子宮頸癌のスクリーニングおよび予防

執筆者:Pedro T. Ramirez, MD, Houston Methodist Hospital;
Gloria Salvo, MD, MD Anderson Cancer Center
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 修正済み 2023年 9月
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子宮頸癌は頻度の高い婦人科悪性腫瘍であり,医療などの資源が少ないか中程度の国において,がんによる死亡の主要な原因である(1,2)。効果的なスクリーニングおよび予防法が利用可能であり,子宮頸癌の発生率および死亡率を低下させることが証明されている(3,4)。

米国では全ての女性に子宮頸癌スクリーニングが推奨されているが,開始年齢,選択すべき検査,およびスクリーニングの頻度は主要な医療機関によって異なる。

2020年に,世界保健機関(World Health Organization:WHO)は,公衆衛生上の問題としての子宮頸癌を撲滅するための世界的な戦略を掲げ,2030年までに以下の目標を達成するとしている(WHO: Cervical Cancer Elimination Initiativeを参照):

  • 90%の女児が15歳までにHPVワクチンの接種を完了する

  • 70%の女性が35歳までに高性能な検査によるスクリーニングを受け,45歳までに再スクリーニングを受ける

  • 子宮頸部疾患(前がんまたは浸潤がん)が同定された女性の90%が治療を受ける

総論の参考文献

  1. 1.Sung H, Ferlay J, Siegel RL, et al: Global cancer statistics 2020: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries.CA Cancer J Clin 71 (3):209–249, 2021. doi: 10.3322/caac.21660

  2. 2.Bhatla N, Aoki D, Sharma DN, Sankaranarayanan R: Cancer of the cervix uteri: 2021 update. Int J Gynaecol Obstet 155 Suppl 1(Suppl 1):28-44, 2021.doi:10.1002/ijgo.13865

  3. 3.Koliopoulos G, Nyaga VN, Santesso N, et al: Cytology versus HPV testing for cervical cancer screening in the general population. Cochrane Database Syst Rev 8(8):CD008587, 2017.Published 2017 Aug 10.doi:10.1002/14651858.CD008587.pub2

  4. 4.Arbyn M, Xu L, Simoens C, Martin-Hirsch PP: Prophylactic vaccination against human papillomaviruses to prevent cervical cancer and its precursors. Cochrane Database Syst Rev 5(5):CD009069, 2018.Published 2018 May 9.doi:10.1002/14651858.CD009069.pub3

子宮頸癌のスクリーニング

ルーチンの子宮頸癌スクリーニングは,浸潤前の病変や早期病変を効果的に検出することができ,子宮頸癌の発生率および死亡率を低下させる。

子宮頸部異常のスクリーニング検査には以下の2種類が利用されている:

  • 高リスクのHPV遺伝子型を検出する検査

  • Pap検査(子宮頸部細胞診)

Pap検査およびHPV検査が利用できない場合(例,資源が限られている状況)は,酢酸溶液またはルゴール液を塗布してから子宮頸部を視診する方法が代替のスクリーニング法となる。

子宮頸部スクリーニングのガイドライン間には多少の相違点がある;一般的なガイドラインの内容は以下の通りである(子宮頸癌スクリーニングの表を参照):

  • 21~25歳:スクリーニング開始年齢

  • 21~29歳:選択肢としては,Pap検査のみ,3年毎(United States Preventive Services Task Force[USPSTF]によって望ましいとされる[1]);HPV検査のみ,5年毎(American Cancer Society[ACS]によって望ましいとされる[2]);またはPapとHPVの併用検査,5年毎などがある

  • 20~65歳:選択肢としては,PapとHPVの併用検査,5年毎(USPSTFによって望ましいとされる);HPV検査のみ,5年毎(ACSによって望ましいとされる);またはPap検査のみ,3年毎などがある

  • 65歳以上:過去10年間にわたって一連の検査で十分な正常判定が得られている場合は,検査を中止する;十分な正常判定が得られていない場合は,検査を継続すべきであり,スクリーニングを受けていない場合は,検査を開始すべきである

Pap検査のみのスクリーニング検査を受けた患者で,その細胞診の結果がASCUS(意義不明の異型扁平上皮細胞),つまり決定的な所見ではない場合は,HPV検査がフォローアップ評価の望ましい方法である;このアプローチはreflex HPV testingと呼ばれる。HPV検査が陰性の場合は,3年後にスクリーニング検査を繰り返すべきである。HPV検査が陽性の場合は,コルポスコピーを行うべきである。

子宮全摘出術(子宮頸部および子宮の摘出)を受けた患者で,子宮頸癌または高悪性度の子宮頸部上皮内腫瘍の既往がない場合,さらなるスクリーニングは適応とならない。

表&コラム
表&コラム

パパニコロウ検査(子宮頸部細胞診)は1928年に開発されたが,これは子宮頸癌のスクリーニングにおける大きな進歩であった。子宮頸部細胞診結果は標準化された用語体系であるベセスダシステム(子宮頸部細胞診のベセスダ分類の表を参照)を用いて報告する。

表&コラム
表&コラム

スクリーニングに関する参考文献

  1. 1.US Preventive Services Task Force, Curry SJ, Krist AH, et al: Screening for Cervical Cancer: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement. JAMA.2018;320(7):674-686.doi:10.1001/jama.2018.10897

  2. 2.Fontham ETH, Wolf AMD, Church TR, et al: Cervical cancer screening for individuals at average risk: 2020 guideline update from the American Cancer Society. CA Cancer J Clin 70(5):321-346, 2020.doi:10.3322/caac.21628

子宮頸癌の予防

ヒトパピローマウイルス[HPV]ワクチンおよびCenters for Disease Control and Prevention: Human Papillomavirus (HPV) Vaccination Information for Cliniciansも参照のこと。)

予防効果のあるいくつかのHPVワクチンが世界各地で利用できる(1):

  • 16型および18型(大半の子宮頸癌の原因)の感染を予防する2価ワクチン

  • 16型と18型に加えて6型と11型の感染も予防する4価ワクチン

  • 4価ワクチンと同じ型に加えて,31型,33型,45型,52型,および58型(子宮頸癌の原因の約15%)の感染も予防する9価ワクチン

サブタイプ6と11は視認可能な尖圭コンジローマの原因の90%を超える。

ワクチンは子宮頸癌を予防することを目的としているが,治療ワクチンではない。3種類のワクチンは全て,最初の性行為およびHPVへの曝露の可能性の前に接種した場合に最も効果的である。

HPVワクチンは理想的には性的に活動的になる前に,全ての人に勧められる。11~12歳からのワクチン接種が標準的に推奨されるが,ワクチン接種は9歳から開始できる。

予防に関する参考文献

  1. 1.World Health Organization: Immunization, Vaccines and Biologicals: Human papillomavirus vaccines (HPV)

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