胎児の非侵襲的出生前スクリーニング検査

執筆者:Jeffrey S. Dungan, MD, Northwestern University, Feinberg School of Medicine
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2024年 1月 | 修正済み 2024年 10月
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遺伝性疾患に対する非侵襲的出生前スクリーニングは,侵襲的検査と異なり,検査に関連する合併症のリスクがない。非侵襲的な母体スクリーニングは女性が侵襲的検査を受けるかどうかを決定するのに役立つ。胎児の染色体異常に対する非侵襲的な母体スクリーニングは,羊水穿刺または絨毛採取(CVS)を受けるかどうかをまだ決めていない全ての妊婦に勧めるべきである。ただし,CVSを行う予定であっても,神経管閉鎖不全の有無を調べるために母体血清スクリーニングを勧めるべきである。

正常値は在胎期間により異なる。母体の体重,糖尿病,人種,および他の因子により補正が必要になることがある。スクリーニングは以下の時期に行うことができる:

  • 第1トリメスター

  • 第2トリメスター

  • 両トリメスター(sequential screeningまたはintegrated screeningと呼ばれる)

3つのアプローチのいずれも許容可能である。神経管閉鎖不全を調べるため,母体のα-フェトプロテイン値を第2トリメスターに測定すべきである。American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)(米国産婦人科学会)は,胎児の染色体異常のスクリーニングに関する推奨および染色体異常の出生前検査のタイミングを示したチャートを提供している(ACOG: Prenatal Genetic Testing Chartを参照)。

パール&ピットフォール

  • 予定されている他の検査やそれら検査の時期にかかわらず,神経管閉鎖不全を調べるために母体のα-フェトプロテイン値を第2トリメスターに測定する。

多胎妊娠におけるスクリーニング

双胎妊娠の患者には,単胎妊娠でのあらゆる形態のスクリーニングが利用可能である。双胎妊娠では,従来の方法(トリプル,クアッド)を用いたスクリーニングの成績が感度および特異度ともに単胎妊娠の場合より低くなる。セルフリーDNA(cfDNA)スクリーニングの性能は,単胎妊娠と双胎妊娠で同等とみられている。二絨毛膜双胎妊娠の大半で染色体異常の不一致がみられるため,どちらの胎児が罹患しているかを鑑別するための診断検査が必要である。しかしながら,双胎妊娠における性染色体異常に対するスクリーニングは通常利用できない。

品胎以上の多胎妊娠に対して妥当性が確認された血清スクリーニングまたはcfDNAスクリーニングのプロトコルは存在しない。

第1トリメスターのスクリーニング

全ての妊婦に第1トリメスターのスクリーニングを勧めるべきである。これにより情報が早く提供され,CVSにより診断を確定することができる。第1トリメスターにスクリーニングを行うことの重要な利点は,第2トリメスターよりも第1トリメスターの方が中絶を安全に行えることである。

胎児のダウン症候群18トリソミー,および13トリソミーに対するスクリーニングの1つの方法として,母体血漿中のセルフリーDNA(cfDNA)の分析があり,これは妊娠10週という早い段階で実施できる。この技術を用いた場合の検出率は,従来の方法よりも高い。analyte screeningと呼ばれる別の方法では,神経管閉鎖不全ダウン症候群(およびその他の染色体異常),およびその他の先天異常を検出するために,複数の母体血清マーカー(α-フェトプロテイン,β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン[β-hCG],エストリオール,インヒビンA)を用いる。analyte screeningは妊娠15~20週の間に行う。

セルフリー胎児DNA検査

セルフリーDNA(cfDNA)検査は,非侵襲的な胎児のスクリーニングの一種で,母体血中に循環するセルフリー胎児DNAの分析により,単胎妊娠において胎児の染色体異常を同定することができる。この検査は在胎10週という早期から行うことができ,多くの医療施設で第1および第2トリメスターに行われる従来の非侵襲的スクリーニングに取って代わっている。セルフリーDNAスクリーニングは血清マーカーを用いたスクリーニングよりも正確であり,在胎期間に依存しない。cfDNAは胎児由来のDNAの分析を伴うが,これはスクリーニング検査とみなされており,胎児の確定診断検査ではない。

セルフリー胎児DNAは,DNA断片である場合が最も多く,胎盤トロホブラストが正常な過程として崩壊する際に母体循環中に排出される。特定の染色体に由来する断片の量的なばらつきによって,血清中の測定と超音波検査を併用する従来の第1および第2トリメスターのスクリーニングよりも高い精度で,胎児の染色体異常を予測できる。また,いくぶん精度は下がるものの,性染色体異常(X,XXX,XYY,XXY)も単胎妊娠では同定できる。初期のバリデーション試験では,高リスクの妊娠におけるダウン症候群(21トリソミー)および18トリソミーの同定について,99%を超える感度と特異度が報告された。13トリソミーも検出可能であるが,その場合の感度と特異度はいくらか低い(1)。

セルフリーDNA(cfDNA)スクリーニングは,かつては母体にトリソミーの危険因子が認められる場合にのみ推奨されていた。しかしながら,現在では平均的なリスクの患者と高リスク患者の両方で一般的に用いられている。American College of Obstetricians and Gynecologists(米国産婦人科学会)は,全ての妊婦にcfDNAスクリーニングを勧めることを推奨している(2)。American College of Medical Genetics and Genomicsが発行したエビデンスに基づくガイドラインでは,全ての単胎および双胎妊娠に対する望ましい方法としてセルフリーDNAスクリーニングを提唱している(3)。

117の研究を対象としたメタアナリシスでは,一般的な異数性に対するcfDNA検査の精度は以下の通りであることが明らかにされた(4):

  • 21トリソミー:感度99%;特異度100%

  • 18トリソミー:感度98%;特異度100%

  • 13トリソミー:感度91%;特異度100%

cfDNAスクリーニングでの陽性判定は侵襲的方法で得られた胎児検体を用いた診断的核型分析により確定すべきである。cfDNAスクリーニングにおける陰性判定により,ルーチンな侵襲的検査の施行が減少している。

従来,第1トリメスターの統合スクリーニングには以下の測定が含まれている:

  • 母体血清β-hCG(総または遊離)

  • 妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP-A)

  • ときに,胎児のNT測定(超音波検査による)

胎児のダウン症候群では,典型的にはβ-hCG高値,PAPP-A低値,およびNT肥厚(胎児の頸部にみられる低エコー域[nuchal translucency]の増大)が認められる。NT肥厚は胎児ダウン症候群のリスク上昇と関連するが,診断的とみなされるNTの閾値はない。

様々な年齢の女性を対象とした大規模な前向き研究では,ダウン症候群の検出についての全体的な感度は約85%で,偽陽性率は5%であった(5)。このレベルのスクリーニング精度を達成するためには,専門的な超音波検査のトレーニングおよびNT測定における厳密な質保証のためのモニタリングの遵守が必要である。

第1トリメスターのスクリーニングに関する参考文献

  1. 1.Badeau M, Lindsay C, Blais J, Nshimyumukiza L, et al.Genomics-based non-invasive prenatal testing for detection of fetal chromosomal aneuploidy in pregnant women.Cochrane Database Syst Rev 11:CD011767, 2017.doi: 10.1002/14651858.CD011767.pub2

  2. 2.Practice Bulletin No. 162: Prenatal Diagnostic Testing for Genetic Disorders. Obstet Gynecol.2016;127(5):e108-e122.doi:10.1097/AOG.0000000000001405

  3. 3.Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al: Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG) [published correction appears in Genet Med 2023 Aug;25(8):100874]. Genet Med 25(2):100336, 2023.doi:10.1016/j.gim.2022.11.004

  4. 4.Mackie FL, Hemming K, Allen S, et al: The accuracy of cell-free fetal DNA-based non-invasive prenatal testing in singleton pregnancies: a systematic review and bivariate meta-analysis. BJOG 124(1):32-46, 2017.doi:10.1111/1471-0528.14050

  5. 5.Malone FD, Canick JA, Ball RH, et al: First-trimester or second-trimester screening, or both, for Down's syndrome. N Engl J Med 353(19):2001-2011, 2005.doi:10.1056/NEJMoa043693

第2トリメスターのスクリーニング

第2トリメスターのスクリーニングには,cfDNAを用いるアプローチと複数の血清マーカーを用いるアプローチがある。

血清マーカーを用いるスクリーニングには以下のものがある:

  • クアドラプルスクリーニング(主に21トリソミーを対象とする):母体のβ-hCG,非抱合型エストリオール,およびα-フェトプロテインのほか,ときにインヒビンA値を測定することがある。この検査は染色体異常に対する第1トリメスターのスクリーニングの代替または補助として用いられることがある。

  • 神経管閉鎖不全のスクリーニング:神経管閉鎖不全のみのスクリーニングでは,単一の血清マーカーとして母体血清α-フェトプロテイン値(MSAFP)を測定することがある(このアプローチではダウン症候群はスクリーニングされない)。MSAFP値の上昇は開放性二分脊椎無脳症,または腹壁異常を示唆する。MSAFPの原因不明の上昇は,死産または子宮内胎児発育遅滞などの,妊娠後期の合併症のリスク上昇と関連している可能性がある。

第2トリメスターの複数マーカーによるスクリーニングは,ダウン症候群18トリソミー,およびいくつかのまれな単一遺伝子症候群(例,スミス-レムリ-オピッツ症候群)のリスク評価に役立てるために用いられる。母親の血清学的検査は広く行われているが,ダウン症候群の検出率は第1トリメスターの血清マーカーを用いるスクリーニングまたはcfDNAのものほど高くない。また,中絶は第1トリメスターよりも第2トリメスターでリスクが高い。

第2トリメスターのスクリーニングには,対象を絞った超音波検査(targeted ultrasonography)を含めることもある。

染色体異常に対する母体血清スクリーニング

在胎週数で調整した血清マーカー値は,母体年齢に関連するリスクを超えたダウン症候群のリスク推定値を精緻化するために主に用いられる。トリプルスクリーニング(すなわち,α-フェトプロテイン,hCG,非抱合型エストリオール)に関して,ダウン症候群に対する感度は約67~73%で,偽陽性率は約6%である(1)。クアッドスクリーニングはトリプルスクリーニングに,インヒビンAの測定を加えたものである。クアッドスクリーニングでは感度は約80%まで上昇し,偽陽性率は約7%となる(2)。

母体血清スクリーニングによりダウン症候群が示唆される場合,在胎期間の確認のために超音波検査を行い,在胎期間を是正する場合にはリスクを再計算する。以前に推定された在胎期間に基づいて,最初の検体採取が早過ぎた場合,適切な時期に再度検体を採取すべきである。cfDNAの分析は,在胎期間に依存しないため,日付に関する間違いによる影響は受けにくい。さらに,血清スクリーニングで,21トリソミーのリスクがあらかじめ設定された特定の閾値(通常1/270,これは母体年齢が35歳以上であるときのリスクとほぼ同じである)を超えることが示された場合は,羊水穿刺を勧める。

クアッドスクリーニングにより,18トリソミーのリスク(血清マーカー4つ全てが低値であることにより示唆される)も評価可能である。18トリソミーに対する感度は約100%である;偽陽性率は約9%である(3)。

神経管閉鎖不全に対する母体血清スクリーニング

MSAFP値の上昇は開放性二分脊椎などの胎児形成異常を示唆することがある。スクリーニングはおおよそ15~20週の間に実施できるものの,最初の検体を妊娠16~18週に得た場合に結果が最も正確となる。

さらなる検査が必要かどうかを決定するカットオフ値を設定する際には,異常を見逃すリスクと,不必要な検査から生じる合併症のリスクとを比較する必要がある。通常,95~98パーセンタイルまたは正常な妊娠における中央値の2.0~2.5倍(中央値の倍数,すなわちMOM)のカットオフ値を使用する。この値は,開放性二分脊椎に対して約80%の感度,無脳症に対して約95%の感度である。偽陽性率は2~5%である(4)。閉鎖性二分脊椎は通常検出されない。

最初にスクリーニングした女性の1~2%で羊水穿刺が最終的に必要となる。MSAFPのカットオフ値をより低くすれば,感度は高くなるが特異度は低下し,羊水穿刺の実施頻度が増える。胎児染色体異常を調べるためにセルフリーDNAスクリーニングを受けた女性は,複数マーカーではなくMSAFPのみの血清スクリーニングを受けるべきである。

超音波検査はさらなる検査が必要な場合の次のステップである。場合により羊水穿刺を併用する対象を絞った超音波検査(targeted ultrasonography)は,基本的な超音波検査で説明がつかない場合に行われる。超音波検査では以下が可能である:

  • 在胎期間の確認(過小評価されていることがある)

  • 多胎妊娠,胎児死亡,または先天性形成異常の検出

一部の女性では超音波検査によって,α-フェトプロテイン高値の原因を同定できない場合がある。経験豊富な検者が高分解能超音波検査を行い,それが正常であった場合,さらなる検査は不要と考える専門家がいる。しかしながら,この検査はときに神経管閉鎖不全を見逃すため,多くの専門家は超音波検査の結果にかかわらず,羊水穿刺によるさらなる検査を勧めている。

羊水穿刺と羊水中のα-フェトプロテインおよびアセチルコリンエステラーゼ値の測定はさらなる検査が必要な場合に行われる。羊水中のα-フェトプロテインの上昇は以下を示唆する:

  • 神経管閉鎖不全

  • 他の形成異常(例,臍帯ヘルニア,先天性ネフローゼ,嚢腫状リンパ管腫,腹壁破裂,上部消化管閉鎖症)

  • 胎児血による検体の汚染

羊水中のアセチルコリンエステラーゼの存在は以下を示唆する:

  • 神経管閉鎖不全

  • 他の形成異常

羊水中のα-フェトプロテイン値が上昇し,アセチルコリンエステラーゼが存在していれば,無脳症に対してほぼ100%,開放性二分脊椎に対して90~96%の感度となる(4)。羊水マーカーの異常は,高分解能超音波検査(これらの形成異常の大半を検出できる)で形成異常が検出されない場合でも,形成異常の可能性が高く,両親に知らせるべきである。

第2トリメスターのスクリーニングに関する参考文献

  1. 1.Conde-Agudelo A, Kafury-Goeta AC: Triple-marker test as screening for Down syndrome: a meta-analysis. Obstet Gynecol Surv 53(6):369-376, 1998.doi:10.1097/00006254-199806000-00022

  2. 2.Wald NJ, Huttly WJ, Hackshaw AK: Antenatal screening for Down's syndrome with the quadruple test. Lancet 361(9360):835-836, 2003.doi:10.1016/S0140-6736(03)12680-3

  3. 3.Breathnach FM, Malone FD, Lambert-Messerlian G, et al: First- and second-trimester screening: detection of aneuploidies other than Down syndrome. Obstet Gynecol 110(3):651-657, 2007.doi:10.1097/01.AOG.0000278570.76392.a6

  4. 4.Palomaki GE, Bupp C, Gregg AR, et al: Laboratory screening and diagnosis of open neural tube defects, 2019 revision: a technical standard of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med 22(3):462-474, 2020.doi:10.1038/s41436-019-0681-0

第1および第2トリメスターのsequential screening

第1トリメスターおよび第2トリメスターにおける非侵襲的なクアッドスクリーニングは,統合して連続的に行うことができ,第1トリメスターの検査結果が異常であってもなくても,第2トリメスターのスクリーニング結果が出るまで,侵襲的な胎児の遺伝学的検査を控える。Sequential screeningに続いて高リスクパターンに対し羊水穿刺を行うことにより,ダウン症候群に対する感度は95%まで上昇し,偽陽性率は5%にとどまる。

Sequential screeningの変型であるcontingent sequential screeningと呼ばれる方式は,第1トリメスターのスクリーニングで示唆されたリスクのレベルに基づいて以下のように進められる:

  • 高リスク:第2トリメスターのスクリーニングを行わずに,侵襲的検査を勧める。

  • 中間リスク:第2トリメスターのスクリーニングを勧める。

  • 低リスク(例,1/1500未満):第1トリメスターでのリスクが低いため,ダウン症候群に対する第2トリメスターのスクリーニングは勧めない。

第1もしくは第2トリメスターのスクリーニングまたはsequential screeningで異常が認められた妊婦には,診断検査(例,羊水穿刺)を勧めるべきである。しかしながら,胎児のトリソミーに対してセルフリーDNA(cfDNA)を用いたさらなる検査を希望する患者もいる(1)。cfDNAの検査結果によってリスクが低いことが示され,安心材料になる可能性があるが,検査結果は確定的なものではない。また,cfDNA検査は不当なまでに費用が高い場合もあり,さらに,cfDNA検査の結果を待つことで絨毛採取や羊水穿刺など確定的な検査の遅れにもつながる(2)。

第1および第2トリメスターのsequential screeningに関する参考文献

  1. 1.American College of Obstetricians and Gynecologists/Committee on Genetics, and the Society for Maternal-Fetal Medicine: Practice bulletin no. 163: Screening for fetal aneuploidy.Committee on Practice Bulletins—Obstetrics, Obstet Gynecol 127 (5):e123–e137, 2016.doi: 10.1097/AOG.0000000000001406

  2. 2.Norton ME, Jacobsson B, Swamy GK, et al: Cell-free DNA analysis for noninvasive examination of trisomy.N Engl J Med 372 (17):1589-1597, 2015.doi:10.1056/NEJMoa1407349

出生前超音波検査

大半の専門家は,全ての妊婦に対してルーチンの超音波検査を勧めている。疑われる遺伝学的異常や産科異常の有無を調べたり,母体の血清マーカー値異常の解釈に役立てたりするなど,特異的な適応に対してのみ超音波検査を用いる専門家もいる。超音波検査を熟練した検者が行う場合,重大な先天性形成異常に対する感度は高い。しかしながら,状態(例,羊水過少,母体の肥満,胎位)によっては最適な画像が得られないこともある。超音波検査は非侵襲的で,妊婦または胎児への既知のリスクはない。

基本的な超音波検査は以下のために行う:

  • 在胎期間の確認

  • 胎児生存の判別

  • 多胎妊娠の発見

  • 妊娠第2または第3トリメスターにおいては,場合により胎児の頭蓋内構造,脊髄,心臓,膀胱,腎臓,胃,胸郭,腹壁,長管骨,および臍帯における重大な形成異常を同定

超音波検査で得られるのは構造的情報のみであるが,一部の構造的異常は遺伝学的異常を強く示唆する。多発形成異常は染色体異常を示唆している可能性がある。

高分解能超音波機器を用いる対象を絞った超音波検査(targeted ultrasonography)が一部の紹介医療センターで行われており,基本的な超音波検査よりもより詳細な画像が得られる。この検査は,妊婦またはそのパートナーが,先天性形成異常(例,先天性心疾患口唇口蓋裂幽門狭窄)の家族歴,特に出生前(例,巨大膀胱を伴う後部尿道弁)や分娩時(例,横隔膜ヘルニア)に効果的に治療しうる形成異常の家族歴を有する場合に適応となることがある。対象を絞った超音波検査(targeted ultrasonography)は,母体血清マーカー値が異常な場合にも使用されることがあり,以下を検出することもできる:

対象を絞った超音波検査(targeted ultrasonography)は,胎児の異数性と関連する構造的特徴(ソフトマーカーと呼ばれ,腎盂の拡張または高エコーの腸管などがある)を検索して染色体異常のリスクを評価することを目的に用いられる。しかしながら,既知の染色体異常に対する構造的所見で診断的なものはなく,全てのソフトマーカーは染色体が正常な胎児にもみられることがある。以前のトリソミースクリーニングの結果が陰性であった場合,これらのソフトマーカーの多くは臨床的意義をもたず,無視されることがある(1)。それでもなお,このようなマーカーが見つかれば,染色体異常を確定または除外するための羊水穿刺が勧められることになる可能性がある。重大な構造的形成異常が存在する場合には,胎児染色体異常の可能性がより高い。短所としては,ソフトマーカーが検出された場合の不必要な不安や不必要な羊水穿刺などがある。一部の経験豊富なセンターでは高い感度が報告されているが,超音波所見が正常であることが,胎児の染色体異常のリスクの大幅な低下を示唆するかについては不明である。

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