肺高血圧症

執筆者:Mark T. Gladwin, MD, University of Maryland School of Medicine;
Andrea R. Levine, MD, University of Maryland School of Medicine;Bradley A. Maron, MD, University of Maryland School of Medicine
Reviewed ByRichard K. Albert, MD, Department of Medicine, University of Colorado Denver - Anschutz Medical
レビュー/改訂 2024年 9月 | 修正済み 2024年 12月
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肺高血圧症は,肺循環における血圧の上昇である。肺高血圧症には二次性の原因が数多く存在し,中には特発性の症例もある。肺の血管が収縮,減少,消失,かつ/または閉塞する。重症の肺高血圧症は,右室への過負荷および右室不全を引き起こす。症状は,疲労感,労作時呼吸困難であり,ときに胸部不快感および失神がみられる。肺動脈圧の上昇を証明することで診断がつく(心エコー検査で予測し右心カテーテル検査によって確定する)。治療は肺血管拡張薬および利尿薬による。一部の進行例では肺移植が選択肢の1つとなる。治療可能な二次性の原因が見つからなければ,予後は全般に不良である。

肺高血圧症には明確に異なる3つの血行動態プロファイルがある(の表も参照):

  • 前毛細血管性肺高血圧症

  • 後毛細血管性肺高血圧症

  • 混合性前後毛細血管性肺高血圧症

表&コラム
表&コラム

肺高血圧症の病因

多くの病態および薬剤が肺高血圧症を引き起こす。全体として,肺高血圧症の最も一般的な原因は以下のものである:

肺高血圧症には他の原因もいくつかあり,例えば,睡眠時無呼吸症候群全身性リウマチ性疾患肺塞栓症の再発などがある。

いくつかの病態,生理学的因子,および臨床因子に基づき,肺高血圧症は現在5群(の表を参照)に分類されている。第1群(肺動脈性肺高血圧症[PAH])は,原発性の疾患として肺の細動脈を侵すものである。

いかなる同定可能な疾患とも無関係に,散発的にPAHが発生する例も少数存在し,これらの症例は特発性PAHと呼ばれる。

PAHの遺伝形式(不完全浸透の常染色体顕性遺伝[優性遺伝])が同定されており,以下の遺伝子の変異が知られている:

  • ALK-1(activin-like kinase type 1 receptor)

  • BMPR2(bone morphogenetic protein receptor type 2)

  • CAV1(caveolin 1)

  • ENG(endoglin)

  • GDF2(growth differentiation factor 2)

  • KCNK3(potassium channel subfamily K member 3)

  • SMAD9(mothers against decapentaplegic homologue 9)

  • TBX4(T-box transcription factor 4)

BMPR2(bone morphogenetic protein receptor type 2をコードする遺伝子)の変異が,遺伝性PAHの症例の原因の75%を占めている(1)。その他の変異は,はるかに頻度が低く,いずれも全症例の約1%を占めるに過ぎない。

遺伝性PAHの症例の20%では,原因となる変異が同定されていない。

EIF2AK4(eukaryotic translation initiation factor 2 alpha kinase 4)の変異は,PAHの第1群の亜型である肺静脈閉塞症と関連付けられている(の表を参照)(2, 3)。

特定の薬剤および毒素は,PAHの危険因子である。PAHと確実に関連があるのは,フェンフルラミン,デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine,米国では製造中止),アミノレックス(aminorex,米国では製造中止),毒性を有する菜種油,ベンフルオレックス(benfluorex,米国では入手できない),アンフェタミン類,メタンフェタミン,およびダサチニブである。同様に,他のプロテインキナーゼ阻害薬も薬物誘発性肺高血圧症との関連が報告されている(4)。妊婦が選択的セロトニン再取り込み阻害薬を服用すると,新生児遷延性肺高血圧症の発生リスクが増大する。PAHと関連している可能性が高いか関連している可能性があるその他の薬剤および物質は,アンフェタミン様薬物,コカイン,フェニルプロパノールアミン(米国では製造中止),セントジョーンズワート,インターフェロンα,インターフェロンβ,アルキル化薬,ボスチニブ(PAHと関連している可能性があるのみ),C型肝炎ウイルスに対する直接作用型抗ウイルス薬,レフルノミド,インジルビン(中国伝統医学の一部の製剤で使用),およびトリプトファンである(5)。

鎌状赤血球症のような,溶血性貧血の遺伝的原因を有する患者は,肺高血圧症を発症するリスクが高い(右心カテーテル検査による診断基準では症例の10%)(6, 7)。その機序は血管内での溶血および遊離ヘモグロビンの血漿中への放出に関連しており,遊離Hbが一酸化窒素を吸着し,活性酸素種を生成し,止血機構を活性化することによる。鎌状赤血球症におけるその他の肺高血圧症の危険因子には,鉄過剰,肝機能障害,血栓性疾患,および慢性腎臓病などがある。

表&コラム
表&コラム

病因論に関する参考文献

  1. 1.Cuthbertson I, Morrell NW, Caruso PBMPR2 Mutation and Metabolic Reprogramming in Pulmonary Arterial Hypertension. Circ Res 132(1):109–126, 2023.doi:10.1161/CIRCRESAHA.122.321554

  2. 2.Eyries M, Montani D, Girerd B, et al: EIF2AK4 mutations cause pulmonary veno-occlusive disease, a recessive form of pulmonary hypertension.Nat Genet 46(1):65-9, 2014.doi: 10.1038/ng.2844

  3. 3.Girerd B, Weatherald J, Montani D, Humbert M: Heritable pulmonary hypertension: from bench to bedside.Eur Respir Rev 26(145):170037, 2017. doi: 10.1183/16000617.0037-2017

  4. 4.Cornet L, Khouri C, Roustit M, et al: Pulmonary arterial hypertension associated with protein kinase inhibitors: a pharmacovigilance-pharmacodynamic study.Eur Respir J 9;53(5):1802472, 2019. doi: 10.1183/13993003.02472-2018

  5. 5.Simonneau G, Montani D, Celermajer DS, et al: Haemodynamic definitions and updated clinical classification of pulmonary hypertension.Eur Respir J 53(1):1801913, 2019. doi: 10.1183/13993003.01913-2018

  6. 6.Fonseca GH, Souza R, Salemi VM, Jardim CV, Gualandro SF: Pulmonary hypertension diagnosed by right heart catheterisation in sickle cell disease. Eur Respir J 39(1):112–118, 2012.doi:10.1183/09031936.00134410

  7. 7.Parent F, Bachir D, Inamo J, et al: A hemodynamic study of pulmonary hypertension in sickle cell disease. N Engl J Med 365(1):44–53, 2011.doi:10.1056/NEJMoa1005565

肺高血圧症の病態生理

肺高血圧症を引き起こす病態生理学的機序としては以下のものがある:

  • 肺血管抵抗の上昇

  • 肺静脈圧の上昇

  • 先天性心疾患による肺静脈血流量の増加

肺血管抵抗の上昇

肺血管抵抗の上昇は以下によって引きこされる:

  • 病的な血管収縮

  • 肺血管床の閉塞

肺高血圧症は,様々な原因による血管収縮(ときに病的なものを含む),ならびに血管内皮および平滑筋の増殖,肥大化,慢性炎症,そしてその結果起こる血管壁のリモデリングを特徴とする。血管収縮は,トロンボキサンおよびエンドセリン-1(ともに血管収縮物質)の活性上昇,ならびにプロスタサイクリンおよび一酸化窒素(ともに血管拡張物質)の活性低下が一因であると考えられている。

血管閉塞による肺血管圧の上昇が,血管内皮をさらに傷害する要因となる。血管内膜表面の傷害により凝固が活性化され,それがさらに高血圧を悪化させうる。

血小板機能異常,プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1およびフィブリノペプチドAの活性上昇,ならびに組織プラスミノーゲンアクチベーターの活性低下による血栓性凝固障害もまた肺高血圧の一因となりうる。血小板は刺激されると,血小板由来増殖因子(PDGF),血管内皮増殖因子(VEGF),および形質転換増殖因子β(TGF-β)などの線維芽細胞および平滑筋細胞の増殖を亢進する物質を分泌するが,これにより血小板もまた重要な役割を担っている可能性がある。血管内皮表面の局所的な凝固を,慢性の血栓塞栓性肺高血圧症(器質化した塞栓による肺高血圧症)と混同してはならない。

BMPR2遺伝子の変異は,遺伝性PAHの大半の症例の原因であり,特発性PAHでもみられる。異常なBMPR2シグナル伝達によってTGF-β/BMPバランスが損なわれ,肺動脈平滑筋細胞および内皮細胞における増殖および抗アポトーシス作用が促進される。したがって,BMPR2シグナル伝達は,肺高血圧症治療の標的としてますます研究が進んでいる(1)。

肺静脈圧の上昇

肺静脈圧の上昇は典型的には,左心を侵し左心圧を上昇させる疾患によって引き起こされる(これらの病態では最終的に肺静脈の圧上昇につながる)。肺静脈圧の上昇は,肺胞-毛細血管壁に急性の損傷をもたらし,引き続いて浮腫を引き起こす可能性がある。持続的な高血圧は,最終的に肺胞-毛細血管膜の不可逆的な肥厚をもたらし,肺の拡散能の低下を引き起こす可能性がある。

最も一般的には,肺静脈高血圧は駆出率が保持された左心不全(HFpEF)で発生し,典型的には高血圧およびメタボリックシンドロームを有する比較的高齢の女性にみられる。左心疾患に関連する肺高血圧症の患者では,肺血管抵抗(PVR,経肺圧較差を心拍出量で割った値と定義される)の上昇が転帰の悪化と関連している。

大半の患者において,肺高血圧症は最終的に右室肥大を経て右室拡大そして右室不全に至る。右室不全になると,労作時の心拍出量が制限される。

肺静脈血流量の増加

先天性心疾患による肺静脈血流量の増加によって,肺高血圧症が引き起こされる可能性がある。例えば,心房中隔欠損症心室中隔欠損症動脈管開存症などの病態で生じることがあり,おそらくは特徴的な肺血管病変が発生することによる。しかしながら,肺血流量の増加による真の影響は十分に解明されておらず,肺血管抵抗または第2の刺激を伴って初めて,血流量の増加が血管閉塞につながる可能性がある。

病態生理に関する参考文献

  1. 1.Cuthbertson I, Morrell NW, Caruso PBMPR2 Mutation and Metabolic Reprogramming in Pulmonary Arterial Hypertension. Circ Res 2023;132(1):109-126.doi:10.1161/CIRCRESAHA.122.321554

肺高血圧症の症状と徴候

進行性の労作時呼吸困難と易疲労性がほぼ全ての患者に起こる。呼吸困難に伴い,非典型的な胸部不快感や労作時のふらつきまたは失神前状態がみられることがあり,こういった臨床像は疾患がより重症であることを示唆する。これらの症状は,右心不全により十分な心拍出量を得られないことに主に起因する。

進行例では右心不全の徴候として,傍胸骨拍動,II音の著しい分裂,II音肺動脈成分(P2)の亢進,肺動脈駆出音,右室III音,三尖弁逆流による雑音,および頸静脈怒張(v波を伴うことがある)などがみられることがある。うっ血肝および末梢浮腫はよくみられる後期の臨床像である。

肺の聴診は通常正常である。

原因疾患または関連疾患の症候がみられることもある。

肺高血圧症の診断

  • 一般的な主症状:労作時呼吸困難および疲労感

  • 初期評価:胸部X線,心電図,および心エコー検査

  • 基礎疾患の同定:肺機能検査,肺換気血流シンチグラフィーまたはCT血管造影,胸部の高分解能CT(HRCT),睡眠ポリグラフ検査,HIV検査,血算,肝機能検査,および自己抗体検査

  • 診断の確定と重症度の評価:肺動脈(右心)カテーテル

  • 重症度判定のための追加検査:6分間歩行試験およびN-末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)またはBNPの血漿中濃度の測定

著明な労作時呼吸困難を有する患者で,それ以外の点では比較的健康であり,かつ肺症状を引き起こすことが知られている他の疾患の病歴または徴候を有さない場合には,肺高血圧症が疑われる(1)。

呼吸困難のより一般的な原因を同定するため,最初に胸部X線肺機能検査,および心電図を行い,次に右室機能および肺動脈収縮期圧の評価ならびに肺高血圧症を引き起こしうる左心の構造的疾患の検出を目的とした経胸壁ドプラ心エコー検査を行う。

血算を行い,赤血球増多,貧血,および血小板減少の有無を確認する。

肺高血圧症で最もよくみられるX線所見は,拡張した肺門部血管が末梢に向かって急激に細くなる像,および側面像で右室が前方の気腔を埋めつくしている像である。

心電図所見としては,右軸偏位,V1におけるR > S,S1Q3T3パターン(右室肥大を示唆する),II誘導における先鋭P波(右房拡大を示唆する)などがある。

臨床的に明らかとなっていない二次性の原因の診断のため,必要に応じて追加検査を実施する。追加検査には以下ものが含まれる:

  • 肺換気血流シンチグラフィーまたはCT血管造影(血栓塞栓性疾患の検出のため)

  • CT血管造影を受けていない患者では,肺実質の疾患について詳細な情報を得るために高分解能CT

  • 肺機能検査(スパイロメトリー,肺気量,および肺拡散能[DLCO]など:閉塞性または拘束性肺疾患を同定するため)

  • 血清自己抗体検査(例,抗核抗体[ANA],リウマトイド因子[RF],Scl-70[トポイソメラーゼI],抗Ro抗体(抗SSA抗体),抗リボ核タンパク質抗体[抗RNP抗体],および抗セントロメア抗体:関連する自己免疫疾患を裏付けるまたは否定する所見を得るため)

  • 睡眠ポリグラフ検査(閉塞性睡眠時無呼吸症候群を同定するため)

慢性血栓塞栓性肺高血圧症の診断は,CT血管造影または肺換気血流(VQ)シンチグラフィーの所見により示唆され,動脈造影により確定する。CT血管造影は近位部の血栓および血管内腔の線維化を評価するのに有用である。HIV検査,肝機能検査,睡眠ポリグラフ検査などの他の検査を,それぞれ適切な臨床状況下で実施する。

初期評価で肺高血圧症が示唆される場合,以下の測定のため,肺動脈カテーテル検査を行う必要がある:

  • 右房圧

  • 右室圧

  • 肺動脈圧

  • 肺動脈楔入圧

  • 心拍出量

  • 左室拡張期圧

心房中隔欠損を介した左右短絡を除外するために,右心系の酸素飽和度も測定すべきである。平均肺動脈圧 > 20mmHgで肺動脈楔入圧 ≤ 15mmHgかつ肺血管抵抗 > 2 Wood単位という所見があれば,基礎にPAHがある患者を同定できる。

吸入一酸化窒素やエポプロステノール静注,アデノシン静注などの肺血管を速やかに拡張する薬剤が,特発性,遺伝性,または薬物誘発性PAH患者のカテーテル挿入時にしばしば投与される。これらの薬剤に反応し右心系の圧が低下すれば,治療薬選択の際の参考になる可能性がある。

肺生検は必要ではなく,検査関連の合併症発生率および死亡率が高いため推奨もされていない。

心エコー検査による右心収縮機能障害の所見(例,三尖弁輪収縮期移動距離)および右心カテーテル検査でみられる特定の結果(例,心拍出量低下,平均肺動脈圧著高,および右房圧高値)は肺高血圧症が重症であることを示唆する。

肺高血圧症における重症度の他の指標は,予後の評価および治療への反応のモニタリング補助に使用される。具体的には,6分間歩行距離の低値やN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-pro-BNP)または脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血漿中濃度の高値などがある。

肺高血圧症が診断された段階で,遺伝の可能性を検出するために患者の家族歴を聴取すべきである(例,他の点では健康であった親族の若年死など)。家族性PAHでは遺伝カウンセリングが必要であり,その中で発症リスク(約20%)を遺伝子変異キャリアに伝え,心エコーによるスクリーニング検査を繰り返し受けることを勧める(2)。特発性PAHにおけるBMPR2遺伝子変異の検査は,リスクがある家系員の同定に役立つ可能性がある。患者がBMPR2変異陰性であれば,リスクのある血縁者を同定する上でSMAD9KCN3,およびCAV1の遺伝子検査がさらに役立つ可能性がある。

診断に関する参考文献

  1. 1.Humbert M, Kovacs G, Hoeper MM, et al.2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension. Eur Respir J 2023;61(1):2200879.Published 2023 Jan 6.doi:10.1183/13993003.00879-2022

  2. 2.Morrell NW, Aldred MA, Chung WK, et al.Genetics and genomics of pulmonary arterial hypertension. Eur Respir J 2019;53(1):1801899.doi:10.1183/13993003.01899-2018

肺高血圧症の治療

  • 状態を悪化させる行為(例,喫煙,高地,妊娠,交感神経刺激薬の使用)の回避

  • 特発性および家族性肺動脈性肺高血圧症:エポプロステノールの静脈内投与;プロスタサイクリン誘導体の吸入,経口,皮下,または静脈内投与;エンドセリン受容体拮抗薬の経口投与;ホスホジエステラーゼ5阻害薬の経口投与,可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬の経口投与;プロスタサイクリン(IP2)受容体作動薬の経口投与

  • 二次性肺動脈性肺高血圧症:基礎疾患の治療

  • 肺移植

  • 補助療法:酸素投与,利尿薬,かつ/または抗凝固薬

肺動脈性肺高血圧症,第1群

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療は急速に進歩している。薬剤はPAHの発生に関与する以下の5つの経路の異常を標的としている:

  • エンドセリン経路

  • 一酸化窒素経路

  • プロスタサイクリン経路

  • アクチビン受容体シグナル伝達経路

  • 炎症経路

エンドセリン経路は,経口エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)であるボセンタン,アンブリセンタン,およびマシテンタンが標的としている。

一酸化窒素経路は,経口ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬であるシルデナフィル,タダラフィル,およびバルデナフィルの標的である。リオシグアトは可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬であるが,一酸化窒素経路を通じて作用する。

プロスタサイクリン経路は,プロスタサイクリン誘導体であるエポプロステノール静注が標的としており,カテーテル挿入時に血管拡張薬に反応しない患者であっても機能改善がみられ生存期間が延長する(1)。欠点は中心静脈カテーテルによる注入を持続的に行う必要があること,また紅潮,下痢,留置カテーテルによる菌血症など,重大な有害作用がしばしばみられることである。プロスタサイクリン誘導体は,吸入,経口,または皮下もしくは静脈内投与(イロプロストおよびトレプロスチニル)が可能である。セレキシパグは,経口で高い生物学的利用能が得られる低分子薬であり,プロスタサイクリン受容体を活性化し,死亡率と罹病率を減少させる(2)。

アクチビン受容体シグナル伝達経路は肺高血圧症に関与していることが最近示唆されており,アクチビンシグナル伝達阻害薬であるソタテルセプトがこれを標的としている。この経路の調節異常は,肺動脈性肺高血圧症における血清中および肺のアクチビンA,アクチビンB,フォリスタチン,follistatin-Like-3値の上昇,ならびにインヒビンα値の低下を特徴とする(3)。形質転換増殖因子β(TGF-β)スーパーファミリーの一員であるこれらのタンパク質は,肺血管のリモデリングへの関与が示唆されており,PAHにおける死亡率の予測に役立つ。

遺伝性PAH患者および特発性PAH患者では,BMPR2の変異が最もよくみられる。BMPR2遺伝子は,TGF-βスーパーファミリーの一員でもあるBMPタンパク質をコードしている。ソタテルセプトは,BMPシグナル伝達関連のPAH患者において,制御不能となっている増殖抑制(BMP)および増殖促進(アクチビン)シグナル伝達経路のバランスを回復させるのに役立つ。肺高血圧の基礎療法にソタテルセプトを加えると,用量依存的に肺血管抵抗が低下した。この変化は,肺動脈楔入圧や心拍出量ではなく,平均肺動脈圧の低下によるものであった。この結果は,基礎療法(プロスタサイクリン点滴療法を含む)の全てのサブグループで一貫していた (4)。標準治療を基礎療法とし,ソタテルセプトまたはプラセボを追加した第3相試験において,ソタテルセプトを投与された患者は24週時点の6分間歩行試験で有意な改善を示した。ソタテルセプトにランダムに割り付けられた患者では,肺血管抵抗,NT-proBNP値,生活の質,死亡リスク,および世界保健機関(World Health Organization:WHO)機能分類においても有意な改善が認められた(5)。

炎症経路は,低分子キナーゼ阻害薬であるセラルチニブ(seralutinib)が標的としており,これは肺動脈平滑筋細胞の肥大や増殖,およびPAHで生じる血管周囲の炎症を治療する薬剤である。セラルチニブ(seralutinib)は,血小板由来増殖因子受容体αおよびβ,コロニー刺激因子1受容体,ならびに肥満細胞/造血幹細胞増殖因子受容体kitに対する強力な阻害薬である(6)。第2相試験において,PAHの機能分類IIまたはIIIの患者(の表を参照)にセラルチニブ(seralutinib)を投与したところ,肺血管抵抗の有意な低下が認められた(7)。

表&コラム
表&コラム

最初の治療アプローチに関するガイドラインでは,カテーテル検査室での血管反応性試験の施行が推奨されている。血管反応性がみられる場合は,カルシウム拮抗薬で治療すべきである。血管反応性がない患者は機能分類に基づいて治療すべきである(の表を参照)。WHO機能分類IVで胸痛や失神などの高リスク所見を認める患者には,プロスタサイクリンの静脈内投与または皮下投与とアンブリセンタン(ERA)およびタダラフィル(PDE5)の併用療法を開始すべきである(8)。WHO機能分類IVで高リスクの特徴がみられない患者には,アンブリセンタンとタダラフィルまたはマシテンタン(ERA)とタダラフィルの併用療法を開始すべきである(9, 10)。

まれな例外を除き,第1群および第4群の肺高血圧症患者には一般に併用療法が望ましく,それを裏付けるエビデンスが増加しつつある。例えば,経口アンブリセンタン10mgおよび経口タダラフィル40mgによるそれぞれの単剤療法と,これら2剤を1日1回服用する併用療法の効力を比較したランダム化試験では,併用療法においてNT-proBNP値が有意に減少し,6分間歩行の距離が伸び,満足できる臨床反応の割合が上昇した(11)。さらに,単剤療法と比べて,併用療法の方が有害な臨床転帰(死亡,入院,疾患の進行,または長期的な転帰不良)が少なかった。この例は,PAHの治療を併用療法で開始し,複数の経路を標的にすることを支持するものである。なお,ホスホジエステラーゼ5阻害薬はリオシグアト(可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬)と組み合わせることはできない;どちらのクラスもサイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)濃度を高める作用があり,両者の併用は危険なレベルの低血圧につながる可能性があるためである。重度の右心不全があり,突然死のリスクが高い患者では,プロスタサイクリン誘導体の静脈内または皮下投与を含む併用レジメン(典型的にはPDE5阻害薬およびERAとの併用)による治療の早期開始が有益となりうる。

SERAPHIN試験では,マシテンタンの単独での使用またはPAHに対する基礎療法(主にホスホジエステラーゼ5阻害薬との併用)としての使用により,罹病率と死亡率が有意に低下することが実証された(12)。PATENT-1試験では,リオシグアトは,エンドセリン受容体拮抗薬またはプロスタサイクリン誘導体の投与を受けている患者に連続併用療法として使用した場合(単独で用いた場合と同様に),6分間歩行の距離を延長し,肺血管抵抗を低下させ,機能分類のクラスを改善した(13)。FREEDOM-EV試験では,ERAまたはPDE5阻害薬によるベースラインの単剤療法に経口トレプロスチニルを追加することが,臨床的悪化の軽減,NT-proBNPの減少,機能分類のクラスの改善,および6分間歩行距離の改善に関してプラセボよりも効果的であったことが明らかにされた(14)。

セレキシパグ(プロスタサイクリン経路に作用する)は,PDE5阻害薬,ERA,またはその両方と併用した場合で,プラセボと比べて罹病率と死亡率が低かった(15, 16)。しかしながら,複数の研究から,マシテンタンタダラフィル,およびセレキシパグの初期3剤併用療法は,マシテンタンおよびタダラフィルの初期2剤併用療法と比較して,肺血管抵抗および血行動態を改善しないことが示唆されている(9)。特発性,遺伝性,薬物もしくは毒素誘発性,または全身性リウマチ性疾患関連のPAH患者における特定の臨床シナリオでは,ERA/PDE5阻害薬の2剤併用による経口療法を受けている患者に対してセレキシパグを追加することが推奨される(17)。

一部のサブグループには,異なる治療が行われることがある。プロスタサイクリン誘導体,エンドセリン受容体拮抗薬,およびグアニル酸シクラーゼ刺激薬は主に特発性PAHにおいて研究されてきた;しかしながら,これらの薬剤は慎重に使用すれば(薬物代謝および薬物間相互作用に注意しながら),全身性リウマチ性疾患,HIV,または門脈肺高血圧症によるPAHの患者に対しても投与できる。肺静脈閉塞症によるPAHの患者に血管拡張薬を使用すると,壊滅的な肺水腫が発生するリスクがあるため,血管拡張薬の使用は避ける必要がある(18)。

肺移植は治癒が期待できる唯一の治療であるが,拒絶反応(閉塞性細気管支炎症候群)と感染のため合併症発生率が高い。5年生存率は50%である(19)。肺移植の適応となるのは,クラスIV(最小限の活動で呼吸困難が生じることで,生活が座位または臥位に限定されている場合と定義される)の患者,または先天性心疾患を合併しており他の全ての治療が不成功に終わった患者において,移植対象となるためのその他の基準を満たしている場合である。

心不全治療のための補助療法(利尿薬など)は多くの患者に必要となる。大半の患者には,禁忌でない限りワルファリンを投与すべきである。

肺高血圧症,第2群~第5群

主な治療として基礎疾患の管理を行う。左心疾患の患者では弁膜症に対する手術が必要になることがある。左心疾患に続発した肺高血圧症に対してPAHに特異的な治療法を用いることの有益性を示した多施設共同試験はない。このため,第2群の患者にこれらの薬剤を使用することは推奨されない。ただし,吸入プロスタサイクリン誘導体製剤であるトレプロスチニルは,運動耐容量を改善することが示されている。

肺疾患および低酸素症のある患者では,原疾患の治療に加え,酸素投与もまた有益である。COPD(慢性閉塞性肺疾患)における肺血管拡張薬の使用を支持する決定的なエビデンスはない。吸入トレプロスチニルは,間質性肺疾患に続発した肺高血圧症患者の運動耐容量を改善することが示されている(20)。間質性肺疾患に続発した肺高血圧症では,臨床試験での有害事象の増加のため,リオシグアトとERAの使用は一般に禁忌である(21, 22)。

慢性血栓塞栓症に続発した重度の肺高血圧症の患者に対する第1選択の治療法としては,外科的介入である肺動脈血栓内膜摘除術などがある。これは人工心肺を用いて,血管内皮に器質化した血栓を肺血管に沿って剥離する方法であるが,これは急性期の外科的塞栓除去術よりも複雑な処置である。この処置により,相当な割合で肺高血圧症が治癒し,患者の心肺機能が回復する;症例数が多い施設での手術による死亡率は5%未満である(23)。バルーン肺動脈形成術も別の選択肢である。この手技は,肺動脈内膜摘除術の適応がない有症状の患者に対して専門施設でのみ行われるべきである。リオシグアトは,手術適応のない患者や便益に対してリスクが高すぎる患者の運動耐容量と肺血管抵抗を改善した(13)。マシテンタンも,手術不能の慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者において肺血管抵抗,6分間歩行試験,およびNT-proBNPの値を改善することが示されている(24)。マシテンタンは,リオシグアトなど他のPAH治療薬と併用する場合に安全であることも示されている(25)。

肺高血圧症を伴う鎌状赤血球症の患者には,適応に応じてヒドロキシカルバミド,鉄キレート療法,および酸素投与による積極的な治療を行う。症状を有する患者で,右心カテーテル検査で(PAHの病態生理と同様)肺動脈楔入圧は正常かつ肺血管抵抗の上昇を認める場合は,肺血管拡張薬の選択的投与(エポプロステノールまたはエンドセリン受容体拮抗薬)が考慮されうる。シルデナフィルは鎌状赤血球症患者では疼痛発作の回数を増加させるため,その使用は,血管閉塞クリーゼが高度ではなく,かつ患者がヒドロキシカルバミドまたは輸血による治療を受けている場合に限定すべきである。

治療に関する参考文献

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肺高血圧症の予後

治療を受けた患者の5年無移植生存率は約50%である(1)。しかしながら,一部の症例登録からは,より低い死亡率が示唆されており(例,REVEALレジストリーでは1~3年で10~30%[2]),これはおそらく現在利用できる治療法が以前より優れているためと考えられる。予後不良の指標には以下のものがある:

  • 血管拡張薬への反応がみられない

  • 低酸素血症

  • 全般的な身体機能の低下

  • 6分間歩行の距離が短い

  • 血漿中NT-pro-BNPまたはBNP高値

  • 心エコー検査で認められる右心収縮機能障害の指標(例,三尖弁輪収縮期移動距離が1.6cm未満,右室拡大,中隔の奇異性運動を伴う心室中隔の平坦化,および心膜液貯留)

  • 右心カテーテル検査で,心拍出量低値,平均肺動脈圧著高,かつ/または右房圧高値

全身性強皮症,鎌状赤血球症,またはHIV感染症の患者が肺動脈性肺高血圧症(PAH)を伴う場合,PAHを伴わない場合と比べて予後が悪い。

予後に関する参考文献

  1. 1.Hendriks PM, Staal DP, van de Groep LD, et al: The evolution of survival of pulmonary arterial hypertension over 15 years. Pulm Circ 12(4):e12137, 2022.doi:10.1002/pul2.12137

  2. 2.McGoon MD, Miller DP: REVEAL: a contemporary US pulmonary arterial hypertension registry. Eur Respir Rev 21(123):8–18, 2012.doi:10.1183/09059180.00008211

要点

  • 肺高血圧症は5群に分類される。

  • 臨床的に明らかな他の心疾患または肺疾患で説明できない呼吸困難を認める患者では,肺高血圧症を疑う。

  • 評価は胸部X線,肺機能検査,心電図,および経胸壁ドプラ心エコー検査により開始する。

  • 右心カテーテル検査により診断を確定する。

  • 第1群は血管拡張薬の併用で治療し,効果がなければ肺移植を考慮する。

  • 第3群には吸入トレプロスチニルによる治療を考慮する。

  • 第4群は,患者に手術適応がない場合を除き,肺動脈血栓内膜摘除術により治療する。

  • 第2群,第3群,および第5群は,基礎疾患の管理と対症療法により治療し,ときにその他の対策を用いる。

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