白皮症

執筆者:Shinjita Das, MD MPH, Massachusetts General Hospital
Reviewed ByKaren McKoy, MD, MPH, Harvard Medical School
レビュー/改訂 修正済み 2024年 8月
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眼皮膚白皮症は,遺伝性のメラニン産生障害によって皮膚,毛髪,および眼にびまん性の色素減少を生じる疾患である。眼白皮症では,眼が侵される一方,皮膚は通常侵されない。眼が侵された場合は,羞明,斜視,眼振,および視力低下が生じる。眼皮膚白皮症の診断は通常,皮膚の診察で明らかとなるが,眼科的評価が必要である。日光に対する防御以外に皮膚病変に対する治療法はない。

色素異常症の概要も参照のこと。)

白皮症の病態生理

眼皮膚白皮症(OCA)は,メラノサイトの数は正常であるが,メラニン産生が欠如または大幅に低下する,一群のまれな遺伝性疾患である。OCAは世界中の全ての人種の人々で発生している。皮膚を侵す病態と眼を侵す病態病変(眼白皮症)の両方が存在する。眼所見としては,光受容器の減少と視交叉線維の走行異常を伴った中心窩低形成として認められる視索の発育異常などがある。

OCA症例の大半は常染色体潜性(劣性)であり,常染色体顕性(優性)遺伝はまれである。OCAには遺伝学的な病型として8つがあり,最初の4つについては詳細に特徴が解明されている。表眼皮膚白皮症(OCA)の病型および表現型を参照のこと。

表&コラム
表&コラム

Nettleship-Falls型(眼白皮症1型[OA1])およびForsius-Eriksson型(OA2)は,OCAと比べて極めてまれである。これらはX連鎖顕性(優性)の形式で遺伝する。通常,所見は眼に限局するが,皮膚に色素減少を来すこともある。OA1患者では晩発性の感音難聴が生じることがある。

別の一群の遺伝性疾患では,OCAの臨床表現型が出血性疾患と同時に出現する。ヘルマンスキー-パドラック症候群では,OCA様の所見が血小板異常とセロイド-リポフスチンの蓄積を来すライソゾーム病に伴って認められる(肺線維症および肉芽腫性大腸炎に至ることがある)。この症候群は,プエルトリコではおよそ1800人に1例の頻度で発生しているが,プエルトリコ系以外での発生はまれである(1)。チェディアック-東症候群では,OCA様の皮膚および眼所見が認められ,毛髪は銀灰色となり,血小板密顆粒の減少により出血性素因が生じる。リンパ球の溶解性顆粒に異常があり,また進行性の神経変性があるため,チェディアック-東症候群の患者は重度の免疫不全となる。

総論の参考文献

  1. 1.Witkop CJ, Almadovar C, Piñeiro B, et al : Hermansky-Pudlak syndrome (HPS).An epidemiologic study.Ophthalmic Paediatr Genet 11(3):245-250.doi: 10.3109/13816819009020986

白皮症の症状と徴候

眼皮膚白皮症の病型には遺伝学的に異なるものが複数あり,表現型は多岐にわたる。眼皮膚白皮症(OCA)の病型および表現型の表を参照のこと。

眼が侵された患者は,網膜色素が減少する結果として,光に対して極端に敏感(羞明)になって光を避けるようになることがある。さらに,視神経線維の走行異常により,眼振斜視,視力低下,および両眼立体視の喪失が生じる可能性が高い。

白皮症の診断

  • 臨床的評価

OCAおよびOAの診断は,その病型を問わず,皮膚および眼の診察に基づく。早期の眼科診察により,透明な虹彩,網膜色素の減少,中心窩低形成,視力低下,斜視,および眼振を検出できることがある。

OCAの病型は常に鑑別できるとは限らないため,遺伝子検査が助けになることがある。

白皮症の治療

  • 厳格な紫外線防御

  • ときに斜視に対する外科的介入

白皮症に根治的な治療法はない。

患者は日焼け(サンバーン)および皮膚がん(特に有棘細胞癌)のリスクが高いため,直射日光を避け,紫外線(UV)フィルター付きのサングラスと紫外線防御指数(SPF)50以上の紫外線防護服を着用し,UVAおよびUVBの防御に対応したスペクトルの広い紫外線防御指数(UPF)50以上のサンスクリーン剤を使用するべきである(日光曝露の予防を参照)。

OCA患者は定期的に皮膚の診察を受けるべきである。注意すべき点として,OCA患者に発生する黒色腫はしばしば無色素性であり,好発部位は背部や下肢などである。

一部の外科的介入により斜視を緩和できる可能性がある

要点

  • 眼皮膚白皮症は,通常は常染色体潜性(劣性)の形式で遺伝し,皮膚,毛髪,および眼に色素減少が生じる,まれな疾患群である。

  • 眼が侵されると,光線過敏症になるほか,しばしば眼振,斜視,視力低下,および両眼立体視の喪失が生じる。

  • 本症は眼および皮膚の診察により診断する。

  • 皮膚および眼を日光曝露から厳格に保護する方法を患者に指導する。

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