肝硬変

レビュー/改訂 修正済み 2025年 4月
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肝臓とはどのような臓器ですか?

肝臓は、おなかの右側、肋骨のすぐ下にある、アメフトボールくらいの大きさをした臓器です。次のような、たくさんの大切な働きをしています。

  • 脂肪の消化を助ける液体(胆汁)をつくる

  • 消化管で吸収された栄養を処理する

  • 血が固まるのを助けるタンパク質をつくる

  • 薬や毒を分解して、体の外に出せるようにする

消化器系

肝硬変とはどのような病気ですか?

肝硬変は、肝臓の正常な組織が瘢痕組織に置きかわる肝臓の病気です。瘢痕組織は、肝臓にがくり返し傷つくにつれて、大きくなっていきます。

  • 肝硬変はおもに、お酒を長い間飲み続けること、ウイルス性肝炎になること、または肝臓に脂肪がたまること(脂肪肝)が原因で起こります。

  • 症状には、おなかが減らない、体重が減る、全身の脱力感や疲労感などがあります。

  • 医師は、肝硬変による症状や異常を治療できることもありますが、肝臓の傷はいつまでも治りません。

肝硬変の合併症はどのようなものですか?

重い肝硬変が長い間続くと、いくつかの問題が起こってきます。

肝不全になると、多くの深刻な合併症を引き起こします。

  • 大量の出血

  • 脳の機能障害(脳が正しく働かなくなること)

  • 腎不全

  • 食べものの消化や吸収が難しい

門脈圧亢進症が起きると、肝臓につながる静脈の中で血液が逆流します。そのような静脈は太くなり、ヘビのように曲がることがあります。食道の下の方、胃、または直腸にある静脈が影響を受けます。太くなり曲がった静脈はもろく、出血しやすいため、次の症状が起こることがあります。

  • 大量の血液を吐く

  • おしりからたくさんの血が出る

出血がゆっくりでも長時間続くと、血液の細胞が減る、貧血という状態になることがあります。出血が速いペースで起きると、血圧が危険なレベルにまで下がることがあります(ショック)。死んでしまう可能性もあります。

肝臓がんが発生することがあります。もしあなたに肝硬変があるなら、肝臓がんがないか調べるために、医師が6カ月ごとに超音波検査をします。

肝硬変の原因は何ですか?

肝硬変の最も多い原因には、次のものがあります。

  • 長い期間にわたるお酒の飲みすぎ

  • 慢性(長く続く)B型またはC型肝炎

肝硬変にはどのような症状がありますか?

肝硬変がある人の多くは、何年間も症状がない状態が続きます。

症状が出る場合は、次のような症状がみられます。

  • 疲れやだるさ

  • おなかが減らず、体重が減る

  • 黄疸(皮膚と白目が黄色くなること)

  • 小さな点や大きめの斑点の形をした、赤紫色の発疹

  • 全身のかゆみ

肝硬変の原因がお酒や長い間続いた肝臓の病気である場合は、次の症状もみられることがあります。

  • 筋肉が減る

  • 手のひらの赤み

  • おなかの腫れ(水がたまることが原因)

  • 皮膚に明るい赤色の小さな点が現れ、その周りに細い血管が何本か見え、クモの足のように見える(くも状血管腫

  • 唾液腺の腫れ:唾液をつくっている腺

  • 乳房が腫れ、精巣が小さくなり、わきの下の毛が少なくなる(男性の場合)

医師はどのようにして、私が肝硬変かどうかを判断しますか?

あなたがお酒を飲みすぎているか、肝炎があって、加えて、上に書かかれた症状の一部がみられる場合、医師は肝硬変を疑います。あなたが肝硬変かどうかを判断するために、医師は次のことをします。

  • 肝臓がどれくらい働いているか確かめるための血液検査をする(実際に肝硬変があるかどうかを判断できる血液検査はありません)

  • 超音波検査CT検査など、肝臓の画像検査をすることもある

ほかの検査で結果がはっきりしない場合は、肝生検(肝臓の一部を少しだけ取って、顕微鏡で見て調べる検査)が必要になることがあります。

医師は肝硬変をどのように治療しますか?

肝硬変を治せる治療法はありません。肝臓の傷はいつまでも消えません。医師は症状を治療します。次のようにすることで、肝硬変が悪くなるのを防ぐこともできます。

  • お酒を飲むのをやめる

  • C型慢性肝炎の人は、薬を飲んで治療する

  • 肝臓に負担をかける薬(アセトアミノフェンなど)を使わない

  • 自分にあった食べものを食べる

もし門脈圧亢進症があって、食道(のどと胃をつないでいる管)に太くてねじれた静脈がある場合は、医師は次の治療をすることがあります。

  • 肝臓の静脈の中の圧力を下げるために、ベータ遮断薬という種類の薬をあなたに出す

  • やわらかい内視鏡で、のどの中を上から見て、太くなった静脈の中に薬を注射するか、その周りに特別な輪ゴムを巻いて、その静脈をふさいでしまう

これらの方法がうまくいかない場合は、医師が門脈から血液が流れる経路を変え、血圧を下げる治療をすることがあります。

肝臓の状態がとても悪く、肝臓がほとんど働いていない場合は、肝移植(悪くなった肝臓をほかの人の健康な肝臓に取りかえる手術)が必要かもしれません。アルコールは新しい肝臓も傷つけてしまうため、医師はふつう、お酒を飲むのをやめた人にしか肝移植をしません。

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