する。または,持効型インスリンを1日1回または2回およびインスリンアスパルトを朝食,昼食,夕食直前に使用することができる。

陣痛および分娩中

管理は1型の場合と同じである(妊娠中の1型糖尿病の管理の表を参照)。

*ガイドラインは推奨のみ;著しい個人差があれば適切な調整が必要である。

†正常値は使用する検査室の手法により異なる場合がある。

BMI = body mass index;Hb A1c = 糖化ヘモグロビン;NPH = neutral protamine Hagedorn。

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