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人生のこの青年期という段階においては,心理社会的障害の発生頻度が高いということを臨床医は認識しなければならない。精神疾患のスクリーニングは青年の健康管理におけるルーチンの検査と考えられる。うつ病が多くみられ,積極的にスクリーニングを行うべきである。希死念慮もよくみられ,米国では18.8%もの青年がこれまでに自殺を考えたと報告している(1)。米国での2018年の自殺の発生割合は100,000分の10未満である(1)。不安は頻繁に青年期に発現し,気分症および破壊的行動症(例,反抗挑発症,素行症)も同様である。COVID-19のパンデミックとそれに対する世界的な対応(家庭および学校のスケジュールの混乱など)により,青年におけるうつ病および不安の発生率が上昇している。思考障害(精神症)の個人は,青年期にしばしば「精神症的変化(psychotic break)」を呈する。摂食症は特に女子においてよくみられる。患者によっては,驚くべき努力を払い摂食症の症状を隠していることがある。
青年との間に率直な信頼関係を築いている臨床医であれば,しばしばこれらの問題を同定し,治療関係を構築し,実際的な助言を提供することができ,必要な場合には,より専門性の高い治療を受けるよう患者を説得することも可能となる。
総論の参考文献
1.Underwood JM, Brener N, Thornton J, et al: Youth Risk Behavior Surveillance—United States, 2019.MMWR Suppl 69(1):1–83, 2020.doi: 10.15585/mmwr.su6901a1
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