青年における精神衛生

執筆者:Sarah M. Bagley, MD, MSc, Boston University Chobanian & Avedisian School of Medicine
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 修正済み 2024年 11月
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青年では精神疾患がよくみられる。それらの疾患のスクリーニングは,青年に対する日常診療の一部とみなされている。

抑うつ不安がよくみられるため,ルーチンにスクリーニングを行うべきである。多くの青年が悲しみや心配の感情を抱くことがある。これらの感情は正常な反応であり,医師はそれらの感情に適切に対処していくことの重要性について,青年とその家族に安心感を与えることができる。

不安や抑うつの感情が広範囲に及び,生活に支障を来している場合(例,学校,対人関係,家庭),不安症または抑うつ症と診断できる場合がある。評価と診断の後,医師は行動療法,薬物療法,またはその両方を提案してもよい。COVID-19のパンデミックとそれに対する世界的な対応(家庭および学校のスケジュールの混乱など)について,青年における抑うつおよび不安の発生率上昇との関連が報告されている。

この患者集団では希死念慮もよくみられ,米国では自殺が14~18歳の死因の第3位となっている(1)。自殺リスクを軽減するために医師が講じることのできる措置として,精神疾患に対する適切なスクリーニング,危険因子の認識,社会資源へのアクセスの促進などがある(2)。

気分症と破壊的行動症(例,反抗挑発症素行症)は,しばしば青年期に発症する。これらの疾患は,典型的には小児に対する精神療法と親に対する忠告および支援で治療される。バイアスのために,破壊的行動症の過剰診断がよくみられる(3)。

摂食症は特に女子においてよくみられる。摂食症は,精神医療専門家を含む専門チームによって管理するのが最善である。

注意欠如多動症(ADHD)は小児期で最も頻度の高い精神疾患であり,しばしば青年期および成人期まで持続する。ADHDと診断されたが未治療または十分な治療を受けていない小児は,ADHDではない小児と比較して,長期的な機能的予後が不良であることが研究によって示されている(4)。行動療法および薬物療法により転帰が改善しうる。

抑うつや不安,学習障害などの他の病態は,最初の症状として不注意を示し,ADHDに類似していることがあるため,医師はADHDの診断を慎重に行った上で,治療を開始するよう注意する。精神刺激薬は誤用される可能性があるため,ADHDの診断が確定するまでは処方すべきでない。

小児期にADHDと診断された青年には治療とモニタリングを継続すべきである。物質使用症はADHD患者でより高頻度にみられるが,刺激薬による治療は物質使用症の発生リスクを増大するとは考えられておらず,そのリスクを低減する可能性さえある(5)。

思考障害(精神症)の患者は,青年期にしばしば「精神症的変化(psychotic break)」を呈する。治療としては薬物療法,精神療法,および社会的支援を併用する。

青年との間に率直な信頼関係を築いている臨床医であれば,しばしばこれらの問題を同定し,治療関係を構築し,実際的な助言を提供することができ,必要な場合には,より専門性の高い治療を受けるよう患者を説得することも可能となる。

ソーシャルメディアが精神衛生に及ぼす影響

ソーシャルメディアの台頭により,青年が互いにコミュニケーションをとる方法や情報にアクセスする方法が変化している。青年はソーシャルメディア上でより創造的になり,他者とつながっていると感じると報告する(6)。LGBTQIAに該当する青年にとって,インターネットとソーシャルメディアは,仲間との交流や社会的つながりを得るための安全な場となりうる(7)。しかしながら,青年では精神衛生の不良とソーシャルメディアの利用との間に強い関連が認められ,その関連はますます強くなっている(8, 9)。

参考文献

  1. 1.Centers for Disease Control and Prevention.Youth Risk Behavior Surveillance—United States, 2021.MMWR Suppl.2023:72(1):1–99.

  2. 2.Hua LL, Lee J, Rahmandar MH, Sigel EJ; COMMITTEE ON ADOLESCENCE; COUNCIL ON INJURY, VIOLENCE, AND POISON PREVENTION.Suicide and Suicide Risk in Adolescents. Pediatrics.2024;153(1):e2023064800.doi:10.1542/peds.2023-064800

  3. 3.Fadus MC, Ginsburg KR, Sobowale K, et al.Unconscious Bias and the Diagnosis of Disruptive Behavior Disorders and ADHD in African American and Hispanic Youth. Acad Psychiatry.2020;44(1):95-102.doi:10.1007/s40596-019-01127-6

  4. 4.Shaw M, Hodgkins P, Caci H, et al.A systematic review and analysis of long-term outcomes in attention deficit hyperactivity disorder: effects of treatment and non-treatment. BMC Med.2012;10:99.Published 2012 Sep 4.doi:10.1186/1741-7015-10-99

  5. 5.Wilens TE, Adamson J, Monuteaux MC, et al.Effect of prior stimulant treatment for attention-deficit/hyperactivity disorder on subsequent risk for cigarette smoking and alcohol and drug use disorders in adolescents. Arch Pediatr Adolesc Med.2008;162(10):916-921.doi:10.1001/archpedi.162.10.916

  6. 6.Vogels EA, Gelles-Watnick R.Teens and social media: Key findings from Pew Research Center surveys.Pew Research Center.2024.

  7. 7.Berger MN, Taba M, Marino JL, Lim MSC, Skinner SR.Social Media Use and Health and Well-being of Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, and Queer Youth: Systematic Review. J Med Internet Res.2022;24(9):e38449.Published 2022 Sep 21.doi:10.2196/38449

  8. 8.Riehm KE, Feder KA, Tormohlen KN, et al.Associations Between Time Spent Using Social Media and Internalizing and Externalizing Problems Among US Youth. JAMA Psychiatry.2019;76(12):1266-1273.doi:10.1001/jamapsychiatry.2019.2325

  9. 9.U.S. Department of Health and Human Services.Social Media and Youth Mental Health.Accessed July 31, 2024.

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