男児における尿道の先天異常は通常は陰茎の解剖学的異常を伴い,その逆も真である。女児では,尿道の先天異常が他の外性器異常を合併せずにみられることが比較的多い。
機能障害がある場合や美容的矯正が希望される場合は,外科的修復が必要となる。
尿道上裂
尿道が亀頭もしくは陰茎幹部の背面または陰茎恥骨移行部に開口している状態である。女児では,陰核と陰唇の間または腹部に尿道が開口する。尿道上裂には部分的なもの(15%)と完全なものがあり,最重症の病型では膀胱外反を併発する。
尿道上裂の症状と徴候は,失禁,尿逆流,および尿路感染症(UTI)である。
尿道上裂の治療は手術による。完全な排尿コントロールを確保するためには,膀胱出口部の再建を要する場合が多い。
尿道下裂
この形成異常は,尿道溝の管形成および癒合が不完全な場合に発生する。ほぼ全例が男児であり,尿道が陰茎幹部下面の陰茎陰嚢移行部,陰嚢襞の間または会陰部に開口する。包皮は円周状に発育することができず,背側にフードを覆ったような外観を呈する。尿道下裂はしばしば陰茎変形(chordee)を合併する。
機能的および美容的矯正の予後は良好である。生後6カ月頃に行う外来手術では,陰茎幹部の皮膚または包皮を用いた新生尿道の形成と陰茎変形(chordee)の修復が行われる。
女児の尿道下裂は極めてまれであるが,その場合,尿道は腟口内に開口する。
この画像では,矢印は尿道口を示している。
この画像では,矢印は尿道口を示している。
Image courtesy of Drs. Ronald Rabinowitz
この画像では,矢印は尿道口を示している。
この画像では,矢印は尿道口を示している。
Image courtesy of Drs. Ronald Rabinowitz
Images courtesy of Drs. Ronald Rabinowitz and Jimena Cubillos.
Images courtesy of Drs. Ronald Rabinowitz and Jimena Cubillos.
外尿道口狭窄
外尿道口狭窄は,包皮切除の長期的な影響である場合が最も多い。ときに,先天性に発生して,尿道下裂を合併することがある。
尿線の著明な歪みや狭小化がみられる場合は,尿道口切開術が必要である。
尿道狭窄
重複尿道および三重尿道
重複尿道と三重尿道は別の種類の先天性尿道異常である。開通している尿道は最も腹側にあるものである。
排尿時膀胱尿道造影(VCUG)を施行し,開通性を判断するとともに,複数の尿道と膀胱との連絡を検出すべきである。
外科的介入がほぼ常に必要である。
尿道弁
男児では,後部尿道にある襞が弁として作用し,尿の流れを妨害することがある。尿道弁に続発する泌尿器系の異常として,排尿遅延,尿勢低下,尿路感染症,溢流性尿失禁,筋原性の膀胱機能障害,膀胱尿管逆流症,上部尿路の損傷,腎機能不全などがある。尿道弁にはときに尿膜管開存が併発する。胎児の尿排泄は羊水に寄与するため,重度の尿道閉塞は羊水の減少(羊水過少)につながり,そのため肺低形成が生じ,それに続いて肺高血圧,さらなる肺低形成,および/または呼吸不全を来す可能性がある。その後は肺高血圧から全身の高血圧が起こりうる。重症例は周産期死亡に至る可能性もある。
しばしば,重度の両側性水尿管水腎症または羊水過少など,ルーチンの出生前超音波検査での所見により診断される。出生後に本症が疑われた症例(尿流の異常による場合が多い)では,直ちにVCUGを施行して診断を確定する。
進行性の腎変性を阻止するため,診断時に手術(通常内視鏡による)が行われる。弁を内視鏡的に焼灼できない場合には,一時的な膀胱瘻造設の適応となる。
はるかに頻度の低い形成異常として前部尿道憩室があるが,これも弁(前部尿道弁)としての作用がある。この形成異常は,内視鏡的に治療されることが多く,ときに開放手術による再建も行われる。
この排尿時膀胱尿道造影(VCUG)像には,後部尿道弁による遠位の閉塞を伴う後部尿道の拡張が写っている。
尿道脱
尿道脱は,遠位尿道のごく一部が外尿道口から脱出した状態である。
脱出は主に女児に生じ,黒人で最も多くみられる。乳児期または小児期後期に生じる場合もあり,通常は陰唇間腫瘤(interlabial mass)として顕在化する。
尿道脱が生じると,尿道の開口部がドーナツ状になり,その中心に尿道口がみられる。刺激感と疼痛および/または出血が生じることがある。
治療は,通常,エストロゲンクリームの外用による保存的な治療である。外科的介入が必要になることはまれである。



